色っぽさの代表格…

多分江戸時代の話だろうと思う。
「目病み女と風邪ひき男」……これが色っぽいものの代表らしい。
時代をさかのぼって『枕草子』あたりなら「いといろめかしもの……」ということころか(こういう時『古語類語辞典』(三省堂)は便利です。現代語から古語がひっぱれるのです)。

 さて、昔は、目の病は、アカシア(だったと思う)で染めた赤い手拭いで涙を福と良いとされていたようで、赤い手拭いで目頭をそっと抑える女性のしぐさは、さぞや色っぽかったのだろう。今もそうかもしれぬ。
 そして、男の色っぽさは、風邪をひいた時の鼻声なんだそうで、ひろみ郷みたいな声のことか。

 今晩の密蔵院ご詠歌で、声がかすれている方がお一人いた。女性だがまるで浪曲師の声である。ご本人はいたく恥ずかしそうな素振りだったが、
「その声もハスキーで色っぽくていいですよ」と言った。

 で、その関連で、「色っぽいものと言えばですね……」と今日のこの話に繋がるのだ。

 そう言えば、「お坊さんって色っぽい人が多いですよね」と仰る女性の方は意外と多いものだ。
古歌に曰く「色で導き、情けで教え、恋を菩提の橋となし、渡して救う観世音」……私はぜんぜん色っぽくないが……。

写真はアカシアに非ず、ブーゲンビリアでございます。┏〇"┓。
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