5月9日、ビルボードライヴ東京にて、ダイアン・バーチのライヴを観てまいりました!!この日は日本公演の初日で、私が観たのはその1stショー。
09年のデビュー作「BIBLE BELT」により古き良きSSWやニューソウル的なフィーリングで颯爽とシーンに登場し、2014年の2nd作「SPEAK A LITTLE LOUDER」ではより現代的、オルタナ的な方向にシフトし、今年リリースされたばかりの最新作「NOUS」では、さらにダークに、内省的な深みを増した世界を聴かせてくれるなど、作品を重ねるごとに進化を遂げている彼女。2014年以来2年振りの来日公演です。
客電が落ち、バンド・メンバーが登場。エリヤ・ライヒェン(Key)、スチュアート・マシューマン(Sax)、マーティン・シュトゥンプフ(B)、ヤニス・ゲルラッハ(Ds)の4人。2014年の前回来日からバンドを一新してきましたね、現在ダイアン・バーチが活動拠点としているというベルリンの人脈でしょうか?そのベルリン録音となった最新作「NOUS」にも参加したサックス奏者のスチュアート・マシューマンは、あのシャーデーのバックを長年務めてきている人。前回はビン・ジ・リンというメロウ・フィオーリングな職人ギタリストが核になっていた印象でしたが、今回はこのスチュアート・マシューマンが鍵になりそう。
さて、バンド・メンバーに続いてステージに上がったダイアン・バーチ。シックなドレスに身を包んでいるものの、深く切れ込みの入ったスカートはかなりセクシー。そして一言「こんばんは」と挨拶してピアノを弾き始める。その儚げな音色に導かれる曲は、最新作「NOUS」から「Stand Under My Love」。聴く者の内面を緩やかに浸食するかのようなバンド・グルーヴ、独特の緊張感のなか響くダイアンの歌声にうっとり。あのソウルフルな美声はそのままに、より深みを増した歌表現に心を打たれます。
そして2曲目以降も「Kings Of Queens」、「How Long」、「Walk On Water」と、新作「NOUS」からの楽曲が続き、その世界観をどっぷりと聴かせてくれる。中でも、深く沈み込むような曲調に物悲しく映えるダイアンのファルセットが美しかった「Kings Of Queens」とか、、幽玄なサウンドスケープにスチュアート・マシューマンのサックスの音色とダイアンの歌声が交差する「Walk On Water」辺りは特に素晴らしかったですね~。スタジオ作で聴かれるアンヴィエントな雰囲気を、生演奏ならではの人間味で捉えたようなバンドアレンジも見事でした。
続いてダイアンが思わせ振りにピアノを弾き始めたそのイントロは、1st作「BIBLE BELT」から「Fools」。やはり待ってました!ですよね。なんだかんだ言って、みんなデビュー作への思い入れは強いんですよ。序盤はなんとなく「NOUS」のウェットな質感を引き継いでいるような雰囲気を感じさせつつ、サビを終えたあたりから勢いづき、2番を歌いだす頃には観客席から手拍子もかかると、ダイアンの歌声もみるみるソウルフルに加速していく。そこにスチュアート・マシューマンによる爽快感抜群のサックスソロが追い打ちを賭け、ライヴならではのスイートな躍動感が駆け抜ける。やっぱり名曲。ですがこの日の個人的ハイライトは次の曲だったり。
続いてデビュー作から「Fire Escape」。いや~、これはダイアン・バーチのソウルフルなゴスペル・フィーリングが爆発でした!!素晴らしかった!もう本当に聴き惚れましたよ!ここぞというところで一人多重コーラス的なエフェクトをかける辺りも憎かったですね。ダイアンの歌声というのは何処か不思議な存在感がありますよね。爽やかでありながら、ディープな感性を内包している。エモーショナルに発散しながらも静けさが感じられる。この曲では特にそういうダイアンの魅力をたっぷり堪能させて頂きました。
さて、ステージはダイアンのピアノ弾き語りコーナーへ。まずはスチュアート・マシューマンのサックスとのデュオで再び「NOUS」から「Woman」。ピアノと歌とサックスによる、何処か教会を思わすような静寂とした雰囲気が素晴らしかった! さらに切れ目無しに「Smooth Operator」。来ました!シャーデーのカヴァーですよ!こういうサプライズは嬉しいですね。もちろんスチュアート・マシューマンのサックスも最高。そしてそのスチュアートもいったんステージを去り、いよいよダイアン一人の弾き語りに。曲は「Magic View」。これもデビュー作からですけど、意外と言うか、かなり渋い選曲ですよね。もちろん絶品でした。レアな選曲はまだ続きます。次はなんと新曲。おそらく「ライヴでやるのは初めて」とか「間違えたらすいません」とか言っていたように思います。「NOUS」に連なる魅力の曲でした。(後日公開されたセットリストによりますと「JUNO」という曲だそうです。)
いつの間にかバンドメンバーも戻ってきていて、いよいよステージも終盤。2nd作「SPEAK A LITTLE LOUDER」からタイトル曲「Speak A Little louder」と「Superstars」。それまでずーっとピアノの前に座りっぱなしだったダイアンでしたが「Speak A Little louder」では立ち上がってピアノから離れて歌う場面も。立ち上がるとすらっとしていてまるでモデルさんのような美しさ。参りますね~。そしてメンバー紹介を兼ねてバンド・メンバーによるグルーヴィーなインスト曲から名曲「Nothing But A Miracle」へ。
キーボーディストのエリヤ・ライヒェンがエレピでイントロを弾くのをダイアンが遮り、自分でエレピを弾いてみるも上手く弾けない、なんていうお茶目な場面もありつつ、あらためて仕切り直した「Nothing But A Miracle」はやっぱり素晴らしかった! こちらも名曲ですね。良い塩梅に崩して歌うダイアンの歌唱がまたラヴリーでした。やっぱりこの曲を聴かないと、という充足感に満たされ本編終了。
1stショーだからアンコールはないかな?なんて思っていましたが、ダイアンは戻ってきてくれました。ピアノ弾き語りで聴かせてくれた曲はなんとシネイド・オコナーで知られるプリンス作の「Nothing Compares 2 U」でした。もちろん先日亡くなられたプリンスに思いを馳せて。気持ちの入った素晴らしいカヴァーでした。終盤には、耳慣れないメロディーが繋げられていましたが、どうやらこちらもプリンスの「When Doves Cry」だったようですね。まるで「Nothing Compares 2 U」のアウトロのような素晴らしいアレンジでした。
この日のセットリスト↓
01. Stand Under My Love
02. Kings Of Queens
03. How Long
04. Walk On Water
05. Fools
06. Fire Escape
07. Woman
08. Smooth Operator
09. Magic View
10. JUNO(新曲)
11. Speak A Little louder
12. Superstars
13. ???(メンバー紹介 Inst)
14. Nothing But A Miracle
------------------------------
15. Nothing Compares 2 U ~ When Doves Cry
メンバー紹介を兼ねたインスト曲は曲名分かりませんでした。セットリストにも載っていませんでしたし…。ジャムセッション風ではありましたが、しっかり曲として演奏された印象でした。誰かのカヴァーかもしれません。
よろしければこちらもどうぞ!!
ダイアン・バーチ@ビルボードライヴ東京 (2014年3月26日2ndショー)
今年のフジロックを振り返る その2 (2010年8月1日フィールド・オブ・ヘヴン)
09年のデビュー作「BIBLE BELT」により古き良きSSWやニューソウル的なフィーリングで颯爽とシーンに登場し、2014年の2nd作「SPEAK A LITTLE LOUDER」ではより現代的、オルタナ的な方向にシフトし、今年リリースされたばかりの最新作「NOUS」では、さらにダークに、内省的な深みを増した世界を聴かせてくれるなど、作品を重ねるごとに進化を遂げている彼女。2014年以来2年振りの来日公演です。
客電が落ち、バンド・メンバーが登場。エリヤ・ライヒェン(Key)、スチュアート・マシューマン(Sax)、マーティン・シュトゥンプフ(B)、ヤニス・ゲルラッハ(Ds)の4人。2014年の前回来日からバンドを一新してきましたね、現在ダイアン・バーチが活動拠点としているというベルリンの人脈でしょうか?そのベルリン録音となった最新作「NOUS」にも参加したサックス奏者のスチュアート・マシューマンは、あのシャーデーのバックを長年務めてきている人。前回はビン・ジ・リンというメロウ・フィオーリングな職人ギタリストが核になっていた印象でしたが、今回はこのスチュアート・マシューマンが鍵になりそう。
さて、バンド・メンバーに続いてステージに上がったダイアン・バーチ。シックなドレスに身を包んでいるものの、深く切れ込みの入ったスカートはかなりセクシー。そして一言「こんばんは」と挨拶してピアノを弾き始める。その儚げな音色に導かれる曲は、最新作「NOUS」から「Stand Under My Love」。聴く者の内面を緩やかに浸食するかのようなバンド・グルーヴ、独特の緊張感のなか響くダイアンの歌声にうっとり。あのソウルフルな美声はそのままに、より深みを増した歌表現に心を打たれます。
そして2曲目以降も「Kings Of Queens」、「How Long」、「Walk On Water」と、新作「NOUS」からの楽曲が続き、その世界観をどっぷりと聴かせてくれる。中でも、深く沈み込むような曲調に物悲しく映えるダイアンのファルセットが美しかった「Kings Of Queens」とか、、幽玄なサウンドスケープにスチュアート・マシューマンのサックスの音色とダイアンの歌声が交差する「Walk On Water」辺りは特に素晴らしかったですね~。スタジオ作で聴かれるアンヴィエントな雰囲気を、生演奏ならではの人間味で捉えたようなバンドアレンジも見事でした。
続いてダイアンが思わせ振りにピアノを弾き始めたそのイントロは、1st作「BIBLE BELT」から「Fools」。やはり待ってました!ですよね。なんだかんだ言って、みんなデビュー作への思い入れは強いんですよ。序盤はなんとなく「NOUS」のウェットな質感を引き継いでいるような雰囲気を感じさせつつ、サビを終えたあたりから勢いづき、2番を歌いだす頃には観客席から手拍子もかかると、ダイアンの歌声もみるみるソウルフルに加速していく。そこにスチュアート・マシューマンによる爽快感抜群のサックスソロが追い打ちを賭け、ライヴならではのスイートな躍動感が駆け抜ける。やっぱり名曲。ですがこの日の個人的ハイライトは次の曲だったり。
続いてデビュー作から「Fire Escape」。いや~、これはダイアン・バーチのソウルフルなゴスペル・フィーリングが爆発でした!!素晴らしかった!もう本当に聴き惚れましたよ!ここぞというところで一人多重コーラス的なエフェクトをかける辺りも憎かったですね。ダイアンの歌声というのは何処か不思議な存在感がありますよね。爽やかでありながら、ディープな感性を内包している。エモーショナルに発散しながらも静けさが感じられる。この曲では特にそういうダイアンの魅力をたっぷり堪能させて頂きました。
さて、ステージはダイアンのピアノ弾き語りコーナーへ。まずはスチュアート・マシューマンのサックスとのデュオで再び「NOUS」から「Woman」。ピアノと歌とサックスによる、何処か教会を思わすような静寂とした雰囲気が素晴らしかった! さらに切れ目無しに「Smooth Operator」。来ました!シャーデーのカヴァーですよ!こういうサプライズは嬉しいですね。もちろんスチュアート・マシューマンのサックスも最高。そしてそのスチュアートもいったんステージを去り、いよいよダイアン一人の弾き語りに。曲は「Magic View」。これもデビュー作からですけど、意外と言うか、かなり渋い選曲ですよね。もちろん絶品でした。レアな選曲はまだ続きます。次はなんと新曲。おそらく「ライヴでやるのは初めて」とか「間違えたらすいません」とか言っていたように思います。「NOUS」に連なる魅力の曲でした。(後日公開されたセットリストによりますと「JUNO」という曲だそうです。)
いつの間にかバンドメンバーも戻ってきていて、いよいよステージも終盤。2nd作「SPEAK A LITTLE LOUDER」からタイトル曲「Speak A Little louder」と「Superstars」。それまでずーっとピアノの前に座りっぱなしだったダイアンでしたが「Speak A Little louder」では立ち上がってピアノから離れて歌う場面も。立ち上がるとすらっとしていてまるでモデルさんのような美しさ。参りますね~。そしてメンバー紹介を兼ねてバンド・メンバーによるグルーヴィーなインスト曲から名曲「Nothing But A Miracle」へ。
キーボーディストのエリヤ・ライヒェンがエレピでイントロを弾くのをダイアンが遮り、自分でエレピを弾いてみるも上手く弾けない、なんていうお茶目な場面もありつつ、あらためて仕切り直した「Nothing But A Miracle」はやっぱり素晴らしかった! こちらも名曲ですね。良い塩梅に崩して歌うダイアンの歌唱がまたラヴリーでした。やっぱりこの曲を聴かないと、という充足感に満たされ本編終了。
1stショーだからアンコールはないかな?なんて思っていましたが、ダイアンは戻ってきてくれました。ピアノ弾き語りで聴かせてくれた曲はなんとシネイド・オコナーで知られるプリンス作の「Nothing Compares 2 U」でした。もちろん先日亡くなられたプリンスに思いを馳せて。気持ちの入った素晴らしいカヴァーでした。終盤には、耳慣れないメロディーが繋げられていましたが、どうやらこちらもプリンスの「When Doves Cry」だったようですね。まるで「Nothing Compares 2 U」のアウトロのような素晴らしいアレンジでした。
この日のセットリスト↓
01. Stand Under My Love
02. Kings Of Queens
03. How Long
04. Walk On Water
05. Fools
06. Fire Escape
07. Woman
08. Smooth Operator
09. Magic View
10. JUNO(新曲)
11. Speak A Little louder
12. Superstars
13. ???(メンバー紹介 Inst)
14. Nothing But A Miracle
------------------------------
15. Nothing Compares 2 U ~ When Doves Cry
メンバー紹介を兼ねたインスト曲は曲名分かりませんでした。セットリストにも載っていませんでしたし…。ジャムセッション風ではありましたが、しっかり曲として演奏された印象でした。誰かのカヴァーかもしれません。
よろしければこちらもどうぞ!!
ダイアン・バーチ@ビルボードライヴ東京 (2014年3月26日2ndショー)
今年のフジロックを振り返る その2 (2010年8月1日フィールド・オブ・ヘヴン)
GUY CLARK / MY FAVORITE PICTURE OF YOU
5月17日、テキサスが生んだ孤高のシンガーソングライターにして、アウトロー・カントリーのレジェド、ガイ・クラークが亡くなられたそうです。ナッシュビルにて。享年74歳。長い間、癌による闘病生活を送っていたそうです。
写真はおそらくガイ・クラークの遺作となってしまった、2013年リリースの「MY FAVORITE PICTURE OF YOU」。アコースティック・ギターを中心にしたシンプルなフォーク/カントリーが滲みる傑作。2014年のグラミー賞『BEST FOLK ALBUM』部門を受賞。このジャケ写でガイ・クラークが掲げている写真は奥様であり、音楽活動のパートナーでもあったスザンナさんで、彼女は2012年に癌で亡くなられています。
今頃、天国で奥様と再会されてるでしょうか?
ガイ・クラークさん、安らかに。
5月17日、テキサスが生んだ孤高のシンガーソングライターにして、アウトロー・カントリーのレジェド、ガイ・クラークが亡くなられたそうです。ナッシュビルにて。享年74歳。長い間、癌による闘病生活を送っていたそうです。
写真はおそらくガイ・クラークの遺作となってしまった、2013年リリースの「MY FAVORITE PICTURE OF YOU」。アコースティック・ギターを中心にしたシンプルなフォーク/カントリーが滲みる傑作。2014年のグラミー賞『BEST FOLK ALBUM』部門を受賞。このジャケ写でガイ・クラークが掲げている写真は奥様であり、音楽活動のパートナーでもあったスザンナさんで、彼女は2012年に癌で亡くなられています。
今頃、天国で奥様と再会されてるでしょうか?
ガイ・クラークさん、安らかに。
HIATUS KAIYOTE / CHOOSE YOUR WEAPON
サマーソニックの出演アーティスト第7弾が、オフィシャルサイトにて発表になりました!今回はほとんどが東京オンリーという、なんだか申し訳なくなる24組。
THE STRUTS
THIRD EYE BLIND(東京)
BLACK HONEY(東京)
HIATUS KAIYOTE(東京)
ハナレグミ(東京)
JAGA JAZZIST(東京)
SANABAGUN.(東京)
Xmas Eileen(東京)
dustbox(東京)
OZROSAURUS(東京)
The Winking Owl(東京)
KING
阿部真央(東京)
SLAVES(東京)
ZICO(東京)
hyukoh
moe.(東京)
クラムボン(東京)
Spangle call lilli line(東京)
iri(東京)
BUZZ THE BEARS(東京)
FIRE BALL(東京)
スガ シカオ(大阪)
DJダイノジ(大阪)
ハイエイタス・カイヨーテは嬉しい!!そして、モー!! サマソニにジャムバンドって珍しいですよね。エクスペリメンタルなジャガ・ジャジストも。さらに今年のR&B界を揺るがす超大型新人キング!!なんか「ルーツな日記」的に熱くなってまいりました!!
そして今回はいよいよステージ割りも発表になりました!!詳しくはオフィシャルサイトをチェックして頂くとして、ここでは個人的に気になるところを少々。
まずは東京土曜日。上原ひろみトリオがガーデン・ステージ。しかもトリかもしれない!!これは楽しみですね。そしてその前はハイエイタス・カイヨーテか?まだ枠はあるので分かりませんが、この流れだったら最高ですね!! ただこれでアンダーワールドもペンタトニックスも観れないかな~。でも仕方ありません、この日は上原さんとハイエイタス・カイヨーテ最優先で参ります!
そして問題は東京日曜日。この日はR&B/ソウル系がひしめいてます。マウンテン・ステージにはメイヤー・ホーソーン、ザ・ジャクソンズ、マーク・ロンソン。ソニック・ステージにはキング。ビーチ・ステージにはミュージック・ソウルチャイルド、SWV といった感じ。これ絶対被りますよね?さらにジェイムス・ベイも観たいし、モーだって絶対観たい!!さあ、どうどうする日曜日!?
では、今回発表されたアーティストから、いくつか厳選して動画をご紹介。
Hiatus Kaiyote - Boom Child (Live Alive on Fuse TV)
まずはハイエイタス・カイヨーテ。ヴォーカルも凄いですが、バックのリズムが半端ない。生演奏でこれどうやって演奏しているのでしょうか?気持ち悪いぐらいな揺れ加減、それが気持ち良くなってくる!!
moe. 'Meat' Official AURA Music & Arts Festival 2015 [HQ/HD]
ジャム・バンドの雄、モー。フジではヘヴンで長尺ライヴをこなす彼らですが、サマソニではどうなんでしょうね?
Jaga Jazzist - 'Oban' Live - Oslo Session
ノルウェーが誇る前衛ジャズロック集団。こちらもサマソニ向きではない印象ですが、だからこそハジケて欲しいです!
KING: NPR Music Field Recordings
最後はキング。いやはや、素晴らしい!!
サマーソニックの出演アーティスト第7弾が、オフィシャルサイトにて発表になりました!今回はほとんどが東京オンリーという、なんだか申し訳なくなる24組。
THE STRUTS
THIRD EYE BLIND(東京)
BLACK HONEY(東京)
HIATUS KAIYOTE(東京)
ハナレグミ(東京)
JAGA JAZZIST(東京)
SANABAGUN.(東京)
Xmas Eileen(東京)
dustbox(東京)
OZROSAURUS(東京)
The Winking Owl(東京)
KING
阿部真央(東京)
SLAVES(東京)
ZICO(東京)
hyukoh
moe.(東京)
クラムボン(東京)
Spangle call lilli line(東京)
iri(東京)
BUZZ THE BEARS(東京)
FIRE BALL(東京)
スガ シカオ(大阪)
DJダイノジ(大阪)
ハイエイタス・カイヨーテは嬉しい!!そして、モー!! サマソニにジャムバンドって珍しいですよね。エクスペリメンタルなジャガ・ジャジストも。さらに今年のR&B界を揺るがす超大型新人キング!!なんか「ルーツな日記」的に熱くなってまいりました!!
そして今回はいよいよステージ割りも発表になりました!!詳しくはオフィシャルサイトをチェックして頂くとして、ここでは個人的に気になるところを少々。
まずは東京土曜日。上原ひろみトリオがガーデン・ステージ。しかもトリかもしれない!!これは楽しみですね。そしてその前はハイエイタス・カイヨーテか?まだ枠はあるので分かりませんが、この流れだったら最高ですね!! ただこれでアンダーワールドもペンタトニックスも観れないかな~。でも仕方ありません、この日は上原さんとハイエイタス・カイヨーテ最優先で参ります!
そして問題は東京日曜日。この日はR&B/ソウル系がひしめいてます。マウンテン・ステージにはメイヤー・ホーソーン、ザ・ジャクソンズ、マーク・ロンソン。ソニック・ステージにはキング。ビーチ・ステージにはミュージック・ソウルチャイルド、SWV といった感じ。これ絶対被りますよね?さらにジェイムス・ベイも観たいし、モーだって絶対観たい!!さあ、どうどうする日曜日!?
では、今回発表されたアーティストから、いくつか厳選して動画をご紹介。
Hiatus Kaiyote - Boom Child (Live Alive on Fuse TV)
まずはハイエイタス・カイヨーテ。ヴォーカルも凄いですが、バックのリズムが半端ない。生演奏でこれどうやって演奏しているのでしょうか?気持ち悪いぐらいな揺れ加減、それが気持ち良くなってくる!!
moe. 'Meat' Official AURA Music & Arts Festival 2015 [HQ/HD]
ジャム・バンドの雄、モー。フジではヘヴンで長尺ライヴをこなす彼らですが、サマソニではどうなんでしょうね?
Jaga Jazzist - 'Oban' Live - Oslo Session
ノルウェーが誇る前衛ジャズロック集団。こちらもサマソニ向きではない印象ですが、だからこそハジケて欲しいです!
KING: NPR Music Field Recordings
最後はキング。いやはや、素晴らしい!!
TOM ODELL / LONG WAY DOWN
先日、フジロック出演アーティスト第7弾がオフィシャルサイトにて発表になりました。細かい日割りはオフィシャルサイトにて確認して頂くといたしまして、とりあえず追加アーティストは以下の15組。
THE BAWDIES
D.A.N.
fox capture plan
はちみつぱい
ザ・クロマニヨンズ
LAPSLEY
Leyona
LITTLE CREATURES
踊ってばかりの国
SABANNAMAN (selected by ROOKIE A GO-GO)
SHINTARO
SOIL&"PIMP"SESSIONS
TOM ODELL
TORTOISE
TRESVIBES SOUNDSYSTEM
トム・オデールやラプスリーという若い英国のシンガー・ソング・ライターは楽しみですね。そしてここへ来てトータスですか!今年の傾向はポスト・ロックがキーかもしれませんね。とは言え、流石にこの時期になると邦楽勢が多いですね~。
さて、グリーン、ホワイト、レッド、ヘヴンという4つの主要ステージにおける枠数を考えますと、もう大分出揃って来た感じでしょうか。ちなみに去年の枠数を数えますと、金曜が31組、土曜が31組、日曜が32組でした。そして今年発表済のアーティスト数は、金曜が29組、土曜が26組、日曜が29組です。もちろん今年が昨年と同じ枠数とは限りませんけどね。実際のところ微妙に流動的ですし。とは言え、主要ステージについてはもう各日それぞれ数組しか残されていないのかな?なんて思ったり。なんか寂しいですね~。
実際、そうだとしたならば、おそらく各ステージのトリ・クラスはもう発表され尽くしてしまっているのではと思われるのです。となると、「ルーツな日記」的にはヘヴンのトリが気になる訳ですよ。正直なところ、この人達はヘヴンのトリ以外考えられない!!という分りやすいバンドは残念ながらいないんですよね~。ジャムバンド/ファンク/ブルースロック系の大物を期待していたのですが、今年はなさそうですね。では、現在発表されている中で誰がトリなのか?これが意外と難しい。もちろん、そうかな~?という候補はいらっしゃいます。例えば金曜日ならTHE NEW MASTERSOUNDS、LEE “SCRATCH”PERRY、UAあたり。いや、BOREDOMSという線もあるかも。土曜日はG.LOVE&SPECIAL SAUCE、EGO-WRAPPIN’、もしくはTORTOISEとか? 日曜はBEN HARPER & THE INNOCENT CRIMINALS、ROBERT GLASPER EXPERIMENT、KAMASI WASHINGTONあたりでしょうか。ERNEST RANGLIN & FRIENDSもデータ通りコートニー・パインやトニー・アレンが来るならトリとして充分。さらにdCprGを率いる菊地成孔さんも過去にオレンジのトリを務めてますからね~。どうでしょう? 個人的にはカマシ押しなんですけどね~。
とりあえず、ステージ割を待ちましょう。
先日、フジロック出演アーティスト第7弾がオフィシャルサイトにて発表になりました。細かい日割りはオフィシャルサイトにて確認して頂くといたしまして、とりあえず追加アーティストは以下の15組。
THE BAWDIES
D.A.N.
fox capture plan
はちみつぱい
ザ・クロマニヨンズ
LAPSLEY
Leyona
LITTLE CREATURES
踊ってばかりの国
SABANNAMAN (selected by ROOKIE A GO-GO)
SHINTARO
SOIL&"PIMP"SESSIONS
TOM ODELL
TORTOISE
TRESVIBES SOUNDSYSTEM
トム・オデールやラプスリーという若い英国のシンガー・ソング・ライターは楽しみですね。そしてここへ来てトータスですか!今年の傾向はポスト・ロックがキーかもしれませんね。とは言え、流石にこの時期になると邦楽勢が多いですね~。
さて、グリーン、ホワイト、レッド、ヘヴンという4つの主要ステージにおける枠数を考えますと、もう大分出揃って来た感じでしょうか。ちなみに去年の枠数を数えますと、金曜が31組、土曜が31組、日曜が32組でした。そして今年発表済のアーティスト数は、金曜が29組、土曜が26組、日曜が29組です。もちろん今年が昨年と同じ枠数とは限りませんけどね。実際のところ微妙に流動的ですし。とは言え、主要ステージについてはもう各日それぞれ数組しか残されていないのかな?なんて思ったり。なんか寂しいですね~。
実際、そうだとしたならば、おそらく各ステージのトリ・クラスはもう発表され尽くしてしまっているのではと思われるのです。となると、「ルーツな日記」的にはヘヴンのトリが気になる訳ですよ。正直なところ、この人達はヘヴンのトリ以外考えられない!!という分りやすいバンドは残念ながらいないんですよね~。ジャムバンド/ファンク/ブルースロック系の大物を期待していたのですが、今年はなさそうですね。では、現在発表されている中で誰がトリなのか?これが意外と難しい。もちろん、そうかな~?という候補はいらっしゃいます。例えば金曜日ならTHE NEW MASTERSOUNDS、LEE “SCRATCH”PERRY、UAあたり。いや、BOREDOMSという線もあるかも。土曜日はG.LOVE&SPECIAL SAUCE、EGO-WRAPPIN’、もしくはTORTOISEとか? 日曜はBEN HARPER & THE INNOCENT CRIMINALS、ROBERT GLASPER EXPERIMENT、KAMASI WASHINGTONあたりでしょうか。ERNEST RANGLIN & FRIENDSもデータ通りコートニー・パインやトニー・アレンが来るならトリとして充分。さらにdCprGを率いる菊地成孔さんも過去にオレンジのトリを務めてますからね~。どうでしょう? 個人的にはカマシ押しなんですけどね~。
とりあえず、ステージ割を待ちましょう。
5月4日、新木場スタジオコーストにて、『WORLDWIDE SESSION 2016』を観てまいりました! こちら、「世界で最も影響力のある DJ、ジャイルス・ピーターソンが日本でローンチする大人のための都市型音楽フェスティバル」とのことで、出演アーティストは、サン・ラ・アーケストラ、ミゲル・アトウッド・ファーガソン・アンサンブル、日野皓正、ソイル・アンド・ピンプ・セッションズ、そしてDJにはジャイルス・ピーターソンと、彼と共に今イベントをプロデュースする松浦俊夫さんという、かなり刺激的な面々。
まずはミゲル・アトウッド・ファーガソン・アンサンブル!!
カルロス・ニーニョと共に、Jディラ関連の楽曲をオーケストラ編成でトリビュートした「SUITE FOR MA DUKES」で名を馳せ、フライング・ロータス、サンダーキャット達とも親交を深めるなど、ロサンゼルス音楽シーンのキーパーソンの一人と目されるヴァイオリン/ヴィオラ奏者にしてアレンジャー、プロデューサーのミゲル・アトウッド・ファーガソン。YouTubeを検索すると、ミゲル・アトウッド・ファーガソン・アンサンブル名義により彼の元にフライング・ロータス、サンダーキャット、カマシ・ワシントン、ブランドン・コールマン、クリス・デイヴ等々、蒼々たるメンバーが揃ったライヴ映像が出てきたりするので、かく言う私も楽しみにしていたんです。とは言え、今回のアンサンブルはそこまで豪華ではないんですけどね。ですがそれ故に彼の意思が細部まで行き届いた緻密なステージが展開されたと言えるのではないでしょうか。それは思いのほかクールでメロディアス。もちろん現行ジャズらしい先鋭さを孕みながらも、それ以上に叙情的かつ芸術的な印象を受けました。メンバーは以下の6人編成。
Miguel Atwood-Ferguson – 5 String Violin
Jamire Williams – Drums
Gabe Noel – Bass
Marcel Camargo – Guitar
Josh Nelson – Piano, Keys
Walter Smith III – Tenor Sax
注目はロバート・グラスパー・トリオやエリマージで知られるヒップ・ホップ世代のジャズ・ドラマー、ジャマイア・ウィリアムス。細かく刻みつつも、キレとニュアンスを刻々と変化させ、大きなグルーヴを生み出すような彼のドラミングは終始冴えまくってましたね。やはり彼の存在が、このアンサンブルを一つ次元の違うところへ導いていたと言っても過言ではなかったと思います。そして低音を支えるゲイブ・ノエル。ブランドン・コールマン達と共にクアンティック作品に参加していたのも記憶に新しいベーシストですね。決して派手ではありませんでしたが、ジャマイア・ウィリアムスのビートに溶け込むように独特の浮遊感を醸すベースラインは特筆物でした。そんな二人が繰り出すリズムの上で、柔らかさと鋭さが溶け込むような音色及び旋律を奏でるミゲル・アトウッド・ファーガソンのエレクトリックなヴァイオリンを中心に、ギター、サックス、ピアノが絡み合っていく。ニューヨークの俊英ウォルター・スミスIIIのサックスも素晴らしかったですが、ジョシュ・ネルソンのピアノがまた美しかった!! この人は、私も大好きな女性ジャズシンガー、サラ・ガザレクとの活動でも知られる鍵盤奏者。私も何度かサラのライヴで彼の演奏を観てるので、今回も楽しみにしていたのですが、サラの時とはまた違う艶っぽさがあってとても良かったです。緩急織り交ぜたセットによるおよそ1時間のステージ。今最も注目されるヴァイオリン奏者ミゲル・アトウッド・ファーガソンのプレイを存分に楽しめたのはもちろん、彼が統べるアンサンブルによる現行最新ジャズの粋をたっぷりと味わえました!
そして松浦俊夫さんのDJを挟み、いよいよサン・ラ・アーケストラ!!
今年92歳になるというマーシャル・アレン率いるサン・ラ・アーケストラ。オフィシャルサイトで発表されている今回の来日メンバーは以下の13人。
MARSHALL ALLEN - Alto saxophone, flute, clarinet, EVI, Kora
KNOEL SCOTT - Alto saxophone, Vocals, Percussion, Dance
DANNY RAY THOMPSON - Flute, Baritone Sax
JAMES STEWART – Tenor Saxophone
CECIL BROOKS - Trumpet
MICHAEL RAY - Trumpet
DAVE DAVIS - Trombone
TYLER MITCHELL – Bass
FRANCIS MIDDLETON – Electric Guitar
GEORGE BURTON - Piano
WAYNE ANTHONY SMITH, JR. - Drums
ELSON NASCIMENTO - Surdo Percussion
TARA MIDDLETON – Vocals
正直な話、マーシャル・アレン以外はお顔を拝見しても名前と一致しない私ですが、ダニー・レイ・トンプソンやマイケル・レイ辺りは60年代、70年代からサン・ラと供に活躍してきた古株です。ノエル・スコットもサン・ラ存命中からグループのメンバーでした。そんな彼らを含む大所帯が、みんなラメラメ、ギラギラな衣装に身を包み、まるで宇宙からやってきたかのような佇まいでリズムとブラスを撒き散らす。それは各々が各々のタイム感でビートを刻み、各々のフィーリングでメロディーを吹き上げるようでありながら、それでいてある意味ポップと思える程、統制が取れている。それはまるでポリリズミックなビッグ・バンドとでも形容したい異次元ジャズ。オーケストラのサウンドだけでも刺激的ですが、そこにマーシャル・アレンがEVI(金管楽器版シンセサイザーのようなもの?)でウニョウニョと宇宙的サウンドを泳がし始めるから堪らない。
個人的には「Sometimes I'm Happy」「When You Wish Upon A Star」「Everyday I Have The Blues」などスタンダードを立て続けに演奏した中盤に痺れましたね。ナット・キング・コールで有名な「Sometimes I'm Happy」では、バンドのスイング感、タラ・ミドルトンのスキャット、それに呼応するブラス隊、全てに愛嬌と毒気があり最高でした。「When You Wish Upon A Star」は「星に願いを」の邦題で知られる映画「ピノキオ」のあの曲ですが、これはもうマーシャル・アレンの独壇場。彼の吹くアルト・サックスはめちゃくちゃフリーキーでアヴァンギャルドなのに、何故か堪らなくスイートに響くという、これはホント聴き惚れました。そして「Everyday I Have The Blues」。B.B.キングですよ!まさかこんなド真ん中なブルースを演るとは思わなかったので驚きました。これがまた紛れもないブルースでありながら、サン・ラ・アーケストラ流という、何ともギラついた酩酊感にクラクラしました。
最後は「We Travel The Spaceways」。メンバーがステージを降り、フロアを練り歩く。観客達は大喜び。もちろん私のすぐ横も通って行きましたし、フロアの奥の方まで分け入っていく。演奏者も笑顔、観客達も笑顔。何とも言えない祝祭感と幸福感に満たされていく。およそ1時間20分程の圧倒的なステージ。いやはや、ディープでした!!
それにしてもマーシャル・アレンは元気でしたね。ステージ狭しと動き回り、はち切れんばかりにブロウしてましたし、EVIを吹けばそのコズミック感は半端ありませんでした。また楽器を操るだけではなく、両手を大きく振り回して楽団の指揮もする。その芸術が爆発しているような姿も格好良かったです!!あっぱれでした!!
そしてサン・ラが終わると同時に真打ちジャイルズ・ピーターソンのDJが始まる。こういう流れこそこのイベントの醍醐味ですよね。エギゾチック&グルーヴィーな選曲に踊りまくりました。ジャイルズ関連のCDはそこそこ聴いてますけど、彼のプレイを生で体感するのはこの日が始めてだったので、感無量でした! そして最後はソイル・アンド・ピンプ・セッションズに日野皓正さんがジョイント。やっぱり日野さんのトランペットは一味違うなと思いつつ、彼のエンターテイナー振りも流石。もちろんソイル・アンド・ピンプ・セッションズも大トリらしく上げに上げてくれました!
なるほど、大人のための都市型音楽フェスティバル。これはぜひ、来年以降も続けていって欲しいものです。
サン・ラのCDを買って、アーケストラのサイン色紙を頂きました!!
まずはミゲル・アトウッド・ファーガソン・アンサンブル!!
カルロス・ニーニョと共に、Jディラ関連の楽曲をオーケストラ編成でトリビュートした「SUITE FOR MA DUKES」で名を馳せ、フライング・ロータス、サンダーキャット達とも親交を深めるなど、ロサンゼルス音楽シーンのキーパーソンの一人と目されるヴァイオリン/ヴィオラ奏者にしてアレンジャー、プロデューサーのミゲル・アトウッド・ファーガソン。YouTubeを検索すると、ミゲル・アトウッド・ファーガソン・アンサンブル名義により彼の元にフライング・ロータス、サンダーキャット、カマシ・ワシントン、ブランドン・コールマン、クリス・デイヴ等々、蒼々たるメンバーが揃ったライヴ映像が出てきたりするので、かく言う私も楽しみにしていたんです。とは言え、今回のアンサンブルはそこまで豪華ではないんですけどね。ですがそれ故に彼の意思が細部まで行き届いた緻密なステージが展開されたと言えるのではないでしょうか。それは思いのほかクールでメロディアス。もちろん現行ジャズらしい先鋭さを孕みながらも、それ以上に叙情的かつ芸術的な印象を受けました。メンバーは以下の6人編成。
Miguel Atwood-Ferguson – 5 String Violin
Jamire Williams – Drums
Gabe Noel – Bass
Marcel Camargo – Guitar
Josh Nelson – Piano, Keys
Walter Smith III – Tenor Sax
注目はロバート・グラスパー・トリオやエリマージで知られるヒップ・ホップ世代のジャズ・ドラマー、ジャマイア・ウィリアムス。細かく刻みつつも、キレとニュアンスを刻々と変化させ、大きなグルーヴを生み出すような彼のドラミングは終始冴えまくってましたね。やはり彼の存在が、このアンサンブルを一つ次元の違うところへ導いていたと言っても過言ではなかったと思います。そして低音を支えるゲイブ・ノエル。ブランドン・コールマン達と共にクアンティック作品に参加していたのも記憶に新しいベーシストですね。決して派手ではありませんでしたが、ジャマイア・ウィリアムスのビートに溶け込むように独特の浮遊感を醸すベースラインは特筆物でした。そんな二人が繰り出すリズムの上で、柔らかさと鋭さが溶け込むような音色及び旋律を奏でるミゲル・アトウッド・ファーガソンのエレクトリックなヴァイオリンを中心に、ギター、サックス、ピアノが絡み合っていく。ニューヨークの俊英ウォルター・スミスIIIのサックスも素晴らしかったですが、ジョシュ・ネルソンのピアノがまた美しかった!! この人は、私も大好きな女性ジャズシンガー、サラ・ガザレクとの活動でも知られる鍵盤奏者。私も何度かサラのライヴで彼の演奏を観てるので、今回も楽しみにしていたのですが、サラの時とはまた違う艶っぽさがあってとても良かったです。緩急織り交ぜたセットによるおよそ1時間のステージ。今最も注目されるヴァイオリン奏者ミゲル・アトウッド・ファーガソンのプレイを存分に楽しめたのはもちろん、彼が統べるアンサンブルによる現行最新ジャズの粋をたっぷりと味わえました!
そして松浦俊夫さんのDJを挟み、いよいよサン・ラ・アーケストラ!!
今年92歳になるというマーシャル・アレン率いるサン・ラ・アーケストラ。オフィシャルサイトで発表されている今回の来日メンバーは以下の13人。
MARSHALL ALLEN - Alto saxophone, flute, clarinet, EVI, Kora
KNOEL SCOTT - Alto saxophone, Vocals, Percussion, Dance
DANNY RAY THOMPSON - Flute, Baritone Sax
JAMES STEWART – Tenor Saxophone
CECIL BROOKS - Trumpet
MICHAEL RAY - Trumpet
DAVE DAVIS - Trombone
TYLER MITCHELL – Bass
FRANCIS MIDDLETON – Electric Guitar
GEORGE BURTON - Piano
WAYNE ANTHONY SMITH, JR. - Drums
ELSON NASCIMENTO - Surdo Percussion
TARA MIDDLETON – Vocals
正直な話、マーシャル・アレン以外はお顔を拝見しても名前と一致しない私ですが、ダニー・レイ・トンプソンやマイケル・レイ辺りは60年代、70年代からサン・ラと供に活躍してきた古株です。ノエル・スコットもサン・ラ存命中からグループのメンバーでした。そんな彼らを含む大所帯が、みんなラメラメ、ギラギラな衣装に身を包み、まるで宇宙からやってきたかのような佇まいでリズムとブラスを撒き散らす。それは各々が各々のタイム感でビートを刻み、各々のフィーリングでメロディーを吹き上げるようでありながら、それでいてある意味ポップと思える程、統制が取れている。それはまるでポリリズミックなビッグ・バンドとでも形容したい異次元ジャズ。オーケストラのサウンドだけでも刺激的ですが、そこにマーシャル・アレンがEVI(金管楽器版シンセサイザーのようなもの?)でウニョウニョと宇宙的サウンドを泳がし始めるから堪らない。
個人的には「Sometimes I'm Happy」「When You Wish Upon A Star」「Everyday I Have The Blues」などスタンダードを立て続けに演奏した中盤に痺れましたね。ナット・キング・コールで有名な「Sometimes I'm Happy」では、バンドのスイング感、タラ・ミドルトンのスキャット、それに呼応するブラス隊、全てに愛嬌と毒気があり最高でした。「When You Wish Upon A Star」は「星に願いを」の邦題で知られる映画「ピノキオ」のあの曲ですが、これはもうマーシャル・アレンの独壇場。彼の吹くアルト・サックスはめちゃくちゃフリーキーでアヴァンギャルドなのに、何故か堪らなくスイートに響くという、これはホント聴き惚れました。そして「Everyday I Have The Blues」。B.B.キングですよ!まさかこんなド真ん中なブルースを演るとは思わなかったので驚きました。これがまた紛れもないブルースでありながら、サン・ラ・アーケストラ流という、何ともギラついた酩酊感にクラクラしました。
最後は「We Travel The Spaceways」。メンバーがステージを降り、フロアを練り歩く。観客達は大喜び。もちろん私のすぐ横も通って行きましたし、フロアの奥の方まで分け入っていく。演奏者も笑顔、観客達も笑顔。何とも言えない祝祭感と幸福感に満たされていく。およそ1時間20分程の圧倒的なステージ。いやはや、ディープでした!!
それにしてもマーシャル・アレンは元気でしたね。ステージ狭しと動き回り、はち切れんばかりにブロウしてましたし、EVIを吹けばそのコズミック感は半端ありませんでした。また楽器を操るだけではなく、両手を大きく振り回して楽団の指揮もする。その芸術が爆発しているような姿も格好良かったです!!あっぱれでした!!
そしてサン・ラが終わると同時に真打ちジャイルズ・ピーターソンのDJが始まる。こういう流れこそこのイベントの醍醐味ですよね。エギゾチック&グルーヴィーな選曲に踊りまくりました。ジャイルズ関連のCDはそこそこ聴いてますけど、彼のプレイを生で体感するのはこの日が始めてだったので、感無量でした! そして最後はソイル・アンド・ピンプ・セッションズに日野皓正さんがジョイント。やっぱり日野さんのトランペットは一味違うなと思いつつ、彼のエンターテイナー振りも流石。もちろんソイル・アンド・ピンプ・セッションズも大トリらしく上げに上げてくれました!
なるほど、大人のための都市型音楽フェスティバル。これはぜひ、来年以降も続けていって欲しいものです。
サン・ラのCDを買って、アーケストラのサイン色紙を頂きました!!
今まで手つかずだった当ブログのプロフィール写真に、UKの某女性シンガー・ソング・ライターさんが書いてくださった私の似顔絵を登録してみました。これ結構似てるんですよ。という訳で、皆様よろしくお願いいたします。