市販車に特化して「バイクのデザイン変化」を見ていくとその時代の「性能」と「流行」に気がつきます。
まず、60年代までさかのぼると、それまでよりエンジンの大きさと気筒数がコンパクト化されていくことが分かります。
しかし設計的には、レーサーに近いイメージを求めていましたが、技術的にまだそれがうまく反映出来ていません。
70年代に入るとそれにパワーを備え、現在のような合理的なパーツ配置がなされるようになり、
それに合わせてデザインも後追いで工夫されるようになります。
ガソリンタンクのデザインを中心に、サイドカバーやリアカウルなどが装備されるようになり、
バイクに個性が生まれてきたのもこの時代からです。
そして劇的な変化が起こった80年代に入ると「素材とパーツ」、「剛性と空力」に目が向けられ、
レーサーバイクのようなカウル付きが多く登場します。
初期のカウル付きは、エンジンやフレーム構造に合わせてデザインされており、
どうしても無骨で、ぼってりしたものでした。
あまりスマートではなかったですからね。
90年代に入ると、さらに「フォルムを優先」してデザインされたバイクが登場し始めます。
エンジンやフレームは構造的な進化がなされ、ある程度フォルムに合わせることが出来るようになったと考えられます。
4気筒を搭載した車両も随分スマートになり、軽量で扱いやすいものになっていきます。
しかし、ヤマハ「R1」の登場までは、まだまだ80年代からの流れを持ったデザインが主流でした。
2000年を超えると、より個性的なデザインのバイクが登場し始め、
スーパースポーツに関してはエンジンとフレームとカウルが「一体化したデザイン」に変貌していきます。
技術革新が進み、構造にプラスしてカウルを含めたバイクデザインが形成されるようになった訳です。
また、流行によりソリッドなデザインが主流となり今に至ります。
現在のバイクが完成の終着点ということではないですが、
「マスの集中と足回りの進化」で、驚くほど高性能なものになったことは間違いないです。
スポーツバイクはバイクの進化で最先端をいくものですが、
こうして見返していくと、どういった経緯で「ここまでたどり着いた」ことがよく分かります。
今後は、単体のパーツの進化や、電子制御も含めて、
新たなデザインにプラスして、ハイテクがどんどん取り入れられていくことは間違いないでしょうね!(笑)