アイスペース(東京都港区、袴田武史社長)は、アメリカのチャールズ・スターク・ドレイパー研究所らとともに、アメリカ航空宇宙局(NASA)へ10年間で予算総額26億ドルの月面への輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services=CLPS<クリプス>)の提案を行い、NASAにその提案が採択された。アイスペースが参加するドレイパー研究所のチームを含む合計9チームが今回採択された。
日本のスタートアップを含む合同チームがNASAのCLPS契約に採択されたことは、これまで国主導だった月探査が国際協力をベースとした民間主導のミッションに切り替わる重要な分岐点になり、また世界の宇宙開発を先導するNASAが大きく舵を切ることで日本をはじめ各国にも大きな影響を与える。
NASA CLPSへの提案では、ドレイパー研究所が契約主体となり、日本のアイスペース、アメリカのジェネラル・アトミックス、そしてアメリカのスペースフライト・インダストリーズの3社が加わり、合計4社による提案を行った。
ドレイパー研究所は契約主体として、ペイロード運用と月着陸船のGN&Cシステム開発、そして全体管理を行う。アイスペースは、月着陸船の設計とミッション管理、運用に加えて、高頻度のペイロード輸送サービスを担う。アイスペースが設計した月着陸船に対して、ジェネラル・アトミックスは製造と組立、試験を担当。スペースフライト・インダストリーズは、搭載作業を含むロケット打ち上げサービスを担う。