誠茅庵という名の小さな小さな美術館

絵や写真、そして雑感日記。。
六十の手習い(水彩画、スケッチ等)帖。

23展ー9 第22回茅ヶ崎鶴彩会水彩画展よりー1

2011年09月13日 | Weblog

  (1) 茅ヶ崎鶴彩会展
      平成23年8月23日~28日
      茅ヶ崎市民文化会館 1F展示場で開催

さあ、今年も当美術館でも鶴彩会展を陳列する時期がやってきました。
たまたま当誠茅庵美術館では、館長の夏風邪が年の勢でしょうか、予想以上に
長引いて、この企画展のオープンが遅れてしまい申し訳ありませんでした。

さて私は、我が家の女房殿が出品しているからと言うことばかりでなく、もう15年位も前から毎年楽しみに同展を見続けて居ります。
当美術館でも陳列するようになってから5年以上になるでしょうか。
当館にとってもかけがえのない展覧会の1つです。

私ごときが、評論もどきや感想を述べるのもおこがましいのですが、ここはあえて鉄面皮のお面をかぶり、絵の良き鑑賞家、良き評論家への勉強中ということに免じて、お許し頂き、個々の絵につき又は全体について、評論ならぬ感想を書かせて頂きます。

同展は年々変化しています。皆さんがレベルアップしていることは論を待ちません。昔から油絵かと見間違えるようなしっかり描き込んだ画風が中心でした。
小品には具象画が、大作には半心象的な作品がというのがこの展示会のパターンです。いわゆる今大流行りの、水彩画と称する淡彩画とはその対極にある様な気がします。

そもそも昔から、しっかり描き込んだ作風が中心でしたが、流行りとか風潮に少しも阿る事もなく、その画風は健在です。
そして絵のモチーフというのか題材というのか、具象から心象へとか、又絵の構成や構図というもの、デフォルメといったところに最近かなりの変化が感じられます。
加えて、同じモチーフ、テーマを何年も追求されてる方も多く、自分のイメージや
独特のタッチ、色使いを作り上げている方も多く見受けられます。
それを大きな号の作品で自分のテーマや世界を表現し、小品ではその方のしっかりした具象的な実力を見ることが出来ます。
これはもう素人のお絵描きや手慰みという域を超えていると言っても良いかも知れません。

時々、町の展覧会に行くと、これは描きかけじゃないのか、或いは練習の絵なのか、何かの下絵ではないのかと首を傾げる事も多々あります。
ここではそんな懸念は全くありません。
安心して本格的な水彩画を堪能することができるのです。

23展ー9 第22回茅ヶ崎鶴彩会水彩画展よりー2

2011年09月13日 | Weblog
  
  茅ヶ崎鶴彩会展より
  
 (2)鶴彩会のこと。

 今回は、森治郎先生の賛助出品を初めとして、会員34名の110点が陳列
 されました。
 同会は月に2回の活動で、1回は主に静物又は風景を、もう1回は教室を初め
 又は皆が自由に描いた作品を持参しての合評会だそうです。
 この毎月の合評会というのは他のグループや教室ではあまり聞きません。これが先生の 良きご指導、ご講評によって大きな進歩になり励みとなって効果があるのでしょう。
同時に人の絵を見て考えるということがきっとその効果をより高めるのでしょう。
 こうして和気藹々のうちに切磋琢磨して腕を上げ自分の絵を作り上げるという大人の落 ち着いた会の雰囲気が醸成されるのかも知れません。

今年は大ホールが改修中で人の出が少ない筈だが、さすがに多くのギャラリーで賑わって居ました。外は猛暑でしたが会場は冷房が効いていて快適な空間でじっくりと鑑賞できたものです。

それでは、当館のギャラリーの皆様もクーラーのきいたご自宅で、珈琲でも召し上がりながらどうぞごゆっくりとご覧下さい。
ここで当美術館への展示を毎年許可して下さった多くの方々へ、そして今回初めての4人の方へも心から感謝申し上げます。

尚、会場で頂いたプログラムの順の通りに、当館では陳列致しました。
 ではどうぞお楽しみ下さい。

23展ー9 第22回茅ヶ崎鶴彩会水彩画展よりー3

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    鶴彩会展作品NO-1   石川さん作品の1/3

     石川 功さん画  『耕して天にⅠ』   F30

    この方は80何歳だそうです。
    大変なパワーと情熱を感じます。新鮮な色、力強いタッチ、素材への
    目の付け所、しっかりした描き込みに加えて、何より夢を感じます。
    これはもはや石川ワールドという感じです。

23展ー9 第22回茅ヶ崎鶴彩会水彩画展よりー4

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    鶴彩会展作品NO-2   石川さん作品の2/3

      石川 功さん画  『耕して天に Ⅱ』  F30

   見事な耕された山の感じです。雄大壮観な感じが出ています。
   それにしても、中国の山奥まで絵の題材を求めて旅行をされるとは、
   そのお元気さと意気軒昂とに、同氏に比べればまだまだ若輩ながら
   体の軟弱な館長から見ると、まるで哲人とか鉄人を見るようで、もうただ
   驚異と敬意と羨望とさらには尊敬すら覚えます。
   絵とは、こうも人を丈夫に強く若く、意欲を維持させて呉れるものなの
   でしょうか。

23展ー9 第22回茅ヶ崎鶴彩会水彩画展よりー5

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   鶴彩会展作品NO-3   石川さん作品の3/3

    石川 功さん画  『 魚 』    F10

  素晴らしいお魚です。魚が生きてます。新鮮です。
  この方は、海岸で集めた石に、エナメル絵の具で魚の絵を素敵に
  描かれます。
  私も1つ頂いて大事にしております。釣りをよくおやりだそうで、さすがに
  その魚は精密で輝いています。
  お得意な魚と言うこともあってか、特にこの絵は実に見事です。
  お魚への愛情さえ感じられる様です。

23展ー9 第22回茅ヶ崎鶴彩会水彩画展よりー6

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   鶴彩会展作品NO-4  大木さん作品の1/3

    大木 幸子さん画  『調理の時間』   F40

   この作者独特の筆使いやタッチは、私は昔からその描き方を
   気にしていました。
   一見荒々しい様な、大胆な様なタッチに見えながら、全体的には
   よくまとまった、好みもあるかも知れませんが、素晴らしい絵だと
   思います。
   特にこの絵には動きを感じます。台所の物音や声が聞こえてくるようです。

23展ー9 第22回茅ヶ崎鶴彩会水彩画展よりー7

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  鶴彩会展作品NO-5  大木さんの作品の2/3

    大木 幸子さん画  『 少女 』   F30

  精密な写実や具象と言ったものにはない、作者固有の素晴らしい表現です。
  これはもう水彩画の1つの立派なジャンルとも言えるでしょう。

23展ー9 第22回茅ヶ崎鶴彩会水彩画展よりー8

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   鶴彩会展作品NO-6    大木さん作品の3/3

     大木 幸子さん画  『青いビン』  F15

   やはり静であるこうした静物画でも、この方のムードが、タッチが
   踊っています。この大らかなタッチがたまりません。

23展ー9 第22回茅ヶ崎鶴彩会水彩画展よりー9

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    鶴彩会展作品NO-7  金築さん作品の1/3

     金築 翠さん画  『風のラプソディー Ⅰ』  F80


  今年も、このヒマワリシリーズの作品に会うことができました。
  思わずそんな気持を抱くほど、もう私は何年見続けてきたでしょうか。
  いつもお年など微塵も感じさせない、お若い感性による作品だと感心する
  ばかりです。
  このラプソディー1も次の2も、市美術家協会展や国立の水彩連盟展に
  出品されたものです。

23展ー9 第22回茅ヶ崎鶴彩会水彩画展よりー10

2011年09月13日 | Weblog


  鶴彩会展作品NO-8  金築さん作品の2/3

   金築 翠さん画  『風のラプソディー Ⅰ』  F80

 ギャラリーである私は、分からないなりに毎年心打たれて,その絵の前
 で必ずしばし立ち止まります。
 又来年もお元気で、ますますのこの一連のひまわりシリーズを
 期待しております。