誠茅庵という名の小さな小さな美術館

絵や写真、そして雑感日記。。
六十の手習い(水彩画、スケッチ等)帖。

26展ー8 特別企画 「藤田繁彦」氏 水彩画個展ー(序)

2014年06月12日 | Weblog

 

 藤田 繁彦さん個展のこと。

今回は特別企画展として、「藤田繁彦」氏の数々の作品を展示することになりました。

同氏は長い画歴で、昔から茅ヶ崎及び横須賀等の平和美術展の主要メンバーとして

尽力されています。そして絵ふで展、ヤーコン会展その他多くの私的な展覧会や個展

などでご活躍中です。

その画風は、見事なデッサン力、構成力を駆使し精密にして巧みに色の濃淡を使い

分け全体としては淡い美しい色調で、見る人の目を惹き付けずにはおきません。

目を惹き付けられたギャラリーは、次には溜息そして賛嘆の声が上がります。

私の周りにも同氏のファンは大勢居られます。

 

絵は、人間が様々である様にやはりいろいろあって良いわけでしょう。

そして好き嫌いもあることでしょう。例えば同氏と真逆な画風でも素敵な評価を得ている

素晴らしい絵も沢山あるのも事実です。

しかし同氏のこれ等の作品は、そのデッサンの見事さと色彩の美しさとに於いて

どんな人の心をも捉えることでしょう。

 

さて同氏とは、私(館長)は知人、友人であり、と言うより絵のお仲間であり先輩であり

師であると言った方が適切かも知れません。

現在もヤーコン会(これは絵の好きな仲間の集まりで、但し身も心も美人善人ばかりの

集まりです)という会でお世話になっております。

同氏は人間的にも落ち着いた物静かで教養豊かな紳士タイプです。

私はそれと正反対のタイプであるのに(自分では決してそうとは思っていないのですが、

家人や身近な周りの人にそういわれるので)、私の周りの仲間友人(特に絵のお仲間では)

には、不思議なことにどうしてこうも、紳士淑女タイプの奥ゆかしい人ばかりなのでしょう。

ここまで書いて来てふと思います。

同氏の事を物静かと表現したのは適切でないかも知れません。

絵に対する彼の情熱、意欲、研究心はすこぶる旺盛で、寸暇を惜しんで各地に

スケッチに出掛ける活動性、積極性は大変なものです。

絵が自分の趣味ですと公言している我々は、見習わなくてはならない姿勢です。

同氏の絵への情熱や造詣の深さに接する度に、自分も絵をやっていますとは一寸

言い淀んでしまう程です。

しかし絵というのは、全く自由なもので定義にも型にも拘束されるものではありません。

その人間性とか様々な人生とか、その喜怒哀楽や人生観などを各人の感性によって

自由に表現するものなのでしょう。

さすれば時には淡いものあり濃いものあり美しいものあり、そうでないものもあって

良い筈です。つまり上手下手を越えてその人の内面的なものの表現が絵であるとも

言えるわけです。

「100人あれば100枚の絵ありき」と言う言葉を思い出しては己の絵を見る度に慰めて

いるのです。しかし、こうしたいささか詭弁めいた絵画論や言い訳めいた「屁理屈」を

超越して、別次元といった同氏の絵の美しさ、素敵さにはただただ賛嘆の言葉しかありません。

 

ところでこの度、同氏がご自宅をマンションに移されることになりました。

この際長年描いてこられた作品の数々を絵の好きな人に譲ろうと思い立たれました。

そこでヤーコン会のメンバーを初め様々な方々へ譲られたのです。

頼まれてカトリック教会のバザーなどでの慈善行事にも貢献されたと聞いています。

私(館長)も10号を2枚頂くことが出来ました。

絵は、様々な所に多くの方のお家に飾られそして喜ばれ皆に見て貰うのが一番でしょう。

今回のようにお一人の作家の作品が手元から散逸してしまうのは一寸淋しさも感じますが、

きっと多くの作品達は皆に愛され喜んでいる事でしょう。

 

さて、それ等の作品群の中から私の勝手な選択によって、27点を当館で陳列させて

頂きました。今回はあえて、各作品に対する説明、コメントなどは一切なしです。。

私の拙文による迷評論などより、今回は作品も多いのでその美しさ素晴らしさをじっくり

シンプルに堪能された方が良いのではと控えさせて頂いたのです。

それでは、説明文なしで一挙に27点の水彩画をを陳列致します。

どうぞごゆっくりとお楽しみ下さい。