ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

ダニエル・コラン

2007-10-22 00:40:31 | ワールド・ミュージック
今日は渋谷タワーレコードへ行ったのですが、偶然にもアコーディオン奏者ダニエル・コランのインストア・ライブが有ったので、これ幸いとばかり観てまいりました。正直な話、ダニエル・コランさんについても、彼が奏でる音楽についてもまったく知らなかったのですが、生で本物のアコーディオン演奏が聴けるならと。

そして席に座り待つことしばし。頂いたフライヤーを見ると、ダニエル・コランはギタリストのドミニック・クラヴィクと共に先日「パリ・ミュゼット 2」というアルバムをリリースしたそうで、そのCDのプロモーション来日ということでしょうか。そのフライヤー曰く、ダニエル・コランは1941年生まれの現在一番活躍しているミュゼット・アコーディオン奏者で、その早弾きのテクニックから「ターボ」というあだ名を持っているとか。そしてドミニック・クラヴィクはフランスを代表する歌手アンリ・サルヴァドールの専属ギタリストを長く務めた実力派で、ミュゼット・ギタリストの第一人者だそう。

定刻になり司会者の紹介でダニエル・コランがにこやかに登場。今回ダニエル・コランをサポートするのは福島久雄という日本人ギタリスト。ダニエル・コランへのインタヴューを挟みながらニュー・アルバムからの曲を中心に二人はアンコールを含めて7曲程披露。フランスらしいお洒落な雰囲気とどこか物悲しい音色に耳を奪われました。曲は「男と女」とか「恋は水色」とか「バラ色の人生」とか有名な曲ばかり。なんかセーヌ川のほとりで聴こえてきそうなアコーディオンとガット・ギターの調べでした。とは言えもちろん私はフランスには行ったことがありませんが…。

それにしてもダニエル・コランの指は神業的に動いていました。右手も左手も指を細かいボタンの上で泳ぐがごとく滑らし、哀愁と暖かさを感じる旋律と音色を魔法のように響かせてくれました。やっぱり生演奏は良いですね。アンコールの「パリの空の下で」にう~っとりでした。偶然とは言え極上の午後を過ごさせて頂きました。

帰宅後、”ミュゼット”についてもう少し詳しく知りたいなと思い、「パリ・ミュゼット 2」の発売元であるリスペクトレコードのサイトを調べてみたのですが、そこに簡単な紹介が載っていました。それによりますと、パリ・ミュゼットとはパリの下町で長く愛された音楽であり、シャンソンと並んでフランスを代表する音楽だそうです。19世紀、産業革命の影響でパリへ流れたイタリア移民たちが、アコーディオンをパリに持ち込み、それに伴いダンスホールも増え、20世紀初頭にはアコーディオンをメインにしたミュゼット音楽が大流行したそうです。それ以来色々な音楽のリズムや要素を取り入れながら愛され続けるフランスの大衆音楽、パリ・ミュゼットだそうです。なるほど~。

さらにジャンゴ・ラインハルトも多くのミュゼット・ナンバーを演奏しているとか。そう言えば今日ギターを弾いていた福島久雄さんは普段はジプシー・スウィングのバンドでギターを弾いてるそうです。この辺の音楽のつながりも面白いですね。

ちなみにダニエル・コランは12月に再度来日し「フレンチ・カフェ・ミュージック パリ・ミュゼット・クリスマス」というコンサートを行うそうです。なんかお洒落なクリスマスが楽しめそうですね。