今日ご紹介するこのオートバイが与えた影響力は絶大な物があって、国内での「大型ミドル」を一般的なものにした特別な1台とも言える、ヤマハ「MT-07(EBL-RM07J)」初期型です。
登場は2014年からで、2018年にマイナーチェンジがなされ2世代型の「2BL-RM19J」に進化し、現在(2021年〜)はさらに進化した3世代目の「8BL-RM33J」へと発展しています。
ともかく、かつて2014年頃の時代ってのは徐々にオートバイブームへと向かってる途中で、ハーレーを好む返り咲きリターン系の「オヤジライダーたちだけのブーム」から、
もう少し若い世代にも受け入れられかけた微妙な頃で、徐々にですが「国産の大型バイク」にも目を向ける傾向が広がり、今の方向性に近い多様化の時代の幕開けだったりします。(笑)
特にスーパースポーツ(SS)の人気が高まり、2004年以降、進化が止まらない高性能への道を歩み続けた結果、新車で200万円を超えるモデルが続々と登場し始めた頃でもありました。
そんな中、新しいユーザー(一般的なサラリーマンやOLさん)の獲得を狙って登場したのがこのヤマハ「MT-07(EBL-RM07J)」の初期型です。
また車種バリエーションとしては基本モデルの「MT-07」と、ABS付きの上級グレード「MT-07-ABS」がありました。
登場と共に瞬く間に人気モデルとなり多くのライダーに買われてたオートバイだったのですが、その人気を得た要因の1つに「優れたコストパフォーマンス」ってのがありました。
とにかく高性能な大型バイクが軒並み高額化してる状況にあって「お手軽に買える大型バイク」だった事、はたまた「スタイリッシュ」だった事が大きな理由となってた気がします。
まぁ、新車で70万円を切る価格帯は、ホンダ「NC700S」以来の激安モデルで、とても大型バイクの価格とは思えないものですよね。(笑)
さらに「大型ミドル(401cc〜750cc)」をより「メジャーにした1台」でもあり手軽に乗れる分、カスタムされたり便利グッズを搭載してツーリングを楽しむと言う概念を生み出します。
これ切っ掛けで、ホンダからは「CB650F」であったり、カワサキからも「Z650」が登場したり、スズキからも「SV650ABS」などが後を追う形で続々と登場します。
ここに、コスパに優れた国産大型ミドルの完成系を見る事となるんですよね。(笑)
また、全てに共通して言えるのは、軽い車体でワインディングを昔の4スト400ccクラスの様に、ほとんどストレスの無い状態での走りが可能だって事です。
それまでの大型バイクってのは、無限レベルでパワーがあり過ぎたり、荷重移動でどうしても重かったりするので、峠のカーブがタイトになればなるほどライダーへの負担は増える一方となり、
余程、上手い運転技術を持ったライダーでないと扱い切れないものになってたので、ホントこのクラスって一般的なライダーにちょうど良いんですよね!(笑)
無理をして重くハイスペックな大型バイクに乗っちゃうと、中にはかえって中型バイクより「遅い走り」になっちゃうライダーさんもいるほどで、
余計にこの「MT-07」の扱い安さは有難いし、気持ちの良い走りを実現してくれるって事です。
で、この「MT-07(EBL-RM07J)」のスペックを見てみますと、エンジンは水冷式4スト並列2気筒DOHC4バルブで排気量が688cc、
最高出力は73psで、最大トルクが6.8kgとなっています。またホイルベースが比較的狭く設計されてて取り回しも楽々だったりします。
取り立てて今どきの電子制御や豪華装備は搭載されていませんが、しっかりしたトルク力を持っているのでスタートからの加速は良いです。
ただ難点はこの手のコスパに有りがちなのですが、純正のサスペンションがイマイチで、舗装路でも段差を超えるとダンピングに違和感を感じてしまいます。
しかしこの「MT-07(EBL-RM07J)」に関しては、ありとあらゆる社外パーツが揃っていますので、少し高品質なサスとかに交換すれば直ぐに解決です。
そんな事で、新車価格が安いのでその分、後で少し性能を上げる「カスタム代」を考えておく方が個人的には良い気がします。
最後に中古市場を見てみますと、大体安いもので40万円あたりから高いもので70万円前後となっています。
ただ、初期モデル(2014年式)であってもまだ十分に新しい部類に入りますから、比較的安い車両を買っても失敗する可能性は低い気がします。
まぁ、安くて、とても優れてる事はよ〜く分かって頂けたと思うのですが、欲しいと思うかどうかは「見た目の好み」だけですね!(笑)