今日のお話は、英国(イギリス)で起こったムーブメント「カフェレーサー」の存在です。随分と前になりますが、確か1度このテーマに関してボクなりの
視点でご紹介したことがあるのですが、昨日からの流れで、なぜ世間から「オートバイ=悪」と言う印象が付いたのか?その要因を「世界規模」で探ってみたい
と考えていますので、よろしくお願いいたします(笑) で、話を戻しこの英国発祥の「カフェレーサー」について語っていきたいと思います。まずこの行為
を行った人たちの事を「ロッカーズ」と言います。彼らはいわゆる「労働者階級」に属する「貧乏人の若者達」で構成されたものだったりするのですが、英国の
産業革命が起こる以前から、人間にあからさまな「階級」を設けており、王族や貴族を頂点に、平均的な暮らしが出来る中流階級、そして、それ以下の暮らし
しか出来ない「労働者階級」と暗黙(あんもく)の区分がなされており、今でも少なからずその風習は残っていたりします。これって今の我々日本人には馴染みの
無い話で、かつての江戸時代まで遡(さかのぼ)らないと分らない文化意識でもあったりします(笑) まぁ、同じ民主主義国でも「違いがある」ことをまず
理解する必要があるんですよね。で、この事により、もちろん「労働者階級」に属する人たちから「不満」が生まれ、若者を中心として社会に対して「反抗」したく
なる衝動を持つ訳です。気持ちはよく分かりますよね。で、更にそこにあったのがレーサー風に改造した「オートバイ」と、当時流行ってた「ロックンロール」と
言うムーブメントに繋がっていく感じになる訳です。まず初期のスタートは、そこからある「カフェ店」に若者達が集まる事から始まります。そのあるカフェとは
「エースカフェ」と言うロンドンにあるファーストフードっぽいショップの事で、ここにあったジュークボックスから流れる1曲が終わるまでに、街中を2台の
バイクが「レースをする」と言った遊びが流行っていく事になり、これが時と共に大きな「社会現象」となって行くんですよね。大体、時代的には50年代から
60年代に流行ったもので、70年代前半あたりから衰退していく事になります。で、もちろん街中で無謀なレースをする訳ですから、事故が多発し多くの若者が
この行為により死亡してしまいます。また、同時期に流行ってた「モッズ(ファッションモードを好む、中流階級の若者たち)」が改造したベスパに乗ってた事で、
ロッカーズとの小競り合いもどんどん表面化し、これら全てを踏まえて国を揺るがす「大きな社会問題」となっていく訳です。またこの時、ロッカーズに乗れてた
オートバイを「カフェレーサー」と呼ぶようになります。人気があったメーカーとしては英国のノートン、BSA、ロイヤルエンフィールド、トライアンフなどが
挙げられます。当然ながら日本車は、まだ今と違い「全然」の時代だったので、それらには含まれません(笑) また昨日あげたハーレーダビットソンからなる
極悪バイカーと比較して、時代的に10年近く早かったので、こっちの影響も微妙に関係してると言えそうです。とにかく当時あったバチカルツインのエンジンを搭載
したバイクを当時のレーサー風にカスタムした車両が「カフェレーサー」と言うジャンルで括られる様になり、現在に至(いたる)とされています。ただし、今の
「カフェレーサー」カスタムは単にフォルムを指してるに過ぎないので、当時の社会現象と同じに語る事はできません。もともとを遡(さかのぼ)るとこう言った
時代背景があって起こったものであると理解すれば、今って単にスタイルだけに魅了されてる事が逆によくわかる気がします。さて、今日はそんな「カフェレーサー」
の誕生と、当時の世間を騒がせた要因「オートバイ=悪」について語りましたが、いかがだったでしょう!(笑)