アストロスケールホールディングスの子会社で人工衛星の製造・開発を担うアストロスケールは、2023年度内にミッション実施を予定している商業デブリ(宇宙ごみ)除去実証衛星「ADRAS-J(アドラスジェイ、Active Debris Removal by Astroscale-Japan )」のニュージーランドへの出荷を完了した。
同衛星の輸送は、アストロスケールとマーケティングパートナーシップを締結している郵船ロジスティクスによるもの。
アストロスケールは、大型デブリ除去等の技術実証を目指す宇宙航空研究開発機構(JAXA)の商業デブリ除去実証(CRD2)フェーズⅠの契約相手方として選定、契約を受けて、ADRAS-Jを開発した。
ADRAS-Jは、ニュージーランドのマヒア半島にあるRocket Labの第1発射施設(Launch Complex 1)での打上げを予定しており、同社のロケット「Electron(エレクトロン)」による打上げ・軌道投入後、非協力物体である日本由来のロケット上段への接近・近傍運用を実証し、長期にわたり放置されたデブリの運動や損傷・劣化状況の撮像を行う。
同ミッションは、実際のデブリへの安全な接近を行い、デブリの状況を明確に調査する世界初の試み。これはデブリ除去を含む軌道上サービスにおいて不可欠な要素。