誠茅庵という名の小さな小さな美術館

絵や写真、そして雑感日記。。
六十の手習い(水彩画、スケッチ等)帖。

25展ー12企画NO,11 「第4回 日よう会水彩画展」よりー(序~1)

2013年07月22日 | Weblog

 

   ≪ 初めに ≫

この日よう会というのは、私(当美術館館長)が只一つ所属している絵画グループです。

それだけに今回のこの当館での陳列でも、いつものように論評や批評めいたコメントを

するのはいささか躊躇したり逡巡したりするものがあります。

あまりに身近か過ぎるし、お仲間に僭越かと遠慮したり、或いは笑われたり叱られたり

するのでは等と書く(キーを叩く)手が思わず止まり、思いは乱れます。

最近では特に自分の眼のこともあり、自分が描くのは程々にして、絵を見て楽しむ、

それを論評したりすることによって,何時までも好きな絵の世界とつながっていたい

という気持ちが強くなりました。

そこで絵を本当に分かるようにと、美術評論とか絵画論の本などで勉強はしては

おりますが、やはりセンスと感性の欠如はいかんともし難く、未だにその浅学と

経験不足によって、素人新米評論家の卵のまた卵という所から一歩も脱皮出来て

いません。今まで何回も当ブログの美術館での陳列の度に、失礼ながらも批評の

真似事をさせ貰って来ました。今回もその練習をしたい所ではありますが、多分

これから陳列を始めていっても、せいぜい素朴な感想か、その作者の人となりの

紹介くらいしか出来ないような気が致します。

 

ところで、こうした趣味のグループではその上達志向もさることながら、私がそれと

同等或いはそれ以上に大事に思っているのは、そのグループの雰囲気であって、

つまり和気藹々の楽しい空気なのです。

これが第2の人生の趣味の世界には不可欠なものであり醍醐味だと思っております。

全員が対等で仲間であり、威張り屋さんも我が儘さんも、陰険峻険なんて空気の微塵

もない、常識の通じるといった世界が、趣味のグループに求める理想の姿です。

そうでなければ、もう二度と戻ってこない貴重な後半の人生が楽しいものではなくなり、

その人生は砂漠の如しでしょう。

もしもそんな所になってしまったら、あまりの運の悪さに嘆き悲しみ、無駄にした大事な

時間のロスに何とも悔しい思いをするのでしょう。

 

幸い、この日よう会では大半の方が、心の広い、やさしい、ユーモアを解し、そして

常識と礼節と思いやりとがある方ばかりなのと、先生を初めとして皆さんが一寸した

美人(心の美人も含めて)ばかりなので、有難いことにこの10年有余、楽しく続け

させて貰っているのです。

 

 

 

 

 

 


25展ー12企画NO,11 「第4回 日よう会水彩画展」よりー(序~2)

2013年07月22日 | Weblog

 

    ≪ 日よう会 ≫の紹介

さて、同会は2001年の10~12月にかけての6回の日曜日に、市美術館が主催した

「楽しく描く水彩講座」という教室から生まれたのです。

その講座では茅ヶ崎在住の女流画家「板倉 よう』氏(芸大出、立軌会理事、個展多数で

活躍)を講師に25人が水彩画に挑戦したのです。男性は定年直後の人ばかり、女性方も

子育ても終えた感じの方ばかりという典型的な中高年の趣味作りという集まりでした。

一部の人を除いては、子供や学生時代のお絵描き以来という皆が初心者からの揃った

スタートでした。絵は描くのも見るのも大好きというのが全員の共通点だったようです。

やがて、6回目が終わった時、「先生にお願いして、このまま続けましょう!」という声が

起こり、後に初代会長になられた方の音頭とりで会が誕生したのです。

その年の前半にも同様の講座があったそうで、序でにそちらにも声を掛けて、有志26名

で正式にスタートしたのが、2002年の1月のことでした。

日曜にやる教室であることと、先生のお名前が「板倉よう」ということで、その二つの「よう」

に引っかけて「日よう会」と私が提案して、それが命名されたのを覚えています。

爾来、楽しく続いて現在(2013年7月)、11年半にもなりました。


25展ー12企画NO,11 「第4回 日よう会水彩画展」よりー(序~3)

2013年07月22日 | Weblog

 

    ≪教室風景≫

2年に1度のスケッチ一泊旅行、毎年1回の近場へのスケッチ行、隔年でモデルさん

に挑戦、毎月1回市立美術館のアトリエで様々のモチーフを描き、2ヶ月(2回)で1枚

を仕上げる予定、2回目の時はズラリと並べて先生に寄る合評があるといった、こんな

事をやっています。

その教室はとてもユニークで面白い世界です。

ほめ殺しタイプの人がいたり、ゴルフの教え魔じゃないけれど臆面もなく教えてしまう人、

駄洒落連発の人、先生の指示やアドバイスに「今、それをやろうとしていたところです!」

と必ず言う人、先生の話を聞いているのかいないのか分からない人、全く聞き流している

人。かと思うと気持ちがいい位に爽やかな返事の人、とても熱心に質問する人、

そうでない人とまことに様々で、そこにそれ等に負けないほどの先生の男言葉の洒落た

ジョークにアトリエは大爆笑に包まれます。

こんな案配で、教室はいつも笑顔と笑い声との暖かい雰囲気に満ちているのです。


25展ー12企画NO,11 「第4回 日よう会水彩画展」よりー(序~4)

2013年07月22日 | Weblog

 

  展示会のこと。

この作品展示会も今年で4回目です。隔年での開催ですが、12年目の教室としては

計算が合いません。それは会がスタートして数年間は先生のお許しが出なかったの

です。やはり当時は我々がそんなレベルだったということでしょう。

隔年というのは、この会は大半の人がかなりの寡作家であるからです。教室でも慎重で、

1ヶ月目でデッサンのみ、2ヶ月目ではやっと色付けの途中までというペースの人が

多いので、隔年開催が丁度良いという事情です。

ところで展示会で唯一残念なのは、、今まで一度も先生の絵の賛助出品がないことです。

理由は分かりませんが、先生の哲学とか矜持といった何かがあるのかも知れません。

お見えのギャラリーの方に、必ず「先生はどんな絵を描かれる方ですか」と聞かれるので

毎回困ってしまいます。そこでいつも「口は悪いけれど、美人の先生です!」と答える

ことにしています。

先生の名画と我々の作品が、同じ壁面に並ぶということ事態が、芸術的にも美学的にも

大きな違和感とか不自然さがあると言うことかも知れません。

今では他の展示会の様な先生の賛助出品というやつは、ほとんど諦めているのです。

 

寡作な人が多い、スローペースな制作のグループだと申しましたが、中には他の幾つかの

教室でも活動したり、またご自分でもお家でどんどん描いている多作の方も当然何人かは

居られます。やはり『 絵の上達は、その描いた枚数に比例する 』という言葉に偽りなし

と、この展示会を観ていてつくづくと実感するのです。

 


25展ー12企画NO,11 「第4回 日よう会水彩画展」よりー(序~5)

2013年07月22日 | Weblog

 ≪展示会場にて≫

そして会場に静かに佇んでお仲間の絵をつくづく見ていると、例え月に1度の3時間

だけではあるけれど10年もの長い間、その同じ空間と時間とを共有してきたという

事実は、何とも言えぬ縁とか運命と言ったものさえ感じて来るようです。

やはり10年という歳月は非情にもと言うか厳粛にとでも言うか、我々に確実に10年と

いう齢と顔に加齢の皺とを刻みましたが、しかしその分の人間的成長とか成熟という

掛け替えのないものをもたらして呉れたかも知れませんし、本当に長く、共にやって来た

ものだなぁという強い親近感や連帯感を覚えずには居られません。

そしていつの間にか、絵もそれぞれ間違いなく進歩しているなぁという喜びの感慨にも

打たれるのです。

「絵は時に、知らず知らずにその人の内面や本性とか本質を、そしてまた或る時には

その人の来し方行く末の人生模様までも表現することがある。」という言葉が胸に

浮かんできます。絵を見ていると、ふとそれも本当かも知れなと思えたりしてきます。

この会が何時までも楽しく元気で長く続きますようにと祈るような気持ちです。。

 

それでは大変お待たせ致しました。これから21人のお仲間の56点をご覧頂きます。

展覧会場の入り口を入って、左側から時計回りに会場と同じに当館でも並べました。

どうぞごゆっくりご覧下さいませ。

 

 

 


25展ー12企画NO,11 「第4回 日よう会水彩画展」よりー(1~1)

2013年07月21日 | Weblog

 

      高橋さん作品の1/2

         高橋  純子 さん 画  『 マルゲリータ 』

教室では、先生に「高橋のおねえちゃん」といつも呼ばれて、楽しそうにニコニコしながら

描いて居られます。(最も、私は高橋のお父さんと呼ばれてムッツリして描いてますが)

全体に淡いトーンで、いつもおとなしくてやさしい好もしい雰囲気を表現する描き方です。

それはまさにこの方の人柄を表しているのかも知れません。


25展ー12企画NO,11 「第4回 日よう会水彩画展」よりー(2~1)

2013年07月21日 | Weblog

 

      安田さん作品の1/2

         安田  武 さん 画     『 茅ヶ崎海岸小景 』

この方は色鉛筆画をやっておられます。その方が長いキャリアとお聞きしました。

この絵も難しい構図ながら、メルヘンチックで楽しい雰囲気です。今回もこの絵が

楽しくて素敵!と言っているギャラリーが居られました。前回の時もそうでしたが、

何とも言えぬ、人を惹きつける独特な世界があるようです。


25展ー12企画NO,11 「第4回 日よう会水彩画展」よりー(3~1)

2013年07月21日 | Weblog

 

     久保田さん作品の1/3

         久保田  明さん 画    『 長久保公園 』

色鉛筆画から水彩を始められて、はや5~6年になるでしょうか。

もうすっかり水彩にも慣れられた様です。

これは会で皆で行ったスケッチ行の時の作品ですが、森や道路など、

もはやもう見事な水彩画のタッチです。