茅ヶ崎美術家協会展より
今月は市の美術館の展覧会からの展示です。
この茅ヶ崎美術家協会展は6月22日から7月17日(土)まで開催されています。
年に一度の恒例の展示会ですが、会員のが53点、一般公募の作品が71点で、B1と1Fの全室を使っての一寸壮観な124点の展示です。
やはり市の美術館だけあって、駅前のギャラリーや町の貸ギャラリーとは一味違った落ち着いたアカデミックな雰囲気が漂う空間でした。
私も撮影には人が少ない方が良いので、あえて土、日を避けて平日の朝一番に行って、珍しくゆっくり写し(写真の出来映えはいつもと同じでしたが‥)じっくりと鑑賞してきました。
全体的にかなりのハイレベルです。プロの方あり、セミプロ的な方あり、教室を持って居られる方ありですからそれも当然でしょうか。
一般公募の方々もキャリア、実績とも十分で誠に充実したものでした。
新米評論家の私であっても、かなりのハイレベルにまとまった展示会であるということが分かります。六本木の新国立美術館へも良く行きますが、ああしたところの大きな展覧会にも決して引けをとらぬ様で、逆にこじんまりとして居るだけにエッセンスが凝縮していて、とても見やすく、それでいて見応えのあるものでした。
会場に一歩入るといつもの見慣れた画風がタッチが色使いが目に入ります。絵の下にある画題カードを見ずとも直ぐどなたのもかが分かるものが何点も目に付きます。
すると何だか嬉しくなります。懐かしささえ覚えます。
そうした絵は私にとっては、見慣れた楽しいお馴染みの絵であって(そうした絵のほとんどはその作者の方とは一面識もないのですが)、旧友や会いたい人に再会したようなうれしいほっとする気がします。
頑固というか頑ななというのか、自信や信念の人というのか、10年、20年或いはそれ以上に自分の絵とスタイルを貫き通すのは凄いことだと思います。
「優れた芸術作品とは、大いなる思い込みと自己陶酔との産物である」とも言います。これがまさしくその方の個性であり素晴らしい画風というものなのでしょう。
この会は今の絵画界の風潮のように、抽象、心象、半前衛的な傾向が強い様です。このところ毎年々々同展にはそれを感じます。受賞作品にもそれが多く、写実、具象画は余り評価されていない様な気がします。
同展が今後一層この傾向を強めていくとすると、私のような素人評論家、普通のギャラリーはなかなかついてい行けなくなるかも知れません。
「芸術は孤高なるもの」ということもある程度は分かります。人間は分からないものを畏敬し有り難がる傾向があるといいます。
しかし絵がこれだけ盛んで絵画人口も多く、一般的になって展示会は毎日何処かで開かれているという現在だからこそ、絵は見る人が理解し感動し、心癒され、美しさに感激できるということがより求められ、大事なのではないでしょうか。
久し振りに充実した素晴らしい展示会で、素敵な絵に気持が高揚したのでしょうか言わずもがなの下らないコメントを書いてしまいました。
それでは同展から知っている方4人の4点を御覧下さいませ。