誠茅庵という名の小さな小さな美術館

絵や写真、そして雑感日記。。
六十の手習い(水彩画、スケッチ等)帖。

23展ー4 企画展の3 日よう会水彩画展よりー1

2011年06月26日 | Weblog

  今回の当美術館の展示は次の通りです。

  第3回 『日よう会水彩画展』
   H23年 6月14日~19日
   茅ヶ崎市民ギャラリー。


季節は鬱陶しい梅雨の真っ盛りでしたが、そんな天気もなんのその、皆さんの明るい爽やかな作品54点が並び、ギャラリーの方も延べ700人も来て下さり、連日活気に満ちた賑やかな展示会場でした。
当誠茅庵美術館にもメンバーの皆さんが気持ちよくご承諾頂き、お陰様でここに陳列することが出来ました。
あの会場の雰囲気を少しでお伝えできればと願っている次第であります。

23展ー4 企画展の3 日よう会水彩画展よりー2

2011年06月26日 | Weblog


  (1)「日よう会」について
 同会は私が現在唯一所属している絵画グループです。女流画家の「板倉よう」氏(油絵、芸大)を師として、21名が月に1回ですが市立美術館のアトリエで描いています。
10年前に市で募集した「淡彩画を楽しもう!」と銘打った全6回の講座から派生したグループです。
とかく人が20~30人も集まれば(特に中高年のおじさんグループなどに多い)、威張屋、仕切り屋、自分が一番屋、或いは非常識、幼児性、嫉妬深い人などはまだ可愛い方で、中にはとんでもない狷介や変人,奇人といった人の1~2人は必ず居るもので昔からサークルもカルチュアーもお教室でも周りは悩んでいるものだそうです。
そんな集団に出会ったら、折角の老後の楽しむべき趣味の日々が地獄になってしまうが、幸いにこの会には、皆さんが明るくやさしく或いは常識人で人間としての教養があって、それだけに皆さんが謙虚で大人で、素晴らしい方ばかりという教室だったのです。
こんな事は聞く所によると希有な事だそうで、運が良かったとしみじみ思うのです。

加えて先生の的を捉えたワンポイントレッスン、これだけで皆の絵が生き生きしてくるのです。それも大きな声での明るいユーモアと辛辣にして楽しいジョークで何時も教室は和気藹々の温かい空気に包まれているのです。

しかし、そんな「日よう会」でも唯一残念なのが、月に1回だけという事なのです。
他の教室などで描いてない人は、どうしても描く枚数が少なく、上達はどうでも良いと言いながらも、それでは進歩がなかなか思うように行かないのが残念です。
毎回毎回の教室が和気藹々で楽しくて、それでいて知らずにいつの間にか上手になっていたと言うのが趣味での教室の理想なのです。

先日の搬入の時の総評で、先生のコメントに「皆さん、家でもっともっと描きなさい!そしてそれをどんどん教室へ持ってくれば見てあげますよ」と言っておられました。
そうです。それです。それが前から必要だなと思っていたのです。見て貰えるなら家であまり描かない人も、刺激を受けてだんだん描くようになるでしょう。
そこで、皆が教室で周りに気兼ねなく見て貰い易いように、例えば教室の初めの30分でもそれに当てるとか、会として正式に毎月のカリキュラムに取り入れたら、描く意欲も枚数も増え、大きな躍進が期待できるのではないだろうか。
来年の当番役員さん辺りにぜひ考慮検討して貰いたいものだ。

23展ー4 企画展の3 日よう会水彩画展よりー3

2011年06月26日 | Weblog


 (2)我々中高年と趣味(絵画)の効用
さて趣味というのは、後半人生の生き甲斐、軽く考えても時間潰しにも必須なものだと言われています。しかし我々の年代(60~80代)では、例え習い事としても、趣味とは苦しむもの、嫌々やったり、辛さや、己を殺し我慢してまでやる物ではないと常々思っています。
楽しくなければ趣味じゃないとさえ思います。例えば絵の趣味で例えると、その上達もさることながら、皆で楽しく談笑しながら創作するというそんな時間や過程が最も貴重なことであって(趣味とは孤独なもの、排他的なもの、ましてや一人よがりのものではない筈です)、これこそが生き甲斐であり、心や体の活性化に役立ち、老人特有の頑固、孤独、うつ病、頑迷さ,権欲さとは無縁になれるが故に、周りの世界や仲間と仲良くできるのでしょう。同じ時間と空間を共有した仲間というわけですから。

第2の人生は、もう自由の世界で、自分の思うままに自由に好きに友人や周りを選べるわけです。これが大きな特権なのです。しかしグループとか教室では、会社時代と同じで周りの人を自分が選ぶことは出来ないのです。
それだけによい仲間に恵まれるのは大きな事で、老後の楽しかるべき精神生活をも左右する位の物です。これは運というかくじに当たるかどうかということみたいな物かも知れません。
もしそれが逆目に出た場合は悲しいことであります。
その点、日よう会は恵まれていたと言えます。

又、第2の人生の趣味は書斎にはないともいいます。趣味の本当の醍醐味はそんなところにはないという前人の教えなのです。書斎の中では、独善的で孤独で独り善がりであって客観的に見ることが出来なくなるといいます。

趣味とは結果ばかりを追うのでなく、練習の経過を楽しめるかと言うことです。
そしてその結果を人に見て貰い、互いに笑い笑われ、時にはけなしけなされ、誉めて誉められてという事が大事なのだそうです。

どんなシャイな人やプライドや見栄の強い人も、協調性や妥協性に乏しくて友人もなく淋しい人も己の殻から一歩だけでも出て、オープンにすれば趣味の楽しさは倍増すると言われています。

23展ー4 企画展の3 日よう会水彩画展よりー4

2011年06月26日 | Weblog

 (3)日よう会水彩画展という展示会のこと。
当展も最初の5年間は展示会の開催等は先生の許可が出ませんでした。やっと4年前にOKとなって、今回が3回目となったのです。
今回からその名称も極めてリーズナブルで会の名称と同一の本来の物に落ち着いたのです。入会したばかりのお一人とお家の事情で休会中のお二人をのぞけばほぼ全員の方が2~3点を出品し楽しい全員参加の展示会となりました。
いろいろな絵があって個性的で、なかなか素晴らしい展覧会だったというギャラリーの声を多く耳にしました。
或る方に、とかく教室の展示会では、先生の画風に似たものがズラリと並んだり、教室での習作という絵ばかりだったりするが、この会は全く個性的なのが多くて(メンバーが頑固で個性的なのかも知れませんが)面白いというお言葉がありました。(多分、お褒めの言葉として受け取りましたが‥‥)

日よう会というのが淡彩画教室だそうだから、当然淡くてきれいな絵が本命で且つ大半を占めます。しかしよくよく見ればそれなりにいろいろで確かに個性豊かです。
見に来てくれた絵のセミプロ級の友人達は、全体に基調は淡彩だが、デッサン画あり鉛筆画あり、ペンで縁取りしたペン画に色を着けたものまであり、はたまたやたらと濃い絵もあった。これはこれで素人の趣味の作品展なのだから面白いと思った。これなら「日よう会絵画展」にしたほうがもっともっと自由で面白い作品展になるのではなんてアドバイスもあった。

ところで、この展示会には唯一にして最大の欠点というか残念な事があります。
それは先生がいわゆる賛助出品を、頑としてしてくれないことなのです。
我々ごときの素人のお絵描き展に並べることは出来ないという矜持というか信念や哲学がおありなのでしょうが。多くの入場者の方々に、「ここの先生はどんな雰囲気の絵を描かれるのですか、何故出品しないのですか、興味があるのに残念です」とよく聞かれます。
私は何時も返事に窮してしまいますが、「油絵が本職の先生ですが、素晴らしい絵ですよ。緑とイエローオーカーの魔術師です。口は悪いが美人の素敵な先生ですよ」と答えることにしています。

いずれにしてもこの展示会はそこそこの良い線を行ってると思います。私はもう何年かブログの美術館を開設しているので、自分が描くことは諦めても、絵を見て、それを感覚的にも絵画論的にも技術論的にも何となく理解できるように、評論家の真似事が出来るようにと、プロ集団、素人の発表会を問わず、修行のつもりで意識的にかなり多くの展覧会を見ているつもりです。その経験から比較してみても、素人の展示会としてはなかなか良い線をいってると思いました。

23展ー4 企画展の3 日よう会水彩画展よりー5

2011年06月26日 | Weblog

 それでは「日よう会水彩画展」の力作の54点を、どうぞごゆっくりご覧下さい。
 会場での陳列順の通りで右回りに、そのまま当館でも陳列致しました。

   尚、写真はご本人のご好意により、
     則武清司氏のCD写真集「第3回日よう会水彩画展」より転載させて
     頂きました。 ーー感謝ーー

     改めて、出品者の皆様には、この誠茅庵ブログ美術館への陳列を
     快諾頂いたことを、心から嬉しく、御礼申し上げます。  
                             ー館長ー

23展ー4 企画展の3 日よう会水彩画展よりー6

2011年06月26日 | Weblog

   作者NO-(1)

   牧野 章子さん作品の1/2

   『風 景』

受付で芳名帳にサインして、一寸会場全体を見渡して、さて右側からじっくりと
見て廻ります。すると最初にあるのがこの作品です。
なかなかの素敵な水彩画らしいタッチです。特に林の葉の筆使いのあとが素敵です。

23展ー4 企画展の3 日よう会水彩画展より

2011年06月26日 | Weblog


    牧野 章子さん作品の2/2

    『すいせん』

    この方はこの1~2年、眼を見張るような上達をされたような気がして
    なりません。
    きっと多くの枚数をこなしたり、先生のアドバイスをよく聞いて徐々に
    身に付けて、しっかり進歩して居られるのでしょう。羨ましいことです。

23展ー4 企画展の3 日よう会水彩画展より

2011年06月25日 | Weblog


    作者NOー(2)

    柏木 喜子さん作品の1/3

    『花とワイン』

何時も教室ではニコニコなさりながらも真面目にかなり真剣に取り組んで居られます。
この方も、この数年でめっきり腕を上げられたような気がします。
このシクラメンもワインの瓶も見事に仕上がりました。
最近、眼の調子が一寸と伺いました。どうぞ大事にして下さい。それには美しいものだけを見ること、特にこの世のダーティな人間や物は見ないことです。サングラスを掛ける、ビタミンEとC、ルティン等を摂ること。そしてもう一つ大事なことは何ごとにも怒らず焦らずという姿勢が大事だそうです。次作も期待しております。

23展ー4 企画展の3 日よう会水彩画展より

2011年06月25日 | Weblog


    柏木 喜子さん作品の2/3

    『鎌倉妙本寺』

寺の建物の中というか本殿の奥深いところが見えるようで、お寺らしい雰囲気が出ています。
スケッチでは何を何処を描くか、如何に描くポイントを絞り込めるかという難しい問題があると言いいますが、これはシンプルに奥行きのある構図で狙いはバッチリだったのでしょう。