ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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ジョイス・モレーノ with special guest シコ・ピニェイロ @六本木ヒルズ

2018-10-03 23:37:32 | ワールド・ミュージック
10月2日、六本木ヒルズアリーナにて開催された「NIPPON EXPRESS SAUDE! SAUDADE ...30th Anniversary Carnival」を観てまいりました。こちらは、J-WAVE の開局30周年を記念したイベントの一つで、開局当時から続いている番組「SAUDE! SAUDADE ...」の30周年記念プログラム。出演はSaigenj 、そしてジョイス・モレーノ&シコ・ピニェイロです。私はかなり端ながら最前列で堪能させて頂きました〜。

滝川クリステルさんのMCのもと、まずはSaigenj が登場。この人は本当に日本人なのか?と思う程、南米の空気を感じさせる抜群のリズム表現に驚きました。ギターの爪弾きとヴォイス・パーカッションを交えて、音として鳴っている以上のリズムを感じさせるような、そのキレの半端なさはとてもファンキーでしたね。ファルセットを交えた歌もとてもソウルフルで、フルートのソロも聴かせてくれたり、短い時間ながら、盛り沢山のパフォーマンスで楽しませてくれました。

そしてこの日の主役、ジョイス・モレーノの登場です。デビュー50周年という、ブラジルが誇る至宝級の女性シンガー。日本にも何度もいらしているのでお馴染みですよね。バックのメンバーはトゥチ・モレーノ(ドラムス)、エリオ・アルヴェス(ピアノ)、ロドルフォ・ストロエテール(ベース)の3人で、後半からゲストに注目のギタリスト、シコ・ピニェイロ(ギター)が加わります。ジョイスのギター・カッティングにバンドが入った瞬間、そのリズム・アンサンブルの複雑さに、私のような凡人は一瞬、訳が分からなくなりましたね。でも徐々にその南米的リズムに耳が慣れてくると、ただただそのグルーヴに吸い込まれていくよう。さすがに匠達が奏でるグルーヴはスウィンギーでしたね。いやはや奥深いですよ〜。そしてジョイスの暖かくも爽やかな歌声が素晴らしかったですね、独特のスキャットが心地良い。メロウな曲での柔らかな歌声にもうっとりでしたね。前半は「Não Muda Não」とか、最新作「50」からの曲を中心にやってたのかな? とは言え「50」というアルバムは、彼女のデビュー50年を記念して50年前のデビュー・アルバムをセルフカヴァーした作品だそうですけどね。

後半は、軽快な「Mingus, Miles & Coltrane」とか、スピード感溢れる「Penalty」なんかが印象的でしたね。そしてゲストとして登場したギタリスト、シコ・ピニェイロがまた凄かった! アンサンブルに寄り添うようにジャズ寄りのフィーリングを注入し、リズムに絡むフレーズや、ジョイスの歌に呼応するようなオブリガードが美しかったですね〜。このギタリストは相当にやりますよ!!

終盤、圧巻だったのは「Feminina」。名曲ですね〜。ジョイスの力強く張りのある歌声と、複雑に絡み合いながら高みへ登って行くようなリズム、流麗に舞うようなエリオ・アルヴェスのピアノとシコ・ピニェイロのギター、祝祭のような華やかさが会場を包み込みました。いや〜、素晴らしかったですね。

アンコールも含めて、およそ1時間、六本木の街に響くブラジルの歌とリズム。極上の一時でした〜。



さて、これで終わりではありません、この数十分後には、同じく六本木ヒルズの、今度は大屋根プラザにて、なんとシコ・ピニェイロのソロライヴがあったんです。ソロと言っても、エリオ・アルヴェスのピアノとのデュオでしたけどね。私もジョイスのステージが終わって、アリーナから大屋根プラザへ急ぎ、ちゃっかり最前列ほぼど真ん中で堪能させて頂きました。

今度はギターとピアノだけですので、リズムの呼吸まで伝わってきそうな親密感が素敵でしたね。エリオ・アルヴェスはジョイスのステージでも随所で美しいピアノ・ソロを聞かせてくれましたが、ここでもシコ・ピニェイロのギターとの絡みは至極の一言。そして主役のシコ・ピニェイロですよ!先ほどよりさらにジャジーに、ビタースウィートなギターを存分に聞かせてくれました。ギターソロでは予測不可能なフレーズの連続で、それを流麗に高速で紡いで行く。目の前で繰り広げられるその運指の巧みさと、リズムのキレに”うっとり”と”興奮”の連続でしたね。まだ若く見える甘いマスクで、遠くを見るような表情で弾く姿も印象的でした。

そして最後にはスペシャルゲストとして、ジョイスがステージに登場しましたから驚きました。2曲で歌ってくれて、これはもう本当に贅沢でしたね。鳴り止まない拍手に予定には無かったというアンコールまでやってくれて、タイムテーブルの30分を大幅に越えるおよそ45分間、極上のブラジリアン・ジャズでした。

やっぱ南米って、凄いな〜!!



さて、10月1日~8日の8日間、六本木ヒルズでは「J-WAVE 30th ANNIVERSARY FESTIVAL」の一環として、「TOKYO SOUND EXPERIENCE」が開催中。このジョイス・モレーノ、シコ・ピニェイロなどを皮切りに、明日以降、orange pekoe、Little Glee Monster、オマール・ソーサ、iri、WONK、渡辺香津美、Ovall、大江千里、RIRI、BONNIE PINK、七尾旅人、BOKANTÉ、藤原さくら、ねごと、寺井尚子、ゴスペラーズ、などなど。多彩なアーティスト達が出演されるようです。しかも無料ですからね。

今週は六本木ヒルズが熱い!!


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