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M for Michael Gruber♪- Mは、マイケル・グルーバーのM~♪

キャッツDVDのマンカストラップ、アメリカの舞台俳優、Michael君のことや、ブロードウェイニュースをお伝えします。

Singin' - 映画版と舞台版 - On screen & On stage

2005-03-19 03:45:23 | Michael 04-05 Anyting/Singin
Michael君(マイケル・グルーバー)がドンを演じる舞台版と、ジーン・ケリーがドンを演じたオリジナルの映画版。基本的なストーリーはどちらも同じなのですが、違うところがけっこうあるんです。今回は、その違いについて、お話しますね。(写真は、シアトルでのステージ・フォトです。「Fit as a Fiddle」で熱演を見せるMichael君(向かって右)とマイケル・アーノルドさんです。)

注: 「Singin' in the Rain 雨に唄えば」を見たことのない方で、ストーリーを知りたくないという方は、この記事を読まないようにお願い致します。ストーリーのクライマックスは伏せてありますが、個々のエピソードはわかってしまいますので。


全体的に共通した違いとしては、映画版の方が、歌やダンスのないシーン(普通のお芝居のシーン)が多いということです。その方がストーリー的にはわかりやすいと言えるかも知れませんが、舞台の方が、歌やダンスが多い分、よりミュージカルらしい楽しさを味わえます。
また、映画だと同じ人物が続けざまに出ているところでも、舞台は、衣装換え等があって続けて出られないために、他の人物に変わっているところがあります。
それと、ダンスの振付ですが、映画の方が危険度の高い見栄えのする振付が多いです。これは、映画の場合、失敗しても撮り直しがききますが、舞台は、毎日の公演で毎回成功させなくてはなりませんので、どうしても失敗の可能性が低い振付になってしまいます。例えば、コズモの「Make'em Laugh」を、もし映画と全く同じにやったとしたら、ドナルド・オコーナーが撮影終了後入院してしまったように、舞台のコズモ役の俳優さんも毎回入院するはめになってしまいますよね~・・・。それに、映画だと、真上から撮影したり俳優さんをアップにしたりできますが、舞台ではそれはできません。また、撮影所のスタジオに作られた広々としたセットで踊るのと、広さに限りのある舞台で踊るのでは、自ずと振付も変わってくるわけです。

それでは、それぞれのシーンの違いを見ていきましょう~!


オープニング
映画:雨の中を、ドン、コズモ、キャシーの3人がレインコートを着て傘を差し、歩きながらタイトル・ソングを歌っているところから始まり、タイトルロールに変わる。

舞台:カーテンが下りた状態で、オーバーチュアーが流れる。


チャイニーズシアター前
映画:ドンの芸人時代の回想シーンのナンバー「Fit as a Fiddle」の後、撮影所でのドンの下積み時代のエピソードが入る。

舞台:「Fit as a Fiddle」の後、ドンとリーナの新作映画のプレミア上映になる。


プレミア終了後
映画:ドンとコズモは、車でパーティ会場に向かうが、途中でパンク。ドンは、ファンにもみくちゃにされ、キャシーの運転する車に飛び乗る。ズタボロになった燕尾服を着替えるためにサンセットまで送ってもらうが、車の中で仲違いをし、降りる時に燕尾服のすそがドアにはさまり、燕尾服が破れてしまう。

舞台:ドンは、一人で歩いてパーティ会場に向かう。途中でファンの女性に追いかけられ、ベンチで本を読んでいたキャシーと出会う。仲違いをして立ち去ろうとしたドンにファンが気がつき、燕尾服の袖を引っ張って破いてしまう。


パーティ
映画:ドンは、タキシードで登場。再会したキャシーが立ち去った後、彼女を追って、ダンサー達の控え室に駆け込む。キャシーが出て行ったと知り、外まで追うが、キャシーは車で走り去ってしまう。

舞台:ドンは、片袖のない燕尾服で登場、上着を脱いでしまう。再会したキャシーが立ち去った後、彼女を思いながら、「You Stepped Out of a Dream」を歌う。
(この曲は、映画にはありません。舞台版だけです。とてもロマンティックでメロディアスな美しい曲で、Michael君の歌声の素晴らしさを心ゆくまで堪能できます♪)


パーティからしばらく経った撮影所
映画:ドンとコズモが、さまざまな撮影中のシーンを通りぬけながら、キャシーのことを話す。

舞台:ピアノのところで、ドンとコズモがキャシーのことを話す。


「ビューティフル・ガール」の撮影シーン
映画:いろいろなトーキー映画の映像が映し出された後、「ビューティフル・ガール」の撮影シーンが始まり、撮影を見ていたコズモが出演しているキャシーに気がつき、ドンを呼びに行く。

舞台:撮影が終わった後、キャシーの歌のオーディションをすることになり、伴奏のためにコズモが呼ばれる。そこで、キャシーに気付いたコズモが、スタッフにドンを呼びに行かせる。キャシーが、「You Are My Lucky Star」を歌う。


トーキーの撮影風景
映画:リーナだけでなく、ドンもいる。リーナの声がうまくマイクに拾われずスタッフが苦労するシーンは、普通にマイクを使って撮影している。

舞台:ドンはいなくて、リーナだけ。リーナの声がうまくマイクに拾われないシーンは、リーナ役の女優さんが、マイクの方を向いた時は大声を出し、反対を向いた時は小さな声を出す・・・というように演技している。


雨がいつ降り出すか
映画:映画の試写会が失敗に終わった後、ドン、コズモ、キャシーがドンの家で話している時、すでに外はどしゃ降り。

舞台:ドンの家のシーンが終わった後、雨が降り始める。


ドンが雨の中で歌って踊るタイトル・ソングのシーン
映画:キャシーの家の前まで運転手付の車(タクシー・・・?)で送ってきたドン、キャシーが家に入った後、車を帰してしまう。そして、雨の中で歌って踊った後、傘を通行人に渡して、そのまま歩いて去っていく。

舞台:歩いてキャシーを家まで送り届けたドン、雨の中で歌って踊る。最後は、街燈のポールに飛び乗って、ポーズを決める。そのまま幕が下り、幕間の休憩になる。


後半(基本的なエピソードはだいたい一緒なのですが、順序がだいぶ違います。)
映画:新作をミュージカルにしようと、ドンとコズモが社長を説得。映画のタイトルを決め、モダンなシーンを入れようという話をする。続いてキャシーが歌を吹き込むシーンになり、その歌にあわせてリーナが演技をする。演技をするリーナのアップがそのまま試写の映像になり、試写を見終わった社長に、ドンがモダンなシーンの説明を始め、ここで、「Broadway Rhythm/The Broadway Ballet」になる。「Broadway Rhythm」もドンが歌う。その後、リーナの声をキャシーが吹き替えるシーンになり、そこにリーナが現れて、キャシーが吹き替えることも、ドンとキャシーが愛し合っていることも、全てリーナにばれてしまう。

舞台:リーナの歌をキャシーが吹き替えるシーンから始まる。リーナが歌っているシーンを見ながら、それにあわせてキャシーが歌う。そこにリーナが来て、キャシーが吹き替えることも、ドンとキャシーが愛し合っていることもばれてしまう。怒って立ち去るリーナ。コズモは、リーナにばれてしまったことを社長に報告に行く。不安がるキャシーに、ドンが「You Stepped Out of a Dream」を歌ってやる。場面はリーナの部屋に変わり、リーナが「What's Wrong With Me」を歌う。(これも、舞台だけのナンバーです。リーナ役のリサさんが、会場を爆笑させてくれました♪)社長に報告に行ったコズモ、社長と一緒に新作のタイトルを考える(ドンは、いない。)。そして、モダンシーンを入れようと提案し、コズモが、「Broadway Rhythm」を歌い、続いてドンの「The Broadway Ballet」になる。


クライマックス(詳細は書きませんが、1カ所違いが・・・)
映画:クライマックスで歌われる歌が、「Singin' in the Rain」。

舞台:クライマックスで歌われる歌が、「Would You」。


フィナーレ
映画:ドンとキャシーが「You Are My Lucky Star」を歌い、ドンの横顔が「Sigin' in the Rain」の看板に描かれた絵に変わり、その看板の前でドンとキャシーがキスをするシーンで終わる。

舞台:ドンとキャシーの影絵がスクリーンに映し出され、暗転。フィナーレは、キャストメンバーがおそろいの黄色いレインコートと赤い傘で、雨の中を歌って踊る。最後にメインキャストが登場し、挨拶した後、ドンとキャシーのキスシーンで幕となる。


以上が主だった違いですが、それ以外にも、同じシーンでも映画と舞台でぜんぜん印象が違ったり、衣装が全く違ったり・・・と、違うところがけっこうあります。映画は映画の良さを、舞台は舞台の良さを生かした形になっていますから、どちらがいいということではなく、それぞれの違いを楽しむことが出来ると思います。
映画版は、すでにDVDとして国内でも発売されていますから、気軽に楽しむことができますが、舞台は、なかなか見る機会がないのが残念です・・・。もし、機会がありましたら、舞台の「雨に唄えば」、ぜひご覧になって下さい。できれば、Michael君のドンで・・・♪

サクラメントのリビュー -Review of Sacramento Bee

2005-03-15 01:34:25 | Michael 04-05 Anyting/Singin
先日は、Michael君(マイケル・グルーバー)のサクラメントでの「Singin' in the Rain」のプレビューをご紹介しましたが、今度はプレミア公演(3月9日)のリビューが、KathyさんのMichael君のサイトで紹介されています。リビューの中で、主要キャストの演技について触れていますので、それをご紹介いたしますね~♪ (写真は、Michael君の「Singin' in the Rain」のCDのブックレットからです。タイトル・ソングを演じているMichael君。びしょぬれです・・・笑)

Michael君について:
主役を演じるのは、もちろんジーン・ケリーではないが、マイケル・グルーバーのドン・ロックウッドに不満を感じる人はいないはずだ。ケリーの演技と比較してどうのこうの言うのは、不公平というものだ。ケリー以上の演技が出来る者など、どこにもいないのだから。
グルーバーは、深みのある素晴らしいテナー・ボイスを持った、優れたダンサーである。控えめで謙虚な人柄と天性のカリスマ性を持ち合わせているグルーバーにとっては、自分自身をそのまま投影するだけで、ボードビルの芸人から一躍大スターになったロックウッドに簡単になりきることができただろう。
グルーバーの歌声の素晴らしさは、特に「You Stepped Out of a Dream」というナンバーで顕著に発揮されていた。そして、タイトルソングのソロシーンでは、実に優雅に水溜りの中を飛び跳ねて見せてくれた。

マイケル・アーノルド(Michael Arnold)さんについて:
主役に負けず劣らず素晴らしいのは、ロックウッドの親友のコズモ・ブラウンを演じるマイケル・アーノルドである。並外れたダンサーであるアーノルドは、ドンのボードビル時代の回想シーンである「Fit as a Fiddle」と、発音レッスンのシーンでの「Moses Supposes」の2曲で、グルーバーと一緒に生き生きとした最高のタップダンスを披露してくれた。

クリスティーナ・サフラン・アッシュフォード(Christina Saffran Ashford)さんについて:
キャシー・セルデンを演じるアッシュフォードの澄んだアルトの素晴らしさは特に際立っており、「You Are My Lucky Star」や「Would You」といったバラードを歌う彼女の姿は、まさに光り輝いていた。

リサ・エストリッジ(Lisa Estridge)さんについて:
やかましいリーナを愉快に演じたのは、エストリッジである。歌声の素晴らしさを披露する機会はなかったが、期待以上の素晴らしい演技力を発揮してくれた。


封切ったばかりのサクラメント公演も、あと残すところ1週間を切りました! 最終日の3月20日(日)はマチネのみですが、17日の木曜日と19日の土曜日の2日間は、1日2回公演です。主役のMichael君は、昨年12月から(1月は公演がありませんでしたが)の長丁場! 他のキャストの方達も、先月のシアトルから引き続きですので、疲労も溜まっているのではないかと思います。くれぐれも事故や怪我のないよう、最後まで、素晴らしい公演が続きますように、心よりお祈りいたします!がんばれ、Michael君~~~!
Hi, Michael! One more week! Good luck and please take good care of yourself!!

サクラメント公演プレビュー -Preview on Michael's site!

2005-03-10 01:33:00 | Michael 04-05 Anyting/Singin
Kathyさんの Michael君(マイケル・グルーバー)のサイトに、サクラメント公演のページが作られました。こちらからご覧になれます。そちらのページに、「The Sacramento Bee」に掲載されたプレビューが紹介されており、出演者やスタッフが、自らこのミュージカルについて語ってくれていますので、それをご紹介いたしましょう~♪ (写真は、おそらくシアトル公演からのステージフォトだと思います。雨のシーンに出演中のMichael君です♪)


この「雨に唄えば」の主役は、もちろんドン・ロックウッドなんですが、映画ではドナルド・オコーナーが演じていた親友のコズモ・ブラウンの「Make'em Laugh」というナンバーでの大熱演は、見逃すことのできない素晴らしいシーンです。オコーナーは、熱演のあまりの過労と、カーペットで擦れてできた火傷や打ち身の手当てをするために、入院しなくてはならなかったそうです。
今回の公演でコズモを演じている38才のマイケル・アーノルド(Michael Arnold)さんも、やはり、あちこち擦れて、火傷をしてしまったそうです。彼は、かつては体操の選手だったんですって。

「火傷だけじゃなくて、失敗も、たくさんあるよ。とてもカバーしきれないくらいにね。 子供の頃、映画の『雨に唄えば』を見て以来、 ずっとあの振付で踊ってみたかったんだ。僕のダンスのかなりの部分は、ドナルド・オコーナーと同じ振付だよ。壁を駆け上がって宙返りするところも、スタッフが特注のセットを作ってくれたおかげで、うまくやれてるんだ。」

圧縮空気の入ったキャスターに乗せた、厚さ2インチ(約5.8センチ)、高さ12フィート(約3.65メートル)のスチール板を、 毎晩、彼は駆け上がっては宙返りをするんです。


監督で振付を担当しているジェイミー・ロッコ氏にとっては、今回の公演は、7回目の「雨に唄えば」になります。

「まさに最高の映画だよ。演じることへの情熱を感じたね。だから、我々の作品からも、同じものを感じ取ってもらえたら嬉しいね。まるで、描き終わることのない絵のような感じなのさ。筆を取り上げては、繰り返し描き足さずにはいられない。出演者の何人かは、ずっと私と一緒に描き続けてくれているおなじみの連中なんだよ。」

キャシー役のクリスティーナ(Christina Saffran Ashford)さんは、このブログの「シアトルのMichael君♪ その2」でも紹介しましたが、1993年、1994年、そしてこの間のシアトルと今回のサクラメント、合計4回、ロッコ氏の監督・振り付けのもとで出演してきました。そしてMichael君は、ロッコ氏のすべての「雨に唄えば」で、ドン役を演じてきました。

「彼らは、それぞれがたいへん素晴らしいパフォーマーだし、息が合っていて、互いをとてもよく引き立て合うんだよ。毎回、登場人物を素晴らしく表現してくれるのを見られて、本当に嬉しいよ。」


映画版の「Singin' in the Rain」は、The American Film Instituteが選んだ歴代の映画ベスト10の中に選ばれており、ミュージカル部門では、トップにランクされているそうです。また、この映画の中のナンバーから、「Good Mornin'」、「Singin' in the Rain」、「Make'em Laugh」の3曲は、映画音楽トップ100に選ばれています。


そして、ドンの見せ場のひとつである雨の中で歌って踊るタイトルソングのシーンについて、Michael君は、こう話しています。

「問題は、靴なんだよ。このシーンで僕が履く靴は、週に8回もびしょぬれになるから、ダンスシューズは履けないんだ。ダンスシューズは濡れるのに弱くって、すぐダメになってしまうんでね。ビニールの靴を試したこともあるんだ。今回は、ゴム底のフローシャイム・ウィングチップを履いているんだよ。すぐ乾くし、型崩れもしないし、柔らかさも失われないんだ。それに、滑りにくいのが助かるよ。濡れたステージは、少し滑りやすくなってるからね。」


同じく雨のシーンについて、プロダクション・マネージャーのアンディ・ルフトさんは、こう語ってくれました。

「何が面白いって、雨のシーンのフロアには、ドン役のマイケル・グルーバーが飛び込んでバシャバシャ水しぶきを上げられるように、水を溜めるためのへこみが作ってあるんだよ。彼は、水しぶきを上げるのが、大好きなんだ! まるで、アヒルだね(笑)」

映画の中では、雨がはっきりと撮影出来るように、ミルクを混ぜてあったのですが・・・

「さすがに、それはできないね。水の中に細菌が発生してしまうからね。水は、華氏140度(摂氏60度)まで温めてあるけど、細菌が死ぬほど高温じゃないから、タンクの中で増えてしまうだろう。」

(それ以前に雨にミルクなんか混ぜたら、劇場中が臭くなって、観客も出演者もたまらないですよね~・・・と、ナズは思うのですが・・・〔苦笑〕)

毎週、雨用のタンクは消毒され、水も塩素で殺菌されるそうです。週に4回、装置のすべてのフィルターが清掃され、毎回の公演の前には、雨用のパイプのフィルターを清掃するのだそうです。

「このショーのメンテナンスは、そりゃ信じられないほど厳しいんだよ。」


Michael君が初めてドン役を演じた時、彼はまだ20代後半でした。40才になった今、彼は、相変わらず週に8回、歌って、踊って、街燈の柱に飛び乗っています。

「何の問題もなく、完璧に演じられているよ。若かった頃よりも長めにウォーミングアップをしなくちゃならないし、出演してない時には、しっかり休んでおかなきゃいけないけどね。でも、年を重ねた分、技術的には上達しているから、ずっとうまくやれるんだよ。
確かにいろいろと大変な役だけど、出来る限り長く演じていきたいと思ってるんだ。もっと年を取って身体が言うことを聞かなくなって、この役にさよならを言わなきゃならない時が来たら、きっと、悲しい気持ちになると思うよ。」

"Singin'" in Seattle! -シアトルのMichael君♪ その3

2005-02-27 17:18:32 | Michael 04-05 Anyting/Singin
シアトルのMichael君(マイケル・グルーバー)♪、続きの続きです♪ (写真は、劇場近くの路上に貼られていた「Singin' in the Rain 雨に唄えば」のポスターです。)

ナズにとって、シアトル滞在最後の晩、2月23日(水)。ナズの席は、右側の端から2番目でしたが、最前列のA-5! 右端なので舞台の左の方は遠いのですが、今回の「Singin'」では、右側の方がMichael君の見せ場が多いので、それが間近で見られますから、ナズ的には、かなり嬉しかった~!

オーバーチュアーが終わって幕が開くと、そこは、ハリウッドのチャイニーズシアター前。サイレント映画の大スター、ドン・ロックウッド(Michael君)とリーナ・ラモント(リサさん)の新作映画のプレミアに、大勢の人が集まっています。 そこに、ドンとリーナが舞台上手より登場! いかにも映画スターらしく、白いカシミアコートに身を包んだMichael君がとってもゴージャス!プロポーションがいいから、こういうスマートな装いがすっごく似合うんですよね~~♪
回想シーンのあと、Michael君の最初のダンスナンバー「Fit As A Fiddle」が始まりました。コミカルで動きの激しいダンスナンバーを、ドンとコズモ(マイケル・アーノルドさん)が見事に歌いながら踊ります! とても素晴らしいダンスに、最前列に座ったナズは、拍手喝采、 「ホ~~ッ!」と叫びまで上げてしまいました! (Michael君が、大好きなんですよ、お客さんの笑い声や声援を耳にするの♪優しい彼は、自分だけではなく、共演者の方たちが喝采を浴びるのもとても喜ぶんです♪ だから、ナズは、席が後ろの方でも、ステージのMichael君に聞こえるように、出演者の皆さん全員の見せ場でいつも拍手喝采、叫びを上げます・・・笑)
Michael君は、ナズの席がどこなのか知っていましたし、他の主要キャストの方たちも、最前列で大喜びしながら見てるのが、毎晩楽屋口に来ていたナズだとご存知のようでした。 それ以外のキャストの方たちも、今夜は、最前列に熱心なファンが来て大声援を送ってくれている・・・というのはわかったようで、この晩の公演は、ほかの時と比べて、すごく盛り上がりましたよ~!(笑)
観客の反応がいい時は、本当に、キャストの方たちのノリがまったく違うんです! ダンスの勢いが増したり、歌もいつもより感情を込めた感じになったり、普段と違うしぐさが入ったり・・・何よりも、大喝采を受けて、輝くような誇らしげな笑顔でステージに立っている俳優さんたちの姿を見るのが、ナズは大好きです♪

プレミアでの映画上映シーン(ちゃんと舞台上にスクリーンが用意されて、実際に映画が上映されるんですよ!)の後、ドンとリーナの舞台挨拶(燕尾服を着たMichael君がとってもステキ♪)、ドンとキャシーの出会いのシーン、プレミアパーティのシーンと場面は進み、ドンのロマンチックなソロ「You Stepped Out Of A Dream」のあと、コズモのコミカルでダイナミックなソロ「Make'em Laugh」、キャシー役のクリスティーナさんの美しい「You Are My Lucky Star」と、映画でもおなじみの名曲が続きます。

そして、ドンがキャシーに歌う甘いセレナーデ「You Were Meant For Me」がいよいよ始まろうとした時、舞台上手のそでのほうから、なにやらものすごい音が聞こえてきたんです! 「ガラガラガラガラ~ッ!」と何かが崩れるような音がけっこう長い間聞こえて・・・。 まさに歌い始めようとしていたMichael君が思わず振り向いたくらい、すごい音! と、振り向いたMichael君の顔が、驚きの表情に変わりました。 それでも、何事もなかったかのようにMichael君は歌い始め、ショーは、普段通りに続行されました。 いったい何が起きたんだろう・・・と思いつつも、ナズもまた素晴らしいショーに心を引き戻されました。

続いて、ドンとコズモのダイナミックなダンスの見せ所、「Moses Supposes」という楽しいナンバーが始まり、また劇場中が大盛り上がり!リーナのトーキー撮影の爆笑シーンと、完成したトーキー映画の試写会(またスクリーンで実際に映画が上映されます。)のあと、ドン、コズモ、キャシーの楽しいナンバー「Good Mornin'」に続いて、前半最大の見せ場、Michael君演じるドンが、舞台に降る雨の中で歌うタイトルソング「Singin' In The Rain」が始まりました! 実際にお湯の雨が降りしきる舞台の上で、映画の名シーンそのままに、びしょぬれのドンが、傘を片手に、歌って踊ります♪ 傘を投げ上げたりまわしたりしつつ、雨水を跳ね上げながらの素晴らしいダンスを見せてくれました。
そして、このシーンの最後に警察官が通りかかるのですが、普段はもちろんキャストメンバーの一人が演じているわけです。 でも、この日の公演は、特別に地元の警察署長さんが演じていました! もともとこちらの劇場にいつも見に来られるほどの演劇好きで、以前から「一度でいいから、『雨に唄えば』で、雨のシーンに出てくる警察官の役を演じてみたい」とおっしゃっておられたそうで、今回、その夢がかなったわけです(笑) 主演のMichael君に優しく見守られながら名演(?)を見せてくださった警察署長さん、観客の大喝采を浴びていましたよ♪ Michael君もとても嬉しそうでした♪
このシーンで前半が終わり、休憩が入ります。この間に、ステージの模様替えと、びしょぬれになったMichael君の身支度が行われるわけです!

休憩が終わると、リーナのものすごい歌声をキャシーが吹き替える「Would You」のシーンから後半が始まります。 ドンの「You Stepped Out Of A Dream」をはさんで、リーナの爆笑ソロ「What's Wrong With Me」で会場が大爆笑! そして、このミュージカル最大のダンスナンバー「The Broadway Ballet」が始まります。 キャストの群舞を従えて、ドン役のMichael君がリズミカルかつダイナミックに歌って踊ります! テンポの速いダンスから、クラシックバレエを思わせる優雅なダンスまであって、その素晴らしいパフォーマンスは、観客を心ゆくまで楽しませてくれました♪

ダイナミックなダンスを堪能した後、ミュージカルに作り直されたドンとリーナの初のトーキー映画の試写会です。 スクリーンには、キャシーが吹き替えたリーナとドンの映像が映し出されます。 そして、いよいよ大団円!(「雨に唄えば」をご覧になったことがない方もおられるかと思いますので、ネタバレにならないよう、ラストシーンの詳細は、書かないでおきますね。)ドンとキャシーの美しいデュエット「You Are My Lucky Star」の後、フィナーレとなり、 キャストが、タイトルソングの「Singin' In The Rain」を歌いながら、おそろいの黄色いレインコートと赤い傘で登場します♪
そして、メインキャストが、ステージに登場!会場中のスタンディング・オベイションを受けた後、ドンとキャシーが最後に素敵なキスシーンを見せてくれて、素晴らしいステージが幕となりました。

終演後にMichael君と会ったナズは、前半の途中で舞台のそでから聞こえてきたすごい物音について聞いてみました。
「やっぱり、客席にも聞こえちゃってたんだね・・・。 実は、舞台のそでのところに、大道具を天井からつるしておく長い鎖が下がっているんだけど、それが1本、落下しちゃったんだよ!」
それで、ガラガラと何かが落ちるような音だったんですね~!
「ウワッ、危ない! 誰も、怪我、しなかった!?」
びっくりしてたずね返したナズに、
「うん、幸いなことに、誰も怪我せずに済んだんだ。 とても長い鎖だから、すごく重いんだよ。 もし誰かが下にいたら、大変なことになってたと思う。」
と、Michael君はホッとしたような微笑を浮かべながら答えてくれました。
一緒に写真を撮らせてもらい、Playbill(劇場が観客に無料で配ってくれるプログラム)の表紙にサインしてもらいました♪ 他にも何人かファンが来ていて、Michael君は、気さくにおしゃべりをし、サインをしてあげていました♪
「明日、日本に帰るんだよね。 本当に遠くから来てくれて、何回も見てくれて、ありがとう!すごく嬉しいよ。 気をつけて、帰ってね!」
素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた後でとても疲れているでしょうに、ナズを気遣ってくれる優しいMichael君!
「また、夏くらいに、見に来るね~!」
「うん、夏にも、きっと何かに出演してると思うから、また見に来てくれるのを楽しみにしているよ!それじゃ、さようなら!」

Michael君に別れを告げて、名残惜しい思いを抱えてホテルに帰ったナズ・・・。 待っていたのは、帰国のための荷造りでした・・・(爆) いきなり現実に引き戻されたナズは、夜半過ぎまでかかって、荷物をまとめました(笑)!

こうして、シアトルでのMichael君主演のミュージカル「Singin' in the Rain」観劇の旅は、幕を下ろしたわけです♪ ファンの欲目を抜きにしても、本当にMichael君のパフォーマンスは、素晴らしいです! ミュージカル俳優だけに歌やダンスばかりが評価されがちですが、演技力の点でも実に優れた俳優さんなんですよ。人を笑わせるのは難しいとよく言われるように、コミカルな演技は本当に難しいのですが、Michael君は、表情たっぷりに感情を込めて熱演し、観客を楽しませてくれるんです♪彼の素晴らしいパフォーマンスを間近に見ることができて、ナズは、本当に幸せだな~と思います♪
これからも、彼の近況・次のお仕事など、このブログでお伝えしていきますので、Michael君を見守ってあげて下さいね~~♪ そして、いつか機会があったら、ぜひ彼の舞台を見に行ってあげて下さい!きっとMichael君、大喜びすると思います♪




"Singin'" in Seattle! -シアトルのMichael君♪ その2

2005-02-27 01:05:49 | Michael 04-05 Anyting/Singin
シアトルのMichael君(マイケル・グルーバー)、続きです♪ (写真は、Michael君の公演が行われているシアトルの The 5th Avenue theatreです。)

火曜日の夜、「元気なMichael君が見られるぞ~♪」と喜び勇んで劇場に向かったナズ♪ 「1日休めば、元気だよ♪」というMichael君の言葉は本当で、彼だけでなく、共演者の皆さんも、とっても元気な生き生きとしたパフォーマンスを見せてくれました♪
通常、劇場は月曜日がお休みです。火曜日から毎日公演が続いて、最後の土日は、昼の回があるので1日2公演!お客さんが大勢見に来る土日、実は、俳優さん達はクタクタなんですね~~!特に出番の多い主演クラスの俳優さん達は、本当に大変です。
その点、休み明けの火曜日や水曜日は、俳優さん達、とっても元気です♪ ダンスや歌が素晴らしいのはもちろん、普通の演技も、細かいところの間や息の合い方が全く違うんです。生の舞台は、本当に毎回どこかが微妙に違うんですよ。続けて何回か見ると、いろんな発見があって、本当に面白いです♪

火曜日の終演後、楽屋口で再会したMichael君に「Great show!」と声をかけると、とっても嬉しそうに微笑んでくれました♪ 共演者の方たちも一緒に出てきたので、キャシー(Kathy)役のクリスティーナ(Christina Saffran Ashford)さん、コズモ(Cosmo)役のマイケル・アーノルド(Michael Arnold)さん(今回の"Singin'"、主要キャストに「Michael」が二人いるんです!)、そしてリーナ(Lina)役のリサ(Lisa Estridge)さんの3人からサインをいただくことができました♪

クリスティーナ(Christina)さんは、1993年のカリフォルニア州サクラメント、1994年のニュージャージー州ミルバーンの公演でも、同じキャシー役でMichael君と共演しています。 また、Michael君のスタジオキャストレコーディングの「Singin' in the Rain」のCDでも、キャシー役を演じています。とても美しい澄んだ歌声の持ち主で、演じている役柄同様、ご本人もとても優しい素敵な女性です♪ 彼女のサイトがありますので、ご覧になってみて下さい♪ Hi, Christina! Thank you so much for the great shows! I really enjoyed them. You're the greatest female singer I've ever heard!! :-)

マイケル・アーノルド(Michael Arnold)さんは、「Cats (キャッツ)」でMr. Mistoffelees(ミスター・ミストフェリーズ)を演じたことのある方で、ダンスがとてもお上手です。味のある、とても愉快なコズモを見せてくれて、観客を大笑いさせてくれました♪ Hi, Michael! As I told you, I really like your Cosmo! :-) You made me laugh a lot every time!

そして、リサ(Lisa Estridge)さん! 彼女は、ピーター・パンを演じたことがあるそうで、素顔の彼女は、とても優しくて、朗らかでキュートな女性なのですが、いざ舞台に上がると、とてもダイナミックな最高のリーナを演じてくれます♪ もう劇場中が大爆笑でした! Hi, Lisa! It was really wonderful that I could talk with you after the shows! Your Lina was really great! I miss you so much!

To be continued・・・(続く)♪

"Singin'" in Seattle! -シアトルのMichael君♪ その1

2005-02-26 23:19:28 | Michael 04-05 Anyting/Singin
皆さま、お久しぶりです。ナズでございます♪ シアトルより無事帰国いたしました~! しっかり、Michael君(マイケル・グルーバー)の「Singin' in the Rain」を見てきましたよ~~! 滞在中の全公演にあたる6ステージ、見ることができました♪ (写真は、ナズのシアトル滞在最後の晩〔2月23日 水曜日〕の公演の後に、楽屋口のところで撮らせてもらったMichael君の写真です♪ 彼の人柄そのままの、相変わらずの優しい笑顔が素敵です♪彼の横に映っているナズの姿は、いつも通り自主規制でカットさせていただきました〔笑〕Michael君の美しい笑顔だけをお楽しみ下さい♪)

Michael君の美しい歌声にますます磨きがかかり、そのよく響く素晴らしい声にもううっとりと聞きほれてしまいました♪ またダンスも最高! もともとすっきりと引き締まっていた彼のボディが、ますますしなやかに細くなっていて、そのすらりとしたプロポーション抜群の長身で、キレのいい、ダイナミックかつ美しいダンスを披露してくれました♪ そして、コミカルなところは思いっきり笑わせてくれ、ロマンチックなところではしっとりと甘いムード満点に演じてくれて、本当に素晴らしいパフォーマンスでした~~~! Hi, Michael! Thank you so much for everything! I really enjoyed your great performance! You're always sooooo cool! I just can't wait to see your next performance!! :-D

シアトルに到着した最初の日(19日 土曜日)、マチネと夜の公演の2回を見たのですが、特に夜の公演の時、Michael君の顔色が優れず、体調もよくない様子で、終演後も楽屋口に姿を現さなかったので、ナズは、彼のことがとても心配でした・・・。翌日の日曜日、この日もマチネと夜の公演の2回があり、この日の公演は、昼も夜も、前日の土曜日よりずっと素晴らしかったので、Michael君、具合が悪いわけではないのかな・・・と、ちょっと安心して見ることができました。 マチネの後は、土曜日同様、楽屋から出てこなかった彼でしたが、夜の公演の後には、楽屋口から出てきてくれました~♪
「大丈夫!? 昨日、ずいぶん辛そうだったよ! 具合が悪いんじゃないの!?」
と心配するナズに、
「心配かけて、ごめんね。 ただちょっと疲れていただけなんだよ。 どこも悪くないから、大丈夫。」
と笑顔を見せてくれました。 主役でダンスのシーンが多い彼、自分が体調を崩すと共演者にも迷惑がかかってしまうので、土曜日の晩は、足等に氷をあてて冷やしていたため、楽屋を出るのがずいぶん遅くなってしまったのだそうです。 (シアトルでの公演では、ナズが見たこの土曜日が、初めての1日2回公演の日だったんです。) 日曜日だって1日に2回公演をしていて、とっても疲れていたでしょうに、ナズが持参したささやかなプレゼントをとっても喜んでくれ、
「去年もカナダまで見に来てくれて、今回も遠くからわざわざ、しかも6回も見てくれるなんて、本当にありがとう!」
と、優しくお礼を言ってくれました・・・。 いつでも、とっても優しいね~、Michael君♪
翌日の月曜日は、公演はお休みだったので、
「明日は会えないけど、君は、シアトルは初めてなんだよね。 楽しい1日になるといいね。 明日1日休めるから、火曜日には、僕ももっと元気だよ♪」
と言ってくれたMichael君でした♪
土曜日の晩は、Michael君のことが心配でゆっくり休めなかったナズでしたが、実際に会うことができた彼の様子が、思いのほか元気そうだったので、足取りも軽くホテルに戻りました♪ すでに4回観終わっていたのですが、とても素晴らしいステージで、見る度にとっても楽しくて、火曜日の公演が待ちきれないでいるナズでした♪

To be continued・・・(続く)♪

舞台の上で、サイレント映画!? -Silent Films on the Stage!

2005-01-30 13:57:09 | Michael 04-05 Anyting/Singin
以前にもご紹介した通り、「Singin' in the Rain」は映画界を舞台にしたミュージカルです。映画版の中でサイレント映画の撮影風景と完成したサイレント映画の上映のシーンが登場しますが、ステージ版でも、舞台の上で映画が見られるんですよ~♪ (写真は、昨年(2004)12月にテキサス州ヒューストンのTheatre Under The Starsでの公演のためのサイレント映画の撮影風景。手前に立ってこちらに背中を向けているのがMichael君(マイケル・グルーバー)。素敵なドレスに身を包んでいる女優さんは、サイレント映画の人気女優リーナ・ラモント役を演じたRachel deBenedetさんです。)


舞台俳優のMichael君達が、つかの間、映画俳優として、昔のサイレント映画時代そのままの演技を披露してくれます。この作品が上演される時は、このようにして、事前にサイレント映画の部分を撮影して、ステージ上で上演するのだそうです。
ステージに雨は降るわ、映画は見られるわ、とっても盛り沢山で、嬉しいミュージカルですよね~、この「Singin' in the Rain」って♪ やることが多いから、キャストやスタッフの人達は、大変そうですけど・・・。

ステージに雨を降らせる・・・-Rainin' on the Stage!

2005-01-19 14:48:31 | Michael 04-05 Anyting/Singin
「ステージに雨を降らせる」と口で言うのは簡単ですが、実際に降らせるためには、それなりの設備と準備が必要なんです。今回は、どうやってステージに雨を降らせるのかについてお話しましょう~~♪ (写真は、昨年(2004)12月のヒューストンの劇場での公演で、雨のシーンを演じているMichael君〔マイケル・グルーバー〕です。)

まず絶対に必要なものは、雨用の水を貯めておくためのタンクと、水(というかお湯)を雨のように降らせるパイプです。仕様は、個々の劇場によって違ってくると思いますが、ここでは、昨年(2004)12月に公演が行われたヒューストンの Theatre Under The Starsの設備をご紹介致します。

こちらの劇場には、250ガロン(1ガロンが約3.8リットルなので、約950リットル)貯水できるタンクが2個あります。雨用の水は、このタンクに汲み上げられます。
「雨」は、セットの上方に設置された2本の平行に走るパイプから降ってきます。1本はステージ前方にあり、1列に並んだ穴があります。これによって、セットの前面に雨のカーテンを作ります。もう1本のパイプはステージ後方にあり、シャワーから吹き出る水のように、セット全体に水を吹きかけます。ステージ上に降り注いだ水は、二重になった床の部分に集められ、再び、タンクに汲み上げられます。
ステージ上に雨が降るのは、ドンが雨の中で踊るシーンだけではなく、最後にキャストがそろって再登場する時にも降らせるのですが、最初のダンスのシーンだけで毎回 350ガロン(約1,330リットル)の雨が降り、再登場の時にさらに 100ガロン(約380リットル)の雨が降ります。
またタンクには水を温めるための装置が付いており、これによって華氏130度(摂氏だと54.4度)に温められたお湯が降るわけです。
(1994年のニュージャージー州ミルバーンにあるPaper Mill Playhouseという劇場での公演では、この装置が故障して、最初のテクニカル・リハーサル(技術的に問題ないかを確認するためのリハーサル)では、Michael君の上にとても冷たい大量の雨が降り注いでしまったそうです・・・! かわいそうなMichael君!)

雨の中で歌って踊るシーンのセットには、全て、屋外用の耐水ペイントが使用されています。またステージのビニール加工のダンスフロアは、すべりにくくするために、砂を混ぜ込んだ透明のアクリルビニール製のカバーで覆われています。今回の公演では、初演(プレビュー公演の)の晩にMichael君がすべって転んでしまったので、その後、新たにもう1枚カバーが追加されました。

Michael君: 「まるで、紙ヤスリみたいな感じなんだ。歩道に敷かれたカバーには、砂じゃなくってクルミの殻を砕いたのが混ぜてあるんだよ。車道の方には黒い砂が混ぜてあるんだけど、その方が、歩道には色が合うんでね。」 (Michael君のインタビューより)

映画だったら、失敗があっても撮り直せばいいだけなのでその点は気楽ですが、生のステージではそうはいきません。

Michael君: 「ダンスのステップ自体は、たいして難しくないんだけどね。それ以外の要素が問題なんだよ。車道や歩道と雨を降らせてるパイプの位置関係で、毎回、演技に微妙な影響が出てくるんだ。雨水の重さも、動きに影響を与えるしね。ついうっかり雨の勢いがいちばん激しいところを通っちゃったりすると、傘なんか簡単に壊れちゃうんだよ! ちょうど初演の晩に、壊れちゃったみたいにね。それに、僕が傘を投げあげて1回転させて受け止めるシーンでも、傘の動きが違ってくるんだよ。」 (Michael君のインタビューより)

このシーンは、前半のラストシーンで、前半と後半の間の休憩時間中に舞台装置の入れ替えが行われます。床のカバーも含めて大道具をどかすだけで10分かかり、その後、モップやぞうきんで濡れた舞台を拭かなくてはなりません。
また演じていたMichael君の方も、休憩時間中、わずか15分ほどの間に、髪を乾かして着替えなくてはならないので、とても大変です! Michael君の衣装は、撥水性の生地ではないので、毎回、全身がぐっしょり濡れてしまいます。このシーンで彼がつけているマイクは、濡れないようにカバーが取り付けられています。衣装は、すぐ乾くように、またシワになったり縮んだりしないように、薄いポリエステルで出来ています。1日に2回公演がある日用に、2枚の衣装が用意されました。

Michael君は、昨年(2004)12月の公演で、「Singin' in the Rain」に主演したのは5回目だったのですが、それについて、こう語っています。

「いつだって、とっても楽しいよ。最初の1週間を何とか乗り切れば、スタミナがつくしね。何でもあるがままに受け止めて、出来る限り楽しめばいいのさ。うまくいかなくて落ち込んだとしても、どうにか立ち直って、またがんばるんだ。初めてこの役を演じた時は、僕は28才だったんだよ。だから、僕にとっては、肉体的な挑戦でもあるんだ。40才になった今でも、ちゃんと演じられてるだろ♪」








Anything Goes in Stratford

2005-01-16 05:44:49 | Michael 04-05 Anyting/Singin
ナズが「Anything Goes エニシング・ゴーズ」というミュージカルを好きになった理由・・・それは、昨年(2004)の7月にカナダのストラトフォードで見たMichael君(マイケル・グルーバー)の主演するミュージカルが、それだったからです♪ コール・ポーターの華やかで軽やかな美しい歌が随所にちりばめられた、とても楽しいミュージカル・コメディです♪コール・ポーターのすごいところは、曲だけでなく、小粋でステキな歌詞も自分で書いてしまうところなんですよね~!(写真は、Playbillの表紙から。ビリー役のMichael君とリノ・スウィーニー役のシンシア・デールさんです。)

コミカルな演技がとても上手なMichael君の本領発揮!しかも、そのよく響く美しい声で、ロマンティックなラヴソングを聞かせてくれ、見事なタップダンスも披露してくれました~♪豪華客船の中を逃げ回る・・・という役どころなので、水兵服あり、イギリス紳士風あり、ギャング風あり、果ては老婆の扮装から中国人までと、さまざまな格好のMichael君を見られるのも、見所の1つです♪

毎年行われているThe Stratford Festival of Canada、もともとは、シェイクスピア演劇祭だったのですが、現在では、ミュージカルや前衛的かつ試験的な演劇なども上演されています。 毎年4月から11月くらいの期間、開催されるのですが、上演期間は、個々のお芝居によって違います。小さな街なのですが、 劇場が4つもあり、昨年は14本ほどのお芝居が上演されていました。昨年の「Anything Goes」は、Avon Theatreという劇場で、5月8日から10月31日まで上演されました。現在では2004年バージョンではなくなってしまっているので、「Anything Goes」のことは載っていないのですが、 フェスティバルのサイトは、こちらから見られます。

「Singin' in the Rain」のドン同様、この「Anything Goes」のビリーも、Michael君の得意とする持ち役で、1993、2000、2003 そして昨年(2004)と、4回も公演しています。 昨年のフェスティバルは、カナダのフェスティバルなので当然カナダの俳優さん達が多いのですが、監督で振り付けも担当したアン・アレンさんが、「いかにもアメリカらしいミュージカルなので、主演は、アメリカ人の俳優さんを起用したい」と希望したため、Michael君もオーディションを受け、見事、ビリー役を勝ち取ったというわけです♪ 自ら作曲も手がけ、すでに仕事上のパートナーであるジェニファー・アレンさんと一緒に3つのミュージカルを作ったMichael君、自然に恵まれた美しいストラトフォードの街の静かな環境が気に入ったようで、余暇には作曲にも精を出していたようですよ。

ナズは、7/17に成田からの直行便で、カナダのトロントに着いたのですが、夕方の到着だったので、トロントに一泊しなければならず、翌日の午前10時にバスでストラトフォードに向かいました。
7/18から7/24(この日の朝、またバスでトロントに戻り、翌日、トロントから成田に帰国しました。)の7日間ストラトフォードに滞在し、その間の全公演にあたる4回、「Anything Goes」を見ました。
毎回、終演後に楽屋口でMichael君を待っていたので、他の共演者とも顔見知りになり、いろいろおしゃべりできたのが楽しかった~♪ 特に、最後の晩の7/23は、最前列の右端で見ており、開演前にMichael君に「今日は、最前列の右端で見てるよ~!」と知らせておいたので、終演後の楽屋口で、共演者の人たちが口々に、「見えてたよ~!」、「たくさん拍手して、声援を送ってくれて、ありがとう♪」と声をかけてくれました♪
Michael君と特に仲がよかった共演者で、Michael君と同じアメリカ人でムーンフェイス役のジミー・スパドーラさんと、Michael君演じるビリーが惚れるホープのお母さん役のパトリシア・コリンズさんのお二人に、 Michael君が紹介してくれました。二人とも気さくで、感じがよく、特にジミーさんは、すごく面白い人でした♪
同時期に、Festival Theatreというストラトフォードのメイン劇場で、「Guys and Dolls」というミュージカルも上演されており、Michael君はこちらには出てませんでしたが、両方に出ている出演者も多かったです。 ナズは、こちらのミュージカルも2回、見たのですが、とっても楽しかったです♪2度目の時は、前日にこちらのミュージカルにも出ているジミーさんに、ナズの席を教えておいたので、彼が見つけてくれ、終演後、楽屋口で会った時に、「気付いてたよ~♪」と言ってくれました。

残念ながら、Michael君バージョンの「Anythin Goes」のCDは、現在発売されていません・・・。とても素晴らしい歌声なので、すっごくもったいないな~と思います。そのうち、発売されるといいのですが。


あらすじは、以下の通りです♪
大富豪のホゥィットニー氏のアシスタントをしているビリー・クロッカー(これが、Michael君の役)は、一度だけパーティで会ったことがあるホープという女性に夢中。ビリーに惚れているクラブ歌手のリノ・スウィーニーがしきりとモーションをかけてくるのも目に入らず、ホープから連絡がないかとそればかり気にしています。
ホゥィットニー氏がNYからロンドンに旅立つことになり、彼の忘れたパスポートを豪華客船まで届けに行ったビリーですが、その船にホープが乗り合わせており、しかも英国貴族のオークリー卿と婚約していると知って、大ショック!
同じ船には、腐れ縁のリノや、神父に姿を変えたギャングのムーンフェイス・マーティンとその女エルマも乗り合わせていました。 結果的にムーンフェイスをかばってやることになってしまったビリーは、ムーンフェイスと一緒に乗船するはずだった「民衆の敵ナンバーワン」のスネーク・アイズの分の偽造パスポートと乗船券をお礼にもらい、ホープが気になって仕方のないビリーは、ついに密航してしまいます・・・。
しかし、スネーク・アイズが乗船しているという情報を得た船長は、ビリーがスネーク・アイズだと思い込み、ビリーは指名手配されてしまいます。 彼を探し回る船員の目を避けるために、さまざまな変装をしながら、一方で、何とかホープの心を取り戻し、オークリー卿との仲を裂こうと奮闘するビリー。すったもんだの末、とうとうつかまって閉じ込められてしまったビリーとムーンフェイス。 明日には、船上でホープの結婚式が行われると知り、またまた大ショック! 果たして、ビリーの運命は・・・?