たかが入れ物、されど大きな皮カバン。

 一人でお葬式に行くようになったのは、25歳の頃だったと思う。その頃、父が「お前にこれ、やるよ」とくれた本皮の法衣カバンがこれだ。

 爾来四半世紀…、ぜんせん手入れなんかしなかったのに、よくもってくれたと思う。衣や仏具や、お香や、筆や和紙のハガキなど、色々なものを詰め込んで、さまざまな悲しみや、あきらめの席に同席してくれた大きな法衣カバン。

 今日、把手が切れた。よく見れば、アチコチ剥げているし、皮が伸びきっている。お疲れさまでしたと、ワックスをかけてから別れをつげた。
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コメント
 
 
 
耳より情報 (ミッシェル)
2009-04-24 17:40:14
もし修繕をご希望ならば・・・
東大正門の斜向かいに、カバン専門のドクターがお店を張っています。
やはり東大の先生達が利用しているものと推察しているのですが・・・意外と彼らは知らなかったりして。
なぜなら・・・『とうだい元、なんとか』って言いますもの。
 
 
 
ありがとうございます。 (和尚)
2009-04-25 11:22:31
へぇ、そんなお店があるんですか。丁寧に使われたカバンだと、その修理に耐えるものを持っているんでしょうね。
 だけど、いただいた法衣カバンが出番をまっているので、バトンタッチしてもらうことにします。
最後の駄洒落は、ナカナカです。パチパチパチ。
 
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