NECは、2018年9月から画像販売を予定している同社の高性能小型レーダ衛星「ASNARO-2」の機能・運用確認フェーズにおいて、初画像の取得、また九州南部の霧島連山(新燃岳)の緊急テスト撮像に成功した。
「ASNARO-2」は経済産業省の助成事業として同社が開発・製造した質量570kgの小型の地球観測衛星であり、イプシロンロケット3号機によって内之浦宇宙空間観測所より2018年1月18日に打ち上げられ、現在は高度約500km、地球1周約90分の軌道を順調に飛行している。
初観測画像は打ち上げから18日目の2月4日に、ヨーロッパ上空を飛行中に取得。撮像時は日没前後あるが、区画割りされた田園地帯、道路・河川の様子が見て取れる。畑の農作物の育成状況により明るさが異なることも確認できる。
また、3月1日に小規模噴火に至った宮崎県と鹿児島県の境にある新燃岳周辺の緊急テスト撮像を、3月4日と3月10日の2回行った。光学センサーでは噴煙でさえぎられて観察しづらい火口周辺における溶岩の動きなど地表の様子を、詳細に捉えることに成功した。