誠茅庵という名の小さな小さな美術館

絵や写真、そして雑感日記。。
六十の手習い(水彩画、スケッチ等)帖。

21展ー8シリーズ 第68回水彩連盟展より

2009年04月15日 | Weblog
 
当美術館の開館から数えて、展示企画の第8弾として今回は新国立美術館(六本木)へ出張しました。
この展覧会は水彩画の公募展としては、まずは国内最高峰にあると言われています。全国各地からの約2000点の作品が集まり、そのうちから691点がずらりと陳列されていました。一寸した壮観さで、すごい位のものでした。
しかし見る方はかなり疲れます。さすがに素晴らしいレベルの高い作品ばかりです。やはりこの会の歴史、規模、水準共に全て素晴らしいものだと思わされました。我々が地元でたまに開催するグループ展とは全く別な世界という感じです。
今までの上野の都立美術館へ行った時もそうでしたが、今回も何と日本には絵の上手な人が多いのか、そして何と絵を見るのが好きな人が沢山居るものかと、そんな感慨に打たれました。日本の美術界も大変なもんだってところです。
 ここには私の知ってる方が何人も出品して居られます。ここではとりあえず、直接又は間接的にでも、当美術館への展示を承認頂いた4人の方のを飾らせて貰いました。ではその4点をごゆっくり御覧下さい!!

21展ー8シリーズ 水彩連盟展よりNO,1

2009年04月15日 | Weblog

   『白い扉』 SBさん作(承認済) 水彩 80号

 SBさんの昔からの奔放な大きなタッチと物憂げな色調はいつも素敵です。
 今回は何だかいつもよりおとなしいタッチのような感じがしました。
 これもこれから又変化していく前兆なのでしょうか!

21展ー8シリーズ 水彩連盟展よりNO、2

2009年04月15日 | Weblog
  『蝶と水差し』 KDさん作(承認済) 水彩 50号

KDさんはここ数年前から、心象的に変化しつつありますが、それでもキッチリ、正確にきれいに描いて居られるのは、変化への過渡期とはいえやはり本来のご性質、人間性の故ではないでしょうか。

21展ー8シリーズ 水彩連盟展よりNO、3

2009年04月15日 | Weblog
   
     『赤い屋根(イタリア)』  KJさん作(承認済) 水彩 60号

 KJさんの「赤い屋根」はきちんとしたデッサン、構図でくっきりと爽やかです。
 この方のここ数年の建物シリーズの屋根の色はとても印象的です。 

21展ー8シリーズ 水彩連盟展よりNO、4

2009年04月15日 | Weblog
     『卓上のシンフォニー1』 THさん(承認済)水彩 80号

THさんとは、実は我が家の女房殿です。KDさん同様、数年前から具象画からかなり心象画的に変化してきました。
この流れは、発展途上なのか或いは又は或る種の逃げなのか分かりませんが、見ても全く分からない前衛的な抽象画でないのが救いです。

いろいろな方の絵を数年に亘って見続けていると、徐々にいつの間にか自然に或いは意識的かも知れませんが、変化していくタイプと、あまり変化をしないタイプとがあります。

具象の基本のしっかりした実力をベースに、自分の思いを表現する、その絵の表現力をより高めたり幅を拡げたりするために、心象画的に変化していくのは、或る意味では自然なことであり必然とも言えるのでは、と言うことは私のような素人美術評論家でも理解します。
しかしそれを越える様な抽象画的な変化には、私の今の審美眼や美術観の程度ではまだ許容力がありません。

どうも知ってる方の絵のコメントは難しいものです。「自分で描けもしないのに、よく言えるわ!」と言われそうです。
しかしこれこそ素人評論家の特権としてお許し下さい。

本日もご来館ありがとう御座いました。
次回の企画をどうぞご期待下さい。      館主より御礼を。

21展ー7 99絵画展よりの展示 その1

2009年04月14日 | Weblog
      『甲斐駒の春』 HK氏作 水彩 スケッチ版 (展示承認済)

今回の展示は、東京は九段下で開かれた99絵画展という会場からの展示です。
私の学生時代からという古い友人であるHK氏が7点も出品していました。
今回はそのうちから4点を展示させて頂きます。
この99展は今年が2回目で、某一流都立高校の第九回生の9人の有志の集まりで油彩、水彩、水墨、パステルとバラエティに富んでいます。
皆さんが、定年後それぞれ好きなものを始めて、たまたま寄り集まったという楽しそうな展覧会でした。
このグループのテーマは、個性とか自由と言ったところでしょうか。
皆さんがそれぞれに大いに楽しんで居られるのが十分感じられました。

21展ー7 99絵画展のその2

2009年04月14日 | Weblog

     『お堀端の夏』 HK氏作(承認済) 水彩 スケッチ版

このHK氏は絵を始めて10年位と言うところでしょうか。某大学のキャンバスでの生涯学習教室が淡彩画との最初の出会いだったと聞いております。
彼の絵の特徴は、何しろ淡い薄い彩色なのです。残念ながら私の古カメラでは,どうも上手く写らない位なのです。当美術館のこの展示でもこんな写真でHK氏に申し訳ないようです。ここの写真でははっきり見えないでしょうが、HK氏の名誉のために一言付け加えるならば、実物はもっともっと素敵なのですよ。
ひとえに私のカメラ及び技術の勢なのでお許し下さい。
もう一つの特徴は、必ず彼の絵には風景の中に人間とか鳥とか猫などが溶け込むようにさりげなく描かれているのです。
血の通った、ほのぼのとするような雰囲気の絵なのです。

21展ー7 99絵画展のその2

2009年04月14日 | Weblog

   『矢切の渡し』 HK氏作(承認済) 水彩 スケッチ版

それにしても10年描いてて、自分の世界を決して崩さず、淡いまま変わらぬというのは、考えてみるとこれは大したことです。
もちろんそのデッサン力とか構図、省略法、ぼかし等など技術面では大きな進歩ですが、色調、典型的な淡彩の所は、10年前と変わっていないのです。
これは本職の淡彩画画家ならともかく、素人画伯としては結構珍しいことです。
もちろんご本人の好みの問題でしょうが(それが趣味の絵では何より一番大切ですから)、彼の人柄に、強い信念と自信、頑固なまでの一徹さ、そして哲学すら感じる位です。

21展ー7 99絵画展のその4

2009年04月14日 | Weblog
 
     『多摩の秋』 HK氏作(承認済) 水彩 スケッチ版
   
私の体験でいうと、一旦仕上げても明日になると手を入れたくなって、何度も手直し、加筆をしてしまう。
すると描けば書くほどどんどん濃くなり、濃いだけならまだしも、乾かぬうちの塗り重ね、絵の具の混合とで、最初の絵とは似ても似つかぬ汚い濁った暗い無惨な絵になってしまうのである。
この失敗を今でも性懲りもなく繰り返し続けているのです。
私の場合は、一度さっと描いたらその絵を何処かに隠してしまうか、或いは両手を縛ってでもおくしかない程の重症なのです。
彼の絵を見ていて、素晴らしいなぁとは思いながらも、胸の中にもっと塗りたいなぁという気持ちを覚え、手がむずむずするのです。
私もいつの日か、淡いハイセンスなきれいで洒落た絵を掛けるようになりたいものです。
しかし今のところ一寸自信がありません。ならば私はやはり素人美術評論家で、この誠茅庵の館主として勝手な事を言ってる方が向いているのかも知れません。
今回もご来場ありがとう御座いました。          完

21展ーグループS展からの2点

2009年04月11日 | Weblog
 その1 『晩秋』 ISさん作  水彩  8号 (掲載承認済み1&2)

 先日、第22回グループS展というのを見てきました。この会の22年の実績というのは、素人のサークルやグループとしては大したものです。
さすがに、それだけあってレベルは揃っていて、安定した何とも落ち着いたムードが漂っています。きっと指導者に何となく似る事もあるでしょうが、人は多少は替わっても長い間に醸し出されたそのグループの空気というのか世界が出来るのでしょう。ここには、グループによく居がちな変人、奇人、壊し屋の類の人も居ないのでしょう、実に明るくすっきりした静かな大人の空気が会場でも感じられました。
趣味のグループとしては何と言っても、これが一番大事なことでしょう。羨ましいことです。

さて、上手な方が多いので、しっかりしたデッサンに淡い彩色が見事です。
そんな中で、自分の世界を作って、個性的な作品の方も居られるのも面白いところです。
私の知人のこのISさんも、上品な色使いで淡いほんわかしたムードで、すっかりISさんワールドが出来上がっている様です。
季節毎の野菜をテーマですが、生きの良い旬の姿でなく、すべて季節の終わった枯れているのを描いて居られるのも、又良いですね。
 では2点をご覧下さい。