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「Grey Gardens」ってどんなミュージカル?

2009-04-08 12:49:52 | Michael 09 Grey Gardens
Michael君(マイケル・グルーバー)が出演中のミュージカル「Grey Gardens」は、いったいどんな作品なんでしょうか?(写真は、昨年の夏、コスタメサで撮ったものです。)

このミュージカルは、1975年の同タイトルのドキュメンタリー映画をもとに作られたミュージカルで、脚本:Doug Wright、作曲:Scott Frankel、作詞:Michael Korie。ケネディ大統領夫人だったジャクリーン・ケネディのおばと従姉妹に当たる実在の女性、Edith Ewing Bouvier Beale (通称:ビッグ・イーディ)とEdith Bouvier Beale (通称:リトル・イーディ)の人生を描いた作品です。

舞台は、ニューヨークのイーストハンプトンにあるブーヴィエ家の豪邸「グレイ・ガーデンズ」で、彼女達のかつて(1940年代)の華やかで洗練された裕福な特権階級の暮らしと、現在(1970年代)の見る影もなく荒れ果てたかつての豪邸で何匹もの猫を飼い、あまりの不衛生さに郡衛生局から立ち退き命令が出されるほどだった晩年の惨めな暮らしを比較しながら、母と娘の間のもつれにもつれた確執を描いています。

作品は2幕で、1幕目は1941年、リトル・イーディは24歳でビッグ・イーディは47歳。彼女達の人生を左右する重要な出来事が起きた日を描いており、2幕目は1973年、リトル・イーディは56歳、ビッグ・イーディは79歳で、1975年のドキュメンタリー映画をそのまま舞台に再現したような内容です。1幕目でビッグ・イーディを演じた女優が、2幕目でリトル・イーディを演じます。1幕目に出演していたその他の俳優さん達も、2幕目では、過去の幻として1幕目と同じ役で登場したり、別の役で登場したりします。

2006年にニューヨークのOff-Broadway劇場、Playwrights Horizonsで開幕、賛否両論の批評を受けましたが、主演の2人、Christine EversoleとMary Louise Wilsonが高い評価を受け、Lucille Lortel賞で5部門、Drama Desk賞で12部門のノミネートを受けました。2006年2月10日から4月30日までOff-Broadwayで上演された後、同年8月22日にOff-Broadwayキャストによるアルバムをリリース。ビッグ・イーディとリトル・イーディを演じたChristine Ebersoleは、Obie賞、Drama Desk賞、Outer Critics Circle賞を獲得、またNew York Drama Critics' CircleとDrama League賞から特別表彰を受けました。

その後、若干の手直しが加えられた後、2006年11月2日からWalter Kerr TheatreでOn-Broadway公演が開幕、2007年7月29日の閉幕までに307回上演されました(プレビュー公演が33公演で、合計すると340公演)。

このOn-Broadway作品は、批評家から大絶賛されました。Time Magazineは、「2006年の最高のショー」とまで称え、2007年度のTony賞で10部門にノミネートされ、うち3部門(最優秀主演女優賞〔Christine Eversole〕、最優秀助演女優賞〔Mary Louise Wilson〕、最優秀衣装デザイン賞)を受賞しました。

オリジナルBroadwayキャストによるアルバムは、2007年3月27日にPS Classicsからリリースされ、2008年のグラミー賞に最優秀ミュージカル・ショー・アルバム部門でノミネートされました。



ストーリーは、以下の通りです。

1941年7月。その日は、ビール家の令嬢のリトル・イーディとケネディ家の長男のジョーとの婚約発表のパーティが、彼女と母親のビッグ・イーディが住むグレイ・ガーデンズで行われる予定になっていた。日頃は仕事の虫で、別居中の妻が住むこの屋敷には寄りつかない夫も、愛娘の婚約パーティに出席するために、夕方にはやってくる予定になっていた。

ビッグ・イーディは、伴奏者で屋敷に同居しているジョージ・グールド・ストロング(Michael君が演じる役)と共に、娘が主役のパーティで自分のリサイタルを行おうと、9曲ものタイトルが書かれたプログラムまで用意して、娘の目を盗んでリハーサルに余念がなかった。

歌やダンスの才能があり、ナイトクラブでショーをしたこともあるリトル・イーディは、Broadwayやハリウッドの女優を夢見ていたが、大統領になることを目標としているジョーのために、彼と共に生きていこうと思うのだった。

リトル・イーディがプログラムを発見し、母とグールドが何を計画しているかを知ってしまい、何とか母を止めようと祖父にプログラムを見せる。日頃から娘の家柄をわきまえない行動に腹を据えかねていた父親に手ひどく叱りつけられ、落ち込むビッグ・イーディ。
見かねたリトル・イーディが母を励まし、いっしょに歌を歌って仲直りをした。ほっとしたリトル・イーディが着替えに行っている間に、彼女宛に父から届いた電報を、ビッグ・イーディが開けて読んでしまう。この電報がきっかけとなって、幸せな雰囲気のグレイ・ガーデンズの雲行きが怪しくなってくる・・・(ご覧になったことのない方のために、前半のクライマックスは、明かさないでおきますね。)

時は流れて、1973年。見る影もなく荒れ果てたグレイ・ガーデンズに、ビッグ・イーディが猫を呼ぶ声が響いていた。すっかり年老いた彼女は、見る影もないみすぼらしい姿になっていた。若く美しかったリトル・イーディも、すでに50代半ば。奇妙な服を身にまとい、頭は常にスカーフ等で覆っていた。

何匹もの猫とアライグマが住みつくボロ屋敷で、母と娘は、時に昔を懐かしみながらいっしょに歌を歌い、時に互いを責め、罵り合いながら暮らしていた。
ラジオやレコードに合わせて歌を歌ったり、昔を懐かしんでグチをこぼしたりする彼女達の周りには、かつて華やかだった時代にこの屋敷に集っていたグールド、ジョー、若かった頃のリトル・イーディ、リトル・イーディの祖父達の思い出が、幻となって現れたり、ラジオやレコードのパフォーマーが現れたりする。

今でもマイペースでわがままな母親の面倒を見るだけの生活に疲れたリトル・イーディは、母との決別を決意し、とうとう鞄に荷物を詰めて屋敷の玄関を出るのだったが・・・。


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