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M for Michael Gruber♪- Mは、マイケル・グルーバーのM~♪

キャッツDVDのマンカストラップ、アメリカの舞台俳優、Michael君のことや、ブロードウェイニュースをお伝えします。

Grey Gardensの登場人物達 その3 - ジョージ・「グールド」・ストロング -

2009-06-07 05:40:10 | Michael 09 Grey Gardens
ミュージカル「Grey Gardens」の登場人物、最後を飾るのは、Michael君(マイケル・グルーバー)が演じたジョージ・「グールド」・ストロングです。実際の彼は、ミュージカルの中のキャラクターとはだいぶ違う人物だったようです。(写真は、本物のグールドです。)

ジョージ・「グールド」・ストロングは、ブギウギの作曲者として、また、1973年のドキュメンタリー映画「Grey Gardens」及び同名のミュージカルの主人公ビッグ・イーディの伴奏者としてもっともよく知られています。

グールドは、1910年1月21日にイーストハンプトンで生まれました。彼の父は、貸し馬車(馬)屋を営んでおり、その他にも鍛冶屋や不動産業、保険の営業等もやっていました。ストロング家の大きな厩舎の2階は、地元コミュニティのダンス場として、また高校のバスケットボールコートとして使用されていたそうです。

シラキュース大学に2年間通った後、ラトガーズ大学に移った彼でしたが、結局は大学を中退してしまい、その後、ニューヨークのNBC(the National Broadcasting Company)に就職しました。ニューヨークでは、同性のルームメイトとアパートをシェアして暮らしていました。ニューヨークで、文筆活動に精を出していたグールドは、休暇をイーストハンプトンで過ごしたそうです。

ピアニストとしても優れた才能を持っていた彼は、キャバレーに出演していたこともあり、一時期パリに住んでいたことがあるようです。またニューヨークで、短期間ながら自分のラジオ番組を持っていたこともあるそうです。

グールドとビッグ・イーディは、1930年代後半に知り合いました。程なく2人の交際が始まり、彼らは、ニューヨークのアパートを密かに借りて一緒に住んでいました。彼女の夫のフェランは、この2人の交際に気づいており、グールドを嫌っていたそうです。グールドとビッグ・イーディは「ソールメイト」と呼ばれていましたが、2人の関係はプラトニックなものだったようです。グールドは、80以上もの曲を書いて、イーディに捧げたそうです。

ミュージカル「Grey Gardens」の中には、「グールドが自殺した」という歌詞が登場するナンバーがありますが、実際の彼は、3週間の入院の後、1963年4月3日、サザンプトン病院で病死しました。生涯独身を通し、享年53歳でした。グールドは、出血性の潰瘍を患っていたのですが、クリスチャン・サイエンティスト(近代医学に頼らす、祈りによるヒーリングパワーで病を癒そうとする宗教団体)の一員だったため、治療に必要な輸血を受けることを拒絶しました。もし輸血していたら、彼は死なずに済んだだろうと言われています。彼の葬儀は、イーストハンプトンにあった自宅で営まれ、その後、同地のCedar Lawn Cemeteryに埋葬されました。

ドリュー・バリモアとジェシカ・ラングがイーディとイーディスを演じた、HBO製作の映画「Grey Gardens (2009)」の中でグールドを演じたマルコム・ゲッツは、作中、ダイヤモンドの指輪をつけていたのですが、これは、実際にグールドが身につけていたもので、ビッグ・イーディから贈られた指輪だったのだそうです。

Grey Gardensの登場人物達 その2 - リトル・イーディ -

2009-06-06 16:53:12 | Michael 09 Grey Gardens
ミュージカル「Grey Gardens」の登場人物、今回は、2人のイーディのもう1人、娘の方のイーディをご紹介致します。(写真は、若き日のイーディです。なかなかの美人さんでしょう?お母さんのイーディスも、若い頃はすっごい美女だったんですよ!)

イーディの本名は、Edith Bouvier Beale といい、1917年11月7日にニューヨークで、法律家であるPhelan Bealeとその妻のEdith Ewing Bouvierの間に唯一の娘として生まれ、弟が2人いました。
イーディが幼かった頃、母のイーディスは、パートナーを雇い、小さな劇場や個人のパーティ等で歌を披露していました。1931年、父親のフェランが家族と別居したため、収入のない35歳のイーディスは、実家に頼って生活をすることになりました。

イーディは、1936年の1月1日、社交界にデビューし、地元イーストハンプトンにある社交クラブ、Maidstone Clubのメンバーになりました。
若き日のイーディは、ニューヨークやパームビーチのデパートで、初のファッションモデルとして活躍しました。後に、彼女は、実業家のJ. Paul Gettyとつき合ったこともあったし、Joe Kennedy, Jr.と婚約していたこともあったと述懐しています。

1947年から1952年まで、イーディは、名声とあわよくば生涯の伴侶を見つけるべく、マンハッタンのBarbizon Hotel for Womenで暮らしていました。ドキュメンタリー映画の中のインタビューで、彼女は、「きちんとした生活と天秤座生まれの男性を捜していた。自分は、自分とは愛称の悪い射手座の男性ばかりに興味を持っていた。タイミング悪くニューヨークに『着陸』してしまったので、楽しい時を過ごすことが出来なかった」と語っています。また同じくドキュメンタリーの中で、彼女は、母親に向かって、「ここに戻ってきたせいで、マックス・ゴードン(有名なプロデューサー)との大きなチャンスを逃してしまった」と文句を言っていました。

イーディの死後、住居管理者となった甥の手元に残った彼女の日記や手紙によれば、彼女は、トルーマン大統領の下で内務長官を務めていたJulius Albert Krugと不倫の仲だったそうで、その関係は、2009年公開の伝記映画の中でも描かれているそうです。ドキュメンタリーの中でも、母親のイーディスが、彼女に向かって「あの既婚者の男は、お前に何のチャンスもくれなかったじゃないの」と、Krugとの関係をほのめかしています。

1952年7月2日、イーディは、母と共に暮らすために、Grey Gardensに戻ってきました。1980年に彼女は、甥に、「祖父は亡くなる時に、65,000ドルの信託を残したが、伯父のジャックは、その信託を自分の娘達のために使うことしか考えておらず、実際にそうした。だから、彼が、母の面倒をみるべきだ」と書き送りました。実際のところ、母のイーディスが生活費として受け取っていたのは毎月わずか300ドルのみで、母娘は、ティファニーのコレクションを少しずつ売って生活費を得ていました。

1963年に長年母娘の世話をしてきたTom 'Tex' Loganが亡くなりました。その後、1968年に泥棒に入られて以降、2人は、世間から孤立して暮らすようになり、ますます生活に困窮するようになっていきました。
1977年2月に母親のイーディスが亡くなった後、60歳のイーディは、1978年1月にマンハッタンのReno Sweeneyでショーを8回行いましたが、客の入りは悪く、「愚かさの公然陳列でしかない」と酷評されたそうです。

母の死後、グレイ・ガーデンズで2年間暮らしたイーディは、1979年に22万ドルで屋敷を手放しました。その後、サザンプトンの小さなレンタル・コテージやニューヨークのアパートで暮らした後、彼女は、フロリダへと移り住み、1990年代半ばには一時期カナダのモントリオールで過ごしました。
1997年にカリフォルニア州オークランドの親戚の下で暮らした彼女は、同年の秋には、再びフロリダへと戻り、以来、外界とは遮断された静かな生活の中で、詩を書いたり、友人やファンと手紙のやり取りをして過ごしました。84歳で亡くなる間際まで、毎日の水泳を欠かさなかったそうです。

2002年1月14日、アパートの自室で、イーディの遺体が発見されました。死後5日ほどが経過しており、死因は心臓発作でした。彼女は火葬され、葬儀はイーストハンプトンのカトリック教会で営まれました。遺族は、甥が3人と姪が1人でした。
彼女は、イーストハンプトンで眠る母のとなりには埋葬されたくないと望んでいたそうで、遺灰を大西洋に撒いてほしいと希望していたのですが、遺族は、ロングアイランドのLocust Valley Cemeteryにある彼女の弟のとなりに埋葬しました。

Grey Gardensの登場人物達 その1 - ビッグ・イーディ -

2009-06-05 21:47:56 | Michael 09 Grey Gardens
Michael君(マイケル・グルーバー)が、今年(2009)の3月17日から5月17日まで出演していた「Grey Gardens」は、ドキュメンタリー映画をもとに作られたミュージカルですが、実際の本人達は、どんな人物だったのでしょう? (写真は、ドキュメンタリー映画からの1シーンで、自分達の寝室にいる本物のイーディス〔ベッドの上〕とイーディです。)

主要登場人物のうち、ビッグ・イーディ(イーディス)とリトル・イーディ(イーディ)、そしてMichael君が演じていたグールドの3人をご紹介しようと思うのですが、まずは、Grey Gardensの主とも言うべきビッグ・イーディからご紹介しましょう。

イーディスは、Edith Ewing Bouvier Bealeが本名です。1895年10月5日にJohn Vernou Bouvier, Jr.とMaude Sergeant Bouvier(ジャクリーン・ブーヴィエ・ケネディ・オナシスの父方の祖父母。従って、イーディスは、ケネディ大統領夫人だったジャクリーン・ブーヴィエ・ケネディ・オナシスの実のおばに当たります。)の間に、5人兄妹の1人として生まれました。
彼女の母は、裕福な製紙業者の出で、父は第一次世界大戦中にアメリカ陸軍に任官していたこともあるやり手の法律家で、Major Bouvier と呼ばれることを好んだそうです。子供時代の彼女は、2人の兄と姉妹のMaudeやMichelleと共に優雅な特権階級の暮らしを謳歌しながら成長しました。

素人の歌手として活動していたイーディスは、1917年に彼女の父の法律事務所で働いていた、法律家で投資家のPhelan Bealeと結婚しました。2人の結婚式は、ニューヨークのSt. パトリック教会で盛大に行われ、2人は、ニューヨークのマディソン・アヴェニューに新居を構え、1917年11月7日には、長女のイーディス(イーディ、 後のリトル・イーディ)、1920年に長男のPhelan Beale, Jr.、1922年には次男のBouvier Bealeが生まれました。

1923年に、彼女の夫は、イースト・ハンプトンの海辺近くにたたずむ14室の豪邸グレイ・ガーデンズを購入しました。娘のイーディが14歳になった頃、イーディスは夫と別居、娘を連れて、大西洋に面したビーチまでわずか1ブロックのこの瀟洒な屋敷に移り住みました。屋敷の所有権は彼女が有し、夫から娘の養育費はもらったものの、別居手当はもらえなかったため、生活はもっぱら彼女の実家の財力に頼り、自身は素人歌手として屋敷でリサイタルを開いたり、地元の催しに出演したりしていたそうです。
父のMajor Bouovierと彼女の息子のBouvier "Buddy" Bealeは、維持費に莫大な費用がかかるグレイ・ガーデンズを手放すようにと説得を繰り返しましたが、彼女は決して受け入れませんでした。

1942年に、彼女が、自分の息子の結婚式にオペラ・スターのような派手な扮装で現れた時、彼女の父親は、遺言書から彼女の取り分をほとんど削ってしまいました。1948年には、その父親も没し、イーディスは、ふさぎ込むようになり、体重もだいぶ増えてしまったそうです。また1940年代には、彼女は、何度か、眼の手術を受けました。
1946年には、メキシコにいた夫から一方的に離婚を宣告する電報が届きました。(イーディは、カソリック教会に正式に認められていないこの離婚を「ニセのメキシコ風離婚」と呼んでいたそうです。)

イーディスには、2人の男性の友人がおり、彼らは彼女の屋敷に住んでいました。1人は、彼女の伴奏者であるGeorge "Gould" Strong、もう1人は何でも屋で放浪者のTom "Tex" Loganでした。
特に、グールドは、彼女とは「ソールメイト(愛人・気の合う人・心のパートナー)同士」と呼ばれる仲で、ニューヨークにこっそりアパートを借りて一緒に住んでいたこともありました。けれども、2人の関係は、プラトニックなものだったと言われています。

1952年7月、マンハッタンで5年間暮らしていた娘のイーディが、グレイ・ガーデンズに永住すべく戻ってきました。イーディスは、その時、57歳でした。
彼女が65歳の時、姪のジャクリーン・ケネディがアメリカのファースト・レディになりました。その後、1968年に、パーティに出席していた留守に泥棒に入られ、アンティークを盗まれて以来、彼女は、滅多に屋敷を離れることがなくなったのだそうです。

1970年代に、ジャクリーンの妹のLee Radziwillが、イースト・ハンプトンでのジャクリーンの子供時代のドキュメンタリーを作ろうと思い立ち、Albert MayslesとDavid Mayslesの2人に相談を持ちかけていたちょうど同じ頃、見る影もなく薄汚れたグレイ・ガーデンズの現状がマスコミに取り上げられました。ニューヨークのサフォーク郡の衛生局が査察を行った結果、あまりの荒廃ぶりと住みついている猫の数の多さに、現状改善命令が下されました。イーディスには清掃やゴミの処分のための蓄えがなかったため、結局、姪であるジャクリーンとその夫のオナシス氏が、グレイ・ガーデンズ清掃のために3万2,000ドルを寄付して、キッチンや配管の修理を行い、1,000袋もの廃棄物を処分させました。
イーディスが滞納していた税金は、彼女の息子達が、母がこれを機にグレイ・ガーデンズから立ち退くことを期待して支払ったのですが、我が家に戻れなくなることを恐れた彼女は、グレイ・ガーデンズを離れようとはしませんでした。

1973年、Leeと共にグレイ・ガーデンズを訪れたMaysles兄弟は、イーディスを主人公にしたほうが面白い映画が作れると判断、撮影を開始したものの、不本意だったLeeは、フィルムを没収してしまいました。しかしMaysles兄弟は、大統領夫人ではなく、2人のイーディのドキュメンタリーを撮るべく、再びグレイ・ガーデンズを訪ねました。ビール母娘には、ドキュメンタリー撮影の代価として、それぞれに5,000ドルずつが支払われたのですが、当初、兄弟が約束していた映画の収益からの配当は、最後まで支払われることはありませんでした。映画は、1975年に、母娘2人のために、グレイ・ガーデンズの2階のホールで上映され、リトル・イーディは、「名作だわ!」と感想を述べたそうです。批評家からは賛否両論で迎えられたこのドキュメンタリーは、その後数十年に渡って、一部の熱狂的なファンの間でもてはやされることとなりました。

イーディスは、1977年2月5日、肺炎のため、ニューヨーク州サザンプトンのサザンプトン病院で亡くなり、その亡骸は、イースト・ハンプトンのMost Holy Trinity Catholic Cemeteryにあるブーヴィエ家の墓所に葬られました。死の床で、彼女は、娘に「言い残すことは何もない。全てはあの映画の中にある」と、繰り返し言ったそうです。

St. PaulのMichael君 Grey Gardens 観劇記 その4

2009-05-29 12:07:52 | Michael 09 Grey Gardens
観劇記、その4です。(写真は、セントポールの町にある大聖堂です。)

翌5月3日の朝、町を観光しようと早起きしたナズは、この日は2時からマチネを見るため、昼頃には戻ってきたかったので、ハウスキーピングの人に部屋の掃除を11時半までに終わらせてくれるようにお願いしてから、ホテルのロビーに降りました。日曜日は、デパートも、ショッピング街も営業時間が短く、開店するのが昼くらいで夕方には閉まってしまうので、ホテルのコンシェルジェに、どこか朝から開いているところがないか尋ねたところ、町のはずれの方でファーマーズ・マーケットが開かれており、地元の農家の方が花や野菜、蜂蜜、蜂蜜から作った石けんなどを売りに来ていて、食べ物の屋台もあって楽しいと教えてくれたので、そこに行ってみることにしました。

朝のさわやかな空気の中、町を散策するのはとても気持ちがよく、マーケットはけっこうホテルから離れていたんですが、散歩を楽しみながら行くことが出来ました。
そこは、トラック等の大きな車用の駐車場のような感じで、かなり広いスペースのあちこちに農家の方が自分のトラックをとめて、いろいろな物を売っていました。一番多いのは鉢植えと切り花で、蜂蜜、ろうそく、石けん等があり、まだ朝の9時過ぎだったんですが、地元の方達がけっこう大勢買い物にいらしていました。ナズは、ハーブと蜂蜜だけで作った肌に優しい石けんの香りが気に入って、お友達のお土産に・・・といくつか購入しました。
またホットドッグやベーグルサンド、クッキー、コーヒー、レモネード等、いろんな食べ物・飲み物を売る屋台もあって、ナズも、ミルクティを買って、そばに置かれたテーブルのところに腰掛けて、一休みしました。

10時近くなって、マーケットを後にしたナズは、ぶらぶらと町の中心部へと戻り始めたんですが、どちらかと言えばビジネス街なセントポールの中心部、日曜日は、本当にお店が開いていませんでした。
途中、ホテルの前の広場で、人気漫画「Peanut」のキャラクターの像(作者がミネアポリス生まれでセントポール育ちなんだそうです。)をカメラに収め、そこからさらに歩いて、ミシシッピー川の方まで行ってみました。この川の向こうが、ミネアポリスの町です。Twin Citiesと呼ばれているこの2つの町、観光客向けの施設は、ミネアポリスのほうが多いようでした。

ぶらぶらしているうちに11時半を回ったので、ホテルの部屋に戻ったナズ、買ってあったクッキーで昼食を済ませ、身支度を整えて、1時半頃、劇場へと向かいました。
この日は、最前列のほぼ中央の席でした。前日の4列目も、十分、前のほうで、見やすかったんですが、最前列の中央は、本当にステージが近く、でも、ステージと客席の間が2メートルくらい空いているので前過ぎることもなく、出演者の表情がよく見えて最高でした!

メインホールでやっている「リーガリー・ブロンド」の方は、けっこう若い観客も多い感じだったんですが、「Grey Gardens」は、年配の観客が多く、また大都会ではない小さな町なので、観客同士が知り合いばかり・・・という実にアットホームな雰囲気で、いい感じでした(笑)。

やがて開演時間になり、昨晩と同様、「Grey Gardens」が始まりました。前日のショーと比べると、この日のマチネのほうがずっといい出来でした。
前日のショーでは、イーディスとイーディを演じている3人の女優さん達がやや早口でせりふをしゃべっており、互いにやり取りをするシーンでは、相手のせりふの後、十分に間をおかずに自分のせりふを言ってしまうので、全体的にせわしない雰囲気になって、登場人物の心理描写等が観客に伝わりにくい感じになってしまっていました。
それが、このショーでは、せりふの速度も、相手とのせりふの間もとてもよく、それぞれのナンバーもとても盛り上がって、すごく面白かったです。特に、ラストのクライマックスでは、それぞれに年老いた母娘の互いに対する複雑な思いが見事に表現されていて、とても感動的でした~!

カーテンコールで大声援を送った後、楽屋口で待っていると、Michael君が出てきました~♪

「やあ、ナズ!」

ハグの後、ナズが、「昨日もよかったけど、今日のほうがもっとよかった」と言うと、

「どこがどんな風に?」

と、真剣な表情でMichael君が聞き返してきました。女優さん達のせりふの速度やタイミングが昨日よりよかったと伝えると、Michael君は

「なるほど。君の言う通りだね。」

と答え、深くうなづいていました。ちょうど通りかかったバンドのコンダクターの方に、Michael君がナズを紹介してくれ、その方にお願いして写真を撮っていただきました。

「ところで、明日なんだけど、ショーもないし、できれば君と一緒にどこかに行きたいと思ってたんだけど、急にリハーサルが入ってしまったんだよ・・・。」

と、残念そうに言うMichael君。

「気にしないで、Michael! そりゃ、あなたと一緒にどこか行けたら最高だけど、あなたの都合が何よりも大切なんだから。明日は、1人で町を見て回るから、大丈夫よ。」

「うん、ありがとう、ナズ。楽しい1日を過ごしてね。8月に東京で会おうね!」

「8月にね!楽しみにしてる♪」


Michael君とお別れした後、ホテルに戻ったナズは、コンシェルジェの人に、「明日、ショッピングに行きたいんだけど、どこかいい場所は?」とたずねました。「ちょっと離れたところにモール・オブ・アメリカという全米一大きなモールがありますが、セントポールにもグランド・アベニューと呼ばれている通りがあって、お店やレストランがたくさん並んでいて、評判がいいですよ。」と教えてくれました。モール・オブ・アメリカは、敷地内に遊園地から水族館、シネコンも入った超巨大モールで、面白そうだとは思ったんですが、地元のお店とかで店員さんとおしゃべりしながら買い物するのが好きなナズ、グランド・アベニューに行ってみることにしました。早いお店は9時から、他のお店も10時にはだいたい開くとのことだったので、9時半に車の手配をお願いし、ついでに5日の日に空港へ向かう車の手配もお願いしておきました。

翌朝、9時半にホテルの玄関に行くと、待っていたのはタクシーではなくて、タウンカーでした。ホテルの車で、宿泊客を町の中の行きたいところに無料で送ってくれるんです! 若いベルボーイの人が運転してくれてました。途中、立派な大聖堂の横を通ったので、「これが有名な大聖堂ね?」と聞くと、「外も立派なんですが、中がとても美しいので、もし時間があったら、ぜひ立ち寄ってみて下さい」と教えてくれました。
グランド・アベニューの一番お店が多いところで降ろしてくれたベルボーイさんがホテルのカードを渡してくれ、「迎えが必要な場合は、お電話下さい」と言ってくれました。お礼を言ってチップを渡したナズは、さっそく通りを散策しました。
コンシェルジェの人がグランド・アベニューのガイドブックの小冊子をくれたので、それを見ながらあちこち見て歩き、アイルランドの雑貨やアクセサリーを売っている店や地元のいろいろなものを売っている雑貨屋さん、自然食のお店等で買い物をしました。どのお店の店員さんも、皆さん、親切で感じがよく、いろいろ楽しくおしゃべりが出来たので、ここに来てみて、よかったな~と思いました。

カフェで昼食を食べた後、来る途中に通った道路が高級住宅地らしく、道の両側に凝った造りの立派な屋敷がずっと並んでいたので、それをじっくり眺めたくて、ぶらぶら歩いて帰ることにしました。
1軒1軒、とても個性的で、建物はみんな3階建てくらいあって、お屋敷と呼ぶのがふさわしい感じでした。空き家になってしまっているところもけっこうあるようでしたが、人が住んでいる屋敷は、お庭もきちんと手入れされていて、中世のお城みたいなものから、コテージ風、レンガ造りのもの等いろいろあって、本当にステキでした。

だいぶ歩いてちょっと疲れたな~と思った頃、行く手に大聖堂が見えてきました。荘厳な感じで、とても立派でした。
中に入ると、ステンドグラスがたくさんあり、聖母マリアやさまざまな聖人や天使の像が置かれ、3000人も座れるというアメリカで4番目に大きな内陣はとても広くて、天井の装飾も素晴らしくて、実に厳かな雰囲気でした。特に聖母マリアの像は、慈愛に満ちた表情がとても美しく、ナズはクリスチャンではないんですが、思わずひざまづいて、カソリックであるMichael君のためにお祈りしちゃいました・・・。

大聖堂を出た後、また一歩きして4時過ぎにホテルに戻ったナズ、一休みした後、翌日の出発に備えて荷造りをしました。今回は滞在が短いため、あまり衣類を持ってきていなかったこともあり、比較的簡単に荷造りが出来ました。帰りの便が午後3時過ぎなので、早起きする必要もなかったんですが、12時前にはベッドに入りました。でも、滞在が短すぎて、まだ時差ぼけが残っていたようで、午前2時過ぎに目が覚めてしまい、その後はほとんど眠れずに朝になってしまいました。
寝不足のぼけた頭のまま、10時半ごろチェックアウトを済ませ、空港へと向かいました。空港でチェックインを済ますと、けっこういろいろお店があったので、しばらくぶらぶらして過ごしました。

ナズが乗る便は、到着が遅れたそうで、搭乗開始も30分ほど遅れて始まりました。今回はノースウェストだったんですが、エコノミークラスはアルコール類が全て有料でした。また食事のボリュームもかなり少なく、食器も、メインディッシュが入った容器はコンビニで売っているお弁当の容器よりもちゃちい使い捨てで、ナイフやフォークもちゃちいプラスチックの使い捨てのものでした。座席のヘッドレストの部分には、マジックテープで布のカバーが取り付けられるようになっているんですが、その布カバーも廃止してしまったようで、なくなっていました。

予定より遅れて成田に到着すると、待っていたのは、機内検疫でした~。 問診表は、飛行中に機内で配られ、すでに記入は終えていました。着陸後、20分ほど待っていると、重装備の検疫官達がぞろぞろと入ってきて、1人がカメラで乗客を撮影して熱がある人がいないか調べ、残りの人達が乗客から問診表を集めました。医師はいないようで、特にのどの赤みをチェックしたり等はしていないようでした。30分ほどで検疫が終わり、ようやく飛行機から降りることが出来ました~。

さて、St. Paulの「Grey Gardens」観劇記、いかがでしたでしょうか? 最後まで読んで下さって、ありがとうございました~。 滞在期間が短かったのと上演回数の関係で、たった2回しか見られなかったんですが、Michael君とちゃんと会えておしゃべりも出来て、楽しい旅でした。
次は、8月の「コーラスライン」来日公演! 今度は、Michael君が日本に来てくれます~~♪ 彼のザックは、最高なので、本当に楽しみです!

東京公演は、渋谷の文化村にあるオーチャードホールで、8月12日から30日まで行われます。公演の詳細・チケット購入は、こちらからどうぞ。
また兵庫公演は、西宮市高松町にある兵庫県立芸術文化センターで、9月2日から6日まで行われます。 詳細とチケット購入は、こちらからどうぞ。 どちらの公演も、すでにチケットの販売は始まっています。

Michael君のファンの方は、ぜひこの機会に、お見逃しのないよう~!


St. PaulのMichael君 Grey Gardens 観劇記 その3

2009-05-27 01:38:25 | Michael 09 Grey Gardens
観劇記 その3です~! (写真は、劇場のロビーに置いてあったキャストの書かれたボードです。)

休憩の後、2幕目が始まりました。1973年の荒れ果てたグレイ・ガーデンズが舞台となっているこの2幕目は、1975年のドキュメンタリー映画「Grey Gardens」をそのままステージに再現したような内容です。

イーディの奇妙な身なりも、半裸に近い状態でいるイーディスも、ドキュメンタリーの中の本物の2人とそっくりだし、しゃべり方やしぐさもとてもよく似ています。特にイーディは、小さなアメリカの国旗を手にマーチに合わせて踊ったり、体重を量るのに、メモリがよく見えないため、双眼鏡を使ってメモリを読んだりと、話を面白くするために創作されたフィクションとしか思えないようなことをしますが、それも全て、実際にドキュメンタリーの中で、本物のイーディがやっていたことなんです!

本物の2人は、ドキュメンタリーが撮られた頃にはだいぶ太ってしまっており、イーディが、スカートを上下逆さに履くという奇抜なファッションをしているのやイーディスが時折半裸に近い状態でいるのも、おそらく昔の服が小さくて着られないからではないかと思われるのですが、ドキュメンタリーを見たことがないと、実際の2人とどれだけ似てるのかがわからないので、面白さが半減してしまうように感じました。特に、今回、2人を演じている女優さんは、どちらもとてもスマートな方だったので、イーディスとイーディの奇妙な服装の意味が、余計にわかりづらいように思いました。

ステージには、56歳になったイーディが登場しました。1幕目では、イーディスを演じていたChristinaさんが演じています。母親のイーディスと娘のイーディは、違うアクセントで話すので、Christinaさんも、1幕目とは違ったアクセントで話していました。髪をずきんのようなものでヘアネットでもかぶるかのようにすっぽりと包んでしまっており、スカートは上下逆さにして、裾をウェストのところで安全ピンを使って留め、サイドの部分も太腿のあたりで安全ピンで留めてあるという奇抜な服装です。イーディが、しきりに客席に向かって話しかけるのですが、おそらくドキュメンタリー映画の中で本物のイーディが、カメラに向かって話しかけていたので、それを意識しての演出ではないかと思います。
そして、自分の妙なファッションを説明するかのような「The Revolutionary Costume for Today」というコミカルで風変わりなナンバーを歌いました。歌っている間も、イーディスが彼女を呼ぶ声が聞こえてくるのですが、イーディは返事はするものの、母のところに行こうとはせず歌い続けます。

そこに通りかかったのは、1940年代に執事を務めていたブルックスの息子のジュニアです。客席の通路から現れました。ブルックスを演じていたのと同じ俳優さんが演じています。「庭先に畑を作りたい」とブルックス・ジュニアに声をかけるイーディ。ジュニアが立ち去った後、イーディは、しつこく呼び続ける母の声に、「今、行くってば!」と叫び返して屋敷に入るのでした。

ステージにはカーテンが引かれ、カーテンの前がグレイ・ガーデンズのテラスという設定で、イーディスとイーディが日光浴をしています。イーディスは小切手を切り、水着を着たイーディはデッキチェアに横になっています。イーディは、「自分は、NYで楽しく暮らし、チャンスもつかみかけていたのに、こんなところで、死にかけている母親の面倒を見ながら暮らさなくてはならない」とグチを言い、イーディスはイーディスで、「NYにいた頃だって、お前には何もいいことなんかなかったし、自分が食べ物を差し入れてやらなかったら、飢え死にするところだった。だいたい面倒を見てくれと頼んだ覚えはない」と言い返します。 この辺の2人の会話も、ドキュメンタリー映画と本当にそっくりなんです。
「自分は、何も手に入れられなかった。結婚も出来なかった」と言うイーディに、「自分は、完璧な結婚をして、全てを手に入れた」と言うイーディス。母の結婚が失敗に終わったことを知っているイーディは、「そんなはずはない、お母様は、ケーキを手に入れることも出来なかったし、それを食べることも出来なかった」と言い放ちますが、イーディスは、「素晴らしい息子達と猫と優れた伴奏者に恵まれて、確かに自分は、自分のケーキを食べた (The Cake I Had)」と歌うのでした。グチをこぼし合い、言い合いを続けた揚げ句、イーディは、猫にえさをやるために、テラスを後にしました。

暗転の間にカーテンの前の椅子は片づけられ、今度は屋根裏という設定で、イーディが猫のえさを撒いています。うっすらと明かりのともったステージのセットに、グールドが現れ、「生い茂った生け垣で外界から遮られ、昼なのか夜なのかもわからない。ネコ缶を『パテ』と呼ぶ、ここはグレイ・ガーデンズ」と、ちょっとミステリアスなナンバー「Entering Grey Gardens」を歌います。
かつてここが華やかだった時代に暮らしていた他の人物、若かった頃のイーディやブーヴィエ氏、ジョーや幼いジャッキーとリー、執事のブルックスも、遠い日々の亡霊として登場し、歌に加わりました。亡霊であると同時に、彼らは、館に住みついた猫の化身でもあって、「猫の目から見たグレイ・ガーデンズ」と歌いながら、代わる代わる「ミャ~オゥ!」と鳴きます。なかなか幻想的で、素敵なシーンでしたよ♪ Michael君の歌声も、素晴らしかったし♪

亡霊達の歌の間も、イーディスは「パテが食べたいけど、自分ではしたくが出来ない」と、大声でイーディを呼び、イーディは「猫にえさをやっているのよ~!」と叫び返します。ようやく母の元に戻ってきたイーディ、「お母様のパテを見つけたわ。でも、ラベルがはげちゃってる。これ、パテかしら?それともネコ缶・・・?」 と、缶を手に思案中です。結局、そのパテ(もしくはネコ缶・・・)を母に食べさせるイーディでした。(笑)

場面は変わり、カーテンの前に椅子が置かれ、イーディが虫眼鏡を使いながら本を読んでいます。このあたりの描写も、ドキュメンタリー映画そのものです。そこに、ジェリーという青年がやってきます。ブルックス・ジュニア同様、客席通路からの登場です。近くに住んでいた彼は、イーディスのお気に入りで、彼女は、ジェリーを屋敷に泊まらせてやっており、ジェリーは、彼女達のために雑貨を運んできたり、雑用をしたりしていました。このジェリーも実在の人物で、ドキュメンタリーの中に登場しています。演じているのは、1幕目でジョー・ケネディ・ジュニアを演じていた俳優さんです。

ネコがたくさん住みついているせいか、グレイ・ガーデンズにはノミが多いので、足首にノミ取り首輪をはめているというジェリーに、イーディが、「ノミがあんまりひどいから、ホテルに移ろうかと思うくらい」とこぼすと、「ノミ対策に、いろいろ持ってきたよ」とジェリーが包みをイーディに渡しました。
「NYに戻って、ショービジネスの世界に入るべきだと思う?」とイーディに尋ねられたジェリーが、「歌やダンスが出来るの?」と聞き返します。「出来るに決まってるじゃないの!? ちょっと待ってなさい!」 あわてて止めようとするジェリーをその場に残して、イーディは家の中へと消えてしまいました。

再び現れたイーディは、赤いワンピースに身を包み、髪にも赤い布を巻き、手には小さなアメリカの国旗を持っています。ワンピースの胸元がずり落ちそうになるのを気にしながら、「ダンダダダーン!」と、レコードに合わせて、高らかにマーチを歌い、踊り始めました。(The House We Live In) ステージには、軍服に身を包んだMichael君や他の俳優さん達が登場し、レコードの歌手として歌いながら、イーディといっしょに踊ります。軍服姿のMichael君、とてもスマートでダンディでした~♪ そして、レコードの終了と共に、Michael君達はステージから退場しました。2幕目は、グールドとしては、あまり出番のない彼も、こんな風にいくつかの役を演じるので、衣装を着替えたりとけっこう忙しそうです!
お気に入りのジェリーがなかなか上がってこないのに待ちくたびれたイーディスが大声でジェリーを呼び始めたので、仕方なく、イーディは、ジェリーを母の部屋へ行かせるのでした。

ベッドルームには、母娘のベッドが並んで置かれ、その横には、冷蔵庫からガス台まで置かれていて、半裸に近い格好でベッドに入っているイーディスは、ガス台に鍋をかけてトウモロコシをゆでていました。これも、実際の彼女達のベッドルームと同じです。お気に入りのジェリーにトウモロコシを進めながら、「ジェリーは、私のゆでるコーンが大好き!」と歌うイーディスでした。(Jerry Likes My Corn)
昔、歌った歌のレコードがどこかにあるはず・・・と、ジェリーに探しに行ってもらおうとするイーディスに、イーディは、自分が探しに行くと言いますが、イーディスは、ジェリーがいいと言って聞きません。まるで実の息子のようにジェリーを信頼してかわいがる母の様子を気に入らないイーディは、「ジェリーには盗みぐせがある」とか「自分の肉体を目当てにしている」等と母に吹き込みますが、イーディスは気にも留めませんでした。

屋根裏部屋に1人閉じこもったイーディは、「母の家に縛り付けられて、面倒を見てやっているのは自分なのに、自分が嫌いな者ばかりを、母は屋敷に住まわせる!」とグチをこぼします。 そして、今の自分が失ってしまった思い出の数々を懐かしむのでした。(Around the World)

一方、ベッドルームでは、ジェリーが見つけだしてきた「Will You?」のレコードを、イーディスが聞いていました。そろそろ立ち去ろうと、ジェリーが挨拶をしているのにも気づかず、自分がこの曲をレコーディングした頃の思い出を話し続けるイーディスでした。
ジェリーが立ち去った後、イーディが部屋に入ってきて、母と一緒にレコードに合わせて歌い始めましたが、イーディスは、娘の歌い方が気に入りません。「変な歌い方は耳障りだからやめろ」という母に逆らうように歌い続けるイーディ。「耳直しに、ちゃんとした歌を聴きたいからラジオを取ってくれ」という母の言葉を無視して、イーディは歌い続けました。とうとういがみ合いが始まり、「自分が結婚出来なかったのは、母がじゃまをしたからだ」と言うイーディに、「別れた夫とよりを戻したかったのに、娘が反対したせいで出来なかった」と言い返すイーディス。
激しい罵り合いの揚げ句、イーディは、ようやくラジオを母に渡して、部屋を出ていきました。

ラジオからは、「ドクター・ノーマン・ビンセント・ピールの『前向きな祈りの時間』」という宗教番組が流れて来ました。壁の穴からステージに現れたドクターを演じているのは、1幕目でブーヴィエ氏を演じていた俳優さんです。またいっしょに登場した聖歌隊は、Michael君達、出演者で、ちょっと前までジェリーを演じていた俳優さんも混じっています。そして、全員で「厳しい冬がやってきて、高速道路に穴が空き、ミルクがこぼれてしまっても、もう半分も空だと思うか、まだ半分残っていると思うかは自分次第。幸せになることを選ぼう」と「Choose to Be Happy」を歌うのでした。

ラジオの音が消え、聖歌隊がステージからいなくなると、毛皮のコートを着て鞄を下げたイーディが、階段を下りてきました。肌寒い夕暮れの風の中、表の庭に立ちつくしながら、「Around the World」を口ずさむイーディ。ついに母の元を去る決心をしたものの、まだ本当には心を決めかねているのでした。
通りかかったブルックス・ジュニアが、駅まで送るか、あるいはタクシーを呼ぼうかと声をかけてくれましたが、「大丈夫。自分でちゃんと出来るから」とイーディは断ってしまいました。
「休暇を過ごした人々も、避暑地を去り、またこの町に冬がやってくる。ビーチは人っ子一人なく、プールはカバーで覆われ、テラスのパラソルもたたまれた・・・」と「Another Winter in a Summer Town」を歌うイーディ。途中から、屋敷の中にいるイーディスも加わって、とても美しいハーモニーの素晴らしいナンバーでした。

ここからが最後のクライマックス! イーディは、本当に出ていってしまうのか・・・。わがままいっぱいにふるまっていても、身体が不自由で娘の助け無しには暮らしていけないイーディスは、どうなってしまうのか・・・。
まだ見たことのない方のために、いつも通り、結末は明かさないでおきますね~。心にぐっと来る素敵なラストなので、機会があったら、ぜひご覧になってみてください~!

カーテンコールには、Michael君はグールドの衣装で、その他の2幕目では別の役を演じていたキャストも1幕目の役の衣装で登場しました。観客から暖かい拍手が送られ、ナズは、もちろんいつもの通り、叫びましたとも~♪

劇場を出て楽屋口に急いだナズ、しばらく待っていると、Michael君が出てきてくれました。夕方会った時は普段着だったナズがちゃんとドレスアップしているのを見て、微笑みながら、

「おや、きれいなお嬢さんが待っているぞ♪」

と言いながらハグしてくれました~♪ (笑) そして、ナズが、「あなたの歌うナンバー、とっても素晴らしかった!ピアノも上手だったし。ドキュメンタリー映画を見たり、Broadway版のアルバムを聴いたり、脚本を読んだりして下準備をしてきたので、ストーリーもよくわかったし、特に2幕目は、本物の2人とすごくそっくりで、とても面白かった。ただ私は、ドキュメンタリーを見たから、彼女達の衣装やしぐさ、話し方が本人とそっくりなのがわかったけど、知らないで見た人には、その面白さがうまく伝わらないかも・・・」と、今見たばかりのショーの感想を伝えると、Michael君は、真剣な表情で頷いていました。

「確かにそうかも知れないね。でも、ナズが気に入ってくれて、よかった! 嬉しいよ! 明日も見てくれるんだよね?」

「そうよ。明日、もう1回、Grey Gardensを見て、明後日の月曜日も1泊して、火曜日に帰るの。」

「それじゃ、また明日、ショーの後で会おうね!」


Broadway版と比べると、規模も小さいし、セットもこぢんまりとしているんですが、それでも演出に工夫を凝らし、キャストのがんばりもあって、とっても楽しいショーでした。Michael君ともたくさんおしゃべりできて、とても嬉しかったです。劇場の向かい側にあるホテルに戻って、TVを見ながら寝仕度を済ませて、ベッドに入りました。

またすっごく長くなってしまいまして、ごめんなさい! その4に続きます~!





本日、Grey Gardens 最終日!

2009-05-17 00:01:20 | Michael 09 Grey Gardens
3月17日からミネソタ州セントポールのOrdway Centerで公演中だったMichael君(マイケル・グルーバー)出演の「Grey Gardens」が、本日閉幕します。 (写真は、劇場の前にあったポスターです。)

現地時間の5月17日の午後2時からのマチネがラストショーとなります。このショーのチケット、インターネットでの前売りは完売となっています。小さな劇場なので、Broadway版よりも規模の小さい上演となっていますが、セットにも工夫が凝らされ、Michael君達出演者の熱演のおかげで素晴らしい作品に仕上がっていました。キャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした~!

この後、Michael君は、同じOrdway Center内にあるメインホールで、6月16日から28日まで「Singin' in the Rain」に主演します♪ Michael君自身、大のお気に入りの作品です♪ 何度も相手役を務めてきたクリスティーナさんをキャシー役に迎えて、きっとまた素晴らしい演技を見せてくれることでしょう~~! チケットや作品の詳細は、こちらからどうぞ~♪

St. PaulのMichael君 Grey Gardens 観劇記 その2

2009-05-16 21:25:05 | Michael 09 Grey Gardens
Grey Gardens 観劇記、 その2です。 (写真は、Ordway Centerです。)

このGrey Gardens、 ステージのカーテンは、とても薄い生地で出来ており、ステージを暗くして、普通のカーテンのように奥が見えないようにして、幕の前で別のシーンを演じたり、ステージを明るくして、カーテンを通してうっすらと奥が見えるようにして、幻想的な感じにしたりと、演出が工夫されていました。

開演時間になり、薄いカーテンに実際の新聞の記事の写真が映し出され、「大統領夫人だったジャクリーン・ケネディ・オナシスの実の伯母と従姉妹が住むグレイ・ガーデンズが、今ではすっかり荒れ果て、そのあまりの惨状に衛生局は『人が住むに適さない』と表現した。オナシス夫人は、『身内のプライベートなことだ』とコメントしている」と、ニュースキャスター風のナレーションが流れました。

カーテンの前には、年老いたビッグ・イーディ(イーディス 演じているのはWendy Lehrさん)が椅子に座っています。「お母さんの昔のレコードを見つけたわ!」と叫ぶ娘のリトル・イーディ(中年のイーディ 演じているのはChristina Baldwinさん)の声が聞こえ、古めかしい、優しい曲調のレコードの歌声が流れてきました。その歌声に合わせて、イーディスが歌を口ずさみます。(The Girl Who Has Everything)
「この歌をレコーディングしたのは、1941年だった」と言いながら、イーディスはポーチに出ようと歩きはじめますが、「近所の目がうるさいから外に出るな」とイーディが叫びます。このシーン、1973年の50代のイーディを演じるChristinaさんは、すぐあとの1943年のシーンでは母親のイーディスを演じるため、衣装換えなどの関係上、声だけの出演でした。

ひとしきり母と娘の会話が続き、幕の向こうのステージが明るくなると、そこには1943年の華やかな屋敷の居間が浮かび上がります。明るい色の部屋着に身を包んだ中年のイーディスが、居間の中央で、「The Girl Who Has Everything」を歌っており、年老いたイーディスの歌声とシンクロします。幕が引かれ、歩き出した老齢のイーディスがそのまま居間を通り抜けて奥に消え、舞台は、完全に1943年へと移りました。

ここから1幕目が始まります。1幕目の時代設定は1943年で、グレイ・ガーデンズで、イーディの婚約発表が行われる7月下旬のある1日の出来事が描かれているのですが、この1幕目は、ミュージカルのために作られたお話です。エピソードの1つ1つは、イーディスやイーディのインタビュー等をもとに、実際に起きたことに基づいていますが、それぞれの出来事がとある1日にいっぺんに起きたわけではありません。

プロではないけれど歌手で、自宅でのパーティやちょっとした集まり等で歌を披露しているイーディスは、屋敷に同居している彼女の伴奏者のジョージ・グールド・ストロング(Michael君〔マイケル・グルーバー〕の役です。)が娘のために作曲してくれた「The Girl Who Has Everything」を、娘(若い頃のリトル・イーディを演じるのはZoe Pappasさん)に披露していたのでした。

ステージで本当にピアノを演奏しているのは、グールド役のMichael君です~♪ イーディスの仕事上のパートナーとして、また会話の端々からおそらくプライベートでも恋人なのだろうとうかがわれるグールドは、グレイ・ガーデンズに住みついて、衣食住の全てをビッグ・イーディにまかなってもらっているヒモ状態・・・。 1日中酒浸りで、のんべんだらりと暮らしています。でも、アスコットタイを締めてなかなかダンディで素敵です♪ ジョークを飛ばしたりとコミカルな役回りも務めつつ、母娘の口論に心を痛める優しい人柄でもあります。 またタバコを吸う役なので、Michael君は、実際にステージでタバコを吸います。

1幕目のビッグ・イーディが歌うシーン等、ほとんどの曲の伴奏を、実際にMichael君が演奏していました。 Michael君の話では、「ピアノの演奏をしながら歌も歌わなきゃいけないだろ。けっこう難しいんだよね。もうだいぶ慣れたけどね・・・」とのことでした。この「Grey Gardens」は、ドラマの部分に重きを置いたミュージカルで、ダンスナンバーと呼べるようなダンスの素晴らしい曲はありません。また主役は、イーディスやイーディを演じる女優さん達なので、グールドには歌のほうでも、「White Christmas」や「Singin' in the Rain」のようなビッグナンバーがないので、今回、Michael君が一番活躍したのは、ピアノの演奏と言えるかも知れないですね~(笑)

母の歌を誉めながらも、イーディが心配しているのは、自分の婚約発表パーティで母が歌を披露する気でいるのではないかということでした。執事のブルックス(Reggie Phoenixさん)に「お父様が許さないでしょう」と言われて安心したイーディは、すでにグレイ・ガーデンズに宿泊している婚約者のジョー・ケネディ・ジュニア(Joshua James Campbellさん)と朝の散歩に出かけていきました。

イーディと入れ違いにグールドとイーディスが部屋に戻ってきます。パーティ用の花の心配をしているイーディスに、ブルックスが「旦那様は、パーティに出席されるのか」と確認すると、イーディスは、「実の娘の婚約パーティなんだから、来るに決まっているわ。5時15分には来るはずよ (The Five-Fifteen)」と答えました。
迎えの車の手配のためにブルックスが立ち去ると、グールドがイーディスに1枚の紙を手渡しました。何と、パーティでイーディスが行う予定のリサイタルのプログラムでした! イーディが恐れていた通り、イーディスはリサイタルを計画しており、それも9曲も歌うつもりでいたのです。別に娘から主役を奪うつもりはなく、娘の晴れ舞台に歌をプレゼントして喜ばせてやりたい一心のイーディスでした。
そこに駆け込んできたのは、姪のジャッキー(Adelaide 'Addie' Johansonちゃん)とリー(Kacie Riddleちゃん)でした。子役の女の子達が演じていました。このジャッキーが、後のケネディ大統領夫人になるわけです。2人にせがまれて、リサイタルの曲目から「Ittey-Bitty Geisha」を披露するイーディス。西洋人から見た日本の芸者さんのことを歌った、ちょっとエキゾチックな曲調のコミカルなナンバーです。
ケータリングサービスが来たと告げるブルックスに、イーディスが指示を与え、この後の手順を、グールドや姪達といっしょに歌います。(The Five-Fifteen) 明るくて、コミカルで楽しいナンバーでした。

そこに、イーディとフィアンセのジョーがやってきます。パーティを開いてもらうことを感謝するジョーに、自分のパートナーのグールドを紹介するイーディスですが、パーティに呼ばれたただの伴奏者と思われたグールドは、「残念ながら、この屋敷の備え付けなんだよ」と皮肉ります。
ふとピアノの方に目を向けたイーディが、そこに置いてあったリサイタルのプログラムを発見してしまいました。イーディは、「お母様の歌は素晴らしいけど、今日は私のためのパーティよ。ちょっとした歌を1曲歌うだけにしてちょうだい、9曲じゃなくて!(Mother Darling)」と訴えます。イーディスも「私やグールドが、あなたを喜ばせようと一生懸命準備してきたのがわからないの? 」と言い返します。母と娘の口論が白熱してきたので、グールドが割って入り、とうとう根負けしたイーディが、「1曲減らして、8曲にする」という母の言い分を飲む形で妥協するのでした。

どこからか「ファー!」という叫びが聞こえてきました。イーディスの父のブーヴィエ氏(Richard Oomsさん)です。孫娘の大切な婚約パーティを前に、まだ着替えもせずにゴルフの練習をしているのでした。 ブルックスに、父を着替えさせるよう言いつけたイーディスは2階に消え、グールドも出ていきます。ジョーとイーディは、気持ちを落ち着けるために、ビーチへ出かけました。

居間のセットの前に、薄い幕が引かれ、その前にベンチが置かれて、そこがビーチという設定です。自分達の将来のことを語り合う2人。ダンスの得意なイーディは、Broadwayデビューやスクリーンデビューを夢見ていますが、ジョーは政治家になるつもりで、「ワシントン D.C.には行きたくないの?」と、自分の将来設計を野心的に歌います。(Goin’ Places) 希望に満ちた将来を夢見ながら、2人は熱いキスを交わすのでした。

一方、屋敷では、ブーヴィエ氏がまだゴルフの練習をしていました。家柄を何よりも重んじる氏は、良家の子女にあるまじき行いばかりをする自分の娘、イーディスにあきれ果てており、孫娘達に期待をかけ、3人の孫娘といっしょに「いい結婚をしなさい」(Marry Well)と歌います。
孫娘達を引き連れたブーヴィエ氏が居間に入ってくると、そこでは、イーディスが、「Hominy Grits」というコミカルな歌を歌っているところでした。ジャッキーやリーまで加わって、その騒々しさに氏もたじたじです。業を煮やした氏は、演奏中のピアノのふたを乱暴に閉めてしまいます。びっくりして「ウォゥッ!」と叫ぶグールド。
「客が来ているというのに、この騒ぎは何だ!」と聞きただす氏に、イーディが「お母様は、このリサイタルのリハーサルをしているのよ」と、プログラムを見せてしまいました。氏は、カンカンです!
怒り狂ったブーヴィエ氏に、夫との別居のことからパートナーのグールドのこと、自分の歌のこと、全てを手ひどくなじられた上、プログラムを破り捨てられたイーディスは、氏が立ち去った後、とうとう泣き崩れてしまいました。
母の姿を見て立ちつくすイーディに、グールドが「これで満足かい?」と冷たく声をかけました。何とか母を慰めようしますが、うまくいきません。ふとピアノの上の楽譜に目をとめるイーディ。「まあ、グールド!これ、私のお気に入りの曲じゃない!? これもプログラムに入っているの?」 イーディに協力しようと、ピアノを弾き始めるグールド。イーディからいっしょに歌おうと誘われるものの初めは気乗りがしないイーディスですが、グールドからも進められ、とうとう娘と2人で歌い始めます。(Two Peas in a Pod) 次第にイーディスの顔に笑みが浮かび、楽しげにダンスまで始めました。
すっかり娘と仲直りしたイーディスは、「自分が思慮に欠けていた。イーディのためのパーティだから、今日は1曲も歌わない」と娘に約束します。母の申し出に、「花嫁には、リクエストの権利があるわよね?」と聞き返すイーディに、母は「どうしてもというのなら」と答えます。着替えてくると言い残して、イーディは、2階へと姿を消しました。

「娘が嫁いでしまったら、この屋敷も寂しくなる」とつぶやくイーディスに、「少なくとも、今は、僕がいるだろう」と答えるグールド。どういう意味かと問いただすイーディスに、「ブーヴィエ氏の言葉に傷ついたし、イーディの婚約者も自分のことを快く思ってないようだから、この屋敷を去って自力で生きていこうと思っている」とグールドが答えます。「あなたがいなくなってしまったら、私は誰と話せばいいの?」と言うイーディスに、「自分自身と話すか、さもなかったら猫と話すんだね」と答えるグールド。そして、「1人ぼっちになると、きらめきも喜びも波間にさまよい消えてしまう・・・」と、「Drift Away」という寂しげで優しい歌を歌います。作中、もっともメランコリックでロマンチックな曲です。Michael君の澄んだ美しいテナーがきれいに響いて、本当に素晴らしかったです~♪

グールドも着替えに行ってしまい、イーディスが1人残っているところに、ブルックスがイーディ宛ての電報を持ってきます。「渡しておくわ」と受け取ったイーディスは、その電報を開けてしまいます。それは、もうじき屋敷に帰ってくるはずの彼女の夫からの電報でした。中身を読んだイーディスの顔が、ショックのあまり強張ります。
そこに、礼服に身を包んだジョーが現れ、彼女に話しかけますが、まだショックが治まらないイーディスは、半ば上の空といった感じです。

この電報がきっかけとなって、今後のイーディスやイーディの人生を大きく変えてしまうハプニングが起きていくわけなのですが、詳しく話してしまうとネタばらしになってしまうので、前半のストーリーはここまでにしておきますね。
前半には、この後、イーディの歌う「Daddy's Girl」、 父からの電報をイーディが読み上げる形で歌う「The Telegram」、 パーティの出席者に向けてイーディスが歌う「Will You?」の3曲があります。

この後、幕間の休憩が入り、2幕目が始まるわけです。すっごく長くなってしまってすみませんでした~! 2幕目については、その3でお伝えいたしますね~!

St. PaulのMichael君 Grey Gardens 観劇記 その1

2009-05-10 21:54:46 | Michael 09 Grey Gardens
さて、5/2から行って来ましたSt. Paul旅行! 観劇記その1です~。(写真は、5/3のマチネの後、劇場の楽屋口で撮ったMichael君(マイケル・グルーバー)です。劇場のバンドの指揮者の方が撮って下さいました~♪)

マスク姿の人が多い成田空港を、5/2の午後4時30頃に発ったナズ、現地時間(セントラルタイム)の5/2の午後1時15分にミネアポリス/セントポール空港に到着しました。セントポールはミネソタ州の州都で、この国際空港もけっこう大きな空港なんですが、利用する日本人のほとんどはニューヨークなどへの乗り継ぎに使うだけで、ここが最終目的地という人はまずいません。
空港そのものは大きいんですが、やはり田舎で、入国手続きなども必要以上に細かく時間をかけてやるので、入国審査にすごく時間がかかっていました。ナズが今まで使ってきた空港は、全て、乗り継ぎ時間があまりない人を優先的に入国させてくれたのに、ここでは、そういう配慮がまったくなく、時間のない人が心配して「早くしてほしい」と頼んでも、何もしてくれず、実に不親切でした。 ノースウェストだと直行便で来られるんですが、こんなに入国審査に時間がかかるんじゃ、直行便を使う意味がないな~・・・と思いました。
ナズも、乗継じゃなくここが最終目的地で、他の人と違うこともあり、いろいろ根掘り葉掘り意地悪く質問されて、ものすごく時間がかかってしまい、結局ホテルに着いたのは、夕方の4時頃でした・・・。 この空港、嫌いです・・・

ホテルは、99周年を迎えるという、街のランドマークにもなっている美しいセントポールホテルというホテルで、従業員の方の感じもとてもよく、部屋もきれいで、しかもホテルの前の広場の向こうがMichael君の出演する劇場という絶好のロケーション♪ ナズの部屋の窓からも、真正面に劇場が見えました~♪
荷物を置いたナズ、さっそくチケットを取りに、劇場に向かいました。日本でこちらの天気をチェックした時には、最高気温が13度とかでかなり寒そうだったんですが、その後、見る見る暖かくなり、東京とあまり変わらないくらいの気温になっていたので、とても快適ですごしやすかったです♪

ボックスオフィスでチケットを受け取り、楽屋口の場所を確認しておこうと、劇場の裏手に向かう歩道を歩き出した時、向こうの方から歩いてくる男性が手を大きく振っているのが見えました。何と、Michael君でした~♪

「ナズ!来てくれたんだね!会えて嬉しいよ♪」

ハグしてくれたMichael君に、

「今日は、あんまりいい日じゃなかったの~!」

と、入国審査で意地悪されて大変だったことを思わず愚痴ったナズ。「大変だったね~!」と、Michael君はナズの愚痴を聞きながら、優しく慰めてくれました。そして、にっこり笑いながら、

「ナズ、ニュースがあるんだ。僕、夏に、コーラスラインのツアーで、東京に行くよ!」

「ホント!? うわ~~、すごい! 嬉しい~~~♪

飛び上がらんばかりに喜ぶナズの顔を見ながら、満足そうに微笑むMichael君。

「メールじゃなくて、ナズには、直接会って知らせたかったんだ♪ 東京では、僕のガイドになってくれる?」

「もちろん、喜んで! いろいろ調べて、案内するからね。あなたも、行きたいところ、考えておいてね。」

これから夕食を食べるというMichael君、ナズも一緒に食事をすることにして、近くのレストランに向かいました。この時間、全品半額という「Happy Time」サービスをしているという嬉しいレストラン、Michael君はステーキサンドイッチと焼きガキ、ナズはチキンのサラダを頼みました。
そして、夕食を食べながら、コーラスラインの来日ツアーのこと、Grey Gardensのこと、6月に同じセントポールで彼が主演するSingin' in the Rainのこと、いろいろおしゃべりしましたよ~♪

「東京の夏は蒸し暑いよ~! 兵庫のほうは、もっと暑いかも。夏バテしないように気をつけないと・・・」

と、心配するナズに、

「ホントは、桜のきれいな季節とかに行ければよかったんだけどね~・・・(ため息)」

と、ちょっと残念そうなMichael君でした。でも、行きたいと思っている場所がいくつかあると話してくれたので、いろいろ調べておくと約束しました~。

1時間ちょっと、食事をしながらおしゃべりした後、Michael君は劇場に、ナズはホテルに向かいました。

「じゃあ、ナズ、またショーの後で会おうね~!」


部屋に戻ったナズ、もう開演時間まで2時間ちょっとだったので、あわててシャワーを浴び、身支度をしました。
Ordway Centerの建物の中には、劇場が2つあり、Michael君が出演している「Grey Gardens」は、小さなMcKnight Theatreのほうで上演されており、上の階にあるメインホールでは、現在は、「リーガリー・ブロンド」の全米ツアーを上演していました。その前は、「カラーパープル」を上演していたそうで、出演者であるMichael君達は、メインホールのチケットをただでもらえたので、「リーガリー・ブロンド」も「カラーパープル」も、両方ただで見られたんですって~。すごく面白かったって言ってました。

大きなメインホールの方は、客席内の飲食は禁止なんですが、小さな劇場はキャバレータイプになっていて、壁際にはテーブル席も用意されており、飲み物等を楽しみながら観劇することが出来ます。
劇場の方にお話をうかがったところ、舞台美術を担当している方がブルーが大好きなんだそうで、座席もステージの幕もブルーで統一されていて、とても美しい劇場でした。

この晩は、前から4列目のD列の舞台に向かって左から3番目の103番の席でしたが、オーケストラボックスがステージの下にあるらしく、舞台と客席が近いので、とても見やすそうな距離でした。自分の席に座ったナズは、きょろきょろと劇場内を見回しながら、もうじき始まるMichael君の「Grey Gardens」の開演を楽しみに待ちました。

長くなってしまったので、ショーの様子は、次の「その2」でお伝えしますね~♪ お楽しみに~♪





明日からSt. Paulに行ってきます♪

2009-05-01 22:51:28 | Michael 09 Grey Gardens
いよいよ明日から6日まで、Michael君(マイケル・グルーバー)の「Grey Gardens」を見に、ミネソタに行ってきます!(写真は、作品のポスターです。)

マイケル君が、ジョージ・グールド・ストロング役で出演中の「Grey Gardens」を見るために、明日、ミネソタ州セントポールに向けて出発します。 日本を5月2日の午後4時半ごろ、直行便で出発して、現地には同日の午後1時過ぎに到着、その日のイブニング・ショーと翌日のマチネの2回、見る予定にしています。たった2回しか見られないのが残念ですが、Michael君自身がとても楽しみながら演じているそうなので、とても楽しみです。

豚インフルエンザが発生しているアメリカですが、とても広い国なので、地域によって状況がだいぶ違っている様子です。
Michael君が公演中のミネソタ州では、現時点では感染者が発生していないため、特に劇場などの人が大勢集まる場所が閉鎖されることもないようで、Michael君も余暇には別のミュージカルを楽しんだりと、比較的のんびりした状況のようです。

一方、Michael君の友人で、来月には「Singin' in the Rain」で彼と共演するクリスティーナさんはロサンジェルスのほうにいらっしゃるんですが、彼女のコンサートが、豚インフルエンザの影響で中止になってしまったそうです。州によっては、学校を休校にしているところもあるそうです。

ナズも、マスクをたくさん持ち、十分に気をつけて行ってこようと思っています。それでは、行ってきます! 6日の夕方帰国しますので、帰ったらまた観劇記を書こうと思ってますので、お楽しみに~♪

「Grey Gardens」ってどんなミュージカル?

2009-04-08 12:49:52 | Michael 09 Grey Gardens
Michael君(マイケル・グルーバー)が出演中のミュージカル「Grey Gardens」は、いったいどんな作品なんでしょうか?(写真は、昨年の夏、コスタメサで撮ったものです。)

このミュージカルは、1975年の同タイトルのドキュメンタリー映画をもとに作られたミュージカルで、脚本:Doug Wright、作曲:Scott Frankel、作詞:Michael Korie。ケネディ大統領夫人だったジャクリーン・ケネディのおばと従姉妹に当たる実在の女性、Edith Ewing Bouvier Beale (通称:ビッグ・イーディ)とEdith Bouvier Beale (通称:リトル・イーディ)の人生を描いた作品です。

舞台は、ニューヨークのイーストハンプトンにあるブーヴィエ家の豪邸「グレイ・ガーデンズ」で、彼女達のかつて(1940年代)の華やかで洗練された裕福な特権階級の暮らしと、現在(1970年代)の見る影もなく荒れ果てたかつての豪邸で何匹もの猫を飼い、あまりの不衛生さに郡衛生局から立ち退き命令が出されるほどだった晩年の惨めな暮らしを比較しながら、母と娘の間のもつれにもつれた確執を描いています。

作品は2幕で、1幕目は1941年、リトル・イーディは24歳でビッグ・イーディは47歳。彼女達の人生を左右する重要な出来事が起きた日を描いており、2幕目は1973年、リトル・イーディは56歳、ビッグ・イーディは79歳で、1975年のドキュメンタリー映画をそのまま舞台に再現したような内容です。1幕目でビッグ・イーディを演じた女優が、2幕目でリトル・イーディを演じます。1幕目に出演していたその他の俳優さん達も、2幕目では、過去の幻として1幕目と同じ役で登場したり、別の役で登場したりします。

2006年にニューヨークのOff-Broadway劇場、Playwrights Horizonsで開幕、賛否両論の批評を受けましたが、主演の2人、Christine EversoleとMary Louise Wilsonが高い評価を受け、Lucille Lortel賞で5部門、Drama Desk賞で12部門のノミネートを受けました。2006年2月10日から4月30日までOff-Broadwayで上演された後、同年8月22日にOff-Broadwayキャストによるアルバムをリリース。ビッグ・イーディとリトル・イーディを演じたChristine Ebersoleは、Obie賞、Drama Desk賞、Outer Critics Circle賞を獲得、またNew York Drama Critics' CircleとDrama League賞から特別表彰を受けました。

その後、若干の手直しが加えられた後、2006年11月2日からWalter Kerr TheatreでOn-Broadway公演が開幕、2007年7月29日の閉幕までに307回上演されました(プレビュー公演が33公演で、合計すると340公演)。

このOn-Broadway作品は、批評家から大絶賛されました。Time Magazineは、「2006年の最高のショー」とまで称え、2007年度のTony賞で10部門にノミネートされ、うち3部門(最優秀主演女優賞〔Christine Eversole〕、最優秀助演女優賞〔Mary Louise Wilson〕、最優秀衣装デザイン賞)を受賞しました。

オリジナルBroadwayキャストによるアルバムは、2007年3月27日にPS Classicsからリリースされ、2008年のグラミー賞に最優秀ミュージカル・ショー・アルバム部門でノミネートされました。



ストーリーは、以下の通りです。

1941年7月。その日は、ビール家の令嬢のリトル・イーディとケネディ家の長男のジョーとの婚約発表のパーティが、彼女と母親のビッグ・イーディが住むグレイ・ガーデンズで行われる予定になっていた。日頃は仕事の虫で、別居中の妻が住むこの屋敷には寄りつかない夫も、愛娘の婚約パーティに出席するために、夕方にはやってくる予定になっていた。

ビッグ・イーディは、伴奏者で屋敷に同居しているジョージ・グールド・ストロング(Michael君が演じる役)と共に、娘が主役のパーティで自分のリサイタルを行おうと、9曲ものタイトルが書かれたプログラムまで用意して、娘の目を盗んでリハーサルに余念がなかった。

歌やダンスの才能があり、ナイトクラブでショーをしたこともあるリトル・イーディは、Broadwayやハリウッドの女優を夢見ていたが、大統領になることを目標としているジョーのために、彼と共に生きていこうと思うのだった。

リトル・イーディがプログラムを発見し、母とグールドが何を計画しているかを知ってしまい、何とか母を止めようと祖父にプログラムを見せる。日頃から娘の家柄をわきまえない行動に腹を据えかねていた父親に手ひどく叱りつけられ、落ち込むビッグ・イーディ。
見かねたリトル・イーディが母を励まし、いっしょに歌を歌って仲直りをした。ほっとしたリトル・イーディが着替えに行っている間に、彼女宛に父から届いた電報を、ビッグ・イーディが開けて読んでしまう。この電報がきっかけとなって、幸せな雰囲気のグレイ・ガーデンズの雲行きが怪しくなってくる・・・(ご覧になったことのない方のために、前半のクライマックスは、明かさないでおきますね。)

時は流れて、1973年。見る影もなく荒れ果てたグレイ・ガーデンズに、ビッグ・イーディが猫を呼ぶ声が響いていた。すっかり年老いた彼女は、見る影もないみすぼらしい姿になっていた。若く美しかったリトル・イーディも、すでに50代半ば。奇妙な服を身にまとい、頭は常にスカーフ等で覆っていた。

何匹もの猫とアライグマが住みつくボロ屋敷で、母と娘は、時に昔を懐かしみながらいっしょに歌を歌い、時に互いを責め、罵り合いながら暮らしていた。
ラジオやレコードに合わせて歌を歌ったり、昔を懐かしんでグチをこぼしたりする彼女達の周りには、かつて華やかだった時代にこの屋敷に集っていたグールド、ジョー、若かった頃のリトル・イーディ、リトル・イーディの祖父達の思い出が、幻となって現れたり、ラジオやレコードのパフォーマーが現れたりする。

今でもマイペースでわがままな母親の面倒を見るだけの生活に疲れたリトル・イーディは、母との決別を決意し、とうとう鞄に荷物を詰めて屋敷の玄関を出るのだったが・・・。

Michael君のサイトにGrey Gardensの写真!

2009-03-27 22:00:41 | Michael 09 Grey Gardens
Michael君(マイケル・グルーバー)のサイトの「Grey Gardens」のページに、ドレス・リハーサルの写真がアップされました! (写真は、作品のポスターです。)

彼のサイトの「Grey Gardens」のページは、こちらからどうぞ。 ページのトップにポスターの写真があり、その下にGeorge Gould Strongを演じているMichael君のアップの写真があります。その少し下の「Photos」という部分をクリックすると、4枚のドレス・リハーサルの写真を見られます。
一番上の写真では、Michael君は階段の途中に座っており、二番目と三番目ではピアノを弾いており、四番目では向かって右端に立っています。サイトの「Grey Gardens」のページにあったMichael君の写真は、三番目の写真の彼の部分をアップにしたものです。

とてもステキなセットで、Michael君もすごく気に入っているそうです♪ ゴールデンウィークに見に行くのが、ますます楽しみになってきました~!

Michael君の「Grey Gardens」本日開幕!

2009-03-17 12:06:40 | Michael 09 Grey Gardens
ミネソタ州セントポールにあるOrdway Center for Performing ArtsのMcknight Theatreで、現地時間の本日、3月17日、Michael君(マイケル・グルーバー)が出演する「Grey Gardens」がオープニングを迎えます。 (写真は、2008年1月3日に、NYで撮ったものです。)

上演期間は3月17日から5月17日までの2ヶ月間で、Michael君はジョージ・グールド・ストロングという役を演じます。2月24日に現地入りしたMichael君、3週間に渡るリハーサルを経ての開幕というわけです。タバコを吸ったりお酒を飲んだりするシーンがあるようで、Michael君はピアノの演奏も披露するようですよ。

このミュージカルは、1970年代のドキュメンタリーフィルムをもとに作られ、BroadwayではWalter Kerr Theatreで2006年11月2日(プレビュー公演は10月3日から32公演)から2007年7月29日まで、308回上演され、2007年のTony賞で、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演女優賞を含む9部門でノミネートを受け、そのうち、主演女優賞、助演女優賞、衣装賞の3部門を受賞しました。ダラスで暗殺されたケネディ大統領の夫人であったジャクリーン・ケネディ・オナシスのおばと従姉妹にあたる実在の2人の女、Edith (Big Edie)とEdie Bealeにまつわる物語で、ニューヨーク州ロングアイランドのイーストハンプトンにあるグレイガーデンと呼ばれる屋敷を舞台に、1幕目は2人がまだ若かった頃の1941年の7月、2幕目は2人とも年を取ってしまった1973年になります。

作品の詳細は、劇場のサイトMichael君のサイトでご覧下さい♪ ナズは、GWに、このお芝居を見に、セントポールに行く予定です。また観劇記を書きますので、お楽しみに~~!