ルーツな日記

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フジロック予習:ロン・セクスミス

2013-05-30 19:36:00 | フジロック
RON SEXSMITH / FOREVER ENDEAVOUR

フジロック予習特集第2弾、ロン・セクスミスです。カナダが誇るシンガー・ソング・ライター。今年新作「FOREVER ENDEAVOUR」(写真)をリリースしたばかり。何となくいつまでもデビュー当時のままのような印象がありますが、今作で通算13枚目。メジャー・デビューから数えてもかれこれ20年近く活動を続けていますから、もうベテランの域です。

今作「FOREVER ENDEAVOUR」のプロデューサーを務めたのはミッチェル・フルーム。ご存知、クラウデッド・ハウス、ロス・ロボス、エルヴィス・コステロ、ポール・マッカートニー、リチャード・トンプソン、コアーズ等々、数多のアーティストを手掛けてきた名プロデューサーです。ちなみに今年のフジロックに出演するスザンヌ・ヴェガの元旦那様でもあります。ロン・セクスミスとはロンのデビュー作「RON SEXSMITH」からの付き合いで、初期作品をはじめ数枚のプロデュースを手掛けています。まさにロンのサウンドを作った男であり、ロンのプロデューサーと言えばミッチェル・フルーム!と言えそうなそんな印象。とは言え、二人の邂逅は06年作「TIME BEING」以来7年振り。

メタリカなどで知られる敏腕ボブ・ロックがプロデュースした前作「LONG PLAYER BLOOMER」はロンにしてはポップでエッジの効いたサウンドでした。でもそれが逆にロンのソングライティングを際立たせた素晴らしい作品になったと私は思っていますし、このまま数枚はボブ・ロックと作って貰いたいなんて思ったりもしていたのですが、今回そのボブとは袂を分かち、再びミッチェル・フルームと手を組むと聞けば、それはそれで期待せずにはいられなかったり。そして楽しみにしていたこの新作、1曲目「Nowhere To Go」を聞いた瞬間、ああ、柔らかい音だな~、と思いました。

さて、プロデューサーが変わればバックのミュージシャンも変わります。今回、名を連ねたのはドラムスにPete Thomas、Matt Chamberlain、Michael Urbano、Don Heffington、ベースにBob Glaub、Davey Faragher、ギターはVal McCallum、そしてペダル・スティールにGreg Leiszの名も。さらに木管楽器やブラス・セクション、ストリングスも付く。キーボードはミッチェル・フルーム自身。面白いのは、昨年ミッチェル・フルームが手掛けたスザンナ・ホフス(元バングルス)のソロ作のバックとかなり被ってるんです。8割型同じ布陣。おそらくこの人達が今、ミッチェル・フルームが最も頼りにしているミュージシャン達なんでしょうね。今回、ミッチェル・フルームはプロデュースの他、アレンジも任されていますから、彼に対するロンの信頼度も伺えますね。

それにしてもボブ・グラウブやマット・チェンバレンといった百戦錬磨のセッション・プレイヤーをはじめ、エルヴィス・コステロ繋がりのピート・トーマスやデイヴィ・ファラガーなど、なかなか興味深い面子。ギターのヴァル・マッカラムはジャクソン・ブラウンやシェリル・クロウのバック等で活躍し、ピート・トーマス&デイヴィ・ファラガーのコステロ組とJACKSHITなるバンドを結成していたり。個人的にはグレッグ・リーズの参加 (残念ながらさほど目立った活躍はしていないと思われますが…)が嬉しい! あとローン・ジャスティスの初期ドラマーだったドン・ヘフィントン!!

そんなバック・ミュージシャン達ががミッチェル・フルームの指揮の下、さりげない演奏でロン・セクスミスの歌世界をバック・アップ。もちろん主役はロン・セクスミスの歌と楽曲。「Nowhere To Go」、「If Only Avenue」、「Deepens With Time」などのスロー・ナンバーはもう珠玉の一言。穏やか且つノスタルジックなメロディー・ラインと素朴なロンの歌声が素晴らしい。木管楽器やストリングスのウォーミーな音色にも癒されます。おそらくグレッグ・リーズと思われるペダル・スティールが幽玄な響きを添える「Lost In Thought」も美しい!

もちろんスローだけではなくポップな曲もあります。後期ビートルズ、特にポール・マッカート的なポップ・センス溢れる「Snake Road」はブラスアレンジも格好良い。ポール・マッカートニーと言えば「Back Of My Hand」での優しいポップなメロディラインもポール的。ロンの歌声すらポールのように聴こえる瞬間が何度かあったり。一方「Me, Myself And Wine」ではディキシー・ランド・ジャズの古き良き香りに、「She Does My Heart Good」ではちょっぴりコミカルなアレンジに心躍ります。陽光のような安らぎを感じる朗らかな「Nowhere Is」や、軽やかなアコギ弾き語り「Sneak Out The Back Door」も素敵。

いや~、ロン・セクスミス、良いですね! 何てったって曲が良いですよ! 前作「LONG PLAYER BLOOMER」でも感じたことですが、ここへ来てさらにメロディ・メイカーとしての才に脂が乗ってきてるんじゃないでしょうか? それぐらいの充実度。これはフジロックも楽しみですね!

ロン・セクスミスのフジロックは今回が3回目ですかね。(フジ・オフィシャル・サイトのアーティストデータには2度目と書いてありますけど3度目ですよね?)。1度目は01年のレッドマーキー、2度目は11年のフィールド・オブ・ヘブン、そして今回は何所のステージに出るんでしょうか? やっぱりヘヴンが似合いそうですけどね。ちなみに私は一昨年、ヘヴンのロン・セクスミスをちょっと後方から椅子に腰掛けてゆっくりと堪能致しました。気持ち良かったですね~。ホント素敵なライヴでした。またヘヴンで観たいぐらいですが、それでは2年前と同じになってしまうので、今回は違うステージかも知れませんね。オレンジでも良いかも?




こちら、最新作から「Nowhere To Go」のアコギ弾き語り映像。↓
http://www.youtube.com/watch?v=heTmwlQE2Is&list=UUQN58YqstC03J7XogfkYWRw&index=17





RON SEXSMITH / RON SEXSMITH
ロン・セクスミス、95年のメジャー・デビュー作「RON SEXSMITH」。「Secret Heart」は名曲ですね。プロデュースはもちろんミッチェル・フルーム。ですがラストの「There's A Rhythm」のみ、ダニエル・ラノワがプロデュース。そのダニエル・ラノワも今年フジロックに来るんですよね~。





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 11.07.14 フジ予習:ロン・セクスミス ←2年前に書いたフジ予習


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