誠茅庵という名の小さな小さな美術館

絵や写真、そして雑感日記。。
六十の手習い(水彩画、スケッチ等)帖。

27展ー(12)第15回版画展・グループ藍 よりー(序)

2015年12月22日 | Weblog

  

       この数年間、当美術館では12月の今頃になると、この「グループ藍」の版画展を

       陳列させて頂いて、その年の最後の行事として参りました。

       1年間、水彩画を中心に展示をしてきて、それらと全く趣を異にするこうした版画展

       は、水彩画とは一味も二味も違った雰囲気であり、異なる世界と空間と空気を醸して

       いるようです。大胆な線や省略された形は興味深いものだし、そこには簡潔、素朴、

       はては幽玄の美しさすら感じます。この奥深さが版画の良さの一面なのでしょうか。

       第45回展では、7人の作者の21作品が陳列されておりました。

       課題作を四季と鳥というテーマで2点、自由作を1点という出品です。

       当館では、承諾を頂いている3人の方の作品を陳列致しました。

       陳列できなかった作品でも、「王様達のお散歩(冬)」、「冷やで一杯(夏)」、「ペンギン家族」

       「特別な日(秋)」などの作品は、版画の良さを素敵に表現されていて特に印象に残りました。

 

       それでは3人の方の9点をお楽しみ下さい。(目録の順に陳列しました) 


27展ー(12)第15回版画展・グループ藍 よりー(1)

2015年12月22日 | Weblog

 

           伊藤さん作品の1/3

                伊藤 政法さん 作  『富士山に想いを乗せて』  課題作(自由)

         この方の作品にはいつも、版画には珍しいのではと思うような「動き」と豊かなクリエイティブな

         ものを感じます。しかもあたかも心象画のようであり、巧みにモデファイされた省略の妙です。

         私の乏しい既成概念によるいわゆる「版画」というイメージではないところが、極めて興味を

         そそられます。


27展ー(12)第15回版画展・グループ藍 よりー(3)

2015年12月22日 | Weblog

 

          伊藤さん作品の3/3

               伊藤 政法さん 作  『 未来へ飛べ 』  課題作 (鳥)

        

       

         


27展ー(12)第15回版画展・グループ藍 よりー(4)

2015年12月22日 | Weblog

 

          叶野さん作品の1/3

              叶野 裕児さん  作  『 マヤの石碑 』   課題作 (自由)

    

          この作品の作者叶野さんは、このグループ藍の会長さんです。

          さすが堅実でオーソドックスな作風です。この作品など迫力あって

          大きな時の経過のロマンを伝えているようです。

          三点とも安心して、穏やかな気持ちで見ることが出来る作品です。

 

        


27展ー(12)第15回版画展・グループ藍 よりー(7)

2015年12月21日 | Weblog

 

           真弓さん作品の1/3

                真弓 千枝さん  作 『 荒 磯 』   (自由作)

  

         真弓さんのきっとお好みでお得意の構図であり作風です。

         落ち着いた中に深みが感じられます。 モノクロでの遠近感も

         見事で、じっとみていると色彩が見えて来るようです。


27展ー(12)第15回版画展・グループ藍 よりー(8)

2015年12月21日 | Weblog

 

               真弓さん作品の2/3

                    真弓 千枝さん 作   『 のうぜんかずら(夏) 』    (四季)


27展ー(12)第15回版画展・グループ藍 よりー(9)

2015年12月21日 | Weblog

 

        真弓さん作品の3/3

             真弓 千枝さん 作    『 笹野彫り(米沢市) 』 ( 鳥 )

 

 

      これで3人の作家の9作品をご覧頂きました。

      この会も皆さんお年の勢とかで会員が減っているそうで、これは何とも淋しいことです。

      毎年、出品されていてすっかりお名前まで覚えてしまった90才の中川三郎さんの作品

      が見えない(聞けば今春に勇退されたとか)のが残念でした。

      中堅若手の作家の加入が望まれるところでしょうが、今後の継続そして一層のご発展を

      心から祈る気持ちです。   ーー 完 ーー

 

      本日は御来館まことに有難うございました。

      当館では27年度に12の企画展と1つの特別展を催す事が出来ました。

      相変わらずの駄文付きの下手な写真で、お見苦しく大変失礼致しました。

      それでも、年々展示する企画展の回数も、従って作品数も著しく増加して

      少しは充実した陳列になったのではと思っております。

      又、今年は特に御来館のギャラリーの方も増えて、連日の平均で200人

      位の方に見て頂きました。これは何より嬉しい出来事でもありました。

      来年もより多くの作品を陳列し、適切な紹介や説明文、時には批評など、

      そして写真技術の向上に努めながら、素敵な作品を沢山見て頂くつもり

      です。

      殺伐とした世相、経済への不安、政治への不満、老いによる心身の衰えと

      不都合、思うに任せぬ日常生活のこと等々と、この世は悩みや苦しみ

      が一杯です。特にそうした最近の情況の勢もあるのでしょうか、各地の有名

      美術館などは、このところは以前に比べて入場者が多く大賑わいだと言います。

      これは人々が、しばしの癒しや美しいもの清らかなもの、時を超越したものとか

      永遠の美とか真理とか言ったものを求めているという現象なのかも知れません。

      当館ではそれと比べるべくもありませんが、せめて手軽にPCでそんな事の

      ほんの一翼の又その一端でも担えればなぁ、お役に立てればなぁという

      大それた夢を持っているのです。

      改めて今年の御来場に対し御礼申し上げます。感謝です。

      どうぞ絵のお好きな方々の来年の健康とご活躍をお祈り致します。

      来年も良い企画展を用意して、当館でお待ち申ししております。

                                           ーー館長 拝ーー、