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癌と生きる 依存症と生きる

命がある限り希望を持つということ

ネット(スマホ)依存と動機づけ面接法のセミナー

2014-07-12 13:08:27 | ネット依存症
のろのろ台風が足踏みしていてくれたおかげで
7月9日はジャパンマック福岡から案内をいただいていた
第一回依存症支援者セミナー「動機づけ面接法」のセミナーに
出席することができました。

講師は成増厚生病院の後藤恵先生で、アルコール依存症治療の
現実に即した、とても有益な、でも面白いお話を5時間たっぷりと
お聞きすることができました。
このセミナーに参加して学んだこと、感じたことも、いろいろ整理し
ながら書いていこうと思います。

ブログ村に参加するようになって、他の方のブログを読む機会も
増えました。ご存知かもしれませんが、「ネット依存、ゲーム依存
スマホ依存から小中学生を守るために」のブログ主さんは、リアルに
小学生と中学生のお子さんをお持ちのお母さん。その年代の子どもたちが
どんな感じでスマホを使っているかがよく分かります。
ブログを読む限り、この方のご家庭は親子関係はかなり良好なのではと
感じますが、それでも日々お子さんのスマホやゲームのやり方に悩んで
おられる様子がよく分かります。
私は今は学齢期の子どもがおらず、自分が子育てをしていた頃は、TV
ゲームの時代だったので、それでもゲームの時間をめぐってもめたことは
ありましたが、ここまで大変ではありませんでした。

この数年で、携帯がスマホになり、アプリも多様化し、情報の種類や量も
爆発的に増えて、もともとスマホ(携帯)は24時間手元にあるうえに
それで子どもがLineをやってるのか、ゲームをしてるのか、はたまた動画
などを見ているのかさえ把握するのが難しいのが現状のようです。

スマホをめぐっての親子の対立も、上の方のように比較的コミュニケーション
がとれているご家庭や、注意をしたら反発する、逆ギレして怒るという
ものから、返事をしない、話をしなくなったというご家庭、さらに
不登校や引きこもりなど深刻な事態になっているケースと千差万別だと
感じます。専門家の方のサイトを見ても分かるように、実生活に大きな
影響が出ている場合や、人間性が明らかに変化した場合は、薬物や
アルコール、ギャンブルと同様に「依存症」という病気の領域に入っている
可能性が大きいので、ネット依存症についての正確な知識がある相談機関
に相談をして、治療の道筋を探す必要があると思います。

先日聞いた動機付け面接のセミナーで、とても印象的なお話が
いくつかありました。まずこのカウンセリングの方法は、依存症になる
前の乱用の段階から医療が介入するという、早期発見、早期回復に
有効であるということ。がんで言えば、がん検診みたいなもの?
つまりスマホ依存で言えば、注意したら口答えをするという
あたりでしょうか。この時期の対応が、とても大事になるわけです。

さらにこの動機づけ面接法を用いて依存者のカウンセリングを行なう場合の
基本的な態度というのがあります。

1.正確な共感性
  自分の立場をわきに置いて、患者の立場で理解する能力。理解したことを
  患者が分かる言葉で伝える能力。

2.非支配的な、押し付けがましくない温かさ

3.真摯で誠実な態度
  「患者とともにある技術」寄り添う気持ち

「患者」の部分をそのまま「子ども」に置き換えたら、まんま「子育て3か条」
でもいけそうです。特に思春期と言われる子どもから大人への過渡期は、子ども
自身にとっても激動の時期です。人間関係も多様化して複雑になり、受験への
プレッシャーもあります。性的にも大きな変化の時期です。子ども自身も、迷い
悩み、混乱しています。もっと小さい頃には有効だった親子関係を受け入れなく
なって、親に自分のプライバシーを話さなくなります。
けれど上の3か条はそういう時期にこそもっとも必要なもののように思います。

人間はこの世界で生きていくためには、最低でも一人は、最後まで自分の味方に
なってくれて、自分を好きでいてくれる人間がいることが何よりも大事なような
気がします。依存症からの回復をめざす人にとっては、自助グループの仲間が
そういう存在になるわけです。患者を支えて生きていく選択をした家族の気持ちの
持ち方も同じだと思います。
依存者を否定せず、支配せず、寄り添い、共感しつつも
よりよい生き方を選択し行動していけるように誘導し、助言する。

もはや神か仏の領域だと思います。後半の誘導や助言は、こうした精神的な分野の
医療に携わる専門職の人たちのノウハウですから、素人が真似をしてすぐにうまく
いくようなものではありません。ただこの3か条が示す基本的な姿勢、心の持ちよう
というのは、子どもの依存の問題に悩む親の立場でも十分参考になるし、問題を
こじらせて状況を悪化させないためには、とても大切なことではないかと感じたわけです。

いつもおまけみたいになってますが、癌関係では、引越しを10日後に控え
現在絶賛スーパー断舎利中です。それにしても本の多さよ。フゥ~。



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青少年とネットの問題

2014-06-28 09:57:18 | ネット依存症
3月にガンを告知されてから、さすがの私も
このところ、ブログに自分の思いを書き込むことがふえていたが
先日、また偶然「ネット依存」についての特集を見る機会がありました。

今回も全部見たわけではないのですが
どうやら高校生の男の子で、ネットにはまって不登校になり
治療機関を受診して回復に向かっているといった内容でした。

放送の中でお話をされていたのは、神奈川県の久里浜医療センターの先生で
「ネット依存」で検索してもトップに表示されていて
東京近郊であれば、ここがおそらく現在ネット依存の治療については
全国的に見てももっとも信頼のできる施設なのではないかと思います。

久里浜医療センターのネット依存治療部門(TIAR)のページにリンクしました。
同センターにはインターネット依存問題を抱える家族の会も設置されているよ
うです。

番組で放送された男子生徒の場合は、医師から「このままではまずいかも
しれないね」と言われたことが回復のきっかけになったと話していました。
「自分はネット依存かもしれない」という不安を持つこどもは
まず一日の中で、自分がどれくらいネットを使っているかを
ノートなどに書き出して、その時間が多すぎると自覚することで
その何割かを他のことをやる時間に移行させていくというやり方で
少しづつネットから離れる時間を作って回復につなげていきます。

依存から回復するのに、とても大切なことがあります。
それは今自分が何かに依存していることが
自分の日常や未来、つまり自分の人生そのものを
良くない方向にどんどん引っ張っているのだということを
本人が自覚できるかどうかです。
それを自覚できれば回復する可能性はかなり大きくなります。

ただ特に思春期真っ盛りというような子どもたちに対して
そこまでの道筋を親がつけるのは難しいものです。
親と子がそういうコミュニケーションがとれるためには
そこまでの親子関係も大きく影響してきます。
「ネットばっかりやってるから、成績が下がっただろう」
「もし受験に失敗して志望校にいけなかったらどうするの」
こういう論法では、子どもは激しく反発するか
親に対して心を閉ざし、自分の気持ちを言わなくなります。
もっと長い目で、人が生涯にわたって社会の中で自分の役割を
ちゃんと果たせることの大切さを子どもに理解してもらう必要が
あると思いますがこれは容易なことではありません。
自分の経験から言っても、親自身のアイデンティティーが
根本から問われるような展開になってきます。

このあたりを書くとまた話がそれていくので、別の機会にしますが
そんな生意気盛りの子どもでも、案外お医者さんというような
専門家の方が、真剣に話される言葉には耳を貸すものです。
親子だけで向き合わず、専門家の方に間に入ってもらうほうが
よいのではないかとお勧めする理由はそれです。
少し前ですが「ネット依存の相談にはまずは家族のカウンセリングから」
というような記事もネットで見かけました。
久里浜医療センターのサイトでも、ネット依存について
とてもていねいに解説されています。

またこのブログでリンクしている「ケータイの力学」というサイトでは
ITの専門家の方が、別の視点から高校生のネット利用について
最新の分析と解説を展開されています。
こうして考えてみると、ここでも結局子どもの問題以前に
親が何をどれだけ学んで、ネットという、現代ではもはやなくすことが
できなくなったツールに対する価値観を構築していくかが
問われていると思われてなりません。

最後にもう一つ、医療分野の専門家の方々は
現在起こっている様々な依存症の問題に的確に対応できるように
さらに勉強をしていただきたいと思います。
今日もギャンブル依存症関係で病院に行ったが、医師から
「ギャンブルは病気というよりも、嗜好の問題」と言われた
というような記事を見かけてがっくりしました。
専門家といわれるような方が、その程度の認識では
個々の医療機関の正確なことが分からない限り
ブログなどで無責任に紹介することもできません。

依存の問題を抱える人や、その家族たちが
一日も早く悲惨な状況から抜け出して
回復への希望を持つことができるように
医療の現場に携わる方々の更なる努力を願ってやみません。





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ネットとの上手な付き合い方を知ることの大切さ(2)

2014-05-21 13:54:26 | ネット依存症
先日ブログのタイトルを変更したのを機に、にほんブログ
村に参加しました。
私のブログを訪問してくださった方で、もっと依存症のことを知りたい
あるいは病気のことを知りたいという方は、ブログ村のサイトに飛んで
いただければ、さらに幅広い情報や体験談を読んでいただけるのではと
考えてのことです。また乳癌についての情報は、私自身も参考にさせて
いただいています。

そこで再び若者とネットの関わり方についてです。先日深層ニュースと
いうCATVの番組の中で、武内和雄という兵庫大学の先生が、こどもの
スマホ依存の問題についてお話をされていました。武内先生は、現在
神戸の小中学校で、こどもたちに、スマホを含むネットとの付き合い方
についてお話をされているということです。

その武内先生のお話の中で、大事と思われる点をいくつかあげてみます。

まずスマホ(携帯全般)を買う前に、親子で十分話し合って、スマホを
使う上でのルールを決める

  時間 何時になったら電源を切るというような約束をする
     最初から、たとえば夜中でもO.Kというふうに友達に
     思われてしまうと、あとでそれを変えるのが難しくなる

  場所 食事中やお風呂はだめとか、小学生だったら親の見てない
     ところでは使わないなど

  マナー これも食事中はしないとか、自転車や歩行中はだめなど

地域差があると思うが、学校によっては小学6年生で8割がスマホを
持っているような地域もあるので、できれば4年生くらいから、こど
もに上手なネットの使い方を教える必要があるのだという。

最近の、覚せい剤所持に関するニュースなどを見ていると、実は
子どもや若者に限ったことではないように思えてくるが、社会で
<やってもよいこと>と<やってはいけないこと>、つまり常識
と呼ばれている社会生活のための規範についての知識が絶対的
に不足しているので、大人がちゃんと教えなければいけない。

たとえばバイト先で不衛生な行為をした画像をツイッターなどに
投稿した人は、裁判で訴えられたりとか、多額の賠償金を請求
されたなど、軽い気持ちでやったことが大変な結果になったのだ
といったことをひとつひとつ理解させていく必要がある。

スマホになると、フィルタリングをかけるとLineが見にくくなること
もあって、次第にフィルタリングもしなくなり、また別の問題が
生じてくることになる。
Lineのようなコミュニケーションがからんだ問題は、個人での規制は
難しい。子どもたちのネットワークを理解した上で、最低でも
クラス単位、市や県などの自治体レベルといった広い範囲での
ルール作りが急がれる。規制は絶対に必要。

ざっとまとめると、こんな感じの内容でした。
愛知県刈谷市では、市単位での夜間のLine規制の取り組みが始まって
当然のことながら賛否両論あるが、さほど強制力のない呼びかけ程度の
取り組みならば、ネットやスマホ、あるいはLineの何がどう問題なのか
を、みんなが知って、例えば親子でこの問題について話し合うような
機会も増えるという意味では、私はむしろ多くの自治体がこうした取
り組みをやったほうがいいと思います。

ネット依存の問題は、様々な側面があります。この「ネットとの上手な
付き合い方」の項では、依存未満の、ネット依存を予防するという視点
で書いています。最近の、中高生のネット依存の広がり方を見ていると
武内先生が言われるように、もっと年齢が低い、親と話のできるうちに
できることは、すべてやったほうがいいように思います。親と子、先生と
生徒の間で話題にする中で、現実に守れるかどうかは別にして、様々な
ネットの問題点や怖さ、ネットに依存してしまうと将来どういう困った
ことが起きてくるかといったネットの負の面を知ることができます。
一方でネットを上手に使うことができれば、どういう良い点があるかと
いうことを理解することも大切です。


こどものインターネット利用については、武内先生も本を出しておられ、
他にも参考になる書籍があります。まずは大人も子どももネットや
スマホについて知ることが大事だと思います。その上でインターネットを
上手に利用するための様々なルールを、一緒に考え、話し合って決めて
いくことが、後々色々な問題が起きてくるのを防ぐことになるのではない
でしょうか。




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ネットとの上手な付き合い方を知ることの大切さ(1)

2014-04-30 07:45:45 | ネット依存症

このところ検査やら何やらでばたばたしていたのですが、その間 ヤフーの
ニュースで見かけたネット依存に関するニュースを紹介します。

まずは「女性自身」からの記事の要約で <ネット依存症広がるなか…「子供のIT断食」成功の掟6>

ネット依存の相談に取り組んでおられる成城墨岡クリニック・墨岡孝院長によれば 「当院では、
6年間でネット依存症の患者数が3倍以上に。最年少では10歳の患者もおり 低年齢化が進んでい
ます」ということだ。  

子供に広がるIT依存について、このブログでもリンクをしているエンジェルアイズの 代表者で
ネット依存アドバイザーの遠藤美季さんによると 「顔が見えない分、悪口も言いやすいため、
いじめの温床になりやすい。ネットの書き 込みでは饒舌なのに対面では話せなかったり、マ
ナーがわからない子も増えています」  

そこでこのお二人の話をもとに、家庭でもできる“子供のIT断食”成功の掟をまとめた。

【1】親がまずネットをやめる
「ネット依存に陥っている子供は、親も依存傾向にあるケースが少なくありません。母親
に話しかけても、スマホに夢中で『あとにして』と言われると、子供は自分よりスマホを
優先されたと傷つきます」(遠藤さん)

【2】ネット依存のデメリット(視力低下、学力低下など)を書き込んだカードを作る
 成城墨岡クリニックではカウンセリングでネットの弊害や、やめることのメリット を話
し合ったうえでカードに記載し、本人に持たせる。「これによって問題を『見える 化』し
意識づけをすることが目的です」(墨岡先生)

【3】1日のネットの使用
 時間を表にして見せる 。 こちらも、依存度合いを「見える化」するための作業。本人
が面倒がる場合は、親も 一緒にやってあげよう。

【4】1日のネット使用時間は2時間以内を目標に

断食と言っても、ゼロにする必要はない。
墨岡先生によれば、1日のネット利用時間の 目安は2時間以下という。「昨年文科省がお
こなった学力調査では、まったくネットを 利用しない子供より、1時間以下の利用をして
いる子供のほうが、正解率が高くなる傾 向も。適度な利用は好影響ももたらします」(遠藤さん)

【5】ネット以外のことを、家族で一緒にする時間をつくる  

ネットにハマる子供たちは、ほかの過ごし方を知らない場合も少なくない。「トラン プや
ウノなど、みんなで遊べるアナログなゲームは会話も生まれるのでおすすめ」(遠藤さん)

【6】いきなりネットを取り上げたり、強く叱ったりしない

「ネット依存はほかの依存症と同じです。いきなり取り上げると、無気力になったり、暴力
をふるうなど最悪のケースに」(墨岡先生) 親の小言はIT断食の大敵。しかしいっぽうで、し
っかり会話することが依存予防につながることもある。

「ネット依存の背景には、常に誰かとつながっていないと不安になる『きずな依存』や、
生活の目標がないために動画やブログを見続けて好奇心を満たす『コンテンツ接触依存』
が隠れています。子供の声に耳を傾け、将来の夢などを話し合うことで、子供もネットへ
の逃避を防ぎましょう」(墨岡先生)   <要約はここまで>

この記事を読んでいると大切なことがいくつか見えてきます。 まず今の時点では、専門家の
方も「依存症」という表現を極力使わないようにされている 点です。前にも書きましたが、
長い時間ネットをやっているから即依存症というわけではなく 依存している対象が何である
かによって依存の性格も変わってきます。ネット依存症の定義は、まだ専門家の間でも確立
されているわけではないのだと思います。

この6項目はあくまでもひとつの目安であって、もとよりこれを一度に全部実行しなければ
いけないというようなものではなく、特に(6)の保護者の高圧的な行為や強制については
専門家の方も、繰り返しやってはいけないこととして注意をうながされています。

 すでにそういう取り組みも始まっているようですが、比較的年齢の低い子どもさんの場合
(小学生とか中学なら1年生くらいまででしょうか)こどもとコミュニケーションが取れて
例えば夜何時以降から翌朝までは親に携帯を預けておくというようなことができるならば
それほど神経質になることはないような気がします。ただし子どもが納得していないのに
それを無理強いするようなことはやはり避けるべきだと思います。あくまでも話し合う
ことが基本で、それも親の意見を主張するのではなく、子どもが正直な気持ちを話して
くれるのが理想ですが、これもまた理想どおりにはいきません。これは親子に限らず
夫婦でも、ペットとの関係でも、気持ちが通じ合うようになるために必要なのは
やはり忍耐と寛容、これにつきるのではないかと私は痛感しています。

ネット依存の問題は、他の依存症のようにネットをやめればよいという単純な話ではありま
せん。昨日も試験的に授業でタブレット端末を導入しているという高校のニュースが報じら
れ 国立大学では授業を受けるのに、マイPCを持つことが義務づけられたというように すで
に社会はITなしでは勉強することもできないようになってきています。
そういう 中で、子どもたちや若者がネット依存に陥ることなく、どれだけ上手にネットと
付き合っていけるかという方法を見つけることが、直近の 最大の課題になっているのだと
思います。(4)で「IT断食といってもゼロにする必要 はない、適度な利用は好影響をもたら
す」と、一見矛盾するように思える指摘が あるのはつまりそういうことなのです。


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ネット依存にならないために

2014-03-30 09:40:59 | ネット依存症
最近青少年のネット依存がクローズアップされているが、大人のネット依存
の現状はどうなのかという点を調べてみました。以前から依存症問題に取り組まれている
久里浜医療センターの2007年の調査では、国内でインターネット依存症が疑われる20歳以上の
人は約270万人と推計されるという衝撃的な数字が出ましたが、2007年といえばすでに
7年前のことです。ギャンブル依存症と同様に、その後スマホの急速な普及で、おそらく
この数字は現在さらに爆発的に増えていっているものと思われます。

依存症になってしまったら、というのももちろんとても重要な問題ですが、同時に病気に
なる前に予防するということもとても大切なことです。特に依存症は、一度かかって
しまってからの大変さを考えると、ひとりひとりが、まずはこの病気にならないための
様々な対策を勉強し、できることから実行してほしいと痛切に思います。


そこで先日アメーバニュースで見かけた記事からの転載。

「一日4時間を越えたらヤバい!スマホ中毒から脱却する処方箋5つ」

1:通勤・通学中のスマホ利用を減らす

通勤・通学の電車やバスで、乗客が一様にスマホをいじっているのはよくある光景ですよね。
この通勤・通学途中のスマホ習慣をやめてみませんか?とくに、満員電車で無理な体勢にな
りながらスマホを操作するのは、首や肩、背中や腰、脚などさまざまなところに負担がかかり
体のゆがみの原因にもなるそうです。
まずは移動中にスマホを鞄から出さない。“毎日は難しい”という場合は、週に何日かだけで
もいいので、通勤・通学中のスマホ利用を減らすことから始めてみましょう。


2:疲れを感じたらスマホをやめる

気分転換にスマホを利用している人も多いでしょうが、スマホはリフレッシュになるどころか
かえって目や脳、首や肩の疲労につながります。なので、「疲れたからスマホでもいじるか」
というのは間違いです。「疲れたからスマホをやめよう」というのが正解です。


3:就寝の30分前にはスマホをやめる

川井さんによれば、寝る直前までスマホをいじっていると、目や脳への強い刺激が残り、脳が
興奮状態のままになってしまうとのこと。その結果、寝つきが悪くなったり、眠りが浅く途中
で目が覚めてしまったりと、不眠症、寝不足になりやすいそうです。ですから、日中はともかく
就寝前のスマホ習慣だけはやめにしましょう。


4:スマホの利用時間を計測する

ダイエットをするなら毎日体重を量るのと同じで、まずは自分のスマホ利用時間を把握するこ
とが大事です。例えば『脱スマホ中毒 – 依存症からの脱出』のような、スマホの利用時間を計
測する無料アプリもあります。まずは、1日の利用時間を計り、目標を決めて少しずつ時間を減
らしていってはいかがでしょうか?

5:ガラケーに戻す

上記1~4すらも実行するのが困難、という場合には、もはやスマホから離れられない“スマホ
依存症”に陥っている恐れがあります。自分の意思ではどうにもできないという場合には、
“スマホを使いたくても使えない”という状況を作りだすしかありません。となれば、思いき
ってスマホを解約してガラケーに戻すというのもひとつの手段です。

以上、“スマホ依存から脱却するちょっとしたアイデア5個”をお届けしましたがいかがでしたか?
 「ちょっと使い過ぎかも」という自覚のあるかたは、まずは1~4の手段を試してみて! 
それでもうまくいかなければ最終手段として5の“ガラケーに戻す”を実践してみましょう。
大切なあなたの人生をスマホに支配されてしまわないよう、上手にスマホと向き合いましょう。
                         (引用 ここまで)

スマホに限らず、ネット全般との上手な関わり方が、とても分かりやすくうまくまとめられて
いると思えたので、引用させていただきました。

1については、スマホを含めた携帯ならではの特徴的な現象です。いつでも手元にあることが
こうした状況を生んでいます。その手軽さが逆にちょっとの時間でもアクセスするという
悪い習慣につながっていきます。

2は、おそらくあらゆる依存問題に関係する重要なポイントです。お酒にしろ、ギャンブルにしろ
ネットにしろ、初めは気分転換やストレス解消だと思ってやっていたことが、やがて自分の意思や
決心ではやめることができなくなり(コントロールを失い)依存症という脳の病気の領域に入って
いきます。

3は就寝前にスマホやPCをすることの、脳や睡眠に及ぼす影響です。体の疲れはすぐに分かりますが
脳の疲れというのはなかなか自覚できないものです。しかしこれは蓄積すると、意欲の低下や
倦怠感などの体の症状としても現れてきます。

「自分は少しスマホやPCを使う時間が長すぎるんじゃないか」という自覚があって、まずは1~3
を実行してみてすんなり離れることができた人は、脳のコントロール機能が働いているので正常
ということであり、逆にうまくいかなかった人は、依存症という病気の領域に入っているのでは
という危機感を持つことがとても大切です。そこでたとえば全部は無理でも、どれかひとつ、あるいは
ふたつだけは実行してみるとか、4のような自分の現状を客観的に把握できるデータを見ることで
自覚をし、努力をしてみる。それでもだめな時は5ということになるわけです。
こうした対策を実行してみることは、自分が依存症かどうかを判断する上での、ひとつの大きな
目安にもなると思います。依存症の場合は、症状が進むと「自分は依存症ではない」「止めよう
と思えばいつでも止められる」「明日から止めよう」という風に、依存対象から離れたくない
一心で現実を否定し、自分にも他人にも根拠のない嘘をつくようになります。
ですから「自分はちょっとヤバいんじゃないか」と自覚している時にこそ、何らかの対策を実行
することが極めて重要なのです。




つながり依存(コミュニケーション依存)とエンジェルアイズの活動

2014-02-18 09:43:19 | ネット依存症
NHKの「クローズアップ現代」でも取上げられた「コミュニケーション依存」。コラム「ケータイの力学」を書いておられる小寺信良氏は、この問題を、章を改めて「なぜ子供たちはつながりたがるのか」(1)~(4)で分析しておられる。ここでは筑波大学の土井隆義先生の講演を基調に、大人社会の価値観の変化や、子供社会のあり様の変化、そこで携帯やPCなどのツールを介して生じてきたコミュニケーション依存の諸問題について、幾つかの事例をあげて紹介されているが、それらの事例がすべてのコミュニケーション依存に当てはまるわけではない。

そこで新たにネット依存に関する情報を検索していたら「エンジェルアイズ」というネット依存に対応してくれる機関があることが分かった。
 情報教育アドバイザー・ネット依存アドバイザーの遠藤美季さんという方が代表者で、現在青少年のネット依存と思われる事例への、より具体的な対応、アドバイスが提示されていて、本人や家族のための掲示板やメールでの悩み相談も受けてもらえる。
またこの遠藤美季さんが「キミのミライ発見 活用サイト」という河合塾のサイトに<ネット依存相談の窓口から>というタイトルで7回にわたって寄稿されているコラムで、コミュニケーション依存の現状について、とても丁寧で適切なアドバイスがなされている。
エンジェルアイズのサイトをリンクに追加していますので、ぜひ活用していただけるようにお願いします。また「キミのミライ発見」のサイトはトップページとリンクしていますので、LINEやSNSについて知りたい、あるいはネット依存のうちでも、コミュニケーション依存の現状や対処方法を知りたいという方は、「LINE・SNSとつきあう」や「ネット依存相談の窓口から」に目を通していただければと思います。

 私が漠然と考えたように、やはりひと言でコミュニケーション依存と言っても、オンライン上でのバーチャルな人間関係に、ゲームやチャット、あるいは各種のSNSを通じて依存している場合と、メールやLINEを通じて学校などでの現実の人間関係に依存する場合とではかなり事情が違うようである。遠藤さんのコラムには、後者のネット依存について、「同調圧力」という初めて耳にする言葉が出てきた。これは簡単に言えば「みんながやっている」「仲間はずれになりたくない」という心理が、LINEから離れられないという依存状態を作りだしてしまうということだ。
 前にも書いたように思春期は親に干渉されたくない、親の言うことを聞きたくないという時期であることともあいまって、自分の子供が、実は何にどう依存しているのかすらも把握することができていない親御さんが案外多いのではないだろうか。いつも携帯をいじっている、家にいる時は常に携帯やPCでネットをやっている、ということで「依存症なのでは」という危惧を感じている親御さんもおられるだろうと思うがそれでは、その先具体的にどうすればということになると、よく分からないという場合がほとんどなのだろうと思う。
 まずどこからが「病気」と言えるのか、その線引きが分からない場合、ネットで検索すると、チェック項目みたいなサイトはいくつもあって、何個該当すると依存症の可能性があると判断できるようになっている。ただこれも、親が見て「あなたは依存症かもしれない」と言うのではなくて、あくまでも本人が「自分の今の状態はマズいんじゃないか」と気づくことからスタートすることが基本になる。親にできることは、本人が自分の現在の状態や、将来起きてくる問題について気づくことができるように手助けをすることだ。
 エンジェルアイズの掲示板には、ネット依存に悩む本人からの書き込みがたくさんある。それを丁寧に読んでいくと、ネットから離れられなくなっている小学生から高校生くらいの子供たちが、どんなことに悩み、今どんな風に感じているかを知ることもできる。もし自分のお子さんが、親に対しては何も言わなくても、心の中では自分自身に大きな不安を感じているということも考えられる。

 そしてこれは前からこのブログで繰り返し書いてきたように、高圧的に禁止をしたり、スマホを取上げたりすると、事態を悪いほうにこじらせてしまうことが多々あるということは<ネット依存相談の窓口から>のほうにも明記されていて、まずは親子でコミュニケーションが取れる糸口を、もし1対1で難しい場合には、専門家を交えて模索をしていくことが大切ということになるかと思う。加えてこの記事では、特に中学生の場合やLINEやチャットへの依存が現実の友人関係をベースにしている場合は、個人で状況を変えることはかなり難しいので、学校サイドも交えて対策を考え、子供たちを教育指導していくことの必要性を強く訴えられていて、これには私も激しく同感だ。

 我が国では、依存症の原因となる様々な要因について、アルコールにせよ、ギャンブルにせよ、ネットや薬物にしろほぼ無防備で野放しな状態だし、予防や回復につながるシステムも全然できていないという惨憺たる状況だ。本当なら大人たちがもっと早く、インターネットを理解して問題が起きることを予測して、あらかじめ予防できるようにしておくべきだったのだろうが、それでもことネットの問題にかんしては、今ならまだ遅くないように思う。依存は、個々の依存が、全然違う性質をもっているわけではない。依存の状態を引き起こす心のあり様も、症状の現われ方も、回復に向かう道筋も、大枠のところでは共通する点がたくさんある。だから依存について学ぶことは、これからの長い人生の中で、ネット依存のみならず、色んな場面で必ず役に立つと私は確信している。
 どうか今自分の子供に起きていることだけにとらわれず、ネット依存を含めて、人間と依存との関係について、この機会に幅広く学んでいただけたらと心から願わずにはいられない。


ネット依存問題に向き合う親にとって大切なこと(2)

2014-01-29 10:06:56 | ネット依存症
このところ立て続けにネット依存の問題について書いていますが、これは今の時期が中高生にとって受験や進学といった人生の一つの節目にあたることから、親御さんたちの心配や不安も大きいのではないかと考えてのことです。そのために、本当なら私自身ももう少し論点を整理して、より的確な言葉で書かなければいけないというところが不十分で、話が飛躍したり明確ではなかったりといった点も多いと思いますが、お許しください。

前のブログで親が子供のネット依存に巻き込まれないことが大切だと書きました。依存の問題は、当人もですが家族の病気をも引き起こします。家族が様々な心配から心の病気になることも多いです。子供のネット依存を心配するあまり「こんなことで、もし受験に失敗したらどうしよう」「このまま学校にいけず、不登校や引きこもりになったら」と家族(特に母親ですが)が悪い結果ばかりにとらわれて悲観的な考えばかりが浮かぶようになっていくと、段々家族のほうが欝病のような状態に陥ります。子供自身も内心は不安や混乱を抱えているところに、しょっちゅう親から小言や愚痴や叱責を受けると、本人の不安をいたずらに増幅させて、ついには親に対して完全に心を閉ざしてしまうということにもなりかねません。悪い方向にばかり話を突き詰めていっても、良い結果がでるとは思えません。これは子供自身が納得も理解もしていないのに「あなたは依存症かもしれないから、カウンセリングを受けましょう」といった治療を強要する場合についても同じです。
依存症の治療は、本人が自覚や病気に対する危機感がある場合には、一定の効果がありますが、そうでない場合はあまり成果が出ないことのほうが多いのです。

そうならないためには、親自身が自分がとらわれている子供の問題から自由になる必要があります。そのためには、悪い結果を考えない、口に出さない努力をして、子供に対して笑顔を向けることです。だからといって、問題を放棄する、子供を放置するということではありません。子供の食欲や睡眠時間などには気配りをして、大事な時期に風邪などを引かないようにといった言葉かけは大切です。そして進路などについては、子供自身がどんな風に考えているのか、子供の本当の気持ちや希望をできるかぎり丁寧に聞いてあげることが大事だと思います。「話す」というのは、依存症に限らず、全ての心の病からの回復を目指す場合には、一番基本的なことです。依存症から回復するための依存者の自助グループというのは、自分の思いを正直に言葉にして話す、あるいは同じ病に苦しむ人の話を聞いて共感することを繰り返すことで、とらわれていた依存対象から心を解放するという作用があるのだと理解しています。

自助グループでは、他人の発言を批判したり、自分の意見を人に押し付けたりしない、言いっぱなしの聞きっぱなしという約束があります。依存症というところまで行っていないにしても、ネットに没頭して親の話を聞こうとしないというような状況になっている場合はそこを深追いしてドツボになるよりも、子供が自分から何かを働きかけてくるまで、待ちの姿勢を続けること、そして子供が自分から何か話してきたらひたすら聞く側に回ることだと思います。こうした努力は親にとっては大変なことですが、子供に努力を求め続けるのではなく、親のほうが努力することで状況を変えていけることもあるのではないかと思います。

そして最後に、無責任とお叱りを受けるかもしれませんが、子供の問題から自由になる、子供に自分の価値観を押し付けずに聞き役に徹するためには、何よりも親が「腹をくくる」必要があります。たとえば受験に失敗したら、不登校や引きこもりになったら、その時はその時で、先を少しでもよい方向に動かしていけるようにまた考えるということです。これもまた「あなたがネットばっかりするから」というように子供を責めるのではなく、子供がもしも失敗し挫折した場合でも、少しでも前向きな考え方、生き方ができるように、有形無形の形で子供の人生を見守り支えていく覚悟ができれば、子ども自身もまた変わることができるのではないかと思います。

私はこれを自分の体験も踏まえた上で書いています。ギャンブル依存症のダンナの場合は大人ですから、子供に対するのとは違う種類の大変さがあります。ですから前のブログに書いた「まるで禅家の修業のようなもの」というのは、私の本音でもあります。ダンナの依存の問題から手を離す、自分の心を自由にする、そして何かあったらまたその時に先を考える、これは私自身が、自分の心を平穏に保つために日々反復していることでもあるわけです。

ネット依存問題に向き合う親にとって大切なこと(1)

2014-01-28 11:41:38 | ネット依存症
年明けからネット依存のことについて書いているが、先日UPしたブログへのアクセス数の多さにちょっと驚いた。

本当は家族のネット依存を心配されている方には、このブログでリンクしている小寺信良氏の「ケータイの力学」に目を通していただきたいと思っているが、そちらを読まれていない方のために「ゲーム依存」「つながり依存」「SNS依存」といったように内容を要約していくつもりだった。
これまで書いてきたように、私はダンナのギャンブル依存症と、最初はそういう病気があることも知らずに20年近く付き合ってきた経験から、まずは依存症ありきで話を進めてしまう傾向があることを自戒して、先にこの記事を書くことにした。

依存症を含めて心の問題は、たとえば糖尿病や高血圧のように病気かどうかを数値で表わすことができない。だからまさにケースバイケースだということをまずは頭にいれておいていただきたいと思う。これは長時間ネットをやっているから依存症とは限らないという場合もあるということだ。思春期のこどもたちへの対応がとても難しいということは前にも書いた。闇雲な叱責や、一方的な禁止は多分あまり効果がない。そして双方向での対話が成り立たなくなる(よく心を閉ざすというような表現をされる)と、親としてはなす術がなくなって途方にくれてしまう。

こういう状況で大切なのは、親が子どもの依存に巻き込まれないことだ。親自身が子どもの問題で頭が一杯になって、顔を見ればそのことを持ち出し、子どもの行動を監視したり絶えず干渉したりすると、反対に問題をこじらせてしまう結果にもなる。

それよりもまず子どものネット依存が心配ならば、自身が携帯やネットについて正確な知識を得るように努力することが大切だと思う。たいしてネットの知識がない中高生が、ネットを使うリスクは、依存の問題だけではない。この点について前出の小寺氏のコラム「海外と日本の子供、ネット利用はどう違うか(2)」の中で、アメリカはPFGという団体が次のような活動をしていると紹介されている。

<米国では11月下旬から年末までが典型的なホリデーシーズンだが、この時に子供にスマートフォンやタブレットなどのネット端末をプレゼントする家庭も多い。そこでPFGでは保護者向けに、ただ無条件に端末を与えるだけでなく、その中に誓約書を同梱して、子供が同意すれば使うことができるという活動を行なっている。

 例えばPFGが用意しているスマートフォンの誓約書テンプレートには、1カ月に使えるのメール量や通話時間、アプリの金額、利用して良いタイプのWebサービスを書き込めるようになっている。同時に、メールすべきではない条件や、アクセスしてはいけないWebサービスなども、各家庭で条件付けられる>

さらにこの記事は次のように続く。

<重要なのはその次で、子供がそれらのルールに従うのであれば、親も一定の約束をしなければならない

1.過剰反応しない:子供が不愉快な事態に陥っても、それを助ける努力をし、過剰反応しない。
2.新しいことを覚える:子供がクールだと思うことに対して話ができるように、一緒に新しい技術を学習する。
3.手本となる:親のスマートフォンの使い方が子供の手本となるよう、運転中にメールしない、スマートフォンの機能をきちんと学習する、そしてスマートフォンなしで子供と過ごす時間をつくる>

我が家では10年以上前にPCを導入した。頭の固い親が、マニュアル相手に悪戦苦闘している間に、こどもは感覚的にあれこれPCをいじっているうちに、さっさと操作手順をマスターした。昨今は、特に私が携帯を持たないこともあって、もはやAndroidが何なのかWi-Fiが何なのか、こうしてブログを書くにもひとつづつ調べなければならない、ガラケーならぬガラパゴス人間になりつつあるが、わからない機材の操作などは、こどもにやってもらったり、やりながら教えてもらってそれをメモしたりと、OA機器に関しては
明らかに師弟関係になりつつある。

それでも我が家も最初から今のような良好な親子関係であったわけではなくて、子供たちが思春期のさなかに、ダンナのギャンブルや借金や女性問題や、それはもう山ほどあって、だから当然子供たちにも色々なことがあって、そこを乗り越えての今なのである。

上記の誓約書が求めるほど立派な親になれるわけではないが、親が子供が興味を持つことを理解することは大切だと思う。それはただ子供に迎合したり、上から目線で指導や教育をするということではなく、上の誓約書に書かれているように<子供が不愉快な事態に陥った時>つまり何かトラブルを抱えた時に、親に相談ができて、親が解決の手助けをすることができることであり、例えば親も子供もネットで面白い動画や音楽を見つけて「これ面白いよ」と話したりすることのできるような関係性を作るために親も相応の努力をするということなのだろうと思う。


受験勉強をしなければならないのに、つい携帯でゲームをやってしまう。嫌なことより楽しいことに流されるのは人間の性で、前にも書いたが子供自身もそういう自分や、将来に対して強い不安を抱いているかもしれない。その葛藤を、失敗を繰り返しながらひとつづつ乗り越えていくことが人として成長していくことなのであり、つまりは生きていくということなのだと、親もまた子供とともに悩み、学び、戦っていくのだと、そしてもしも失敗があってとしてもある時点までは親は子供を支えてあげるのだと子供にわかってもらうことができれば、そこから道は開けてくるのかもしれない。まあ親であるということはこんな風に、まるで禅の修業をするお坊さんのように、とてつもなく大変なものではあるのだけれど。

余談ですが急増する心の問題に呼応して「カウンセリング・ビジネス」と呼ばれるものも急増してきているということです。カウンセリングは健康保険の適用外のものも多く、高額の治療費がかかるという場合もあるようなので、もしもカウンセリングを受けようと思われるような場合は、まず専門の医療機関に相談をされるか、色々な施設を比較検討されることをお勧めします。


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ネット依存症(その1)ゲーム依存

2014-01-26 10:46:30 | ネット依存症
前回前々回と、ネット依存について考察されている小寺信良という方のサイトの紹介をしてきた。

小寺氏は「青少年のネット依存を考える」(1)~(7)では、韓国やアメリカ、そして日本のネット依存の実態や研究の状況、そしてネット依存に対する対処法などを、分かりやすく丁寧に解説してくださっている。それによれば、やはりオンラインゲームに依存するタイプと、SNS(twitter,facebook,mixi)あるいはメールやチャット、最近急激に普及したLINEなど新型のコミュニケーションツールにはまっているタイプは分けて考えるほうがよいということだ。後者はコミュニケーション依存あるいはつながり依存とでも呼ぶべきタイプなのだという。

前者のゲーム依存はその性質が、現在すでに取り上げられているアルコール、薬物、ギャンブルなどの依存症ととてもよく似ている。ちなみにゲーム依存症のチェック項目というのを調べてみたら以下のようなものがあった。

◦ゲームに費やしている時間を偽る
◦やるべき事の前にゲームを始める
◦自己紹介をするとき本名ではなくwebネームを使う
◦現実よりもオンライン上の方が感情の起伏が激しい
◦ゲームをしていないと幸福感に乏しく、退屈、空虚な感じがする
◦ゲームによって(具合が悪くなったりなどの)身体的影響や睡眠パターンの変化がある
◦ゲームの時間を削ったり止めると、落ち着かなくなる、感情的になる、悲しくなる、不安になる、イラつく
◦ゲームのための時間をもとに、一日のスケジュールをたてる
◦ゲームをするためにイベントなどを欠席したり早めに帰ったりしたことがある
◦ゲームを中断されると、すぐに動揺する
◦プレイ時間をコントロールできると思っているが、実際やろうとすると切り上げられない

3番目と4番目の項目を除けば「ゲーム」の部分をアルコールやギャンブルなど他の依存他の依存症のチェック項目に置き換えても共通するものばかりなのが分かる。ゲーム依存自体は決して新しいものではない。テレビゲームが登場したのは1980年代で、それ以降この問題は継続的に社会に浸透してきた。ゲームをするためのツールもどんどん変化して、テレビからゲーム機、そして現在はPCや、タブレット、携帯を使ってネット上でプレイをするオンラインゲームが急激に普及して現在に至っている。そしてネット依存の対象がゲームであり、上記のチェック項目の多くに該当する場合はゲーム依存症の可能性が非常に高く、他の依存症と同様に脳がゲームをやりたいという欲求にたいするコントロールを失っているものと思われる。

小寺氏の「青少年のネット依存を考える」によると「クローズアップ現代」で紹介された韓国の場合は、ネット依存者の7~8割がこのオンラインゲームの依存であるという。このコントロール障害としてのゲーム依存症は、不登校や引きこもり、あるいは多額の課金による経済的な問題、そして「クローズアップ現代」でも取上げられていたように、人間的な感情(悲しいとかうれしいとかいう)が理解できなくなるという様々な問題を起す。
だからこのケースは、精神科や心療内科でのカウンセリングや、社会生活に適応できるようになっていくためのリハビリが必要になる。

ただこれも繰り返し書いてきたが、日本ではこと依存症に関しては、患者や家族が治療に取り組むためのネットワークやシステムが、ほとんどできてはいない。前に田辺等先生の「ギャンブル依存症」という書籍を紹介した時に、依存症について田辺先生は「薬物療法や化学療法などの医療にはなじみにくい心の問題だ」という見解を述べておられて、私は実はここが依存症を考える上でのとても大切な点であり、なおかつ急激な社会の変化とともに多様化した心の病の治療を困難にしている大きなポイントのような気がしている。医療の範疇に入らないから、専門家ですらこれらの問題に積極的に取り組もうという人が少ない。そして治療の方法としてはカウンセリングや、患者同士で話し合いをする自助グループへの参加といった、時間がかかる割に患者自身が回復を実感しにくい極めてアナログな方法しか現状では存在しない。

しかしそれでも現代の社会ではこうした問題が決して特異なことなのではなく、もはや自分たちの身近に存在しているという問題意識の共有が最優先なのだと思う。
先日認知症のお年寄りが犯罪などに巻き込まれることを防ぐために、介護従事者や、医療関係者、詐欺などの被害に対応するために法テラスなどの法曹関係者のネットワークが作られたというニュースがあった。同じように依存症の問題についても、様々な依存症に医療や法律の関係分野が包括的に対応できるネットワークや、患者や家族を回復に結びつけるためのシステムの形成が急務なのではないだろうか。