ミネソタ州チャンハッセンのChanhassen Dinner TheatresでMichael君(マイケル・グルーバー)が出演中の 「Jesus Christ Superstar」、日本でも 劇団四季が上演していますので、ご存知の方も多いと思いますが、どんな作品なのか、ご紹介させていただきますね。
(写真は、地元の道路のそばに建てられたプロダクションのビルボードです。)
この作品は、「Cats」や「オペラ 座の怪人」でおなじみのアンドリュー・ロイド・ウェバー氏作曲、ティム・ライス氏作詞脚本の作品です。ぜひステージで上演したいとあちこちの劇場にこの作品を持ち込んだウェバー、ライスの両氏でしたが、キリストの生涯をあまりにも斬新に描いていたので、どの劇場も相手にしてくれず、それならアルバムとして世に出そうと思いついた2人は、まず1969年にシングル『Superstar』を発表し、翌年には『Jesus Christ Superstar』と題した2枚組のLPアルバムを発表しました。
当時大人気だったロックバンドのディープ・パープルのリードボーカリストのイアン・ギランをジーザス役にフィーチャー、マグダラのマリア役にはエリック・クラプトンのバックアップボーカルとして知られるイヴォンヌ・エリマンを起用、ユダ役にはほとんど無名ながらも実力派俳優として知られていたマーリー・ヘッドを迎えて製作されたもので、1971年のビルボード年間アルバム部門で1位に輝く大ヒットとなりました。同71年には、Broadwayでの上演が実現し、これがウェバー氏のBroadwayデビューとなりました。その後、Broadwayでは1973年まで上演され、ロンドンでは、ロングランとなり、1980年まで上演されました。
ちなみにBroadwayでは、1971年10月12日~1973年6月30日(全268公演、マーク・ヘリンジャー劇場)、1977年11月23日~1978年2月12日(全96公演、ロングエイカー劇場)、2000年4月16日~9月3日(全161公演、フォード・センター劇場)の3回、上演されており、2000年の時には、衣装や設定などを現代にふさわしく変更した改訂版として上演され、このリバイバル版を再現したビデオも作られ、舞台版を手掛けたゲイル・エドワーズ氏がそのまま監督を務め、主役のジーザスも、Broadwayでジーザスを演じていたグレン・カーターが演じました。ロケ等は行わず、Broadwayの舞台セットを映像化するような形で撮影されました。
LPアルバムから ステージ化されたこの作品には、セリフらしいセリフはほとんどなく、全編を歌で綴ったロックオペラというスタイルで上演され、封切られた時は、当時の世相を反映したベルボトムの白いジャンプスーツといった衣装で上演されたそうです。
この作品は、神の子であるキリストの最後の7日間を描いているのですが、ライス氏によれば、キリストを敬愛するユダが、なぜキリストを裏切ることになってしまったのか、ユダの視点から描いた作品だそうで、作中のユダは、タイトルロールのジーザスに勝るとも劣らない大きな存在として描かれています。
作品が作られた当時のヒッピー文化の影響が色濃く見られ、ジーザスや使徒達は、自由を求めるフラワー・チルドレンのように描かれており、同じ時代に作られたロックミュージカル「Godspell」を思い起こさせられます。
批評家から高い評価を受けたものの、神の子たるキリストを、神から与えられた使命の重さに苦しんだり、彼を慕いながらも彼の言葉の本当の意味に気づこうともせず、圧政に苦しむ自分達のために彼に戦って死んでもらうことまで望み始めるわがままな民衆の姿に悩んだりする1人の人間として描いているため、敬虔なキリスト教徒や原理主義者から「聖書に忠実ではない」、「キリストはただの人間ではない」、「神への冒涜だ」と批判され、1971年のBroadwayでの初日には、プラカードを持ったキリスト教やユダヤ教の信者が劇場前でデモを行うという騒ぎになったそうです。また過激な信者によって、公演中の劇場が放火されるというような事件も起こったそうです。
1973年には、LPアルバムをもとに映画化を思い立ったノーマン・ジュイソン氏を監督に、ユニ バーサル・ピクチャーズによって映画化されました。舞台を観ていなかった監督は、アルバムの印象からロケ地を決めて、出演者にはBroadwayのオリジナルキャストが揃えられました。
Broadwayオリジナルキャストが出演するこの映画は、キリスト教関係団体からは強い批判を受けたものの、批評家からは高い評価を得て、第31回ゴールデングローブ賞の作品賞にもノミネートされたのですが、ウェバー氏は、舞台版とは全く違う伝統的な衣装を使った演出は間違っていると考え、この映画を嫌っていたそうです。
チャンハッセンで上演中のMichael君出演の「Jesus Christ Superstar」、ナズは、4月29日から見に行くことにしております。かつて「Joseph and the Amazing Technicolor Dreamcoat (1988年)」で預言者ヨゼフを、「Godspell (2006年)」ではジーザスを、つい先日の「Joseph and the Amazing Technicolor Dreamcoat (2010年12月~2011年1月)」ではヨゼフの兄を演じたMichael君、この「Jesus Christ Superstar」では、12使徒の1人のJames of Alphaeusを演じています。
5月の第1週目には大役のユダを演じる予定です♪ 予定が1週ずれるという連絡があったんですが、幸いなことにMichae君の勘違いだったそうで、結局、ナズの滞在中、5/3のイブニング・ショーと5/4のマチネ/イブニングの3回、彼のユダが見られるようです♪ とっても楽しみです~!
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