誠茅庵という名の小さな小さな美術館

絵や写真、そして雑感日記。。
六十の手習い(水彩画、スケッチ等)帖。

『誠茅庵 美術館』 春の展示のご案内!

2013年04月17日 | Weblog

三寒四温を何度も繰り返しながらも、いつの間にか春が来て桜の花も足早に通り過ぎていきました。

スポーツも芸術も行楽も、いよいよ本格的な活動を始める季節の到来です。

絵画展もいろいろと始まった様です。当館にも案内状を多数頂戴しております。

当誠茅庵美術館でもそれに備えて、当館での展示のために動き出しました。

スタッフや学芸員一同(館長の兼任ですが)、今日は市内で、明日は東京へと大忙しでありました。

春の展示の第一弾として、四つの展覧会からの作品を何点かご覧頂きます。

第66回 示現会展  国立新美術館

第36回 茅ヶ崎市民美術サークル展  茅ヶ崎市民文化会館

第72回 水彩連盟展 国立新美術館

第6回  99絵画展」 九段下生涯教育センター

 以上の四展覧会です。何卒よろしくご高覧下さい。 ご感想ご希望など受け付けてます

のでコメント覧、メール等にどうぞお寄せ下さい。 ではごゆっくりとどうぞ。 館長拝ーー


25展ー3 企画ー2 『第66回 示現会展』よりー(序)

2013年04月17日 | Weblog

 

  示現会展より

 毎年、東京は千鳥ヶ淵や隅田公園や上野のお山に桜が咲き乱れ、多くの人が

 浮かれて喧噪に包まれる頃、ここ六本木辺りでは、別世界のように、別な熱気に

 包まれて、国立新美術館ではこの示現会展が開かれるのです。

 最も今年は桜の満開が予想以上に早くて、数日前の風と雨ですっかり散って

 会の初日にはもう葉桜ではありましたが…。

 同会は、全国に支部を持ち、絵画教室も運営し、大勢の会員、準会員を有し

 大きな規模で全国からの油彩、水彩、版画等の公募を中心としたものです。

 伝統のある会ですが、具象画が中心で力作大作ながら落ち着いた作風で

 観る人を心から癒してくれる様です。

 多くの作品の中には、抽象的な或いは心象がかった作品も散在しますが、

 主流は何といっても、実力に裏付けされた具象画であると言えます。

 これが同会の特長であり、観る人を惹きつけ、ファンにさせる所以であり

 長所であり、そして或る意味では、時には又は人によっては短所に

 なることもあるのでしょうか。

 私はいつも同展を観ると、何かホッとするような心の安らぎと生きる喜びを覚えます。

 それでは、友人の画家、田中氏の作品を1点展示致しますので、ご覧下さいませ。

 

 


25展ー3 企画ー2 『示現展から田中康雅氏の作品を一点』

2013年04月17日 | Weblog

 

  「第66回 示現会展」より」

     田中 康雅氏 画  『仲良し』  油彩  100号

 

 何とやさしい雰囲気に満たされた作品なのでしょう。

 三人の仲良し女性の話し声、笑い声が今にも聞こえてきそうです。

 毎年、この絵描きさんの描く女性像はいつも美人でやさしそうで暖かい空気に

 包まれています。

 私なども自分の理想の女性像はこれかなと思ったりしています。

 人生の喜怒哀楽、思想や人生観、世相などを表現するのも絵であるならば、

 穏やかな空気、落ち着いた美しさ、そして愛とか平和、知性や幸せを表現する

 ものも絵の大きな役割でしょう。

 観る人の心を暖かく包み込み、生きる喜びを与えるような絵は、特にこの

 現代の様な世情では大切なもので、より注目されなくてはと思います。

 こうした穏やかな真実の美への回帰はこれからも大きな大切な絵のジャンルであり

 テーマであり続けるのでしょう。 これこそが或る意味で、深い人間観ひいては哲学

 が感じられる絵であるのかも知れません。

 作者のますますのご活躍を期待し祈ります。      ーー完ーー


25展ー4企画NO,3「第36回 茅ヶ崎市民美術サークル展」よりー(序)

2013年04月17日 | Weblog

  

 茅ヶ崎市民美術サークル展について。 

同展はそのネーミングから一寸、官営というか市の募集の公募展か何かのような

イメージで今まで余り関心を抱きませんでした。

しかし一昨年に、その会員のお一人三橋さんと、私がお手伝いをしている公民館の

卓球教室で知り合いました。

小和田公民館での絵画教室から発展したものとお聞きして、何処にでもよくあるケース

ながら、それだけに親しみを感じて以来毎年見せて頂いております。

発足はもう30年以上前といいますから人も入れ替わり先生も二代目で、今は日本画の

内山 徹画伯を師として、30人の方々が月に2回、それぞれ自由に油彩、水彩

、パステル、アクリル、日本画、鉛筆画と楽しくやっておられるそうです。

会場からものびのびとした大らかな画風で、皆さん和気藹々で仲良くさぞ楽しくやって

居られるのだろうという空気が伝わってくるようです。

何人か、知った方が出品して居られましたが、お会いできず陳列の依頼が出来ません

でしたので、今回は三橋 達夫さんの油彩画3点を陳列致しました。

 


25展ー4企画NO,3「第36回茅ヶ崎市民美術サークル展」よりー(3)

2013年04月17日 | Weblog

 

    茅ヶ崎市民美術サークル展

       三橋 達夫さん 画  「ヨット溜まり」  油彩  F10   三橋さん作品の3/3

                                             ーー完ーー

 


25展ー5 企画NO,4 『第72回 水彩連盟展』よりー(序)

2013年04月16日 | Weblog

 

 水彩連盟展よりの展示

六本木の国立新美術館で今年も恒例の展覧会が大勢のギャラリーを迎えて盛大に

開かれました。例年ならば、上の写真のような光景(昨年4月撮影)なのですが、

今年は残念ながら桜には間に合わなかった様です。

例年の事ながらその大作力作の何百点には圧倒されます。真剣に見ていると

心身共に疲れます。しかし大きな刺激も受けます。

この会は現代の日本の水彩画壇の中核であり、しかも最先端を行っていると

言われています。抽象,半抽象そして心象、半心象画が中心なのが特徴かも

知れません。これらの作品は具象画写実印象画とは又違った意味での感動と

感慨を覚えます。作者が何を訴え、何を表現しようとしているのか、それを考えながら

見ているとつきぬ興味と面白さがあります。

ところで最近は、高齢者社会の影響が、絵の世界にも影響を与えているような気がし

てなりません。時間潰し、趣味作り、生き甲斐作りの人口が激増し、そうしたカルチュアー

や絵のお教室が今や花盛りです。

絵具屋さん泣かせの様な、薄くて淡い或いはきれいが取り柄といった絵や、お絵描き調

のものが全盛です。これは入門しやすい、取っつきやすい、手軽に出来る、きれいに見

える、洒落ている、上手に見える、(だが実際には、やってみると進めば進む程、これも

また非常に難しいものなのでしょうが…)等によるのでしょう。

これらの利点は、ややもすると浅薄、軽さ、空虚さ、きれいなだけという欠点を補って

余りあるのでしょう。

これが現代の世相や慌ただしい世情やスピード時代にあっているのかも知れませんね。

多くの展示会が、水彩画展という看板で見に行くと、その大半はスケッチ画展であったり

ペン画展であったり、さしずめ下絵展といった趣きです。

水を使うなら水彩画という範疇でしょうから、決して看板に偽りありではありませんが、

軽い失望を覚えることが多々あります。

極めて手軽な手慰みといった趣味のお絵描きには哲学も物語性も人生や人間の感情の

発露も表現も必要は無いことでしょう。

楽しく描いて、美しければそれはそれで素晴らしいことだし、それで十分なのでしょう。

さて前置きが長くなりましたが、そんな世界と対極的な正反対の世界にあるのが、

この水彩連盟展だと思います。皆さんがご自分のテーマを追求し同じモチーフを

何年も描いて居られます。そこには詩やらロマンがあり、主張があり生活があり

人生が感じられます。

そしてこれが水彩画なのかと思ってしまう程、描き込まれた作品を多く見ることが

出来るのです。

それは淡くて薄いだけきれなだけではない、水彩絵の具の特質特長を十分に熟知

した上で、その良さをふんだんに駆使している表現の作品です。

これが半抽象、半心象の構図と実にベストマッチしているのです。

それでは6人の方の6作品をじっくりとご覧下さい。