誠茅庵という名の小さな小さな美術館

絵や写真、そして雑感日記。。
六十の手習い(水彩画、スケッチ等)帖。

雑感NOー23ー(3) 当美術館への陳列のお願いと著作権のこと

2011年01月31日 | Weblog
ここ数年来、著作権の保護とか個人情報の守秘とか肖像権等がうるさく言われています。これは確かに日本が文化国家としては大切なことです。
特にその作品等を職業としている人や、企業や個人の利益や情報が悪用されぬ為には当然のことです。

こんな風潮で、最近は目に見えぬ知的財産や美術、技芸などの分野でも厳しくあたかも文化国家らしき面目を保とうとしているようです。やたらと目隠しシールの貼られたハガキにも最近ではすっかり慣れてしまいました。
同窓会名簿や趣味のサークルの住所録なども作らない所が多いと聞きます。これなど誠にどうかと思いますが、、親睦や集まりでの和やお付き合いを目的としたサークルであっても、振り込めサギの横行する社会なのですからやむを得ないのでしょうか。
10年も前ですが、素人衆の趣味での絵画教室の作品発表会で、或る年から突然、会場での撮影禁止というところがありました。
これなど趣味だと考えた時に、稚劣ながらもその作品を多くの人に見て貰い、遠方から「元気でやってるかい」と会場にわざわざ訪ねて来てくれた友人知人或いは親戚家族等とその作品の前での記念写真がどんなに生き甲斐や楽しみであることか、楽しいものであるか、ましてや滅多会えない遠く離れた親しい方々に楽しい報告が出来るというのではないでしょうか。これが何も大それた事でなく、第2の人生での趣味と言うものであり、、その趣味での有意義な大きな1つの喜びというものではないでしょうか。

そう考えると、こうした禁止はいささか行き過ぎか勘違い或いは被害妄想的とも言えるものではないでしょうか。見に行った会場で何やら興味が半減したのを思い出します。
その辺りから、プロの展覧会だけではなく素人の趣味レベルの展示会や作品展にも禁止の所がまるで流行のように多くなりました。どんな弊害があるというのでしょうか。
そもそも趣味とは何でしょう。一体、生き甲斐作りの趣味とは何なのでしょうか。
人にはあまり見ても貰えず見せずもせず一人で殻に籠もってと言うのは、例えいくら拙劣なものであろうとも、折角の趣味があまりに可哀相です。趣味であっても、多くの人に見て貰って、褒められけなされ、喜んだり笑い合ったり共に楽しむもの、共有するものではないでしょうか。そして自作への意欲と元気を得て、これが生き甲斐作りの効果というものでしょう。

いまだに素人の趣味で楽しむ絵に、著作権云々なんて言うのは、どうもしっくり来ないのです。何の被害や問題があるのか一寸理解し難いところです。
しかしさすがに最近ではそんな行き過ぎた風潮も落ち着いたようで、国公立の展覧会場ですら、また民間画廊や貸し会場などでも、撮影OK,若しくは申し出ればOK,または作者のOKあれば可というところが殆どになりました。
しかしブログに転載するにはこれは御本人の許可が必要なのは礼儀上でも当然でしょう。

そこで、これらのことを鑑み、当誠茅庵美術館では、基本的に次の三点をその道義的、常識的、礼儀上の観点からも、陳列に際しての制限の基本ルールにしております。
(1)プロの作品は遠慮すること。
(2)素人のものでも本人の許可を得たものだけに限定すること。
(3)極力、その無害性やどんなものかを説明して理解して貰うこと。その結果、分かっ   て頂けた人の作品だけに限るものとすること。
この3点で、こんな一線を引いてセフティネットとして、万が一にも迷惑かけたりトラブルのないように十分注意しているつもりです。

ブラリと入った見知らぬグループの展示会で、ピンときたり素敵と思った作品などを自由に陳列できれば、その点ではもっともっと素敵でバラエティーに富んだ楽しい美術館になるのでしょうが、それが一寸残念ではあります。

例え素敵だなぁ、良い絵だ好きな絵だなぁと思っても断念≪偶然にそんな絵の前に、知らない方ですがその作者が居られて、勇気を奮って、説明しお願いしたら快諾して頂けた例が2~3例ありましたが≫せざるを得ません。
従って、知人(絵の仲間)や友人等の展覧会からが中心になってしまいます。
しかも知った方の絵でも、会場でお会いできず、その時のその絵の承諾を得る機会がなった時も、残念ながら遠慮しております。

それでも今までに延べ150人位の方にお願いすることが出来ました。
そのお願いした私の友人知人仲間方は、さすがに大らかで、絵を楽しむ方々だけあって、協調性や思いやりに富んだやさしい方ばかりで(一人位の変な例外はありましたが‥)、皆さん快く応諾してくださいました。何と心の温かく広い方々なのかといつも心の中でいたく感謝しているのです。絵をやる方と言うのは、絵には限らず本当に美を愛し解する人は、もち論この世では例外の無いものはないとは言いながらも、概して何と本当に素敵な方々ばかりなのでしょう。

私のもう一つの趣味≪というよりライフワークともいうものですが≫に、昔から「人間行動心理学」というのを専攻し学習することがあります。
人間というのは知れば知るほど、付き合えば付き合うほど、面白くて不可解なもので、複雑にして単純でもあって、未だに分からないものです。
いろんな人間がいて、いろんな行動言動をする人間、この不思議なもの、この未知なるものを少しでも分析したり、考察するのは、まことにエキサイテングで刺激的で、いまだに深い興味を覚えます。

中には想像を絶する様な人種や悪い奴や意地悪や利己の殻をかぶっていたり、非常識や無恥や無知人間もあるでしょう、しかしそうした人を含めて、変人やら心を病んでいたり、まことに様々な人間に遭遇するからこそ、人生は退屈もせず面白いのかも知れません。

30人の人が居るところ、必ず1人位の確率で居ると言われるそんな性癖や欠陥人格の人に出会って、その言動の被害を受けるとやはり腹は立ちます。しかし驚きはしません。
いつもついその言動を分析してしまい、やがては同情に近い感情に、忘却という時間の経過の効果も有るのでしょうが、浄化されてきてしまいます。

そう言う人間は、心の病でもあろうし、ひがみ、嫉妬、欲求不満、幼児性、過去に何か気の毒なことでもあって狭量な人間になってしまったのだろうと思うと、私は凡人ですから決して愉快ではなく、強い怒りや馬鹿馬鹿しさとか拒否反応を覚えるものですが、やがては怒りよりも憐憫の情が、馬鹿馬鹿しさと虚しさは長く残っても、同情や哀れみを覚えるといったものに近い感情になってしまうようです。

とは言っても、これはやはりかなりの心理的抵抗感や時には我慢を強いられ、無視という形の抵抗や遠慮といった不自由さを伴いますから、結構辛いものです。
行動心理学のケーススタディとしての体験出来るというメリットを除いては、あまり体験したくないものです。特に楽しかるべき第2の人生では、病気とこれは避けたいものの代表かも知れません。

 今年のこれからの当館の展示も、私には幸せなことに、常識的で、思いやりのやさしい素晴らしい温かい友人知人方が沢山おられます。そんな世界での人生を楽しみながら、より多くの方にお願いしてより楽しい美術館にしようと思っております。
どうぞ今年も、これからもよろしくお願い致します。

謹賀新年 23年元旦

2011年01月04日 | Weblog
明けましておめでとう御座います!
もう「描き初め」はなさいましたか。
温かい穏やかなお正月でしたし、きっと今年も良い年になるでしょう。
どうぞお元気で充実した日々をお過ごし下さい。

昨年は当ブログ美術館にお付き合い下さいましてまことに有難う御座いました。
あんな拙いコメントと写真技術とで、恥ずかしくも心苦しく思っております。
今年こそは、もう少しでもレベルアップして、素晴らしい粋で楽しい企画展を
陳列したいものと思っております。
どうぞ昨年に懲りずに、本年も度々の御来館をお待ちしております。

昨年は、延べ18250人の入場者が見えられて、1日平均約50人の方に来て頂きました。もちろんその半分以上は友人知人又は絵の仲間でしょうが、残りは一般の存じ上げない方と言うことになります。
こんなにも、本当に絵の好きな方が多くいらっしゃるものかと、とても嬉しくなってしまいます。

特に入館者を増やす事は何も考えては居ませんが、より良い楽しい美術館にはして行きたい、喜んで頂きたいものと念じております。

ご来場と共に、コメント覧のところをクリックして頂いて、感想、御意見、アドバイス等を書き込んで頂けたら、こんな嬉しいことはありません。
今年もよろしくお願い申し上げます。
皆様のご健康とお幸せを祈りながら‥‥    -ー館主拝ーー