本年(24年)の当美術館のオープニング展示として、神戸在住の小林靖正氏の
写真個展から数点を陳列させて頂きました。
爾来、多くのギャラリーの方からメールやらお葉書やらで、次の展示を要望されて
おりました。そこで当館では、同氏にお願いして再度作品の提供をしていただき、
ここに「小林靖正氏写真展 第2弾!」として展示することが出来ました。
同氏には心から感謝申し上げます。
同氏の、哀感や情感に満ちた作風は、絵でも写真でも同じなのでしょうか、
当館のギャラリーの皆さんにも何か訴えるものがあるのでしょう。
静寂で悲哀感と寂寥感が漂う雰囲気は私の好みのテーマです。
人間とは孤独なもの虚しいものであり、形のあるもの生あるものは必ず滅び、
無常観とか人生のはかなさ、といったものが、胸をよぎります。
時の移ろい、時間の流れというものの峻険なまでの厳しさと虚しさを表現している
様です。滅びゆくものの美とか負の美学といったものが迫ってくるようです。
写真、撮影の技術論には私は参加できません。
しかし唯一、絵画論的に言えば、これはモチーフの選択と狙いとその構図取りが
素晴らしいといえるでしょう。
それでは同氏の5点をご覧下さい。
尚、写真に付けたコメントは、個展の際に作者自身が書かれたものをそのまま
使用しました。どうぞその文と写真の情景をじっくりとお楽しみ下さい。