夏休みに一寸長く列車にのるので、図書館でエイヤッって感じで選んだ文庫、悪くなかった。
真面目で不器用なワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケットの庭先で、かって検挙した男が死んでいた。猟区に発生した殺人の解決と巻き込まれていく家族を守ろうとする主人公というお話。
シンプルな文体で読みやすかったし、ストーリーが決まっていてもそれを楽しませる娯楽性があって良い、ということで正解でした。
このジョー・ピケットを主人公にした作品はこの、デヴュー作以後12作まででているようです。
家族に一寸尻にひかれたような主人公はこれまで好んで読んできたタイプではないので、次を読むかは微妙だけれど、多くの新人賞を獲得したこの作品はあたりだった感はあります。
一寸抜き書きはプロローグ最初の部分
強力なライフル弾が生きものに命中したときは、音ですぐわかる―パーン、ビシッ。遠く離れていても、間違いようがない。はずしたときのように、こだまや残響が尾を引く低いうなりが生じることはまずない。耳ざわりな衝撃音が地表を伝わってくるが、行き止まりに突き当たったかのように突然止まる。ぐいと引き戻されたかのように。命中音は、空挺隊員の着地のようにそっけなくて確実だ。その音がなんなのか知ったら、容易に忘れられない。
実は図書館では2冊を選んで、エイヤでこっちを持って行った。返却日になるので読まずに返すのがこちら。デイヴィッド・ローゼンフェルトの「弁護士は奇策で勝負する」、実はこっちの方が好みだったような気がするけれど、痛快がこの旅には合っていたと判断。
予約した次の番が廻ってきている様で、いつか読むかもしれない。
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