ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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フジロック 必見アーティスト! その3

2017-07-24 22:19:08 | フジロック
TROMBONE SHORTY / PARKING LOT SYMPHONY

我らがトロンボーン・ショーティがフジロックに帰ってくる!! 2010年の初出演以来、7年振りのフジ帰還です。

トロンボーン・ショーティことトロイ・アンドリュース。ニューオーリンズのトップ・トランぺッターの一人となるジェイムス・アンドリュースを兄に持ち、かの偉大なるジェシー・ヒルの孫にあたるという、ニューオーリンズ音楽一家のサラブレットです。今年もニューオーリンズ・ジャズ・フェスティヴァルでは、メインステージの大トリを務め、まさにニューオーリンズの顔としての存在感を増々発揮しています。

そして彼の凄いところは、メジャーシーンでの活躍ぶり。これまでもニューオーリンズのトップ・プレイヤー達は至る所で活躍してきましたが、彼のようにニューオーリンズ土着のR&Bをベースにした音楽スタイルを持ったアーティストの場合、例えば大物アーティストの作品にゲスト参加を請われるような場合も、概ねそのニューオーリンズ・フレイバー欲しさの起用が殆どな訳です。ですがトロンボーン・ショーティの場合は、ニューオーリンズが肌に染み付いていながらも、求められるのは、それ以上に純粋にトロンボーン奏者としての彼という印象なのです。

これまでもロック、ファンク、ヒップホップ、ジャズ、あらゆるジャンルの大物アーティスト達と共演を重ねてきたトロンボーン・ショーティ。2014年のグラミー賞でマドンナやマックルモア&ルイスの素晴らしいパフォーマンスを共にしたのも記憶に新しいですし、同年のNBAオールスター・ハーフタイム・ショーで披露した、ジャネル・モネイやアース・ウィンド&ファイア等を招いてのファンク・ショーも強烈でした。2015年にはマーク・ロンソンの大ヒット作「UPTOWN SPECIAL」にも参加してましたしね。ニューオーリンズ音楽ファンといたしましては、彼のワールドワイドに活躍する姿っていうのは、誠に持って頼もしいばかりなのであります。あと、2015年に公開されたスヌーピーの3D映画で、”大人の声”をトロンボーンで演じて話題を振りまいたりもしていましたっけ。

そして今年はレッド・ホット・チリ・ペッパーズのツアーでオープニングアクトに抜擢されたことでも注目を浴びたトロンボーン・ショーティですが、なんとブルーノートに移籍してリリースした最新作が「PARKING LOT SYMPHONY」。メジャー作としては、2010年の「BACKATOWN」より通算4枚目となります。

バックを務めるのはお馴染みのオーリンズ・アヴェニューの皆様。ライヴでも目立っていた豪腕ベーシストのマイク・バラードは脱退してしまったのでしょうか? 今作ではネヴィル・ブラザーズ〜ダンプスタファンクのトニー・ホールがベースを弾いています。プロデュースは、アンドラ・デイや、フィッツ&ザ・タントラムズを手掛けたクリス・シーフリード。

「BACKATOWN」の頃は、ギャラクティックやダンプスタファンク達と呼応する新世代ニューオーリンズ・ファンクを強力に展開していたトロンボーン・ショーティでしたが、前作「Say That To Say This」辺りからは、アダルトな成熟度をも醸し始め、そういう意味では、今作も前作の延長上にある作品という印象。バイユーの神秘を感じさせるようなホーン・アンサンブル「Laveau Dirge No. 1」から始まり、AOR的な清々しいグルーヴが気持ち良いタイトル曲「Parking Lot Symphony」、ヒップホップ的なヘヴィ・ファンク「Familiar」、オーガニックなメロディがソウルフルな「No Good Time」、バウンシーなグルーヴが腰にくる「Where It At?」、繰り返されるファンキーなギター・フレーズに絡むホーン・リフが印象的な「Fanfare」などなど。ヴァラエテ豊かな楽曲は、どれもファンキーなれどそれだけでは終わらない、緻密に寝られた深みを感じさせられ、聴けば聴くほど味わいが増していく。もちろん全編で聴けるトロンボーン・ショーティによるトロンボーン・ソロも最高ですし、エモーショナルでありながら何処か人懐っこい歌声も素敵です。

彼はトロンボーンだけではなく、トランペットはもちろん、ギター、ドラム、ピアノやオルガン、グロッケンスピールなど鍵盤系も弾きこなすマルチプレイヤー振り。ブラスバンド的なノリが超ファンキーな「Tripped Out Slim」では彼が吹くチューバによる低音が格好良い!!ですがこれだけ楽器を操りながらも、あくまでもバンド・グルーヴを主体としたサウンドであるところに、ニューオーリンズが誇るトロンボーン・ショーティらしさを感じさせられます。

楽曲はほとんどがトロンボーン・ショーティによる作曲、共作ですが、カヴァーも2曲納められています。1曲はミーターズの「It Ain't No Use」。ここでは本家ギタリストのレオ・ノッセンテリがアコースティック・ギターを弾いています。そしてもう1曲がアラン・トゥーサンの「Here Come The Girls 」。こちらにはアイヴァン・ネヴィルがピアノで参加。どちらもニューオーリンズ・ファンクのオリジネイターに敬意を表した素晴らしいカヴァー。特に「It Ain't No Use」のトロンボーン・ソロは最高ですね。これは名演!!

そして日本盤のボーナス・トラックにはそのカヴァー2曲のライヴ・ヴァージョンが納められています。これが最高なんですよ! 正直、これ聴いちゃうと、本編の”成熟”が歯がゆく思えるほど、それほどファンキーで格好良い!! こういうライヴにおける弾力抜群の熱いファンクネスを、スタジオ作でストレートにガツン!と作ってくれないですかね〜、なんて思ってしまったり。でもそれ故に、ライヴが楽しみでならないのです。フジロックのライヴでは、弾けまくったトロンボーン・ショーティが観れることでしょう。

今回はフィールド・オブ・ヘヴンにて、スタージル・シンプソン→トロンボーン・ショーティ→サンダーキャットという最高の流れ。世間の注目はサンダーキャットに集まっているようですが、トロンボーン・ショーティを甘く見てはいけませんよ〜!!!







JAMES AND TROY ANDREWS / 12 & SHORTY
まだトロンボーン・ショーティとしてのブレイク前のトロイ・アンドリュースが兄ジェイムスと共に、2014年にそれぞれのニックネームを冠してリリースした作品。この時まだショーティは10代でした。古き良きジャズの香りと、ニューオーリンズの朗らかなストリート感が一際愛らしく、トロンボーンショーティ関連の作品の中でも私が特に好きな作品。