早稲田大学のOB及びそのご家族の作品の展覧会です。
作品展の名の通り、絵では油彩水彩、カットアート、オイルパステル、版画、絵手紙、
写真があって、工芸ではジオラマ作品、さらに俳句に漢詩に、書道や陶芸、鎌倉彫りに
手芸までといった多岐に亘った作品展です。毎年やってもう4回目になるそうです。
皆さんが各々思い思いのお好きな道を楽しんで居られる様子が伝わってくるようです。
多くの方が、こうして如何にも和気藹々と仲良く会を楽しまれ、人生をエンジョイしながら
有意義に過ごして居られるのを知って、私までが嬉しい様な羨ましい様な思いが致します。
同会は茅ヶ崎・寒川地区在住の早稲田で学んだ約450の交友で構成されて、65年もの
歴史を持つ大きな組織の親睦団体だという説明でした。
年に数回の定例行事の他、20もの同好会があって活躍しているそうです。
この地区にはもっと大勢のOBが居られるでしょうが何割位の方が入会しているのでしょう。
かく言う私(館長)も早稲田大学のOBの一員ですが、あまりお誘いもないまま入会する
こともなく、さすがにもう今更という年齢なってしまいました。
他にも私のようなOBも沢山おられることでしょう。
時々、どうして会に入ってないのですか?と怪訝そうに聞かれて困ることがあります。
シャイな人も居れば、もう組織もグループも嫌だという人も、先輩後輩の関係や周りとの
軋轢とかその集団に慣れるまでが気が重いとか、億劫だという方、そもそも同会を知らな
かった人等ときっといろいろあることでしょう。
昔のことになりますが、私が早稲田を選んだ基準の中に、進取の気風、門や塀のないこと
に象徴される自由な空気などがありましたが、中でも一番大きなものは早稲田の力強い
泥臭さと野党精神ということでした。
体制や組織そして権威とか権力に阿ることなく、独立独歩の気風を尊しとすることでした。
従って、徒党を組む、集団で何かをする、群れをなすことなどなく、又は寄らば大樹の影と
いう言葉とは対極のポジションに居るというのが、(今になって思い出すと何とも幼く青臭い
笑い話の様な考えかも知れませんが、)あの頃の私にはそれが男の美学であると思って
いた節があるのです。
その勢でしょうか、大きな組織である同会には余り関心を持たずに過ぎてしまいました。
同展を見ていると、もし入会していたら、この同好の士の方々と仲良く楽しくやっていた
かも知れません。皆さんの力、組織の力に助けられながら、趣味とかボランティアとか、
地域に何がしかの貢献などをしていて、今の自分とはかなり違う姿が思い浮かびます。
しかしこれも人生、それも人生、まさに人は様々、人間はいろいろということなので
しょうから、これで良いのでしょう。
さて、展示場の入り口には、スクールカラーの同会の会旗が飾られていましたが、
やはりこの色、稲穂の校章には理屈を抜きで、母校のこと、あの頃のことを思い出しては、
ひと時は懐かしい思い出に浸れるものです。
会場には知った方がお二人居られたので、その方の各1点ずつを、当館で陳列させて頂きました。