出張に持って出るのに、図書館から2冊借りて「死刑劇場」ロバート・ハイルブラン著を持って行き、なかなか面白かったのですが、もう一冊がこちらです。
まだ読み始めですが、面白いことにシチュエーションがまるっきり逆なのです。
“死刑”は捕まったのが黒人で“逆転”は白人。
その黒人は路上で婦人を襲って銃で殺人を犯したとされ、その白人は黒人に襲われた正当防衛として、しかし実際には命乞いする黒人を殺した犯人です。
黒人は死刑判決が下り、白人は無罪になります。
良くこうまで逆なものが並んだものです。2000年11月に高山祥子訳で発行された文庫です。
作者はペンシルヴェニア州裁判所の主席裁判官アシスタントを務めた後作家に転身した女性のリーガルサスペンス作家。
この作品がシリーズ化されたみたいです。
最初は裁判小説みたですが、主人公の女弁護士、ごろごろに殴られるは、命は狙われるは、最後のほうでは自分もと、活劇小説になってしまってすこし求めているものと違ってしまいました。
しかしこんな弁護士に関係者、ならないでよかった。
この小説の中にも陪審員制度の矛盾みたいなものが鮮明で読んでいると、昨日はTVでアメリアの裁判の矛盾をテーマとしていました。
この小説よりもこちらのほうが強烈なのでご紹介します。
テキサスで二人の強盗が店に押し入り店員を脅し、逃げる途中に打った銃で店員一人が死亡しました。
その銃を撃ったほうは終身刑、店員を脅したりしたほうがテキサス州の共犯者同罪の量刑規定により強盗共犯で死刑判決、11月20日に執行されました。
死刑を受けたほうについた弁護士が無能だったりしたこと、裁判での検察のアピールが強烈に陪審員に伝わったとのことです。
そしてもう一つ、裁判のやり直し請求は死刑執行30分前に却下 そして死刑執行されますが、死刑支持の多いテキサス州で知事再選を控えた知事が請求を却下したことも人の運命の厳しさを感じます。
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