M for Michael Gruber♪- Mは、マイケル・グルーバーのM~♪

キャッツDVDのマンカストラップ、アメリカの舞台俳優、Michael君のことや、ブロードウェイニュースをお伝えします。

Broadwayの新ザック

2008-03-17 12:33:00 | Michael 08 ACL
アメリカのTVで活躍しているMario Lopezさんが、「A Chorus Line」でBroadwayデビューを果たすそうです。(写真は、タイムズスクエアのネオンサインです。)

テレビの「Saved by the Bell」や「Extra TV」、「Dancing with the Stars」で知られるMario Lopezさんが、4月15日から9月7日まで、ザック役として「A Chorus Line」に出演することが決まったそうです。Lopezさんにとっては、これがBroadwayデビューになります。(ただし、5月11日から6月3日までは、休演するそうです。)

プロデューサーのBreglio氏によれば、「Marioはとても才能のある俳優で、優れたダンサーでもある。我々の『A Chorus Line』が彼のBroadwayデビューとなることは、実に喜ばしいことである。彼の才能と魅力は、Broadwayのステージでも、見事に発揮されることになるだろう。」とのことです。

またLopezさん本人は、「Broadwayの舞台に立つことは、俳優なら誰もが夢見ることです。もちろん僕もそうです。常に、Broadwayのステージに立つチャンスがないかと思っていました。今回、『A Chorus Line』という伝説的なミュージカルに出演するチャンスを与えられたことを誇りに思います。」と語ったそうです。

Lopezさんは、16歳の時にNBCのTVコメディ「Saved by the Bell」に出演して一躍有名になりました。現在は、「Extra TV」とMTVの「Randy Jackson Presents America's Best Dance Crew」でホストを務めています。その他、TVの「Holiday in Handcuffs」や「Husband for Hire」、「Dancing with the Stars」をはじめ、さまざまな作品・番組に出演しています。

2年目を迎えたBroadwayの「A Chorus Line (リバイバル」、新しいキャストを迎えて、ますます大勢のお客さんが見に来てくれるといいですね~!

「マクベス」を「あのスコットランドの劇」と呼ぶ理由

2008-03-06 00:26:14 | Musicals トリビア
劇場の中で、この作品名を呼ぶのは縁起が悪いとされていて、ただ「The Scottish Play」と呼ぶ習慣があるのだそうですが、いったいどうしてなのでしょうか? Playbill.comが掲載していた記事を、ご紹介いたしますね~。
(写真は、4月8日にBroadwayのLyceum Theatreでオープンする「Macbeth」のポスターです。主演は、パトリック・スチュアートさんです。)

「マクベス」の名前・タイトルを劇場の中で口にするのが不吉とされるようになった時期については諸説があり、定かではないそうです。しかし、この作品が「呪われた作品」と見なされるようになった理由には、いくつかの要因があります。
第一に、「マクベス」には、流血、幽霊、魔女、魔法をかけられる、主人公が残虐な性格にとりつかれてしまう等、呪われた作品と呼ばれるにふさわしい要素がふんだんに取り入れられているということがあります。

第二に、人々を惹きつける魅力を持ったこの作品は、長年に渡って、多くの劇場で上演が行われ、それぞれの劇場で公演を成功させるために懸命の努力が続けられてきました。そして、その間に起きた災難が、不運・呪いとして、いつしかこの作品に結びつけられるようになったのです。
そもそも「Macbeth」という作品そのものが、上演するのが難しい作品で、監督は、マクベスの殺人の後、ラストまでいかに盛り上がりを持続させるかに大変苦労することになります。

この作品が呪われた不運な作品であるという話は、大半は事実ではないのですが、そう思われても仕方がない例もいくつかあります。
1606年に初めて上演された時、Hal Berridgeという少年がマクベス夫人を演じたのですが、高熱のために亡くなってしまったと伝えられています。
また、この作品は、リンカーン大統領のお気に入りの作品だったそうで、大統領は、自分が暗殺される数日前に、ポトマックへの航海に、この作品を同行させたそうです。
1942年にJohn Gielgud主演でこの作品が上演されていた時には、3人の俳優が亡くなり、衣装係の1人が自殺を図ったそうです。
1953年にBermudaで上演された際には、初日の晩に、城が炎上するシーンで本当の火災になってしまい、チャールトン・ヘストン氏が観客の避難を誘導したのですが、足の付け根に火傷を負ってしまいました。ほかにも、ハプニングが発生したという例が数多く見られます。

Public Theaterで芸術監督を務めるOskar Eustis氏は、2006年にLiev Schreiberさん主演でこの作品を上演した時、「どうやら、出演している俳優が作中でマクベスの名前を呼ぶのは問題ないようだ。」とキャストに伝えたそうです。台本に書かれたセリフにマクベスの名前が含まれていれば、当然のことながら、キャストはその名を言わざるを得ないわけですから。

この呪いについては、Lee Blessing氏の「The Scottish Play」のように書物に記された作品もありますし、最近では、「Never Say Macbeth」という映画も作られています。

パトリック・スチュアートさん主演のBroadwayの「Macbeth」と言えども、この呪いのうわさを打ち消すのは難しいかも知れません。確かにハプニングの多い作品ですが、何の問題も起きず、大成功のうちに幕を閉じた公演も数多くあったのに、いまだに呪われた作品だと言われ続けているからです。

それでも、このBroadway作品が、人々の間に根強く残る呪われた作品だといううわさを打ち消すことができるかも知れない面白い方法を空想することは可能です。
たとえば、もし、シェイクスピア作品がかつて達成したこともないロングラン、1,000回とか2,000回とかを達成できたら、素晴らしい幸運に恵まれた作品と呼ぶことができるのではないでしょうか? あるいは、チケット完売の公演を1~2年続けることができたら? Katie Holmesさんの相手役をトム・クルーズが演じて、批評家から絶賛されたら?
もしNational TheatreのNick Hytner氏、ロイヤル・シェイクスピア劇団のMichael Boyd氏、Harold Bloom氏、エリザベスⅡ世、そして何人かの優れたエクソシストが一堂に会して呪いを打ち消す方法を話し合ったとしたら、いったい彼らは、どんな結論を出すのでしょうか?

ナズが、「Macbeth」が上演される時、縁起を担いで、劇場の中では(もちろん出演している俳優さん達が上演中に言う場合を除いて)決してそのタイトルを呼ばず、「The Scottish Play」と呼ぶ習慣があることを初めて知ったのは、2004年の夏にMichael君(マイケル・グルーバー)主演のミュージカル「Anything Goes」を見に、カナダのストラトフォードに行った時でした。
その年、ちょうど「Macbeth」を上演していたストラトフォードのメイン劇場で、舞台裏を見学できるツアーに参加した時、案内係の女性が、「今、皆さんは劇場の中にいるのだから、不運を招くといけないので、この作品のタイトルを口にしないで下さいね。」と言いながら、そういう習慣があることを話してくれました。
実は、その劇場で以前にも「Macbeth」を上演したことがあり、ある日の公演の時、大道具の大きくて重たいテーブルを持ち上げて移動する装置が故障してしまい、パーティのシーンを、「Macbeth」の時代にはありえなかった立食パーティとして演じるしかなくなってしまったんだそうです!
案内係の女性曰く、「その時、劇場の中で作品の名前を言ってしまった人がいたかどうかは確認できなかったんですが、私達は、きっと誰かが作品名を言ってしまったんだと、今でも思っているんです。」とのことでした~。