第41回 版画展グループ藍 (初めに)
今年も駅前の市民ギャラリー展示場で版画展が開かれていました。
水彩、油彩、写真等の展示会に比べると、版画展は少なく珍しい位で、それだけに興味があります。一種独特な、版画特有の情緒やその雰囲気は味わい深く、とても素晴らしいものです。
特に、同展は41回という歴史が有ります。さすがに皆さん落ち着いたそれぞれの出来上がった、ご自分の作風で表現されています。
お話を伺ってみると、木を彫ることが好きでないとなかなか版画は続かないよう
ですし、何枚も版木を彫り、何回も刷り重ねるというかなりの根気を要する作業だそうです。
それを皆さん、長い間じっくりと研鑚し続けられて、これらの作品を並べたのかと
想像すると、感銘すら覚えて来るような気になってくるのです。
同展では毎年、真弓千枝さんの作品を、当館では陳列させて頂いております。
相変わらずの素敵な作品です。
特に最初の『台風すぎて』は傑作でしょう。台風一過の静けさ、遠近感などを
モノクロの濃淡で、その構図の確かさで見事に表現されています。
その次の2点(浜昼顔とピーマン)と続けてご覧下さい。
さて、今回はもうお一人の方の作品も展示する事ができました。版画では珍しい様な動きを感じさせるユニークな構図〔安来節)、水彩のぼかしのような表現、半抽象的とも思えるタッチの背景(ぶどう)、その色調、色使いに等に興味を持ってしげしげと見ていたら、たまたまご本人が会場に居られて、真弓さんに紹介して頂きいろいろ話をお聞きしました。その際、これらの作品を当館でも陳列させて頂く許可まで得ることが出来ました。それがお二人目の駒井高雄氏です。
その駒井高雄氏の3点を(ぶどう。安来節。鎌倉)続いて陳列致しました。
どうぞ御ゆっくりご覧下さい。