M for Michael Gruber♪- Mは、マイケル・グルーバーのM~♪

キャッツDVDのマンカストラップ、アメリカの舞台俳優、Michael君のことや、ブロードウェイニュースをお伝えします。

スタンリー・ドーネンってどんな人?- Who is Stanley Donen?

2005-06-28 00:24:15 | Michael 05 Glorious/Birdland
8/24から9/11まで、ミシガン州ソーガタック(Saugatuck)のMason Street Warehouseで上演されるMichael君(マイケル・グルーバー)の新しいミュージカル「What A Glorious Feeling」。 歴史に残る名作ミュージカル映画「Singin’ in the Rain」で共同監督を務めたジーン・ケリー(Gene Kelly)とスタンリー・ドーネン(Stanley Donen)の物語です。
主人公2人のうち、ジーン・ケリーについては、ミュージカルの黄金期を代表するスターの一人ですし、こちらのブログでもご紹介致しましたので、皆さんもよくご存じのことと思います。それでは、もう1人の方、Michael君が扮するスタンリー・ドーネンとは、どんな人物なのでしょうか・・・? (写真は、「Singin' in the Rain」の頃よりだいぶ後年になってからのドーネン氏です。)

パフォーマーとしてよりも、映画監督や振付師として有名なスタンリー・ドーネンは、1924年4月13日に、サウスカロライナ州のコロンビアで生まれました。子供の頃からダンス教室に通っていたスタンリーは、16才の時にBroadwayデビューを果たし、同じショーに主演していたジーン・ケリーと親しくなりました。17才の時には、「Best Foot Forward」というショーで、すでに振付の助手をするようになっていました。
その後、舞台の世界から映画の都、ハリウッドへと移った彼は、1943年に「Best Foot Forward」の映画版の振付助手を務め、翌1944年には、ジーン・ケリーが出演した「Cover Girl」でも振付を担当しました。
1945年にMGMと契約したスタンリーは、旧知のジーン・ケリーと共に、振付やダンスアシスタントとしてキャリアを重ねていきました。スタンリーは、プロデューサーのアーサー・フリード(Arthur Freed)とも親交を深め、1949年には、ジーン・ケリーとフランク・シナトラが共演した「Take Me Out to the Ballgame 私を野球に連れてって」で、共同監督と共同振付を務めました。
その後も、「On the Town 踊る大紐育(1949)」や「Royal Wedding 恋愛準決勝戦 (1951)」と名だたるミュージカル映画の監督を務めたスタンリーですが、1952年に彼の最大の代表作とも言える「Singin' in the Rain 雨に唄えば」を、ジーン・ケリーと一緒に共同監督しました。

今回の「What A Glorious Feeling」は、この「Singin' in the Rain 雨に唄えば」がどのように作られたのかという舞台裏話と、ジーン・ケリーと彼の間にあった確執を描いたミュージカルなのだそうです。
そして、この新作ミュージカルのもう一人の重要な登場人物として、Jeanne Coyneさんという実在していた女性がいます。彼女は、ダンサーで、ジーン・ケリーのアシスタントを務めており、彼の映画のいくつかに出演もしていました。彼女は、1948年にスタンリー・ドーネンと結婚し、その翌年には離婚してしまいました。その後、1960年には、何と、ジーン・ケリーの2番目の妻となり、2人の子供をもうけましたが、1973年5月に白血病のために亡くなりました。今回のミュージカルでは、彼女を巡るジーンとスタンリーの三角関係も描かれるようです。
また、ジーン・ケリーと聞けば、誰もが彼独特の明るい優しい笑顔を思い描くのですが、今回の作品の中では、嫉妬したり、わがままだったり、言い争ったりという、もっと人間らしい彼の姿を描いているのだそうです。

ちなみに、この作品の主要登場人物である上記の3人のうち、まだ存命中なのは、スタンリー1人です(2005年6月現在)。上記以外の彼の主だった監督作品には、「It' s Always Fair Weather いつも上天気 (1955)」、「Funny Face パリの恋人(1957)」、「Charade シャレード(1963)」等があります。

ミュージカル映画史上に残る名作の舞台裏や人間模様を描いたこの「What A Glorious Feeling」。 どんな風に見せてくれるのか、本当に楽しみです。「Singin' in the Rain」だけでなく、その他の名作ミュージカル映画からの素晴らしい曲もふんだんに使われているらしいので、それも楽しみなところですね~! ますます見に行きたくなってきちゃったぞ~っと♪ (笑)

なお、スタンリー・ドーネンさんのBroadwayでのキャリアはこちらから、また映画の出演・監督作等はこちらからご覧になれます。
そして、Jeanne CoyneさんのBroadwayでのキャリアはこちらから、また映画の出演作はこちらからご覧いただけます。

Michael君 こぼれ話 いくつかのお仕事 - Negative Experiences

2005-06-12 01:28:10 | Michael About him
しばらくBroadwayとWest-endのミュージカルの話題やTony賞の話題が続きましたが、久々のMichael君(マイケル・グルーバー)こぼれ話です。

24才の時に、「A Chorus Line」のマイク・コスタ役という、ダンスと歌のソロがあるパートでBroadwayでの初舞台を踏んだMichael君(当時のBroadwayのロングラン記録を打ち立てたファイナル・カンパニーのメンバーでした♪)。
その後も「West Side Story」のナショナル・ツアーのリフ役、皆さんご存じの「Cats (キャッツ)」のMunkustrap(マンカストラップ)役(「A Chorus Line」の記録を破ったレコード・ブレーキング・カンパニーのメンバーでした♪)、そして「Cats」のビデオ・DVD版のMunkustrap役と着実にキャリアを重ねてきましたが、必ずしも順風満帆というわけではなく、時には、意に沿わない役や本来の約束と違う役を演じなくてはならないこともあったのです。
今回は、以前にもご紹介しました「Talkin' Broadway」のインタビューの中から、Michael君が語る「ネガティブな経験」をご紹介致しますね。(写真は、「Miss Saigon」のプロダクション・フォトです。Michael君は、舞台中央よりやや左、横向きで眼鏡をかけて、腰に上着を巻いています。舞台右端には、この「Miss Saigon」の演技で、1991年のTony賞の主演男優賞を受賞した ジョナサン・プライス〔Jonathan Pryce〕さんがいます。写真が小さくて見えにくいですよね・・・すみません! Kathyさんのサイトの「Miss Saigon」のページに、これともう1枚のプロダクション・フォトのもっと大きいのと、Michael君だけをアップにしたのがありますので、そちらをご覧になって下さいね~。)


Miss Saigon

Michael君は、Broadwayの「Miss Saigon」のオリジナル・カンパニーのメンバーでした。1991年4月11日から2001年1月28日まで、Broadway Theatre(ブロードウェイ劇場)で、4092回の公演が行われました。Michael君は、1991年から約3年程の間、時おり別の作品に出演するためにステージを離れてはまた戻り・・・という形で出演していました。「Marine(海兵隊員)」、「Dragon acrobat」、「アンサンブル」での出演でした。
この作品は、1991年のTony賞を、主演男優賞・主演女優賞・助演男優賞の3部門で獲得し、Michael君を含む大部分のキャストは、Tony賞の授賞式でショーからのナンバーを披露しました。

Michael君のインタビューより:
「僕は、アクロバットやアンサンブルの役をもらったのは、主要キャストの一人、Chrisの代役を兼任するからだと思っていたんだよ。でも、違ったんだ。ただのダンサーだとしか思われてなかったんだね。かなり辛い経験だったな。俳優を辞めてしまおうかと思ったくらいだったよ。すごく心を傷つけられた思いがしたんだ。別に、制作サイドが僕をChrisの代役にしなかったことが間違っているって言っているわけじゃないんだよ。ただ、僕の期待通りにはいかなかったってわけさ。」

(その後、Michael君は1992年の8月に、「Miss Saigon」の舞台を離れて、カンザス州ウィチタで上演された「Singin' in the Rain」に、後に彼の持ち役の1つとなるDon役として初めて主演しました。数々の見応えのあるダンスナンバーに加えて、Michael君の素晴らしい歌声を存分に発揮できる歌のパートもたくさんある、まさにやりがいのある役でした。Michael君の演技は絶賛を受け、この作品での経験が、「Miss Saigon」での期待はずれの配役で失いかけた彼の自信を回復してくれたのだそうです。)


My Favorite Year

BroadwayのVivian Beaumont Theatreで、1992年10月31日にプレビューが始まり、本公演は1992年12月10日~1993年1月10日で、36回の公演でした。Michael君は、オリジナル・カンパニーの一員で、オリジナル・キャストによるCDも発売されています。Michael君の役は、「アンサンブル」でした。

Michael君のインタビューより:
「この作品も、あまり楽しい経験ではなかったね。僕がやりたいと思っていたこととは、ぜんぜん違っていたんだよ。制作スタッフとの間で、いろいろうまくいかないことが多かったんだ。」


Swing!

BroadwayのSt. James Theatreで、1999年11月2日にプレビュー開始で、1999年12月9日から2001年1月14日までの461公演が行われ、Michael君はオリジナル・カンパニーの1人として、2000年7月まで出演していました。オリジナル・キャストによるCDも発売され、Michael君の歌っている曲も2曲収録されていますが、もう1つ、彼がソロで歌った曲は、版権の関係でもあったのでしょうか、このCDには収録されていません。残念ですね~~~!
この「Swing!」は、受賞は逃したものの、2000年のTony賞の作品賞・助演女優賞・振付賞・監督賞・オーケストレーション賞にノミネートされ、Tony賞の授賞式には、Michael君を含むキャストが出演し、ショーからのナンバーを披露しました。
また、Michael君自身も、受賞は逃したもののFANY Awardの最高個人賞(Best Individual Performance)にノミネートされました。

Michael君のインタビューより:
「今、僕は、自分の人生を無理にコントロールするのをやめて、自然の流れに任せようと試みているんだ。そうすると、自分では思ってもみなかった経験ができるからね。
例えば、『Swing!』での僕の役は、出演の話が持ち込まれた時に約束されていたのよりもずっと小さくて、はっきり言って、初めは少しがっかりしたんだよ。でも、いろいろ考えてみて、この作品にアンサンブルの一員として出演することの素晴らしさに気づいたんだ。
友人が、『輪の中心でいるよりも、輪の一部になることの方がずっと素晴らしいんだよ。せっかくいい経験ができるチャンスなのに、自分の自尊心を大切にするあまりに棒に振ったら、もったいないよ。』って、アドバイスをしてくれてね。
舞台に上がれば、それなりに楽しいことがたくさんあるんだから、不本意なことがあっても、いちいち怒ったり、イライラしたりしない、心の広い人間でありたいと思うんだ。
多くのパフォーマーが、同じような悩みを抱えていると思うよ。みんな、観客から認めてもらいたいって思っているからね。この仕事をしている人なら誰だって、自分に注目してもらいたいって思っているはずさ。
ただ、自我が強すぎると、全てを台無しにしてしまうからね。プロ意識を忘れてしまうんだね。でも、自我がなかったら、何をしたいのか、何をすべきなのか分からなくなってしまうだろう。しっかり自我を持っているというのは、仕事をする上で、大切なことなんだよ。そこから喜びも生まれてくるわけだしね。そのことを忘れないように気をつけていれば、きっと素晴らしい経験ができると思うんだよ。」


「Miss Saigon」の時には、ミュージカル俳優という仕事を辞めようかとまで悩んだMichael君ですが、辞めないでくれて、本当によかった!!! もし、辞めてしまっていたら、彼が「Cats」のMunkustrapを演じることもなく、ナズは、Michael君の存在さえ知ることが出来なかったんですもん!
いろいろな辛い経験を乗り越えて、今のMichael君という素晴らしい存在(人間的にも、俳優としても)があるわけですけれど、彼って、本当に優しくて、がんばり屋で、謙虚で誠実な人だから、これからは、辛い思いや悲しい思いを味わうことなく、彼が本当にやりたいと思うお仕事が出来たらいいなぁと、心から思います。どうぞ、Michael君が、いつも幸せで、元気で、いいお仕事に恵まれますように~~!

Tony賞、決定!- The Winners of The 2005 Tony Awards!

2005-06-06 22:55:38 | Musical Tony賞
2005年度Tony賞の受賞式が、6月5日に開催されました。司会は、昨年に引き続きヒュー・ジャックマンが務め、アレサ・フランクリン等の大物ゲストも登場しての華々しい授賞式だったようです。
さて、その結果は・・・? (写真は、Tony賞のポスターです。)

最多受賞は、「The Light in the Piazza」の6部門でした。主要部門各賞の受賞作品・受賞者は、下記の通りです。

最優秀作品賞:「Doubt」

最優秀作品賞(ミュージカル):「Monty Python's Spamalot」

主演男優賞:Bill Irwin(Edward Albee’s Who's Afraid of Virginia Woolf?

主演男優賞(ミュージカル):Norbert Leo Butz(Dirty Rotten Scoundrels)

主演女優賞:Cherry Jones(Doubt)

主演女優賞(ミュージカル):Victoria Clark(The Light in the Piazza)

助演男優賞:Liev Schreiber(Glengarry Glen Ross)

助演男優賞(ミュージカル):Dan Fogler(The 25th Annual Putnam County Spelling Bee)

助演女優賞:Adriane Lenox(Doubt)

助演女優賞(ミュージカル):Sara Ramirez(Monty Python's Spamalot)

リバイバル作品賞:「Glengarry Glen Ross」

リバイバル作品賞(ミュージカル):「La Cage aux Folles」

監督賞:Doug Hughes(Doubt)

監督賞(ミュージカル):Mike Nichols(Monty Python's Spamalot)

ベスト・オリジナル・スコア賞:「The Light in the Piazza」 作曲・作詞:Adam Guettel

振付賞:Jerry Mitchell(La Cage aux Folles)


以上のような結果でした。今回最多の14部門でノミネーションを受けていた「Monty Python's Spamalot」は、作品賞、助演女優賞、監督賞の3部門のみの受賞に終わりました。「The Producers」の再来というわけにはいきませんでしたね。
今回の受賞作品、いつか、来日公演をしてくれるといいですね~! モンティ・パイソン・ファンのナズとしては、ぜひ、「Spamalot」に来てほしいな~~~♪ Michael君(マイケル・グルーバー)が出演するなら、来日を待つまでもなく、どこへでも、見に行っちゃうんですが~~♪(笑)

その他の作品の受賞数は、以下の通りでした。(ノミネーションの一覧は、こちらでご覧いただけます。)

Dirty Rotten Scoundrels : 1
The Light in the Piazza : 6
Doubt : 4
Edward Albee's Who's Afraid of Virginia Woolf? : 1
Glengarry Glen Ross : 2
The 25th Annual Putnam County Spelling Bee : 2
The Pillowman : 2
La Cage aux Folles : 2
The Rivals : 1
700 Sundays : 1