昨日の朝日新聞に、「ワールドけいざい 揺らぐ欧州金融立国 金融危機後の英国・スイス」という記事がありました。
長らく金融立国として活動してきた英国とスイスが、経済危機後の対応の変化で、基礎がぐらついているのだそうです。
英国では、1980年代の「金融ビッグバン」以降、大幅な金融規制緩和が進みました。
1990年代にできた「金融サービス機構」(FSA、金融監督当局)は、経営者を信頼し、細かく口を出さない方針でした。
2001年に、アメリカのエンロン不正会計の影響で、アメリカの金融規制が強まると、ロンドン市場の魅力が相対的に高まりました。
2007年、ロンドン市場は、ニューヨーク市場を、外国企業の新規上場(その市場の競争力の目安となる)数で上回るようになりました。
しかし、金融危機後、税金で救われた金融機関に、国民の反感が高まりました。
「金融サービス機構」のターナー会長は、
「銀行の人材の多くが、複雑な金融技術に一生懸命になったが、あまり社会的な価値はなかった」と評し、報酬の支払い、経営者の資質のチェックなど、経営への介入を始めました。
銀行員を狙い撃ちにした、賞与への特別課税も決まり、「ロンドン脱出論」が言われるようになりました。
スイスは、「こちらは、納税者をお客者として扱います。英国のように、一夜にして賞与に税金をかけたりしません」と金融機関の勧誘を行っています。
スイスは、法律で顧客の秘密が厳しく守られており、名前がなく、番号だけの「秘密口座」で誰にもしられずに、お金をやり取りできる強みがありました。
外国の富裕層向けビジネスでは、世界トップのシェアを占めてきました。
海外富裕者向け金融業務の国・地域別シェア(2008年)
スイス 27%
英国 24%
ルクセンブルク 14%
カリブ海地域 12%
シンガポール 7%
アメリカ 7%
香港 3%
元々は、戦争や政情不安から資産を守るための制度でしたが、次第に脱税の温床となったと指摘されました。
銀行への税金投入により、各国で脱税への監視が厳しくなりました。
昨年夏には、スイスの金融大手UBSが、アメリカ国民450人の情報の提出を求められ、裁判沙汰になりました。
情報がもれることを恐れた顧客の流出が続き、UBSは452兆スイスフラン(約3兆9千億円)の資産を失った、ということです。
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2008年には、英国とスイスで50%以上のシェアを持っていたんですね。
税金が投入されると、監視が厳しくなるのは理解できます。
金融経営者の個人的な夢の実現・冒険の後始末や、たっぷりの賞与を、税金で行われては困りますから。
長らく金融立国として活動してきた英国とスイスが、経済危機後の対応の変化で、基礎がぐらついているのだそうです。
英国では、1980年代の「金融ビッグバン」以降、大幅な金融規制緩和が進みました。
1990年代にできた「金融サービス機構」(FSA、金融監督当局)は、経営者を信頼し、細かく口を出さない方針でした。
2001年に、アメリカのエンロン不正会計の影響で、アメリカの金融規制が強まると、ロンドン市場の魅力が相対的に高まりました。
2007年、ロンドン市場は、ニューヨーク市場を、外国企業の新規上場(その市場の競争力の目安となる)数で上回るようになりました。
しかし、金融危機後、税金で救われた金融機関に、国民の反感が高まりました。
「金融サービス機構」のターナー会長は、
「銀行の人材の多くが、複雑な金融技術に一生懸命になったが、あまり社会的な価値はなかった」と評し、報酬の支払い、経営者の資質のチェックなど、経営への介入を始めました。
銀行員を狙い撃ちにした、賞与への特別課税も決まり、「ロンドン脱出論」が言われるようになりました。
スイスは、「こちらは、納税者をお客者として扱います。英国のように、一夜にして賞与に税金をかけたりしません」と金融機関の勧誘を行っています。
スイスは、法律で顧客の秘密が厳しく守られており、名前がなく、番号だけの「秘密口座」で誰にもしられずに、お金をやり取りできる強みがありました。
外国の富裕層向けビジネスでは、世界トップのシェアを占めてきました。
海外富裕者向け金融業務の国・地域別シェア(2008年)
スイス 27%
英国 24%
ルクセンブルク 14%
カリブ海地域 12%
シンガポール 7%
アメリカ 7%
香港 3%
元々は、戦争や政情不安から資産を守るための制度でしたが、次第に脱税の温床となったと指摘されました。
銀行への税金投入により、各国で脱税への監視が厳しくなりました。
昨年夏には、スイスの金融大手UBSが、アメリカ国民450人の情報の提出を求められ、裁判沙汰になりました。
情報がもれることを恐れた顧客の流出が続き、UBSは452兆スイスフラン(約3兆9千億円)の資産を失った、ということです。
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2008年には、英国とスイスで50%以上のシェアを持っていたんですね。
税金が投入されると、監視が厳しくなるのは理解できます。
金融経営者の個人的な夢の実現・冒険の後始末や、たっぷりの賞与を、税金で行われては困りますから。