筑波嶺の 峰より落つる みなの川

ここのところ、関東地方はよく晴れ渡り、少し高い場所へ行けば江戸の昔から言われる「東に筑波、西に富士」が見える。関東平野から見られるその二つの山は、形がわかりやすい。東京から北へ50キロ上がった今日、特に筑波山の姿がきれいだった。「筑波嶺(ね)の 峰より落つる なみの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる」は陽成院が詠んだ歌。「筑波山から流れでるみなの川がだんだん深くなるように、あなたへの思いが、淵のように深くなっちゃったよーん」という意味。春の兆しがそこここに見られる中、恋する人の心の氷がとけるのを待つ恋する乙女はきっと、たくさんいることだろう。

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