JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

なんて幸せな日 SPIRITUAL / BOOSO MARSICO MINETTO

2012-01-19 22:16:42 | 聞いてますCDいいと思う


ボッソがゴスペルを吹くアルバムの題名は「SPIRITUAL」、これはとても魅力的なアルバムだと思う。
ボッソのハイノートであれ、高速フレージングであれ、バップ・フレージングであれ、とても魅力的だけれど、もう一つ、歌物を吹くのがとても上手いのです。
カントーネやボサノバの歌をとても小粋に吹き上げるアルバムがとても良かったので、このアルバムもきっと流石ボッソとなる予見でした。

1曲目、テーマのあと快調なバップ・ソロ、流れる様に次から次へと続くフレージング、絵に描いたようなオルガンソロからドラムスとのバース、一気にアルバムの雰囲気を造ります。
2曲目、“Down By The Riverside” は得意のプランジャー・ミュートを使っての古きアメリカ調、このごろボッソか鳴らすこのミュートで音色を変える演奏をするように感じます。
3曲目ゴスペルの“Oh Happy Day”まるで教会か、南部の集まりで歌っているような、教会のミサを思い出します。
帰る家があって、暖かい食事をいただけて、お風呂に入って、ベットで読書も出来る。
それに一杯いだだけるのですから、“なんと幸せな日”でしょうと、罪深い私は思ってしまいます。本当は教えにたがうわが身の許しを神に祈り、罪が清めれれる事を信じられるのが幸せな日なのでしょうね。
ウーム、うまく釣り合いがとれないものか、一杯いただきながら、罪を反省し、許されるという日々を・アーメン。
こんなことを書いて、罰が当たりませんように・アーメン。
どちらにしても幸せで、4曲目の“Good News”があればもっと良い。アーメン。
5曲目は、オルガンの Marsicoの曲はブルース調でアルバムの雰囲気にピッタリ。
6曲目はゴスペルをボッサで、オルガンの音とフレーズは、ワルター・ワンダレーの軽やかさを思い出しました。
8曲目“エーメン”を一気のアドリ・プレー、ボッソのフレージングを聞いていると、張り合っているでもないのに、「かなわない!」と思ってしまいます。

全体に明るく神に祈っている演奏で、なんか一緒に楽しく祈ります。

ああ ハッピー・デイ・アーメン。



SPIRITUAL / BOOSO MARSICO MINETTO

Fabrizio Bosso(Tp, Flh)
Alberto Marsico(Or, P)
Alessandro Minetto(Ds)
Rec. November 10, 2010, Italy

1 Joshua Fit The Battle Of Jericho
2 Down By The Riverside
3 Oh Happy Day
4 Good News
5 Lou
6 Nobody Knows The Trouble I've Seen
7 Mercy Train
8 Amen
9 When The Saints Go Marchin' In
10 Amazing Grace

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月に吠える  Experience / Carsten Dahl

2012-01-18 22:25:55 | 聞いてますCDいいと思う


なんともマヌケな話ですが、それが現実なので記事にします。
昨年末に買ったアルバムでも記事にしていなかったアルバムの、題名もきめて書き始めて、途中演奏者をけんさくしたら、なんと自分の書いた、その記事のアルバムに当たりました。
ということで既に記事にしているのに、すっかり忘れて、アルバムを買って、記事にしてしまいました。
それも、評価のランクも違ってしまいました。トホホ・・
アルバムはCarsten Dhalのアルバムで、昨年末に中古で仕入れましたが、まえのは記事にした当初は余り気に入らなくて、どうやら中古屋さんにいったらしく、棚にはありませんでした。
当時の記事の題名は「ムツゴロウ食をべたことありません」で、題は思い出しました。

今回このアルバムを聞き始めて、前と同じようにアリャリャとおもったものの、ひょっとしていいかもと聞き進んで思い浮かんだ題名が「月に吼える」

群馬県出身の日本近代詩の父と称される萩原朔太郎の第一詩集のタイトルの「月に吼える」です。
詩は嫌いでないので読んだことはあるでしょうが、まるで忘れてしまっています。覚えているのは詩集のタイトルだけ、そのタイトルが思い浮かんだので、詩とは関係ありません。

アルバムの音を聞いていて思い浮かびました。
1曲目、アルバート・アイラーにチョット似ているビブラート、現代のブラスバンドでは絶対楽器を取り上げられてしまうようなアルトのおとで、アンリャと思って始まります。
2曲目、これもアルト・サックスのソロが大きくフューチャーされた演奏で、スパニシュ調の演奏、昔ブラバンの先輩の吹く、“闘牛士のマンボ”のおぞましいアルトソロを思いだしました。
バックのディールのピアノがとても美しい。
3曲目、完全フリーで始まるアルトから始まってこれは短いインプロ、4曲目、このアルとのひとオーネット・コールマンのフリークなのかもしれません。
6曲目、吼えるアルトのバックでは怒涛のドラムス、ベースも強靭なリズムをあおってと、聞いているうちに懐かしいフリー・ジャズを思い出しました。
気のあったミュージシャンが集まって、昔やっていた形式で自由に演ろうみたいに、ある意味個人の自由が4つ集まったような演奏で、その側から見れば、これはなかなか楽しいアルバムに思えてきました。
以前のときに「どちらでも」といっておきながら、今回は「いいと思う」に変更です。
いつも聞きたいアルバムにはなりませんが、なんか懐かしいエネルギーを感じます。
このメンバーで新しい録音もしたみたいですから、評判も悪くは無かったのかもしれません。
沢山JAZZを楽しんだ人ならば、アイラーとかオーネットとかアラン・シルヴァなんか思い出して楽しいかもしれません。
10曲目、もの悲しさを含んだアルトのバラッド・プレー、やっぱり題は「月に吼える」で良いと思ったわけです。

敗戦とその後を経験していない朔太郎の作品は、余り惹かれた想い出がありませんが、病弱な青年の繊細な未熟間があるのでしょう。

アルバムとはイメージ違いますが、折角ですから、「月に吼える」内の一遍を読んでください。
「むつごろうを食べたことありません」は読むことありません。


かなしい月夜  萩原朔太郎

ぬすつと犬めが、
くさつた波止場の月に吠えてゐる。
たましひが耳をすますと、
陰気くさい声をして、
黄いろい娘たちが合唱してゐる、
合唱してゐる。
波止場のくらい石垣で。

いつも、
なぜおれはこれなんだ、
犬よ、
青白いふしあはせの犬よ。

Experience / Carsten Dahl

Carsten Dahl(p, per)
Jesper Zeuthen(as)
Nils "Bosse" Davidsen(b)
Stefan Pasborg(ds)


1.Andedans
2.Okto
3.Stop One
4.Psykocalypso
5.Small Intermezzo
6.Do You Know Homeless?
7.Statements
8.Stop Two
9.Dem Tanzen Fur Thomas(Agergaard)
10.15 Gode Grunde Produced by Carsten Dahl
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熱い風を受けて NINTYMILS / S・Harris D・Sanchez C・Scott

2012-01-17 20:41:22 | 聞いてますCDおすすめ


昨年欲しいと思って今年になってしまったもう一枚がこれ、「MILES ESPANIOL」が輝く太陽の光みたいにいったら、こちらはキューバからの熱い風が吹いているのです。
って今寒いから買ったみたいになりました。
Stefon Harris (vib)、David Sanchez (ts)、Christian Scott (tp)の三名が念願のキューバに渡って地元のミュージシャンと録音したアルバム、といってもこの3人アルバム持っているのはクリスチャン・スコットだけですから、ほとんど知らない。
1曲目コンガの入った熱いリズムにテナーとペットの2管のことらも厚いハーモニーで始まります。
3曲目、ベースが低くコンガとリズムをとると、ヴァイブの音が重なってくるあたり、W・ショーターの「Odyssey Of ISKA 」を思い出しました。そこでバイブを弾いているのはボビー・ハチャーソンだとおもっていたらDavid Friedman でした。でもStefon Harrisはハチャーソンに雰囲気にています。
4曲目、デヴィッド・サンチェスのテナーの音がストレートでとても良い。
6曲目はクリスチャン・スコットのペットのソロが凄い、自信のリーダーアルバムは小難しいことを入れようとして、才能かんじるのにすこし惜しいアルバムとなっていましたが、こちらは、ペットのフレーズ集中、なんだか修学旅行にきた高校生のように勢い良く吹いています。
7曲目、この3人をささえているキューバのミュージシャンが凄いからこうなったとのでしょう。地元のリズム隊となると、だれか一人ぐらい落ちるのですが、それがまるでない、対等な自信で向き合います。
ニューヨークから渡った3人の若い熱とキューバーの一流の熱い熱が絡まりあって、今という熱い風を受けることができました。

NINTYMILS

Stefon Harris (vib)
David Sanchez (ts)
Christian Scott (tp)
with two Cuban Jazz Quartet
Rember Duharte (piano,vox)
Harold Lopez-Nussa (piano)
Concord Picanta 2011

1. Nengueleru
2. E'cha
3. City Sunrise
4. The Forgotton Ones
5. Black Action Figure
6. Congo
7. And This Too Shall Pass
8. Brown Belle Blues
9. La Fiesta Va

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ニューヨークからの贈り物

2012-01-15 21:04:40 | その他
食事をしていたら、歯が欠けてしまい、かぶせていた金属もとれてしまいました。
オクサンの友達のだんなさんが歯医者さんで、信頼してしているので歯の治療はずっとおねがいしている。
休みの午前中に見てもらったので、そのまま帰るのももったいない、久しぶりにオクサンと待ち合わせて映画を見ることにしました。歯医者さんのあるところから東横線で渋谷にでて、まずはチケットを買ってオクサンは先にお昼のお店にいっています。

でみた映画はニューヨークの雰囲気をよく覚えているうちに見ようということで「ニューイヤーズ・イヴ」年が明けてはしまいまいたが、映画館に行くのは久しぶりです。

その前にランチ、昔からずっと営業している、この前も友達に紹介してあげて(オクサンが)大変よろこばれたお店に久しぶりに行った見ました。人気なので並んでいますが、驚くほど安くておいしいとても価値のあるお店です。

頂いたのがまずはオクサンがこちら“渡りがにのビスク、オマールえびのソテーピラフ添え”



私のほうはランチで“にんじんのスープとサラダ、スズキのソテー、それにパンプディングのデザート、コーヒー”です。
1プレートに乗って出てきます。



テーブル同士がくっついていてパリの雰囲気、そして料理はパリよりもずっとおいしいというのがパリ通の話です。
狭くてもかまわないという人はぜひ行ってみてください。
さてハウス・ワインのカラフェをいただいて、お値段はいくらだと思いますか。
驚くなかれ、二人で総額3,600円です。お店の名前も知りたいでしょうね。渋谷駅から青学のちょっと登った路地にあります。記事にしても迷惑はかからないでしょう。店名は「コンコンブル」ただし並ぶのを覚悟してください。

とても満足して、このお店からすぐのところにある映画館に、映画は、タイムズ・スクエアで行われる年越しカウント・ダウンの一日のいろいろな人生というところで、新年ですからあまり考えずにハッピーな内容は想像通り、あの場所の人ごみの中を歩いた思い出がよみがえりました。いくつかの場所とか、あの角のお店覚えているようなとかありました。



そのニューヨークより贈り物が届きました。



アメリカにいる息子1とオクサンから新年のカード、そして少し早いけどともう一つカード。



これは私宛でメッセージはヒミツ、ダンヒルのネクタイが添えてありました。
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輝く光を浴びて MILES ESPANOL / BOB BELDEN

2012-01-14 22:32:28 | 聞いてますCDおすすめ



昨年末にblogを書かれている方が1年で買ったアルバムのベストを選んでされていますが、それを見ていて欲しくなったものを2枚頼んでそのうちの一つ。
出た当初ショップで手にとって出だしを試聴しましたが、ちょっと美しいすぎる、それにスペインでチック・コリアかとスルーしていたのですが、とても聞きたくなりました。実は名前を見れば必ず買っているチャノ・ドミンゲスがピアノを弾いている曲があるのを気がつきませんでした。

アルバムはマイルスのスケッチ・オブ・スペインから3曲とミュージシャンの曲、トラディションで全16曲、CD2枚です。
1曲目アランフェスのテーマをハープからオッズとフルート、オーボエがひきつぐ展開は、サブタイトルにニューとうたうならではのアレンジを感じ、後半のウードのインプロで個性的な感じにまとまります。
2曲目、コリアのピアノソロ始まるコリアの曲、ジェレミー・スタイグ風のフルート・ソロ、コリアのソロも締まった良い演奏です。
3曲目、ウードでの静謐な始まりは段々とコンガなどのリズムがベースとなってミュートのペットはマイルスよりかマイルスらしい懐かしさです。ウードの奏者Rabih Abou-Khalilの曲だそうですが、ニュー・スケッチとうたうだけの価値ありです。
4曲目はスパニシュ・ギターとフルートのデュオ、フルートは完全カンテ、この即興はフラメンコです。
5曲目ゴンザロ・ルバルカバの曲はトリオ演奏、現代的な曲で、DISC 2の表示と入れ替わって居るようです。
7曲目、エドセル・ゴメスの演奏もソプラノ・サックスがはいるのですが、ノートには記載がありません。曲はカッコいいけどフェード・アウト、これは疑問。SSの人の名前が見つかりませんから、これ録音後の事情があったのかもしれません。
8曲目は“Saeta ”とトラディション、バグ・パイプの不思議な雰囲気は次第に溢れかえるリズムの混沌を生んで、オリエンタル・マーケットに居るように雰囲気でデイスク1を終えます。

デイスク2、1曲目はチャノ・ドミンゲス、世界で有数の美しいピアノの音を出す人だと思っているチャノらしい、フルートをいれた演奏。
2曲目はマイルスのフラメンコ・スケッチス、コリアのピアノに聞こえるけれど、チャノのようです。
3個曲目はコリアで軽めの曲。5曲目がゴンザロのソロ、デイスク1よりか小品というよりかまとまった曲が多いようです。
7曲目はチャノのピアノ、スパニシュ・ギターとのデュオ、私としてはデイスク2はチャノを聞くデイスクです。
最期はウードやホーンなどの大きな変成で、各楽器とパルマでディスク1の雰囲気に戻っておわります。

年が明けて毎日、とても寒い日が続いて、フッと思い出すのが、少し熱いくらいの輝く太陽、この音楽が輝いて光っているのです。

MILES ESPANOL / BOB BELDEN NEW SKETCHES OF SPAIN

Bob Belden(Produced and Arranged)
1.Concierto de Aranjuez: Lou Marini(B-Fl), Charles Pillow(Oboe), Michael Rabinowits(Bassoon), Mike Wiliams(Tp), Tim Hagans(Tp), John Clark(French Horn), Rabih Abou-Khalil(Oud), Edmar Castaneda(Harp), John Benitez(B), Alex Acuna(Bongos), Brahim Fribgame(Dumbek), Adam Rudolph(Cajon)
2.Trampolin: Chick Corea(P), Jorge Pardo(Fl), Ron Carter(B), Antonio Sanchez(Ds)
3.Just Three Miles: Tim Hagans(Tp), Rabih Abou-Khalil(Oud), Chano Dominguez(P), Scott Kinsey(Syn), Vince Wilburn, Jr.(Ds), Alex Acuna(Cajon, Quinto, Maracas), Adam Rucolph(Darabuka, Caxixis), Sammy Figueroa(Congas, Ganza), Bob Belden(Timpani, Marimba)
4.Duende: Jorge Pardo(Fl), Nino Joseles(G)
5.Fantasia Por Miles Y Gil: Gonzalo Rubalcaba(P)
6.Broto Y Cayo: Nino Joseles(G), Alex Acuna(Wood Bata), Adam Rudolph(Sintir)
7.Paisaje Urbano: Edsel Gomez(P), John Benitez(B), Alex Acuna(Ds), Sammy Figueroa(Congas)
8.Saeta / Panpiper: Cristina Pato(Bagpipe), Lou Marini(Fl), Michael Rabinowitz(Bassoon), Mike Williams(Tp), Tim Hagans(Tp), John Clark(French Horn), Charles Pillow(English Horn), Edmar Castaneda(Harp), John Benitez(B), Alex Acuna(Bells, Maracas), Adam Rudolph(Qarqaba, Tabl), Brahim Fribgame(Cajon)
(Disc Two)
Bob Belden(Produced and Arranged)
1.Spantango: Chano Dominguez(P), Eddie Gomez(B), Jack DeJohnette(Ds), Luisito Quintero(Congas)
2.Flamenco Sketches: Sonny Fortune(Fl), Jerry Gonzalez(Flh, Congas), John Benitez(B), Chano Dominguez(P), Alex Acuna(Ds), Sammy Figueroa(Congas)
3.Tirititran Catalan: Nino Joseles(G), Chick Corea(P), Carles Benavent(El-B), Jack DeJohnette(Ds), Alex Acuna(Per), Sammy Figueroa(Per), Jerry Gonzalez(Per)
4.El Swing: John Scofield(G), Chick Corea(P), Eddie Gomez(B), Jack DeJohnette(Ds)
5.Momento: Gonzalo Rubalcaba(P), Ron Carter(B), Alex Acuna(Ds)
6.Teo / Neo: Edsel Gomez(P), John Benitez(B), Alex Acuna(Ds), Sammy Figueroa(Congas)
7.Beautiful Love: Nino Joseles(G), Chano Dominguez(P)
8.Solea: Lou Marini(B-Fl), Michael Rabinowitz(Bassoon), Mike Williams(Tp), Dominick Farinacci(Tp), John Clark(French Horn), Charles Pillow(English Horn), Victor Prieto(Accordion), Jaco Abel(G), Rabih Abou-Khalil(Oud), Edmar Castaneda(Harp),Carles Banavent(El-B), Alex Acuna(Per), Sammy Figueroa(Per), Jerry Gonzalez(Per), John Riley(Timpani)
Rec. April 10-16, 2010, NY


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もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら  工藤美代子著

2012-01-13 22:17:41 | 



この本の内容は、本の題名になっているそのままで、ノンフィクション作家が体験してきた不思議な出来事15の一連の話として綴ったものです。

図書館の順番が廻ってきたものですが、何処でその本を知ったのか、何かに導かれた様に、てな訳はなく、ただ忘れただけです。

「嘘は書かない」「盗作はしない」をノンフィクションのベースにしている著者が、体験している不思議な出会い、脚色などはしないので、その不思議さは色濃いわけではありません。
著者は「鈍感」で霊感がないとたびたび文中で言うけれど、不思議の内容は筆者の行動を制約していくのです。
このような内容を語ること自体が排他されるなかで、ノンフィクション作家の意気を通した作品なのでしょう。
普通の人では見えない人を見ている、いないはずの誰かがそこにいることを感じるというような話は、決して気持ちの良いものではないし、心を残して亡くなった霊がいるとするととてもさびしいことでそれを体験したいとは思えない。

恐ろしい気分ということを、あえていうならば、今の家に引っ越してきた15年ぐらい前のある夜、家の外にそれは恐ろしい邪気がわが家を狙っているようでゾッとしたことがある。
そこら辺の防御もしているので、そんな一晩があっただけだけど、この本をよんでそれを思い出しました。
真逆の、天使に導かれたのではと思うような素敵な出会いや音楽を実感しているので、反対側のこの本のようなこともありかもしれません。
輝く場所も薄暗い場所もこの世には存在し続けるのでしょう。

この本がおどろしい余韻をのこすのは、実は霊の存在や出来事が壮絶だからではありません。話の一つ一つは不確かなそうじゃないかの想像も含まれているのです。
それぞれの話の霊の存在はそれほど色濃いわけでなく、一連の話は筆者の一族の歴史が綴られているのです。
それは一族が引き継ぐ呪縛のように連なって、筆者やその家族に連なっているのです。
その私小説的重たさが、不気味な後味を残すのです。
そういう意味で、三面記事的に読めばたいしたノンフィクションではないのかもしれませんが、血族の囚われというノンフィクションとして読むとそれは恐ろしい本となっているのではないでしょうか。
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ビリー・ストレイホーン・コンプレックス Passion Flower / Fred Harsch

2012-01-12 22:10:36 | 聞いてますCDいいと思う


若い頃はレスター・ヤングを凄く良いという人に、コンプレックスを持ったなどと書いて、解決をはかりました。
コンプレックスと考えたら、もう一人思い浮かびました。
その人はビリー・ストレイホーン、デユーク・エリントン楽団のアレンジャー、作曲家、多くの曲を聞いていますが、どうもピッタリこない、それで昨日に続いて助っ人をよんで解決です。
その助っ人がフレッド・ハーシュです。彼のアルバムはだいぶそろったので、最近ではいつも探しているとう状態ではなくなりましたが、これは昨年末に出会った1995年録音のアルバムで、
ビリー・ストレイホーンの曲を、ソロ、トリオ、ストリングス・オーケストラなどで演奏しています。

1曲目はピアノ・ソロ、これが美しい“Lotus Blossom”ってこんなにきれいだったけ、しずやかで慈しみ深い女性が座っているよう、フレッド・ハーシュのおかげでしょう。
2曲目はストリングス入りでちょっと甘い感じ。
3曲目、トリオ演奏は“アッパー・マンハッタン・メディカル・グループ”という変なタイトルで、私ストレイホーンが苦手なのは、英語をペラペラしゃべれれて、それが解らない感じに少しにています。
4曲目はピアノ・ソロでこれはこれで美しいけれど、なんかコード進行を決めてそれで出来上がりみたいに思うときがあるのです。
6曲目は男性ヴォーカル入り、Andy Bey は初めてですが、このとき既に54才の人でジョニー・ハートマン風の甘い声で恋の歌。
9曲目が“Ballad For Very Tired And Very Sad Lotus-Eaters”というなんとも良く解らない題名の曲で、ところがこれが美しい、ハーシュのシングルトーンとハーモニーがそれぞれ空中を漂っているように感じます。

このアルバムの録音が1995年、とても素晴らしいアルバム「Point In Time」の次ですので、このころが一番充実していたような感じです。

ビリー・ストレイホーンが解るようになったかというと、そっちは答えることができませんが、この曲美しいと思うためには演奏が大切ということはわかりました。


Passion Flower / Fred Harsch

Fred Hersch (p)
Drew Gress (b,2,3,5,7,9,11,12)
Tom Rainey (ds,2,3,5,7,9,11,12)
Andy Bey (vo,6)
Nurit Tilles (p,7)
String Orchestra

1. Lotus Blossom
2. Day Dream
3. U.M.M.G. (Upper Manhattan Medical Group)
4. Pretty Girl (The Star Crossed Lovers)
5. Rain Check
6. Something To Live for
7. Lament For An Orchid (Absinthe
8. Elf (Isfahan)
9. Ballad For Very Tired And Very Sad Lotus-Eaters
10. Tonk
11. Passion Flower
12. Lush Life

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Friendly ・プレス PRES and TEDDY+1

2012-01-11 21:30:55 | 聞いてますCDいいと思う


レスター・ヤングの良さをもしくは凄さを理解しないまま、永くJAZZを聴いてきたなどと書いたらとたんに信用を失うかもしれないけれど、もともとたいしてないのだから、みえを張るよりか良いと思う。
当時レスターを聞いてもそれは凄いと思ったけれど、それをいつものように楽しんで、いいんですねと言えなかったことに、それを普段に言える人にコンプレックスを感じていたわけで、それがそのまんまでした。

でもまずいはまずいので、そこは少しは修正しないと思い、有名なアルバムを仕入れてきました。

1956年の録音で、この時期のレスター・ヤングがどのような状況に陥っていたかは、昨年出版されたジェフ・ダイヤー著村上春樹訳「バット・ビューティフル」の描写がこの時期で、なんとも悲惨な、もはやどうしようもなく病んでいたヤングを知っています。
レスター・ヤングの凄さを知るには、1930年代のベイシー楽団を聞くことが常識でしょうが、聴きやすいこちらがまずは昨日つながりです。

昨日のハリー・アレンよりかは軽やかに、そしてこびずに素直な節まわし、とても聞きやすくて、それでレスター・ヤング、1956年という時代が良いのです。
現代のハリー・アレンがこのまま吹いても決して褒められない。そこが現在系の辛いところ、そこが古い録音の良いところかもしれません。

久しぶりのレスター・ヤングは50前で、私は既にそこを通り越しているので、もはや怖がることもない、柔らかいフレーズはとても親しみを感じて(運命は似て欲しくない)良い機会でした。


PRES and TEDDI+1

Lester Young(ts)
Teddy Willson(p)
Gene Ramey(b)
Jo Jones(ds)

Recording Jan.13 1956

1.All of Me 
2.Prisoner of Love 
3.Louise
4.Love Or Leave Me 
5.Take A Chance On Love
6.Love Is Here To Stay 
7.Pres Returns

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レスター・ヤング・コンプレックス Blues for PRES and TEDDY / Harry Allen

2012-01-10 21:42:45 | 聞いてますCDいいと思う


今年最初のアルバムにしようと買いにいった寺井尚子のリベルタンゴと一緒になんだか面白くなって買ったのがこれ、だから決めたのは去年最期のアルバムでした。

ハリー・アレンを買わなくなってどれぐらい経つのでしょう、顔は何度も見ているのに、ほとんど通過です。ですからスイングブロスなるレーベルもまるでしらない、ジャケをよんだら、BGMから独立した平川正芳氏が立ち上げたレーベルとのこと、私のアレン最期はこのBGMのボサノヴァ「Eu Nao Quero Dancar - I Won't Dance」だったとおもうからもう12年以上です。
年末にこのタイトルでこのジャケを見てしまったら、ここまでやるのかと逆に面白くなって買いました。
ご本尊とタイトルを分けるためにBlues forがついたのでしょう。
ハリー・アレンをほとんど聞かなかったけれど、考えてみればレスター・ヤングの方も余り得意ではなかったのを思い出しました。
ジャズを聴き始めの若造のころ、結構お年の方がレスター・ヤングが良いのですねと発言されているのを読んだりすると、どうもこちらは解らないので答えがない。
その頃には亡くなっているので、追っかけるわけでもなく、新しいものをドンドン聴くからそのまんまになってしまいました。
あの時代の巨匠たちの、アドリブを楽しんだ方にコンプレックスができていたのです。

でこのアルバム、ジャケも似せたプレスのアルバム「プレス・アンド・テディ」の曲6曲、収録順にならんで、間にスタンダードとオリジナル7曲演奏したものです。
アレンが久しぶりなら、プレスを思い出すのも久しぶり、較べることもできませんが、かなり楽しい。
1曲目から3曲目はプレスのアルバムの1曲目から3曲目、あんれプレスの吹き方ではないよな、あんれアレンってこんなブローをしたんだっけと無責任に楽しく聴きます。
1曲目、特にレスター・ヤングを意識したとは思えない、出だしの感じ似せて初めてアレンらしく吹いている感じです。
これはあんまりレスターヤングの奏法とか、アルバムを考えない方が良い。
3曲目“Louise”は気軽に乗って、こうゆう楽しみ方、実はあまりしてないと、ちょっと反省です。
4曲目“Stardust ”はゆったりと、これがまたリラックスできます。
5曲目が“On The Sunny Side Of The Street ”をちょっとアレンジして、このアルバムプレスに収録されている曲より、挟まれたスタンダードのほうが伸びやかで良い感じでないでしょうか。
ハリー・アレン、簡単なように吹いているように聴こえるけれど、これがアレンの実力なんでしょうね。
レスター・ヤングのスタンダードと並べて、現代的に、でもテナー・サックスの癒すような楽しさを伝えているのです。
でもレスター・ヤングが本当はどうだったかは解らないままで、よく知らないコンプレックスは残ります。

Blues for PRES and TEDDY / Harry Allen

Harry Allen (ts)
Bill Charlap (p)
Peter Washington (b)
Dennis Mackrell (ds)

1 All Of Me
2 Prisoner Of Love
3 Louise
4 Stardust
5 On The Sunny Side Of The Street
6 Love Me Or Leave Me
7 I Didn't Know What Time It Was
8 Taking A Chance On Love
9 I'm Confessin'
10 Almost Like Being In Love
11 ( Our ) Love Is Here To Stay
12 Blues For Pres And Teddy
13 There Will Never Be Another You
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死のサハラを脱出せよ クライブ・カッスラー  中山義之訳

2012-01-08 21:04:08 | 


昨年読む本が決まらないところ、この人の名前を知ったのでどれか読もうと選んだ(図書館で)一冊。
読むのにずいぶん時間がかかったのはいまいち波長が合わないからなのでしょうか。
読み始めたら、すぐに主人公がどんどん人を殺しちゃう、これまでにあまり経験のない展開です。

それで拾い読みを少し。

なんて馬鹿げた騒ぎなんだ、とピットは思った。計画に着手してからほんの一日半で、少なくとも三〇名の人間を殺し、ヘリコプター一機を撃ち落し、砲艦二隻を沈没させた。大儀名文の下でおこなわれたことだ、とピットは皮肉に思った。

「あなたは彼らを知らないからです」そこではじめて、ガンは強いて笑顔をみせた。「地獄に入っていって、テキーラのオンザロックを手に出てくる者が入りとすれば」とガンは新たな確信を得ていった。「そはダーク・ピット以外にいない」

ということで最後まで、こんなことが続いていて、実は読み終わってホッとしています。最後まで読んだのだからよいですが、ちょっとB級映画を見た感じです。

図書館に予約していたものがいっぺんに届いて、これは期限で読むのは無理のようですが、いくらかご報告できたらと思います。
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