前回「こんなレースがありますよ」って事でお話しした、市販車改造レースの最高峰「スーパーバイク世界選手権(WSBK)」は、
日本の「4大メーカー(ホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキ)から送り出された車両を中心に、80年代から2000年代までって、
海外メーカーからは唯一「ドゥカティ」だけが参戦すると言うカタチで、世界各国から優れたプロレーサーが集まり、
現在でも、しのぎを削って戦っていた「国際レース」なのですが、何故かそれま「他の海外メーカー」に目を向けると、
ビモータやアプリリア、モトグッチなど「一瞬の乏しみ」で撤退してしまうと言う状況もあったりしてたんですよねぇ。(笑)
で、そんな中、2010年から遂にドイツの有名メーカーである「BMW」からも新型のマシンを登場と共に、
新たなファクトリーチームを編成し、この「スーパーバイク世界選手権(WSBK)」への参戦(挑戦)が決定されます。
この時、それを見越して作られた「最新モデル」と言うのが、この「S1000RR」だった訳です。
ファンならよく知ってると思いますが、それまでの「BMW」のオートバイって伝統の「水平対抗2気筒エンジン」を搭載したモデルか、
その大型クルザーモデルに相当する「水平対抗4気筒エンジン」を搭載したモデルが主流となっており、
他では唯一、2006年に登場した「F800S」に搭載される並列2気筒エンジンがあるだけでした。
そこに「BMW」の新たな技術で設計された新開発の「並列4気筒エンジン」を搭載するモデルとして「S1000RR」と言う、
国際レースを前提に開発さてたマシンが登場したって訳です。
これは完全に「スーパースポーツ(SS)」の相当するモデルで、当時の国産バイクを見ても全く引けを取らないモデルでした。
で、初期モデルのスペックを見てみると排気量が999cc、最高出力は156ps、最大トルクは11kgと言うものでした。
当然フューエルインジェクション仕様で、エンジンはもちろんDOHC4バルブとなっており更にバルブはチタンで作られていました。
当時の国産のマシンと比べ、非常に車体がコンパクトに作られてた事が最大の特徴で、
技術面で見てみると、可変インテークマニホールド(吸気管長を回転数に応じて変化させる)などによって、
通常156psの最高出力が、フルパワー時で193psまでを発揮出来る仕様にもなっていたんですよね。
更にトラクションコントロールシステムやABSも標準装備されており、今に繋がる電子制御も先取りしてるモデルでした。
とにかく登場早々にレースで活躍を見せることとなり、勝利数こそ少なかったですが、
常にトップクラスで戦える性能を持っており、後にプライベートチームやサテライトチームでも使われる様になっていきます。
更に、開発の流れを見てみると2015年にフォルムを中心としたマイナーチェンジが行われ、
2019年には「2世代目にあたる現行型」へとフルモデルチェンジされ販売されることとなります。
とにかく登場当時、個人的に驚いたのはやはり伝統の水平対抗とは違う「並列4気筒エンジン」の登場だったんですね。
ちなみに現在の「スーパーバイク世界選手権(WSBK)」の状況を見てみると「S1000RR」を採用したプライベートチームが、
異様に多いことに気が付きます。
それだけ基本的なポテンシャルであったり「性能や信頼性」が高いって事なのかもしれないですね!(笑)