観劇記その5です。今回が最終回になります。(写真は、キャストのサインが入ったポスターです。初日の晩にもらいました♪)
この朝も、目覚まし時計より早く目覚めたナズ、元気に朝御飯へと向かいました。もちろんワッフルは必須です♪ 部屋に戻り、TVを見ながら、荷造りの続きをしました。10時半頃、部屋の電話が鳴りました。Michael君でした。
「やあ、ナズ。リハーサルなんだけど、今日は、やらないことになってしまってね。ごめんよ。でも、代わりに、ミネアポリスのダウンタウンに連れて行くよ。美味しいロブスターロールが名物のレストランがあるから、そこでランチを食べよう!」
「ロブスター、大好き♪」
「よかった!じゃ、12時半に迎えに行くから、ロビーに下りていてね。」
ワクワクしながら荷造りを済ませ、身支度をして、少し早めにロビーに下りて、翌日の空港までのタクシーの手配をフロントでお願いしました。
12時半を少し回った頃、トニーさんがロビーに現れました。
「やあ、ナズ!」
早速、Michael君運転の車でミネアポリスへと向かいました。
「午前中は、何をしてたの?」
「TVを見ながら荷造り~!明日、帰国だから。」
「ナズが来て、空港に迎えに行ったのがつい昨日のことのようなのに、もう帰国か!早かったな~!」
「今回、滞在が短かったから。」
「明日は、ショーが2回あるんで、空港まで送ってあげられなくて、ごめんね。」
「大丈夫。迎えに来てもらえただけで、ホントに助かったから、気にしないで。もうタクシーも手配したし。」
等と話すうちに、ミネアポリスに着きました。
ミネアポリスは、小麦粉産業が盛んな街として有名で倉庫がたくさんあるのですが、最近では以前ほどには生産されなくなって、倉庫が余っているのだそうです。その余った倉庫を改造して、アパートにしたり、レストランにしたりして再利用しているそうで、以前の倉庫街がモダンなたたずまいに姿を変えつつあるとのことでした。
この日、連れて行ってもらったレストラン「Smack Shack」も、そんなレストランの一つで、以前はトラックで販売していたのが、今では倉庫の造りをそのまま生かしたレストランとして営業しており、ロブスターサラダのサンドイッチが美味しくて評判のお店だそうです。
帰国してから検索したんですが、お店の詳細は、
こちらからご覧いただけます。
ロブスターサラダを食パンで挟んだコールドサンドが、ロブスターロールと呼ばれるもので、チップスがついていますが、これをコールスローサラダに変えることも出来ます。他にも、温かく調理したロブスターをホットドックロールに挟んだものもあり、トニーさんとナズは、冷たい方をコールスローサラダで、Michael君は温かい方をチップスでオーダーしました。
テーブルには、赤と白のギンガムチェックのテーブルクロスが掛けてあるのですが、その上に、テーブルと同じ大きさの大きな白い紙が乗せてあって、お客様が食事を終えると、その紙を交換するんです。
またテーブルには、タバスコ、もう1種類のホットソース、ビネガー、パウダーのスパイス等が置いてあって、お好みで使うことができるようになっていました。
そんなに待たないうちにお料理が出てきて、早速頬張ってみると、その美味しいこと♪ ロブスターサラダもコールスローサラダも、味付けが控えめで、量も手頃なので、すごく美味しくいただきました。辛いものが大好きなナズが、全てのスパイスを次から次に自分のサンドイッチにかけて試しているのをみて、トニーさんが
「ナズは、チャレンジャーだな~!」
と、びっくりしていましたよ(笑)どれも美味しかったんですが、酸味と辛みの両方が味わえるので、タバスコが、一番美味しく感じました。
食事のあとは、Michael君達が「ローマの休日」に出演したガスリー劇場に連れて行ってもらいました。ここは、地球の歩き方などでも紹介されている劇場で、名作だけでなく実験的な作品も上演することで知られています。黒いモダンなデザインの外観が特徴で、ミシシッピー川のほうに、橋のように突きだしている展望デッキは、その先に、目には見えない透明な橋が続いているという意味なのでしょうか、「Endless Bridge」と呼ばれています。
建物の中には、複数の劇場があり、普通は、関係者以外は、ボックスオフィスの辺りか、ショーを上演している時に劇場の部分にしか立ち入れないのですが、こちらでは、まるで博物館か何かのような感じで、自由に中に入って見学をしていいようになっています。
建物内の壁のあちこちには過去に上演された作品の写真が大きく引き伸ばされて、壁画のように描かれていました。
シアターショップをのぞき、少し買い物をした後、Endless Bridgeに行って、ミシシッピー川を眺めながら、のんびりとおしゃべりを楽しみました。
下の写真は、近くの公園から撮ったガスリー劇場です。手前に立っているのは、本邦初公開のナズで~す(笑)撮影者は、Michael君です。
また、下の写真は、Endless Bridgeから撮ったミシシッピー川です。いい眺めですよね♪
3時を回った頃、再びMichael君の車でホテルへと送ってもらいました。
「今夜が最後だね。」
「そうなの!もっとたくさん見たい!いっぱい叫ぶからね~。」
「楽しみにしてるよ(笑)じゃ、またショーの後で!」
もう荷作りもほとんど終わっていたので、シャワーを浴びて、少しくつろいでから、劇場へと向かいました。
ロビーには、いつものようにジェイさんがいました。
「今夜が最後なの。明日、帰国なんです。」
「それは、残念だ!君が来てくれて、本当に嬉しかったよ。また戻ってきてくれるよね?」
「もちろん!もう永久にここにいたいくらい!」
Facebookでお友達になることを約束しました。
この晩の席は、再び、舞台に向かって右側の端の130番。6人掛けに1人だけです。チケット代に含まれているメニューからラザニアを注文し、食事が来るのを待っていると、ジェイさんが、ナズのテーブルに挨拶に来てくれました。またひとしきりおしゃべりをして、お別れのハグを交わしました。
ショーが始まる前にボックスオフィスのほうに行ってみると、係りの人がナズを見て、
「今日は、あなた以外にも、日本からのお客様がいるのよ。どのテーブルだったか、忘れてしまったんだけど」
と、教えてくれました。
へぇ~!日本人のお客さん!ミネアポリスやセントポールはともかく、チャンハッセンは、本当に小さな町なので、日本からの観光客が来ることって、滅多にないと思うんですが、あるいは、アメリカに住んでいらっしゃる方なのでしょうか。
ナズが、ブログでCDTのことを紹介していることを話すと、
「じゃあ、もしかしたら、あなたのブログを見て来てくれたのかもね!将来、もっと日本からのお客さんが増えたら、あなたに感謝しなくっちゃ♪」
と、係りの人が言ってくれました。
テーブルがわからないので、とうとうその日本からのお客様のお顔を拝見することはかなわなかったのですが、お食事やショーを楽しんでいただけていたらいいなぁと思います。
ナズのブログにそれほどの影響力があるとは思いませんが、それでも、少しでもCDTの素晴らしさを広めるお手伝いが出来たら、こんな名誉なことはありません。本当にステキな劇場なので、近くに来られる機会がおありでしたら、是非お立ち寄りになってみて下さいね。劇場関係者の優しさとショーの素晴らしさに、心癒されること間違い無しです♪
この晩は、ナズの見る最後のショーだとキャストも知っていたんで、近くを通る時に肩を叩いてくれたり、手を振ってくれたり、中には退場の時にハグしてくれるキャストまでいて、もう大感激!最高の盛り上がりでした~♪
この晩のファラオのターゲットは、最前列中央、最初の晩にナズが座っていたテーブルにいらしたカップルでした。トイレに行かれたりする時にナズのテーブルのそばを通られて、その時に少しおしゃべりをしたんですが、ステキな黒いドレスを着ている女性に、ファラオの熱烈な歌が捧げられ、お2人とも、笑い転げていらっしゃいました♪
ナズは、毎晩、ステージの奥で演奏しているバンドの人達にも、拍手喝采を送っていたので、バンドの人達も、ナズに気づいていらっしゃったようで、3回目のショーくらいから、キャストがステージを下りた後の演奏の時など、ナズが手を振ると、手を振り返して下さっていたんです。この晩も、大歓声を送って、手を振ると、何人かが手を振ってくれました♪
終演後のロビーでは、大勢のキャストとお別れの挨拶が出来ました。ジャレッドさんとも、ちゃんとさよならのハグを交わせました。
パブでキャスト達の飲み会があるようで、ナズも誘われたのですが、Michael君やトニーさんは参加しなくて、ナズが参加しないようなら、ホテルまで車で送ると言ってくれたので、Michael君達とホテルに向かうことにしました。
ホテルでは、2人とも車から降りてきてくれて、お別れのハグをしましたよ。
「はるばる来てくれて、本当にありがとう。気をつけて帰るんだよ。着いたら、忘れずにメールを送ってね。」
「滞在中、本当によくしてくれて、ありがとう!今までで、一番の旅行だった!」
部屋の戻ったナズ、翌日は、午後3時半の飛行機だったので、ホテルを昼前に出ればよく、特にあわてることもなく、のんびりと寝支度をしてベッドに入りました。どうせ早く目が覚めてしまうとは思ったのですが、いちおう出発の日の朝なので、モーニングコールを7時に頼んでおきました。
翌朝、やはりモーニングコールより早く目が覚めたナズ、身支度をして、寝間着などをスーツケースに入れて、朝食へと向かいました。もちろんワッフルは欠かしません(笑)
急がないので、のんびりと食べていたんですが、食べ終わってみると、まだ8時半。タクシーが来るのが11時半なので、3時間もあります。部屋でTVを見るったって、映画を1本見てもまだ余るくらい。散歩好きなナズは、200メートル離れたお気に入りのスーパーまで、朝の散歩をすることにしました。
ナズが来てから、ずっととても暑い日が続いていたのですが、この朝は、前夜に雨が降ったようで、地面がうっすらと塗れていて、空も薄曇りで、涼しくて気持ちのよい朝でした。
まっすぐ行って帰ってきたのでは、30分とかからないので、まずは、スーパーとは反対の方向にあるCDTのほうにぶらぶらと行ってみました。夕方頃には、大勢でにぎわっていた劇場のパブも、もちろん閉店中で、誰もいませんでした。ネオンも消えて、朝の柔らかい日差しの中で見る劇場は、穏やかな感じでした。近代的な造りのガスリー劇場とは正反対の、手作り感のある木造の劇場は、とても味があってステキです。地元のお客様にも出演者にも愛されているこの劇場が、いつまでも続いて欲しいな~と思います。
↓劇場のPUB
↓朝のCDT
通りの反対側に渡ったナズ、スーパーに向かう途中にあるシティセンターコミュニティパークにも寄ってみました。図書館など、チャンハッセンの町の人達のための施設です。芝生で覆われた公園もあり、あちこちにベンチやテーブルが置かれていました。
駐車場もあって、ちょうど土曜日だったので、たぶんファーマーズマーケットのようなものが開かれるようで、野菜や果物をたくさん積んだトラックが数台停まっていて、テントを張ったり、品物を降ろしたりしていました。噴水で足を濡らしたり、芝生の上を歩き回ったりした後、公園を出て、スーパーのほうに向かいました。
途中、ジョギング中の男性と犬を散歩させている男性とすれ違ったんですが、ナズが朝の挨拶をすると、どちらの男性も当たり前のように挨拶を返して下さいました。通りすがりの人同士でも、気持ちよく挨拶を交わせるこのフレンドリーな土地柄!ミネソタって、いいところです~♪
散歩中の男性の連れていたワンちゃんにも、ナズが「ハ~イ♪」と挨拶しながら手を振ったら、その男性の方が吹き出していました(笑)でも、犬好きとしては、ワンちゃんにも挨拶するのは、基本だと思うんだけどな~・・・
スーパーに着いたナズ、時間があるので、普段は欲しい物のある辺りにしか行かないのですが、全ての棚を見て回りました!お土産になりそうな可愛いパスタを見つけたので、それをカゴに入れました。
店の中に厨房もあって、ケーキやクッキー等を店内で作って販売しています。日本では考えられないような鮮やかな色のケーキが並んでいて、面白かったです。
会計を済ませて外に出たのですが、まだ9時半。今度は、道路を横断して、反対側(ホテルのある側)をホテルのほうに戻ることにしました。途中に、広い駐車場の周囲に、ファーストフード店やブティック、スーパーなどが並んでいるショッピングエリアのようなのがあるので、そこにも立ち寄ってみました。パラパラと雨が降ってきたので、
そのエリアにあるスーパーに駆け込みました。
こちらも、かなり大きなスーパーなのですが、もっと庶民派の普通のスーパーなんです。こちらでも、のんびりと店内散策を楽しみ、雑誌とキャラクターの絵がプリントされたバンドエイドを購入しました。
外に出てみると、雨は止んでいたので、もう一カ所のショッピングエリアのほうもぶらぶらして、時計を見ると10時半を回っていたので、ホテルへと戻りました。
朝食エリアからもらってきた紅茶を飲みながら一休みした後、電話でチェックアウトを済ませ、少し早めにロビーに下りました。運良く、タクシーが早めに来てくれたので、空港へと向かいました。途中、ちょっと渋滞したんですが、時間は有り余る程あったので、いらいらすることもなく、ゆとりを持って空港に着くことが出来ました。
空港でチェックインを済ませ、手荷物検査を終えると、3度も利用している空港なので、どの辺りにどんなお店があって何を売っているのか、だいたい把握出来ています(笑)3軒ほど、お気に入りのお店があるので、そこで買い物をし、新しく出来たお店などを眺めた後、搭乗口へと向かいました。
搭乗口の辺りは、2年前は見違える程、きれいになって、2人掛けのテーブルがたくさん並んでいて、どのテーブルにも自由に使ってかまわないipadが置いてあるんです!ゲームも出来るし、デルタ航空のスケジュール確認も出来るし、ニュースも読めるし、そばにあるレストランのメニューも見られて、そこからオーダーすると、テーブルまで料理や飲み物を運んでもらえるという最新鋭ぶり!
やがて搭乗が始まり、定刻より少し遅れての離陸となりました。
飛び立って1時間程経った頃、ナズの席から5メートルほどのところにあるトイレに、ちょっとお年を召した男性の乗客が入ったんですが、しばらくすると、トイレの辺りが騒がしくなりました。どうも、その乗客の方が、トイレで倒れてしまったようなんです。
英語で、「お客様の中にお医者様、及び医療関係者がおられましたら、乗務員までお知らせ下さい」というドクターコールが、機内に流れました。まるで、映画の中のワンシーンを見ているようでした。
幸い、ドクターが乗り合わせていたようで、機内の設備を利用して酸素吸入等を行ったようで、どうやら大事に至ることはなかったらしく、飛行機は、飛び立ったミネアポリス/セントポールに引き返すことなく、成田へと飛行を続けました。
それ以外には、特にアクシデントもなく、順調に成田へと到着しました。東京へと向かう成田エクスプレスの中で、友達達に帰国メールを送り、帰宅後、まだ家のPCが壊れているので、携帯からMichael君にも無事帰宅したとメールをしました。
いつもより滞在が短くて、ちょっと残念だったのですが、それでも、内容の濃い旅行で、大満足の5日間でした~♪
だいぶ、長くなってしまいましたが、以上が、Joseph at CDT観劇記でした。最後までお目を通して下さった皆様、本当にありがとうございました~!
NYにいた頃から、やり甲斐のある仕事を求めて、Broadwayにこだわらず、あちこちの街でお仕事をしていたMichael君。ミュージカルを書いたり、作曲をしたりといった創作活動も地道に続けていたのですが、演劇活動が盛んなミネアポリスに移ってきて、クリエイティブな彼に相応しい、才能溢れた人達と知り合って、自分の曲を発表したり、後進を指導したりする機会を得て、俳優以外の活動を行う機会が増えています。
彼の出演作ももちろん見たいのですが、今度は、彼の作品を見に行く機会があれば嬉しいな~と思っています。これからも、彼に関するニュースをお届けしていきたいと思っておりますので、どうぞ、よろしくお願い致します~!