BOBBY BYRD / BOBBY BYRD GOT SOUL
2007年9月12日、ジェイムス・ブラウンの右腕と知られるボビー・バードが亡くなられたそうです。享年73歳。癌だったそうです。
ボビー・バード、1934年ジョージア州の生まれ。ジェイムス・ブラウンの合の手役として、特に「Get Up (I Feel Like Being A) Sex Machine」で、ブラウンの「ゲロッパ!」に対しすかさず「ゲロウナ」と返す人として有名です。もちろんそれだけでは有りませんし、ひょっとしたらボビー・バードなくしてジェイムス・ブラウンはなかったかも…、なんて書いてみたり。
ジェイムス・ブラウンとボビー・バードの出合いは、ブラウンが窃盗によりいわゆる少年院で服役中の時でした。塀の中のブラウンと外のバードがどのように出会ったかは諸説有ると思いますが、とにかく二人は出会い、惹かれあったのです。そしてブラウンの仮釈放の際、バードの家族が保証人となったとか。さらにブラウン仮釈放にはゴスペルを歌うことが条件となっており、ボビー・バードのゴスペル・グループに加入することになったのです。まだ二人が10代後半の頃の話です。ですがこれが後のフェイマス・フレイムスとなる訳ですから、その後長く続く帝国、JBファミリーが産声をあげた瞬間かもしれません。
JBファミリー内にあってボビー・バードはヴォーカリストとしてはもちろん、時にはピアノやオルガンも担当しました。さらには例の「Get Up (I Feel Like Being A) Sex Machine」をはじめ「Talkin' Loud & Sayin' Nothing」、「Licking Stick-Licking stick」、「Lost Someone」などではソングライターとしてもクレジットされています。もちろんリード・ヴォーカルはジェイムス・ブラウンですから、あくまでも影の存在ではありますけどね…。
そんなボビー・バードも実はソロでの録音をかなり残しています。デビュー曲は63年の「I Found Out」。それ以降60年代から70年代にかけて代表曲「I Know You Got Soul」をはじめ数々のシングル曲を発表しています。もちろんソロといってもほとんどJB傘下での活動ですけどね。そして70年にはJBファミリーの歌姫ヴィッキー・アンダーソンと結婚しています。ちなみにこのヴィッキー・アンダーソンとボビー・バードとの間に生まれた娘が、90年代のアシッド・ジャズ・シーンを代表する女性シンガーの1人、カーリーン・アンダーソンです。
バードは72、3年頃にJBと袂を分かつことになったようですが、その後は順調な活動が出来たとは言えないかもしれません。ですが80年代後半にレア・グルーヴ周辺で再評価されたり、そして奥様と来日したり、94年には復活のソロ・アルバム「ON THE MOVE」をリリースしたりと、確かな足跡を残しました。
写真のアルバムはそんなボビー・バードの60年代から70年代の録音集「BOBBY BYRD GOT SOUL」。バード自作曲やJBとの共作曲を中心に興味深いカヴァー曲もありでかなり楽しめます。バックはもちろんJBファミリーの面々。フレッド・ウェズリーのトロンボーン・ソロもかっこ良いバードの代表曲「I Know You Got Soul」。彼の出世作ともなった64年のアナ・キングとのデュエット「Baby Baby Baby」。さらにJBと共に歌う「You've Got To Change Your Mind」。カヴァーではサザン・バラードの「When Something Is Wrong With My Baby」なども面白い。バードの歌はJBの影響はもちろんですが、オーティス・レディング辺りの影響も強く感じ、スティーヴィー・ワンダー曲「Signed, Sealed & Delivered」で魅せる荒々しい猪突猛進な歌いっぷりもなかなか。どうしてもJBと比べられざるを得ない因果な環境にあるボビー・バードなだけに、その歌唱力には賛否両論あるようですが、私は大好きです!
ちなみに94年の復活作「ON THE MOVE」もなかなか良いです。若き頃より風格が感じられる声が味わい深く、バックのブルーノ・スペイト(g)やジェリー・プレストン(b)達のファンキーなプレイも最高です。
昨年のJBの死に続いて今年はボビー・バードまでも…。今頃天国であの頃のように熱くファンキーに掛け合ってるかもしれませんね。ボビー・バードさんの御冥福をお祈りいたします。
2007年9月12日、ジェイムス・ブラウンの右腕と知られるボビー・バードが亡くなられたそうです。享年73歳。癌だったそうです。
ボビー・バード、1934年ジョージア州の生まれ。ジェイムス・ブラウンの合の手役として、特に「Get Up (I Feel Like Being A) Sex Machine」で、ブラウンの「ゲロッパ!」に対しすかさず「ゲロウナ」と返す人として有名です。もちろんそれだけでは有りませんし、ひょっとしたらボビー・バードなくしてジェイムス・ブラウンはなかったかも…、なんて書いてみたり。
ジェイムス・ブラウンとボビー・バードの出合いは、ブラウンが窃盗によりいわゆる少年院で服役中の時でした。塀の中のブラウンと外のバードがどのように出会ったかは諸説有ると思いますが、とにかく二人は出会い、惹かれあったのです。そしてブラウンの仮釈放の際、バードの家族が保証人となったとか。さらにブラウン仮釈放にはゴスペルを歌うことが条件となっており、ボビー・バードのゴスペル・グループに加入することになったのです。まだ二人が10代後半の頃の話です。ですがこれが後のフェイマス・フレイムスとなる訳ですから、その後長く続く帝国、JBファミリーが産声をあげた瞬間かもしれません。
JBファミリー内にあってボビー・バードはヴォーカリストとしてはもちろん、時にはピアノやオルガンも担当しました。さらには例の「Get Up (I Feel Like Being A) Sex Machine」をはじめ「Talkin' Loud & Sayin' Nothing」、「Licking Stick-Licking stick」、「Lost Someone」などではソングライターとしてもクレジットされています。もちろんリード・ヴォーカルはジェイムス・ブラウンですから、あくまでも影の存在ではありますけどね…。
そんなボビー・バードも実はソロでの録音をかなり残しています。デビュー曲は63年の「I Found Out」。それ以降60年代から70年代にかけて代表曲「I Know You Got Soul」をはじめ数々のシングル曲を発表しています。もちろんソロといってもほとんどJB傘下での活動ですけどね。そして70年にはJBファミリーの歌姫ヴィッキー・アンダーソンと結婚しています。ちなみにこのヴィッキー・アンダーソンとボビー・バードとの間に生まれた娘が、90年代のアシッド・ジャズ・シーンを代表する女性シンガーの1人、カーリーン・アンダーソンです。
バードは72、3年頃にJBと袂を分かつことになったようですが、その後は順調な活動が出来たとは言えないかもしれません。ですが80年代後半にレア・グルーヴ周辺で再評価されたり、そして奥様と来日したり、94年には復活のソロ・アルバム「ON THE MOVE」をリリースしたりと、確かな足跡を残しました。
写真のアルバムはそんなボビー・バードの60年代から70年代の録音集「BOBBY BYRD GOT SOUL」。バード自作曲やJBとの共作曲を中心に興味深いカヴァー曲もありでかなり楽しめます。バックはもちろんJBファミリーの面々。フレッド・ウェズリーのトロンボーン・ソロもかっこ良いバードの代表曲「I Know You Got Soul」。彼の出世作ともなった64年のアナ・キングとのデュエット「Baby Baby Baby」。さらにJBと共に歌う「You've Got To Change Your Mind」。カヴァーではサザン・バラードの「When Something Is Wrong With My Baby」なども面白い。バードの歌はJBの影響はもちろんですが、オーティス・レディング辺りの影響も強く感じ、スティーヴィー・ワンダー曲「Signed, Sealed & Delivered」で魅せる荒々しい猪突猛進な歌いっぷりもなかなか。どうしてもJBと比べられざるを得ない因果な環境にあるボビー・バードなだけに、その歌唱力には賛否両論あるようですが、私は大好きです!
ちなみに94年の復活作「ON THE MOVE」もなかなか良いです。若き頃より風格が感じられる声が味わい深く、バックのブルーノ・スペイト(g)やジェリー・プレストン(b)達のファンキーなプレイも最高です。
昨年のJBの死に続いて今年はボビー・バードまでも…。今頃天国であの頃のように熱くファンキーに掛け合ってるかもしれませんね。ボビー・バードさんの御冥福をお祈りいたします。