かつて1970年代にあったホンダの50ccからなるフルサイズのスポーツバイクといえば、代表的なところで言うと、4ストエンジンからなる「CB50(ベンリー)」
シリーズなどが有名ですが、1970年代も後半頃になると50ccスポーツ系も、より走りを意識したスポーティーな車両へと移行し始めます。そのタイミングでホン
ダから登場した原付50ccモデルが、今回少しだけ考察してみたい「MB50」だったりするんですよね(笑)。この「MB50」最大の特徴はエンジンが「空冷式の
2サイクル」だった事です。スチール製ながら本格的なバックボーンフレームに吊り下げ式でエンジンを搭載しており、当時ホンダのオートバイといえばこのホイ
ールですよとなってたコムスターホイールを採用、スピードメーターには原付ながら回転を見るタコメーターも搭載されており、バックミラーはあえての右片側の
み、シングルシート風のシートに9リットル入る三角型で長めのガソリンタンクが搭載されていました。また車重は乾燥重量(ガソリンなどが入っていない状態)
で78kgと軽く、車体バランスも中央に重心をおく設計(マスの中心化)となってて、とてもスポーティーな走りを堪能出来るオートバイとなってた様なんですよ
ね。で、その登場時期は1979年で、翌年には進化版となる「MB-5」へと移行、ハンドル位置などに変更がされるもになっていました。また、そこからさらによ
く翌年となる1982年には水冷式2ストエンジンを搭載した「MBX50」へと進化を遂げていくことになるんですよね。この流れを見ても明らかですが、それまで
の50ccスポーツバイクと異なり、走りを意識したモデルとして、この「MB50」がホンダにとって全ての始まりと言っても過言じゃないと言う感じです(笑)。
で、スペックについてですが、エンジンの最高出力が7.0ps、最大トルクが0.56kg、キャブレターは機械式のピストンリードバルブで、トランスミッションが5速
MT、ホイールサイズは前後ともに18インチで、排気システム(マフラー)は葉巻型のチャンバーが搭載されていました。また市街地での平均燃費は大体35kmと
なってて9リットルからなるガソリン容量から計算すると315kmも走る事になります。さらにフロントはディスクブレーキが採用されており、リアのサスペンショ
ンはシングルのモノサスに近い構造のモノが搭載されてるカタチとなっていました。それまでのホンダの50ccスポーツバイクと言えば「モンキー50」であった
り、「ダックス50」などが人気を集めており、仲間で集うクラブチームやフルカスタム出来るほどのパーツが販売されていましたが、この時代に入ると一気に原
付の世界も速さを追求するモデルなどが登場し始め、各社性能を争う時代へと突入していくことになります。その一端を担うことになった1台がこの「MB50」だ
ったんですよね。さて、今日はそんな懐かしい50ccスポーツの先駆けとも言えるホンダ「MB50」を少しだけ考察してみましたが、いかがだったでしょう!(笑)。