M for Michael Gruber♪- Mは、マイケル・グルーバーのM~♪

キャッツDVDのマンカストラップ、アメリカの舞台俳優、Michael君のことや、ブロードウェイニュースをお伝えします。

St. PaulのMichael君 Grey Gardens 観劇記 その4

2009-05-29 12:07:52 | Michael 09 Grey Gardens
観劇記、その4です。(写真は、セントポールの町にある大聖堂です。)

翌5月3日の朝、町を観光しようと早起きしたナズは、この日は2時からマチネを見るため、昼頃には戻ってきたかったので、ハウスキーピングの人に部屋の掃除を11時半までに終わらせてくれるようにお願いしてから、ホテルのロビーに降りました。日曜日は、デパートも、ショッピング街も営業時間が短く、開店するのが昼くらいで夕方には閉まってしまうので、ホテルのコンシェルジェに、どこか朝から開いているところがないか尋ねたところ、町のはずれの方でファーマーズ・マーケットが開かれており、地元の農家の方が花や野菜、蜂蜜、蜂蜜から作った石けんなどを売りに来ていて、食べ物の屋台もあって楽しいと教えてくれたので、そこに行ってみることにしました。

朝のさわやかな空気の中、町を散策するのはとても気持ちがよく、マーケットはけっこうホテルから離れていたんですが、散歩を楽しみながら行くことが出来ました。
そこは、トラック等の大きな車用の駐車場のような感じで、かなり広いスペースのあちこちに農家の方が自分のトラックをとめて、いろいろな物を売っていました。一番多いのは鉢植えと切り花で、蜂蜜、ろうそく、石けん等があり、まだ朝の9時過ぎだったんですが、地元の方達がけっこう大勢買い物にいらしていました。ナズは、ハーブと蜂蜜だけで作った肌に優しい石けんの香りが気に入って、お友達のお土産に・・・といくつか購入しました。
またホットドッグやベーグルサンド、クッキー、コーヒー、レモネード等、いろんな食べ物・飲み物を売る屋台もあって、ナズも、ミルクティを買って、そばに置かれたテーブルのところに腰掛けて、一休みしました。

10時近くなって、マーケットを後にしたナズは、ぶらぶらと町の中心部へと戻り始めたんですが、どちらかと言えばビジネス街なセントポールの中心部、日曜日は、本当にお店が開いていませんでした。
途中、ホテルの前の広場で、人気漫画「Peanut」のキャラクターの像(作者がミネアポリス生まれでセントポール育ちなんだそうです。)をカメラに収め、そこからさらに歩いて、ミシシッピー川の方まで行ってみました。この川の向こうが、ミネアポリスの町です。Twin Citiesと呼ばれているこの2つの町、観光客向けの施設は、ミネアポリスのほうが多いようでした。

ぶらぶらしているうちに11時半を回ったので、ホテルの部屋に戻ったナズ、買ってあったクッキーで昼食を済ませ、身支度を整えて、1時半頃、劇場へと向かいました。
この日は、最前列のほぼ中央の席でした。前日の4列目も、十分、前のほうで、見やすかったんですが、最前列の中央は、本当にステージが近く、でも、ステージと客席の間が2メートルくらい空いているので前過ぎることもなく、出演者の表情がよく見えて最高でした!

メインホールでやっている「リーガリー・ブロンド」の方は、けっこう若い観客も多い感じだったんですが、「Grey Gardens」は、年配の観客が多く、また大都会ではない小さな町なので、観客同士が知り合いばかり・・・という実にアットホームな雰囲気で、いい感じでした(笑)。

やがて開演時間になり、昨晩と同様、「Grey Gardens」が始まりました。前日のショーと比べると、この日のマチネのほうがずっといい出来でした。
前日のショーでは、イーディスとイーディを演じている3人の女優さん達がやや早口でせりふをしゃべっており、互いにやり取りをするシーンでは、相手のせりふの後、十分に間をおかずに自分のせりふを言ってしまうので、全体的にせわしない雰囲気になって、登場人物の心理描写等が観客に伝わりにくい感じになってしまっていました。
それが、このショーでは、せりふの速度も、相手とのせりふの間もとてもよく、それぞれのナンバーもとても盛り上がって、すごく面白かったです。特に、ラストのクライマックスでは、それぞれに年老いた母娘の互いに対する複雑な思いが見事に表現されていて、とても感動的でした~!

カーテンコールで大声援を送った後、楽屋口で待っていると、Michael君が出てきました~♪

「やあ、ナズ!」

ハグの後、ナズが、「昨日もよかったけど、今日のほうがもっとよかった」と言うと、

「どこがどんな風に?」

と、真剣な表情でMichael君が聞き返してきました。女優さん達のせりふの速度やタイミングが昨日よりよかったと伝えると、Michael君は

「なるほど。君の言う通りだね。」

と答え、深くうなづいていました。ちょうど通りかかったバンドのコンダクターの方に、Michael君がナズを紹介してくれ、その方にお願いして写真を撮っていただきました。

「ところで、明日なんだけど、ショーもないし、できれば君と一緒にどこかに行きたいと思ってたんだけど、急にリハーサルが入ってしまったんだよ・・・。」

と、残念そうに言うMichael君。

「気にしないで、Michael! そりゃ、あなたと一緒にどこか行けたら最高だけど、あなたの都合が何よりも大切なんだから。明日は、1人で町を見て回るから、大丈夫よ。」

「うん、ありがとう、ナズ。楽しい1日を過ごしてね。8月に東京で会おうね!」

「8月にね!楽しみにしてる♪」


Michael君とお別れした後、ホテルに戻ったナズは、コンシェルジェの人に、「明日、ショッピングに行きたいんだけど、どこかいい場所は?」とたずねました。「ちょっと離れたところにモール・オブ・アメリカという全米一大きなモールがありますが、セントポールにもグランド・アベニューと呼ばれている通りがあって、お店やレストランがたくさん並んでいて、評判がいいですよ。」と教えてくれました。モール・オブ・アメリカは、敷地内に遊園地から水族館、シネコンも入った超巨大モールで、面白そうだとは思ったんですが、地元のお店とかで店員さんとおしゃべりしながら買い物するのが好きなナズ、グランド・アベニューに行ってみることにしました。早いお店は9時から、他のお店も10時にはだいたい開くとのことだったので、9時半に車の手配をお願いし、ついでに5日の日に空港へ向かう車の手配もお願いしておきました。

翌朝、9時半にホテルの玄関に行くと、待っていたのはタクシーではなくて、タウンカーでした。ホテルの車で、宿泊客を町の中の行きたいところに無料で送ってくれるんです! 若いベルボーイの人が運転してくれてました。途中、立派な大聖堂の横を通ったので、「これが有名な大聖堂ね?」と聞くと、「外も立派なんですが、中がとても美しいので、もし時間があったら、ぜひ立ち寄ってみて下さい」と教えてくれました。
グランド・アベニューの一番お店が多いところで降ろしてくれたベルボーイさんがホテルのカードを渡してくれ、「迎えが必要な場合は、お電話下さい」と言ってくれました。お礼を言ってチップを渡したナズは、さっそく通りを散策しました。
コンシェルジェの人がグランド・アベニューのガイドブックの小冊子をくれたので、それを見ながらあちこち見て歩き、アイルランドの雑貨やアクセサリーを売っている店や地元のいろいろなものを売っている雑貨屋さん、自然食のお店等で買い物をしました。どのお店の店員さんも、皆さん、親切で感じがよく、いろいろ楽しくおしゃべりが出来たので、ここに来てみて、よかったな~と思いました。

カフェで昼食を食べた後、来る途中に通った道路が高級住宅地らしく、道の両側に凝った造りの立派な屋敷がずっと並んでいたので、それをじっくり眺めたくて、ぶらぶら歩いて帰ることにしました。
1軒1軒、とても個性的で、建物はみんな3階建てくらいあって、お屋敷と呼ぶのがふさわしい感じでした。空き家になってしまっているところもけっこうあるようでしたが、人が住んでいる屋敷は、お庭もきちんと手入れされていて、中世のお城みたいなものから、コテージ風、レンガ造りのもの等いろいろあって、本当にステキでした。

だいぶ歩いてちょっと疲れたな~と思った頃、行く手に大聖堂が見えてきました。荘厳な感じで、とても立派でした。
中に入ると、ステンドグラスがたくさんあり、聖母マリアやさまざまな聖人や天使の像が置かれ、3000人も座れるというアメリカで4番目に大きな内陣はとても広くて、天井の装飾も素晴らしくて、実に厳かな雰囲気でした。特に聖母マリアの像は、慈愛に満ちた表情がとても美しく、ナズはクリスチャンではないんですが、思わずひざまづいて、カソリックであるMichael君のためにお祈りしちゃいました・・・。

大聖堂を出た後、また一歩きして4時過ぎにホテルに戻ったナズ、一休みした後、翌日の出発に備えて荷造りをしました。今回は滞在が短いため、あまり衣類を持ってきていなかったこともあり、比較的簡単に荷造りが出来ました。帰りの便が午後3時過ぎなので、早起きする必要もなかったんですが、12時前にはベッドに入りました。でも、滞在が短すぎて、まだ時差ぼけが残っていたようで、午前2時過ぎに目が覚めてしまい、その後はほとんど眠れずに朝になってしまいました。
寝不足のぼけた頭のまま、10時半ごろチェックアウトを済ませ、空港へと向かいました。空港でチェックインを済ますと、けっこういろいろお店があったので、しばらくぶらぶらして過ごしました。

ナズが乗る便は、到着が遅れたそうで、搭乗開始も30分ほど遅れて始まりました。今回はノースウェストだったんですが、エコノミークラスはアルコール類が全て有料でした。また食事のボリュームもかなり少なく、食器も、メインディッシュが入った容器はコンビニで売っているお弁当の容器よりもちゃちい使い捨てで、ナイフやフォークもちゃちいプラスチックの使い捨てのものでした。座席のヘッドレストの部分には、マジックテープで布のカバーが取り付けられるようになっているんですが、その布カバーも廃止してしまったようで、なくなっていました。

予定より遅れて成田に到着すると、待っていたのは、機内検疫でした~。 問診表は、飛行中に機内で配られ、すでに記入は終えていました。着陸後、20分ほど待っていると、重装備の検疫官達がぞろぞろと入ってきて、1人がカメラで乗客を撮影して熱がある人がいないか調べ、残りの人達が乗客から問診表を集めました。医師はいないようで、特にのどの赤みをチェックしたり等はしていないようでした。30分ほどで検疫が終わり、ようやく飛行機から降りることが出来ました~。

さて、St. Paulの「Grey Gardens」観劇記、いかがでしたでしょうか? 最後まで読んで下さって、ありがとうございました~。 滞在期間が短かったのと上演回数の関係で、たった2回しか見られなかったんですが、Michael君とちゃんと会えておしゃべりも出来て、楽しい旅でした。
次は、8月の「コーラスライン」来日公演! 今度は、Michael君が日本に来てくれます~~♪ 彼のザックは、最高なので、本当に楽しみです!

東京公演は、渋谷の文化村にあるオーチャードホールで、8月12日から30日まで行われます。公演の詳細・チケット購入は、こちらからどうぞ。
また兵庫公演は、西宮市高松町にある兵庫県立芸術文化センターで、9月2日から6日まで行われます。 詳細とチケット購入は、こちらからどうぞ。 どちらの公演も、すでにチケットの販売は始まっています。

Michael君のファンの方は、ぜひこの機会に、お見逃しのないよう~!


ACL ジャパンツアーの公式サイト!

2009-05-28 02:14:09 | Michael 09 ACL Japan tour
8月に来日する「A Chorus Line」のジャパンツアーの公式サイトが出来ましたよ~♪(写真は、公式サイトのトップページでも使われている全米ツアーのオリジナルキャストのステージフォトです。)

公式サイトへは、こちらからどうぞ。現時点では、まだチケット情報しかアップされてないのですが、他にも「Introduction」、「Special」、「Cast&Staff」、「Music」という項目がありますので、順次追加されていくことと思います。

ちなみに、現在、Michael君(マイケル・グルーバー)の生まれ故郷であるオハイオ州シンシナティで公演中の全米ツアーのスケジュールは、こちらからご覧いただけます。7月のテキサス州ダラス公演の後、8月12日から9月6日まで日本公演、そしてその後は、9月22日からのテネシー州メンフィス公演に続いて、ノースカロライナ州シャーロット、ケンタッキー州ルイスビルとアメリカ国内での公演があり、さらにカナダでの公演が続きます。

そして、現時点での全米ツアーのキャストは、こちらでご確認いただけます。特にご覧いただきたいのはポール役のブライアン・ノールトンさん! 彼は、Broadwayのリバイバル版に、Michael君といっしょに参加して、そのまま昨年夏のファイナルまでずっとポール役を演じていた俳優さんなんです! たぶん、このまま来日公演にも参加されると思います。とても素晴らしい演技をされる方なので、すっごく楽しみです。
またザックの助手のラリー役は、コスタメサでポールを演じて、Michael君から「Terrific!(素晴らしい)」と言ってもらったブランドン・タイラー君なので、彼の出演も楽しみです~♪

St. PaulのMichael君 Grey Gardens 観劇記 その3

2009-05-27 01:38:25 | Michael 09 Grey Gardens
観劇記 その3です~! (写真は、劇場のロビーに置いてあったキャストの書かれたボードです。)

休憩の後、2幕目が始まりました。1973年の荒れ果てたグレイ・ガーデンズが舞台となっているこの2幕目は、1975年のドキュメンタリー映画「Grey Gardens」をそのままステージに再現したような内容です。

イーディの奇妙な身なりも、半裸に近い状態でいるイーディスも、ドキュメンタリーの中の本物の2人とそっくりだし、しゃべり方やしぐさもとてもよく似ています。特にイーディは、小さなアメリカの国旗を手にマーチに合わせて踊ったり、体重を量るのに、メモリがよく見えないため、双眼鏡を使ってメモリを読んだりと、話を面白くするために創作されたフィクションとしか思えないようなことをしますが、それも全て、実際にドキュメンタリーの中で、本物のイーディがやっていたことなんです!

本物の2人は、ドキュメンタリーが撮られた頃にはだいぶ太ってしまっており、イーディが、スカートを上下逆さに履くという奇抜なファッションをしているのやイーディスが時折半裸に近い状態でいるのも、おそらく昔の服が小さくて着られないからではないかと思われるのですが、ドキュメンタリーを見たことがないと、実際の2人とどれだけ似てるのかがわからないので、面白さが半減してしまうように感じました。特に、今回、2人を演じている女優さんは、どちらもとてもスマートな方だったので、イーディスとイーディの奇妙な服装の意味が、余計にわかりづらいように思いました。

ステージには、56歳になったイーディが登場しました。1幕目では、イーディスを演じていたChristinaさんが演じています。母親のイーディスと娘のイーディは、違うアクセントで話すので、Christinaさんも、1幕目とは違ったアクセントで話していました。髪をずきんのようなものでヘアネットでもかぶるかのようにすっぽりと包んでしまっており、スカートは上下逆さにして、裾をウェストのところで安全ピンを使って留め、サイドの部分も太腿のあたりで安全ピンで留めてあるという奇抜な服装です。イーディが、しきりに客席に向かって話しかけるのですが、おそらくドキュメンタリー映画の中で本物のイーディが、カメラに向かって話しかけていたので、それを意識しての演出ではないかと思います。
そして、自分の妙なファッションを説明するかのような「The Revolutionary Costume for Today」というコミカルで風変わりなナンバーを歌いました。歌っている間も、イーディスが彼女を呼ぶ声が聞こえてくるのですが、イーディは返事はするものの、母のところに行こうとはせず歌い続けます。

そこに通りかかったのは、1940年代に執事を務めていたブルックスの息子のジュニアです。客席の通路から現れました。ブルックスを演じていたのと同じ俳優さんが演じています。「庭先に畑を作りたい」とブルックス・ジュニアに声をかけるイーディ。ジュニアが立ち去った後、イーディは、しつこく呼び続ける母の声に、「今、行くってば!」と叫び返して屋敷に入るのでした。

ステージにはカーテンが引かれ、カーテンの前がグレイ・ガーデンズのテラスという設定で、イーディスとイーディが日光浴をしています。イーディスは小切手を切り、水着を着たイーディはデッキチェアに横になっています。イーディは、「自分は、NYで楽しく暮らし、チャンスもつかみかけていたのに、こんなところで、死にかけている母親の面倒を見ながら暮らさなくてはならない」とグチを言い、イーディスはイーディスで、「NYにいた頃だって、お前には何もいいことなんかなかったし、自分が食べ物を差し入れてやらなかったら、飢え死にするところだった。だいたい面倒を見てくれと頼んだ覚えはない」と言い返します。 この辺の2人の会話も、ドキュメンタリー映画と本当にそっくりなんです。
「自分は、何も手に入れられなかった。結婚も出来なかった」と言うイーディに、「自分は、完璧な結婚をして、全てを手に入れた」と言うイーディス。母の結婚が失敗に終わったことを知っているイーディは、「そんなはずはない、お母様は、ケーキを手に入れることも出来なかったし、それを食べることも出来なかった」と言い放ちますが、イーディスは、「素晴らしい息子達と猫と優れた伴奏者に恵まれて、確かに自分は、自分のケーキを食べた (The Cake I Had)」と歌うのでした。グチをこぼし合い、言い合いを続けた揚げ句、イーディは、猫にえさをやるために、テラスを後にしました。

暗転の間にカーテンの前の椅子は片づけられ、今度は屋根裏という設定で、イーディが猫のえさを撒いています。うっすらと明かりのともったステージのセットに、グールドが現れ、「生い茂った生け垣で外界から遮られ、昼なのか夜なのかもわからない。ネコ缶を『パテ』と呼ぶ、ここはグレイ・ガーデンズ」と、ちょっとミステリアスなナンバー「Entering Grey Gardens」を歌います。
かつてここが華やかだった時代に暮らしていた他の人物、若かった頃のイーディやブーヴィエ氏、ジョーや幼いジャッキーとリー、執事のブルックスも、遠い日々の亡霊として登場し、歌に加わりました。亡霊であると同時に、彼らは、館に住みついた猫の化身でもあって、「猫の目から見たグレイ・ガーデンズ」と歌いながら、代わる代わる「ミャ~オゥ!」と鳴きます。なかなか幻想的で、素敵なシーンでしたよ♪ Michael君の歌声も、素晴らしかったし♪

亡霊達の歌の間も、イーディスは「パテが食べたいけど、自分ではしたくが出来ない」と、大声でイーディを呼び、イーディは「猫にえさをやっているのよ~!」と叫び返します。ようやく母の元に戻ってきたイーディ、「お母様のパテを見つけたわ。でも、ラベルがはげちゃってる。これ、パテかしら?それともネコ缶・・・?」 と、缶を手に思案中です。結局、そのパテ(もしくはネコ缶・・・)を母に食べさせるイーディでした。(笑)

場面は変わり、カーテンの前に椅子が置かれ、イーディが虫眼鏡を使いながら本を読んでいます。このあたりの描写も、ドキュメンタリー映画そのものです。そこに、ジェリーという青年がやってきます。ブルックス・ジュニア同様、客席通路からの登場です。近くに住んでいた彼は、イーディスのお気に入りで、彼女は、ジェリーを屋敷に泊まらせてやっており、ジェリーは、彼女達のために雑貨を運んできたり、雑用をしたりしていました。このジェリーも実在の人物で、ドキュメンタリーの中に登場しています。演じているのは、1幕目でジョー・ケネディ・ジュニアを演じていた俳優さんです。

ネコがたくさん住みついているせいか、グレイ・ガーデンズにはノミが多いので、足首にノミ取り首輪をはめているというジェリーに、イーディが、「ノミがあんまりひどいから、ホテルに移ろうかと思うくらい」とこぼすと、「ノミ対策に、いろいろ持ってきたよ」とジェリーが包みをイーディに渡しました。
「NYに戻って、ショービジネスの世界に入るべきだと思う?」とイーディに尋ねられたジェリーが、「歌やダンスが出来るの?」と聞き返します。「出来るに決まってるじゃないの!? ちょっと待ってなさい!」 あわてて止めようとするジェリーをその場に残して、イーディは家の中へと消えてしまいました。

再び現れたイーディは、赤いワンピースに身を包み、髪にも赤い布を巻き、手には小さなアメリカの国旗を持っています。ワンピースの胸元がずり落ちそうになるのを気にしながら、「ダンダダダーン!」と、レコードに合わせて、高らかにマーチを歌い、踊り始めました。(The House We Live In) ステージには、軍服に身を包んだMichael君や他の俳優さん達が登場し、レコードの歌手として歌いながら、イーディといっしょに踊ります。軍服姿のMichael君、とてもスマートでダンディでした~♪ そして、レコードの終了と共に、Michael君達はステージから退場しました。2幕目は、グールドとしては、あまり出番のない彼も、こんな風にいくつかの役を演じるので、衣装を着替えたりとけっこう忙しそうです!
お気に入りのジェリーがなかなか上がってこないのに待ちくたびれたイーディスが大声でジェリーを呼び始めたので、仕方なく、イーディは、ジェリーを母の部屋へ行かせるのでした。

ベッドルームには、母娘のベッドが並んで置かれ、その横には、冷蔵庫からガス台まで置かれていて、半裸に近い格好でベッドに入っているイーディスは、ガス台に鍋をかけてトウモロコシをゆでていました。これも、実際の彼女達のベッドルームと同じです。お気に入りのジェリーにトウモロコシを進めながら、「ジェリーは、私のゆでるコーンが大好き!」と歌うイーディスでした。(Jerry Likes My Corn)
昔、歌った歌のレコードがどこかにあるはず・・・と、ジェリーに探しに行ってもらおうとするイーディスに、イーディは、自分が探しに行くと言いますが、イーディスは、ジェリーがいいと言って聞きません。まるで実の息子のようにジェリーを信頼してかわいがる母の様子を気に入らないイーディは、「ジェリーには盗みぐせがある」とか「自分の肉体を目当てにしている」等と母に吹き込みますが、イーディスは気にも留めませんでした。

屋根裏部屋に1人閉じこもったイーディは、「母の家に縛り付けられて、面倒を見てやっているのは自分なのに、自分が嫌いな者ばかりを、母は屋敷に住まわせる!」とグチをこぼします。 そして、今の自分が失ってしまった思い出の数々を懐かしむのでした。(Around the World)

一方、ベッドルームでは、ジェリーが見つけだしてきた「Will You?」のレコードを、イーディスが聞いていました。そろそろ立ち去ろうと、ジェリーが挨拶をしているのにも気づかず、自分がこの曲をレコーディングした頃の思い出を話し続けるイーディスでした。
ジェリーが立ち去った後、イーディが部屋に入ってきて、母と一緒にレコードに合わせて歌い始めましたが、イーディスは、娘の歌い方が気に入りません。「変な歌い方は耳障りだからやめろ」という母に逆らうように歌い続けるイーディ。「耳直しに、ちゃんとした歌を聴きたいからラジオを取ってくれ」という母の言葉を無視して、イーディは歌い続けました。とうとういがみ合いが始まり、「自分が結婚出来なかったのは、母がじゃまをしたからだ」と言うイーディに、「別れた夫とよりを戻したかったのに、娘が反対したせいで出来なかった」と言い返すイーディス。
激しい罵り合いの揚げ句、イーディは、ようやくラジオを母に渡して、部屋を出ていきました。

ラジオからは、「ドクター・ノーマン・ビンセント・ピールの『前向きな祈りの時間』」という宗教番組が流れて来ました。壁の穴からステージに現れたドクターを演じているのは、1幕目でブーヴィエ氏を演じていた俳優さんです。またいっしょに登場した聖歌隊は、Michael君達、出演者で、ちょっと前までジェリーを演じていた俳優さんも混じっています。そして、全員で「厳しい冬がやってきて、高速道路に穴が空き、ミルクがこぼれてしまっても、もう半分も空だと思うか、まだ半分残っていると思うかは自分次第。幸せになることを選ぼう」と「Choose to Be Happy」を歌うのでした。

ラジオの音が消え、聖歌隊がステージからいなくなると、毛皮のコートを着て鞄を下げたイーディが、階段を下りてきました。肌寒い夕暮れの風の中、表の庭に立ちつくしながら、「Around the World」を口ずさむイーディ。ついに母の元を去る決心をしたものの、まだ本当には心を決めかねているのでした。
通りかかったブルックス・ジュニアが、駅まで送るか、あるいはタクシーを呼ぼうかと声をかけてくれましたが、「大丈夫。自分でちゃんと出来るから」とイーディは断ってしまいました。
「休暇を過ごした人々も、避暑地を去り、またこの町に冬がやってくる。ビーチは人っ子一人なく、プールはカバーで覆われ、テラスのパラソルもたたまれた・・・」と「Another Winter in a Summer Town」を歌うイーディ。途中から、屋敷の中にいるイーディスも加わって、とても美しいハーモニーの素晴らしいナンバーでした。

ここからが最後のクライマックス! イーディは、本当に出ていってしまうのか・・・。わがままいっぱいにふるまっていても、身体が不自由で娘の助け無しには暮らしていけないイーディスは、どうなってしまうのか・・・。
まだ見たことのない方のために、いつも通り、結末は明かさないでおきますね~。心にぐっと来る素敵なラストなので、機会があったら、ぜひご覧になってみてください~!

カーテンコールには、Michael君はグールドの衣装で、その他の2幕目では別の役を演じていたキャストも1幕目の役の衣装で登場しました。観客から暖かい拍手が送られ、ナズは、もちろんいつもの通り、叫びましたとも~♪

劇場を出て楽屋口に急いだナズ、しばらく待っていると、Michael君が出てきてくれました。夕方会った時は普段着だったナズがちゃんとドレスアップしているのを見て、微笑みながら、

「おや、きれいなお嬢さんが待っているぞ♪」

と言いながらハグしてくれました~♪ (笑) そして、ナズが、「あなたの歌うナンバー、とっても素晴らしかった!ピアノも上手だったし。ドキュメンタリー映画を見たり、Broadway版のアルバムを聴いたり、脚本を読んだりして下準備をしてきたので、ストーリーもよくわかったし、特に2幕目は、本物の2人とすごくそっくりで、とても面白かった。ただ私は、ドキュメンタリーを見たから、彼女達の衣装やしぐさ、話し方が本人とそっくりなのがわかったけど、知らないで見た人には、その面白さがうまく伝わらないかも・・・」と、今見たばかりのショーの感想を伝えると、Michael君は、真剣な表情で頷いていました。

「確かにそうかも知れないね。でも、ナズが気に入ってくれて、よかった! 嬉しいよ! 明日も見てくれるんだよね?」

「そうよ。明日、もう1回、Grey Gardensを見て、明後日の月曜日も1泊して、火曜日に帰るの。」

「それじゃ、また明日、ショーの後で会おうね!」


Broadway版と比べると、規模も小さいし、セットもこぢんまりとしているんですが、それでも演出に工夫を凝らし、キャストのがんばりもあって、とっても楽しいショーでした。Michael君ともたくさんおしゃべりできて、とても嬉しかったです。劇場の向かい側にあるホテルに戻って、TVを見ながら寝仕度を済ませて、ベッドに入りました。

またすっごく長くなってしまいまして、ごめんなさい! その4に続きます~!





本日、Grey Gardens 最終日!

2009-05-17 00:01:20 | Michael 09 Grey Gardens
3月17日からミネソタ州セントポールのOrdway Centerで公演中だったMichael君(マイケル・グルーバー)出演の「Grey Gardens」が、本日閉幕します。 (写真は、劇場の前にあったポスターです。)

現地時間の5月17日の午後2時からのマチネがラストショーとなります。このショーのチケット、インターネットでの前売りは完売となっています。小さな劇場なので、Broadway版よりも規模の小さい上演となっていますが、セットにも工夫が凝らされ、Michael君達出演者の熱演のおかげで素晴らしい作品に仕上がっていました。キャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした~!

この後、Michael君は、同じOrdway Center内にあるメインホールで、6月16日から28日まで「Singin' in the Rain」に主演します♪ Michael君自身、大のお気に入りの作品です♪ 何度も相手役を務めてきたクリスティーナさんをキャシー役に迎えて、きっとまた素晴らしい演技を見せてくれることでしょう~~! チケットや作品の詳細は、こちらからどうぞ~♪

St. PaulのMichael君 Grey Gardens 観劇記 その2

2009-05-16 21:25:05 | Michael 09 Grey Gardens
Grey Gardens 観劇記、 その2です。 (写真は、Ordway Centerです。)

このGrey Gardens、 ステージのカーテンは、とても薄い生地で出来ており、ステージを暗くして、普通のカーテンのように奥が見えないようにして、幕の前で別のシーンを演じたり、ステージを明るくして、カーテンを通してうっすらと奥が見えるようにして、幻想的な感じにしたりと、演出が工夫されていました。

開演時間になり、薄いカーテンに実際の新聞の記事の写真が映し出され、「大統領夫人だったジャクリーン・ケネディ・オナシスの実の伯母と従姉妹が住むグレイ・ガーデンズが、今ではすっかり荒れ果て、そのあまりの惨状に衛生局は『人が住むに適さない』と表現した。オナシス夫人は、『身内のプライベートなことだ』とコメントしている」と、ニュースキャスター風のナレーションが流れました。

カーテンの前には、年老いたビッグ・イーディ(イーディス 演じているのはWendy Lehrさん)が椅子に座っています。「お母さんの昔のレコードを見つけたわ!」と叫ぶ娘のリトル・イーディ(中年のイーディ 演じているのはChristina Baldwinさん)の声が聞こえ、古めかしい、優しい曲調のレコードの歌声が流れてきました。その歌声に合わせて、イーディスが歌を口ずさみます。(The Girl Who Has Everything)
「この歌をレコーディングしたのは、1941年だった」と言いながら、イーディスはポーチに出ようと歩きはじめますが、「近所の目がうるさいから外に出るな」とイーディが叫びます。このシーン、1973年の50代のイーディを演じるChristinaさんは、すぐあとの1943年のシーンでは母親のイーディスを演じるため、衣装換えなどの関係上、声だけの出演でした。

ひとしきり母と娘の会話が続き、幕の向こうのステージが明るくなると、そこには1943年の華やかな屋敷の居間が浮かび上がります。明るい色の部屋着に身を包んだ中年のイーディスが、居間の中央で、「The Girl Who Has Everything」を歌っており、年老いたイーディスの歌声とシンクロします。幕が引かれ、歩き出した老齢のイーディスがそのまま居間を通り抜けて奥に消え、舞台は、完全に1943年へと移りました。

ここから1幕目が始まります。1幕目の時代設定は1943年で、グレイ・ガーデンズで、イーディの婚約発表が行われる7月下旬のある1日の出来事が描かれているのですが、この1幕目は、ミュージカルのために作られたお話です。エピソードの1つ1つは、イーディスやイーディのインタビュー等をもとに、実際に起きたことに基づいていますが、それぞれの出来事がとある1日にいっぺんに起きたわけではありません。

プロではないけれど歌手で、自宅でのパーティやちょっとした集まり等で歌を披露しているイーディスは、屋敷に同居している彼女の伴奏者のジョージ・グールド・ストロング(Michael君〔マイケル・グルーバー〕の役です。)が娘のために作曲してくれた「The Girl Who Has Everything」を、娘(若い頃のリトル・イーディを演じるのはZoe Pappasさん)に披露していたのでした。

ステージで本当にピアノを演奏しているのは、グールド役のMichael君です~♪ イーディスの仕事上のパートナーとして、また会話の端々からおそらくプライベートでも恋人なのだろうとうかがわれるグールドは、グレイ・ガーデンズに住みついて、衣食住の全てをビッグ・イーディにまかなってもらっているヒモ状態・・・。 1日中酒浸りで、のんべんだらりと暮らしています。でも、アスコットタイを締めてなかなかダンディで素敵です♪ ジョークを飛ばしたりとコミカルな役回りも務めつつ、母娘の口論に心を痛める優しい人柄でもあります。 またタバコを吸う役なので、Michael君は、実際にステージでタバコを吸います。

1幕目のビッグ・イーディが歌うシーン等、ほとんどの曲の伴奏を、実際にMichael君が演奏していました。 Michael君の話では、「ピアノの演奏をしながら歌も歌わなきゃいけないだろ。けっこう難しいんだよね。もうだいぶ慣れたけどね・・・」とのことでした。この「Grey Gardens」は、ドラマの部分に重きを置いたミュージカルで、ダンスナンバーと呼べるようなダンスの素晴らしい曲はありません。また主役は、イーディスやイーディを演じる女優さん達なので、グールドには歌のほうでも、「White Christmas」や「Singin' in the Rain」のようなビッグナンバーがないので、今回、Michael君が一番活躍したのは、ピアノの演奏と言えるかも知れないですね~(笑)

母の歌を誉めながらも、イーディが心配しているのは、自分の婚約発表パーティで母が歌を披露する気でいるのではないかということでした。執事のブルックス(Reggie Phoenixさん)に「お父様が許さないでしょう」と言われて安心したイーディは、すでにグレイ・ガーデンズに宿泊している婚約者のジョー・ケネディ・ジュニア(Joshua James Campbellさん)と朝の散歩に出かけていきました。

イーディと入れ違いにグールドとイーディスが部屋に戻ってきます。パーティ用の花の心配をしているイーディスに、ブルックスが「旦那様は、パーティに出席されるのか」と確認すると、イーディスは、「実の娘の婚約パーティなんだから、来るに決まっているわ。5時15分には来るはずよ (The Five-Fifteen)」と答えました。
迎えの車の手配のためにブルックスが立ち去ると、グールドがイーディスに1枚の紙を手渡しました。何と、パーティでイーディスが行う予定のリサイタルのプログラムでした! イーディが恐れていた通り、イーディスはリサイタルを計画しており、それも9曲も歌うつもりでいたのです。別に娘から主役を奪うつもりはなく、娘の晴れ舞台に歌をプレゼントして喜ばせてやりたい一心のイーディスでした。
そこに駆け込んできたのは、姪のジャッキー(Adelaide 'Addie' Johansonちゃん)とリー(Kacie Riddleちゃん)でした。子役の女の子達が演じていました。このジャッキーが、後のケネディ大統領夫人になるわけです。2人にせがまれて、リサイタルの曲目から「Ittey-Bitty Geisha」を披露するイーディス。西洋人から見た日本の芸者さんのことを歌った、ちょっとエキゾチックな曲調のコミカルなナンバーです。
ケータリングサービスが来たと告げるブルックスに、イーディスが指示を与え、この後の手順を、グールドや姪達といっしょに歌います。(The Five-Fifteen) 明るくて、コミカルで楽しいナンバーでした。

そこに、イーディとフィアンセのジョーがやってきます。パーティを開いてもらうことを感謝するジョーに、自分のパートナーのグールドを紹介するイーディスですが、パーティに呼ばれたただの伴奏者と思われたグールドは、「残念ながら、この屋敷の備え付けなんだよ」と皮肉ります。
ふとピアノの方に目を向けたイーディが、そこに置いてあったリサイタルのプログラムを発見してしまいました。イーディは、「お母様の歌は素晴らしいけど、今日は私のためのパーティよ。ちょっとした歌を1曲歌うだけにしてちょうだい、9曲じゃなくて!(Mother Darling)」と訴えます。イーディスも「私やグールドが、あなたを喜ばせようと一生懸命準備してきたのがわからないの? 」と言い返します。母と娘の口論が白熱してきたので、グールドが割って入り、とうとう根負けしたイーディが、「1曲減らして、8曲にする」という母の言い分を飲む形で妥協するのでした。

どこからか「ファー!」という叫びが聞こえてきました。イーディスの父のブーヴィエ氏(Richard Oomsさん)です。孫娘の大切な婚約パーティを前に、まだ着替えもせずにゴルフの練習をしているのでした。 ブルックスに、父を着替えさせるよう言いつけたイーディスは2階に消え、グールドも出ていきます。ジョーとイーディは、気持ちを落ち着けるために、ビーチへ出かけました。

居間のセットの前に、薄い幕が引かれ、その前にベンチが置かれて、そこがビーチという設定です。自分達の将来のことを語り合う2人。ダンスの得意なイーディは、Broadwayデビューやスクリーンデビューを夢見ていますが、ジョーは政治家になるつもりで、「ワシントン D.C.には行きたくないの?」と、自分の将来設計を野心的に歌います。(Goin’ Places) 希望に満ちた将来を夢見ながら、2人は熱いキスを交わすのでした。

一方、屋敷では、ブーヴィエ氏がまだゴルフの練習をしていました。家柄を何よりも重んじる氏は、良家の子女にあるまじき行いばかりをする自分の娘、イーディスにあきれ果てており、孫娘達に期待をかけ、3人の孫娘といっしょに「いい結婚をしなさい」(Marry Well)と歌います。
孫娘達を引き連れたブーヴィエ氏が居間に入ってくると、そこでは、イーディスが、「Hominy Grits」というコミカルな歌を歌っているところでした。ジャッキーやリーまで加わって、その騒々しさに氏もたじたじです。業を煮やした氏は、演奏中のピアノのふたを乱暴に閉めてしまいます。びっくりして「ウォゥッ!」と叫ぶグールド。
「客が来ているというのに、この騒ぎは何だ!」と聞きただす氏に、イーディが「お母様は、このリサイタルのリハーサルをしているのよ」と、プログラムを見せてしまいました。氏は、カンカンです!
怒り狂ったブーヴィエ氏に、夫との別居のことからパートナーのグールドのこと、自分の歌のこと、全てを手ひどくなじられた上、プログラムを破り捨てられたイーディスは、氏が立ち去った後、とうとう泣き崩れてしまいました。
母の姿を見て立ちつくすイーディに、グールドが「これで満足かい?」と冷たく声をかけました。何とか母を慰めようしますが、うまくいきません。ふとピアノの上の楽譜に目をとめるイーディ。「まあ、グールド!これ、私のお気に入りの曲じゃない!? これもプログラムに入っているの?」 イーディに協力しようと、ピアノを弾き始めるグールド。イーディからいっしょに歌おうと誘われるものの初めは気乗りがしないイーディスですが、グールドからも進められ、とうとう娘と2人で歌い始めます。(Two Peas in a Pod) 次第にイーディスの顔に笑みが浮かび、楽しげにダンスまで始めました。
すっかり娘と仲直りしたイーディスは、「自分が思慮に欠けていた。イーディのためのパーティだから、今日は1曲も歌わない」と娘に約束します。母の申し出に、「花嫁には、リクエストの権利があるわよね?」と聞き返すイーディに、母は「どうしてもというのなら」と答えます。着替えてくると言い残して、イーディは、2階へと姿を消しました。

「娘が嫁いでしまったら、この屋敷も寂しくなる」とつぶやくイーディスに、「少なくとも、今は、僕がいるだろう」と答えるグールド。どういう意味かと問いただすイーディスに、「ブーヴィエ氏の言葉に傷ついたし、イーディの婚約者も自分のことを快く思ってないようだから、この屋敷を去って自力で生きていこうと思っている」とグールドが答えます。「あなたがいなくなってしまったら、私は誰と話せばいいの?」と言うイーディスに、「自分自身と話すか、さもなかったら猫と話すんだね」と答えるグールド。そして、「1人ぼっちになると、きらめきも喜びも波間にさまよい消えてしまう・・・」と、「Drift Away」という寂しげで優しい歌を歌います。作中、もっともメランコリックでロマンチックな曲です。Michael君の澄んだ美しいテナーがきれいに響いて、本当に素晴らしかったです~♪

グールドも着替えに行ってしまい、イーディスが1人残っているところに、ブルックスがイーディ宛ての電報を持ってきます。「渡しておくわ」と受け取ったイーディスは、その電報を開けてしまいます。それは、もうじき屋敷に帰ってくるはずの彼女の夫からの電報でした。中身を読んだイーディスの顔が、ショックのあまり強張ります。
そこに、礼服に身を包んだジョーが現れ、彼女に話しかけますが、まだショックが治まらないイーディスは、半ば上の空といった感じです。

この電報がきっかけとなって、今後のイーディスやイーディの人生を大きく変えてしまうハプニングが起きていくわけなのですが、詳しく話してしまうとネタばらしになってしまうので、前半のストーリーはここまでにしておきますね。
前半には、この後、イーディの歌う「Daddy's Girl」、 父からの電報をイーディが読み上げる形で歌う「The Telegram」、 パーティの出席者に向けてイーディスが歌う「Will You?」の3曲があります。

この後、幕間の休憩が入り、2幕目が始まるわけです。すっごく長くなってしまってすみませんでした~! 2幕目については、その3でお伝えいたしますね~!

St. PaulのMichael君 Grey Gardens 観劇記 その1

2009-05-10 21:54:46 | Michael 09 Grey Gardens
さて、5/2から行って来ましたSt. Paul旅行! 観劇記その1です~。(写真は、5/3のマチネの後、劇場の楽屋口で撮ったMichael君(マイケル・グルーバー)です。劇場のバンドの指揮者の方が撮って下さいました~♪)

マスク姿の人が多い成田空港を、5/2の午後4時30頃に発ったナズ、現地時間(セントラルタイム)の5/2の午後1時15分にミネアポリス/セントポール空港に到着しました。セントポールはミネソタ州の州都で、この国際空港もけっこう大きな空港なんですが、利用する日本人のほとんどはニューヨークなどへの乗り継ぎに使うだけで、ここが最終目的地という人はまずいません。
空港そのものは大きいんですが、やはり田舎で、入国手続きなども必要以上に細かく時間をかけてやるので、入国審査にすごく時間がかかっていました。ナズが今まで使ってきた空港は、全て、乗り継ぎ時間があまりない人を優先的に入国させてくれたのに、ここでは、そういう配慮がまったくなく、時間のない人が心配して「早くしてほしい」と頼んでも、何もしてくれず、実に不親切でした。 ノースウェストだと直行便で来られるんですが、こんなに入国審査に時間がかかるんじゃ、直行便を使う意味がないな~・・・と思いました。
ナズも、乗継じゃなくここが最終目的地で、他の人と違うこともあり、いろいろ根掘り葉掘り意地悪く質問されて、ものすごく時間がかかってしまい、結局ホテルに着いたのは、夕方の4時頃でした・・・。 この空港、嫌いです・・・

ホテルは、99周年を迎えるという、街のランドマークにもなっている美しいセントポールホテルというホテルで、従業員の方の感じもとてもよく、部屋もきれいで、しかもホテルの前の広場の向こうがMichael君の出演する劇場という絶好のロケーション♪ ナズの部屋の窓からも、真正面に劇場が見えました~♪
荷物を置いたナズ、さっそくチケットを取りに、劇場に向かいました。日本でこちらの天気をチェックした時には、最高気温が13度とかでかなり寒そうだったんですが、その後、見る見る暖かくなり、東京とあまり変わらないくらいの気温になっていたので、とても快適ですごしやすかったです♪

ボックスオフィスでチケットを受け取り、楽屋口の場所を確認しておこうと、劇場の裏手に向かう歩道を歩き出した時、向こうの方から歩いてくる男性が手を大きく振っているのが見えました。何と、Michael君でした~♪

「ナズ!来てくれたんだね!会えて嬉しいよ♪」

ハグしてくれたMichael君に、

「今日は、あんまりいい日じゃなかったの~!」

と、入国審査で意地悪されて大変だったことを思わず愚痴ったナズ。「大変だったね~!」と、Michael君はナズの愚痴を聞きながら、優しく慰めてくれました。そして、にっこり笑いながら、

「ナズ、ニュースがあるんだ。僕、夏に、コーラスラインのツアーで、東京に行くよ!」

「ホント!? うわ~~、すごい! 嬉しい~~~♪

飛び上がらんばかりに喜ぶナズの顔を見ながら、満足そうに微笑むMichael君。

「メールじゃなくて、ナズには、直接会って知らせたかったんだ♪ 東京では、僕のガイドになってくれる?」

「もちろん、喜んで! いろいろ調べて、案内するからね。あなたも、行きたいところ、考えておいてね。」

これから夕食を食べるというMichael君、ナズも一緒に食事をすることにして、近くのレストランに向かいました。この時間、全品半額という「Happy Time」サービスをしているという嬉しいレストラン、Michael君はステーキサンドイッチと焼きガキ、ナズはチキンのサラダを頼みました。
そして、夕食を食べながら、コーラスラインの来日ツアーのこと、Grey Gardensのこと、6月に同じセントポールで彼が主演するSingin' in the Rainのこと、いろいろおしゃべりしましたよ~♪

「東京の夏は蒸し暑いよ~! 兵庫のほうは、もっと暑いかも。夏バテしないように気をつけないと・・・」

と、心配するナズに、

「ホントは、桜のきれいな季節とかに行ければよかったんだけどね~・・・(ため息)」

と、ちょっと残念そうなMichael君でした。でも、行きたいと思っている場所がいくつかあると話してくれたので、いろいろ調べておくと約束しました~。

1時間ちょっと、食事をしながらおしゃべりした後、Michael君は劇場に、ナズはホテルに向かいました。

「じゃあ、ナズ、またショーの後で会おうね~!」


部屋に戻ったナズ、もう開演時間まで2時間ちょっとだったので、あわててシャワーを浴び、身支度をしました。
Ordway Centerの建物の中には、劇場が2つあり、Michael君が出演している「Grey Gardens」は、小さなMcKnight Theatreのほうで上演されており、上の階にあるメインホールでは、現在は、「リーガリー・ブロンド」の全米ツアーを上演していました。その前は、「カラーパープル」を上演していたそうで、出演者であるMichael君達は、メインホールのチケットをただでもらえたので、「リーガリー・ブロンド」も「カラーパープル」も、両方ただで見られたんですって~。すごく面白かったって言ってました。

大きなメインホールの方は、客席内の飲食は禁止なんですが、小さな劇場はキャバレータイプになっていて、壁際にはテーブル席も用意されており、飲み物等を楽しみながら観劇することが出来ます。
劇場の方にお話をうかがったところ、舞台美術を担当している方がブルーが大好きなんだそうで、座席もステージの幕もブルーで統一されていて、とても美しい劇場でした。

この晩は、前から4列目のD列の舞台に向かって左から3番目の103番の席でしたが、オーケストラボックスがステージの下にあるらしく、舞台と客席が近いので、とても見やすそうな距離でした。自分の席に座ったナズは、きょろきょろと劇場内を見回しながら、もうじき始まるMichael君の「Grey Gardens」の開演を楽しみに待ちました。

長くなってしまったので、ショーの様子は、次の「その2」でお伝えしますね~♪ お楽しみに~♪





明日からSt. Paulに行ってきます♪

2009-05-01 22:51:28 | Michael 09 Grey Gardens
いよいよ明日から6日まで、Michael君(マイケル・グルーバー)の「Grey Gardens」を見に、ミネソタに行ってきます!(写真は、作品のポスターです。)

マイケル君が、ジョージ・グールド・ストロング役で出演中の「Grey Gardens」を見るために、明日、ミネソタ州セントポールに向けて出発します。 日本を5月2日の午後4時半ごろ、直行便で出発して、現地には同日の午後1時過ぎに到着、その日のイブニング・ショーと翌日のマチネの2回、見る予定にしています。たった2回しか見られないのが残念ですが、Michael君自身がとても楽しみながら演じているそうなので、とても楽しみです。

豚インフルエンザが発生しているアメリカですが、とても広い国なので、地域によって状況がだいぶ違っている様子です。
Michael君が公演中のミネソタ州では、現時点では感染者が発生していないため、特に劇場などの人が大勢集まる場所が閉鎖されることもないようで、Michael君も余暇には別のミュージカルを楽しんだりと、比較的のんびりした状況のようです。

一方、Michael君の友人で、来月には「Singin' in the Rain」で彼と共演するクリスティーナさんはロサンジェルスのほうにいらっしゃるんですが、彼女のコンサートが、豚インフルエンザの影響で中止になってしまったそうです。州によっては、学校を休校にしているところもあるそうです。

ナズも、マスクをたくさん持ち、十分に気をつけて行ってこようと思っています。それでは、行ってきます! 6日の夕方帰国しますので、帰ったらまた観劇記を書こうと思ってますので、お楽しみに~♪