ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

スティーヴィー・ワンダー@埼玉

2007-02-19 23:57:24 | ソウル、ファンク
STEVIE WONDER / LOVE SONG 20 CLASSIC HITS

2月18日、スティーヴィー・ワンダー行ってきました! 先日このブログに「私が聴きたい曲ベスト5」を書いてみました。それは「For Once in My Life」、「Signed, Sealed, Delivered I'm Yours」、「Superwoman (Where Were You When I Needed You) 」、「If You Really Love Me」、「Shelter In the Rain」の5曲。その中で今日聴くことが出来たのは2曲でした。

以下、ネタバレになりますので、これからスティーヴィー・ワンダーの来日公演を観に行かれる方は読まないことをお勧めします。

さて、さいたまスーパーアリーナ。予定時間15時を20分程押して開演。バックはギター、ベース、キーボード、ドラムス、パーカッション、さらにホーン隊2人とコーラス隊4人という布陣。スティーヴィーの登場に会場が湧く中、73年の傑作アルバム「インナーヴィジョンズ」の冒頭を飾る「Too High」でショーはスタート。スティーヴィーはもちろんキーボードを弾きながら歌います。隣にはピアノも用意されてるようです。しかし嬉しい選曲ながらオープニングにしては地味めな曲と言う印象。

2曲目は「Visions」というさらに地味な曲。どうなることかと思いきや、3曲目からはファンキーな名曲のオンパレードでした。まずは「Living For The City」。続いて「Higher Ground」。ちなみにここまでの4曲は全て「インナーヴィジョンズ」から。さらに72年の名作「トーキング・ブック」から「You’re The Sunshine Of My Life」と「Superstition」。そしてまた「インナーヴィジョンズ」から「Don’t You Worry About A Thing」。どうですか?まだ序盤ですよ!こんなに名曲やっちゃって良いの?って感じです。

そしてここで私が期待していた「If You Really Love Me」が登場!最高でした! 71年の「青春の軌跡」収録の曲。途中の鍵盤引き語りになる部分では、ライブならではのタメを効かしエモーショナルに、さらにポップなリズムに戻る瞬間の高揚感、そして弾むメロディーの幸福感。間違いなく前半のハイライトでした。

そして続いてまた私が聴きたかった曲「Signed, Sealed, Delivered I'm Yours」。70年のヒット曲。やっぱり良い曲ですね。オリジナルより少しテンポを落としヘヴィーなアレンジで披露されましたが、ポップなメロディーは不滅でした。この曲では今日初めてスティーヴィーがキーボードから離れ、立って歌いました。

さて、ここからはスロー・ナンバーが続きます。「青春の軌跡」収録の「Never Dreamed You’d Leave In Summer」なんていう隠れ名曲や、私も大好きな「Overjoyed」、ハーモニカ・ソロが美しかった「Stay Gold」、など5曲も。もうたっぷり、どっぷり、スティーヴィーの深い海の中へ潜った感じです。でも流石に5曲は長かったかも?

そして驚いたのが「A Place In The Sun」に続いて披露された「Until You Come Back To Me」。この曲は73年にスティーヴィーがアレサ・フランクリンに提供した美しい曲。私はアレサのヴァージョンの方が馴染みがあるのですが、「あ~、この曲はスティーヴィーの曲なんだな」と改めて実感させられた嬉しい選曲でした。

ここから終盤の名曲コーナー。まずは69年のヒット曲「My Cherie Amour」。そして85年の大ヒット曲「Part Time Lover」。この「Part Time Lover」は後半のハイライト。冒頭のスキャット風な部分を客席に歌わせ、さらに簡素なリズムとコーラスのみというほとんどアカペラに近い状態で披露されました。初めは「え?このまま最後まで?」って感じでしたが、この演出が大正解! 会場の一体感も得られましたし、くっきりと浮かび上がったメロディーの良さも際立ちました。さすが名曲です。

さらに誰もが知ってる「I Just Called To Say I Love You」で興奮は最高潮に。そして最新作からの「So What The Fuss」を挟み、76年の代表作「キー・オブ・ライフ」からの「As」で終了。

およそ2時間のショーでしたが、終始リラックス・ムードで進められ、スティーヴィーは途中喉の調子が悪いような素振りを見せていましたが、たっぷりと衰え知らずの美声を聴かせてくれました。私にとっては特に前半「Living For The City」~「Signed, Sealed, Delivered I'm Yours」までが至福の時間でした。

その反面、正直後半はもう一盛り上がり欲しかったというのも素直な気持ちです。テンポの良かった前半に比べると後半は少々メリハリにかけた印象も。やっぱり「For Once in My Life」と「Shelter In the Rain」を演って欲しかったな~。って言うかそれ以前に「Sir Duke」も「Isn’t She Lovely」も演らなかったのには驚きと失望を感じずにはいられませんでした。 

しかも初日には「Sir Duke」も「Isn’t She Lovely」も演ったと知り、何故?って感じです。ま、それでも70年代前半の曲を多く演ってくれたので満足してますけどね。それにしてもスティーヴィー・ワンダー、良い曲が多いですね。そしてネイザン・ワッツ(b)、ロニー・フォスター(kbd)をはじめとするバックの面々も流石の演奏でした。何だかんだ言ってスティーヴィー・ワンダーに酔いしれた一夜(夕方)でした。

*写真のアルバムは「Until You Come Back To Me」のスティーヴィー・ヴァージョンも収録された編集盤。60年代後半から70年代初頭にかけての名曲を中心にラブソングばかりを集めたもののようです。ちなみに私が初めて買ったスティーヴィーのCDはこれかもしれません。久々に引っ張り出して聴いています。「If You Really Love Me」「Signed, Sealed, Delivered I'm Yours」「My Cherie Amour」「For Once in My Life」など、私の大好きな曲が沢山入ってて、なかなかの好編集です。