ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

マルダーさん

2010-06-17 18:03:39 | ルーツ・ロック
今年は凄いです! 何せマリア・マルダー、クレア・マルダー、ジェフ・マルダーと、ルーツ・ミュージック愛好家には思い入れの深いマルダー姓の方々が次々に来日するのですから。




MARIA MULDUR & HER GARDEN OF JOY / MARIA MULDUR & HER GARDEN OF JOY
まずはもう目前に迫ったマリア・マルダー。コンスタントに来日している彼女ですが、今回はスペシャル・ゲストにダン・ヒックスを招いてという豪華なステージ。これは見逃せません。60年代にジャグ・バンドからキャリアをスタートし、ウッドストック時代には当時の夫ジェフ・マルダーとの夫婦名義で傑作「POTTERY PIE」などを残し、73年にはアルバム「MARIA MULDAUR」でソロ・デビュー。その中から「Midnight At The Oasis」が大ヒット。その古き良き時代の香りを、新鮮な瑞々しさで甦らせたような作風から、オールドタイム・レディーという名を欲しいままに。近年もブルース作、ボブ・ディランのカヴァー作など、意欲的にリリースを続け、そして最新作「MARIA MULDUR & HER GARDEN OF JOY」(写真)は原点回帰なジャグ・バンド作。ジョン・セバスチャン、デヴィッド・グリスマン、タジ・マハールなど豪華なメンツが参加していますが、中でも存在感を発揮しているのがダン・ヒックス。「Medley: Life's Too Short/When Elephants Roost In Bamboo Trees」でのデュエットは今作のハイライト。これが良い感じなんですよね~。永遠のオールドタイム・レディー&円熟のヒップ・スター。ジャグ・バンドに溶け込む粋なフォーク・ジャズ。こんなのが生で観れると思うだけで、興奮してしまいます。
インフォメーション(ビルボードライブ東京)→ http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=7299&shop=1

 

GEOFF MULDAUR & AMOS GARRETT / GEOFF MULDAUR & AMOS GARRETT
そしてジェフ・マルダーは、なんとジェフ・マルダー&エイモス・ギャレットととして9月から10月にかけて来日予定。これも好事家には垂涎の組み合わせですね。64年にフォーク・ブルース作品「SLEEPY MAN BLUES」でデビューしたジェフ・マルダー。ジム・クウェスキン・ジャグ・バンド時代にマリアと出会い結婚。ジャグ・バンド解散後は、マリアとの夫婦名偽作やソロ作はもちろんですが、ポール・バターフィールズ・ベター・デイズへの参加も印象的な、まさにウッドストックの中心的存在に。そして78年にはエイモス・ギャレットとの共演作「GEOFF MULDAUR & AMOS GARRETT」(写真)をリリース。エイモス・ギャレットと言えばウッドストック・サウンドの象徴的なギタリスト。その儚くもトロけるようなフレージングの数々から「星屑のギタリスト」などと呼ばれたり。「POTTERY PIE」でもその個性を発揮していますし、マリアの「Midnight At The Oasis」でのギター・ソロは永遠に語り継がれる名演です。そんなエイモスとジェフの共演ですから、もう身も心もウッドストックの空気に溶け込まれてしまうことになるでしょう。しかもこの二人揃っての来日ツアーは実に31年振りで、おそらくこれが最後になるだろうと言われているとか。これは見逃せません!!!
インフォメーション(トムズ・キャビン)→ http://www.toms-cabin.com/GeoffAmos2010/



CLARE AND THE REASONS / ARROW
さらにクレア・マルダー。ご存知ジェフ・マルダーの愛娘(母親はマリア・マルダーではありません)。クレア&ザ・リーズンズとして、ルーツ・ミュージックをベースにしながらも独特の世界観を持つ不思議なサウンドで人気を博しています。探偵映画を思わせるジャケも秀逸なデビュー作「THE MOVIE」も評判でしたが、最新作「ARROW」もリーズンズらしいノスタルジックなオーケストレーションと彼女のウィスパー・ヴォイスの広がりが素晴らしい傑作。オールド・フレーバーを自身の個性へと消化するセンスはやはり父親譲り。このクレア&ザ・リーズンズが丸の内コットンクラブでリーズナブルに観れるのは嬉しいですね!
インフォメーション(コットンクラブ)→http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/schedule/index.php?yr=2010&mn=08#538


こんな短期間に3人のマルダーさんを堪能出来る機会なんてそうは無いですからね。今年は極上のルーツ・ミュージックに浸れそうです。


で、最後におまけ。


JENNI MULDAUR / DEAREST DARIN'
こちらはジェフとマリアの間に生まれたジェニー・マルダー。残念ながら来日の予定は聞こえてきませんが、彼女は今年素晴らしいアルバムをリリースしてくれました。92年のデビュー以来、18年振りの2nd作だそうです。タイトなバック・バンドを従え、50~60年代のR&B系のカヴァーを中心に歌っているのですが、これがマリアもびっくりなパンチの効いた歌声で痺れるんですよ! マリアがブルースなら、ジェニーはファンキー・ソウルです! これは文句無しに格好良いですよ! マニアックな選曲もセンス抜群ですしね。来日してくれませんかね~。



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