ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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カルロス・ジョンソン@O-NEST

2007-03-18 10:34:01 | ブルース
CARLOS JOHNSON / LIVE AT B.L.U.E.S. ON HALSTED

3月16日、カルロス・ジョンソンのライブに行ってきました! とにかく最高でした! まさしく現在最高峰のシカゴ・ブルース・ギタリストです! 濃密過ぎる一夜にもうクラクラです。

渋谷のO-NESTというライブ・ハウスは初めて行きましたが、なんかアマチュアのバンドがライブをやるような簡素で小さなハコ。かえってこの密室感がより一層の濃密度を演出していました。私は整理番号30番だったので、驚くほどステージ間近の位置で見ることが出来ました。

お客さんも大入り満員の中いよいよカルロス・ジョンソンが登場。ガッチリとした体格に、トレードマークとも言える帽子。サウスポーなので右手用のギブソンのセミアコを逆さに持っています。いきなりオーティス・ラッシュの「I WONDER WHY」からスタート! カルロスのギターが唸りを上げます。

まず音が良い! 絶妙の歪み具合とその太さ、そして体感させられる音圧はやはりライブならでは。そしてよく見ると弦は右手用のまま張られているようで6弦が下にきています。そのせいか基本的にチョーキングは下方向。体全身で絞り上げるようにグングン引っ張ります。これが凄い! まさに魂のチョーキング! これぞブルース!

今回カルロスのバックを務めたのは日本を代表するブルース・バンドの一つローラーコースターズ。堅実なサポート振りでしたが、満足なリハも出来なかったであろうなか、自由奔放なカルロスのスタイルについていくのは大変な事だろうなと思いました。ですが終始カルロスの合図と共にソロや緩急を付けていくさまは流石でした。

セットはアルバート・キングの「I'll Play The Blues For You」や「Don't Throw Your Love On Me So Strong」などが披露されていきましたが、この夜のハイライトとなったのは中盤に演奏された濃密なスロー・ナンバー。(すいません、曲名分かりませんでした。)

ブルースと言うよりはソウル・バラード的な雰囲気の歌メロを渋い喉で聴かせてくれましたが、フロアへ降りて観客に囲まれながらのギター・ソロがまた凄かった。私の位置からは帽子しか見えませんでしたが、その帽子からはまるで“ブルース魂”のオーラが立ち上っているかのようでした。か弱くすすり泣くようなトーンから、突如感情を剥き出しにしたかのようにスクイーズしまくるギター! 延々繰り広げられるブルース衝動にしばし呆然でした。凄かったです。この曲が終わったあとはしばらく拍手喝采が鳴り止みませんでした。オールスタンディングですから初めから観客は皆立っているのですが、アレはまさにスタンディング・オベーションでした。その歓迎ぶりにカルロスも目をウルウルさせて立ち尽くし、顔を両手で覆ってました。それを見て私ももらい泣きしそうに…。

後半は「Mercy, Mercy, Mercy」でカルロスに「モト」と呼ばれる銀髪の日本人ギタリストが登場。失礼ながら私はよく知らなかったのですが、この人は以前はシカゴでシュガー・ブルーのバックを務めていた牧野元昭氏のようです。カルロスとはかなり親し気でした。二人の息の合った掛け合いもなかなかでした。

本編ラストはシカゴ調のブルースで「ヤーヤーヤー!」と大合唱して大盛り上がりに。あの大合唱は会場全体の興奮を物語ると同時に、観客からのカルロスに対する讃辞が込められていたと思います。カルロスも嬉しそうでしたね。

そしてアンコールはソロ作「IN AND OUT」収録の「KEY TO THE HIGHWAY」。この曲はホント素晴らしい。これもブルースと言うよりはソウル。先のバラードもそうですが、カルロスの喉はソウルっぽい曲の方が合っているように思います。そしてギター・ソロ! 出だしのとんでもなく鋭角的な切り込みだけで鳥肌ものでしたが、こんなにエモーショナルに歌い、泣きまくるギターはそうは聴けませんよ!参りました。

そんなカルロスは武骨に見えて意外とお茶目。そしてエンターテイナー。さらに酒と女が大好きって感じでした。MCでも結構笑いを取っていましたし、歌詞も即興で変えたりして盛り上げていました。サービス精神も旺盛で、アンコールの「KEY TO THE HIGHWAY」は後半「Georgia on My Mind」ならぬ「Tokyo on My Mind」になっていましたし。

とにかくカルロスのギターと、その人柄にも酔いしれた一夜でした。


そして翌日3月17日は渋谷タワー・レコードでのインストア・ライブ。前日渋谷に来た人が全員来てしまったのでは?と思える程の大入り状態。この日は1人でエレキ・ギターでの弾き語り。スクイーズ系ではなくジャズ・ブルースって感じの完全弾き語りモード。30分程度でしたが前日のライブではやらなかった「What's Going On」や「Summertime」、「Big Boss Man」などが聴けて嬉しかったです。最後は「Sweet Home Chicago」で大盛り上がりに終了。その後のサイン会も大盛況でした。私もしっかりサインを貰いました。握手も。大きく暖かい手でした。

(既に記憶が曖昧ですので、曲目等間違っていたらゴメンナサイ。)


*写真はサインを貰ったカルロスのライブ盤「LIVE AT B.L.U.E.S. ON HALSTED」。


~関連過去ブログ~ お茶のお供にどうぞ。

 07. 2.15 カルロス・ジョンソン(「LIVE AT B.L.U.E.S. ON HALSTED」)