ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

加計呂麻島余話_1

2011-02-13 18:03:29 | 信・どんど晴れ
9月、松本佳奈が加計呂麻島からの帰省から歸ってきた。
ひょんなことで、小禄嬢が、鎌倉から、三浦金沢市の自宅に遊びに来ていた。
「佳奈ちゃん、加計呂麻島に帰省してたんだね。まあご両親も佳奈ちゃんの元気な姿を見て、
ひと安心さー。」
とのほほんとした顏で、佳奈に言うのである。
「どうだかな。まあ約一名沖繩の方に行きたいという香具師を連れて行ったがな。」
とこの場所で撮影した写真をみつつ、小禄の顔を見た。
「つかさあ、恥ずかしいだろ。女の子同士のお姫様抱っこってさ。」
寫眞の佳奈は、にこやかな顏の追浜彰に対して、むっつりとしていた。
「そーなんだー。一緒に行った女の子、さぞうれしかったんだろうねー。ほんとにお姫様だ。」
と、佳奈の実家の黒糖を小禄はつまんだ。
「まあそういう娘だよ。王子様って言いたいところだが、女同士だからな。」
佳奈は、顏が少し寂しくなった。
「なんでも、横手さんの幼なじみで、高校まで一緒だったらしいとか。」
寫眞の女の子をなめ回すように、小禄は寫眞を拝見する。
小禄は、佳奈のRoommate横手淡雪の同級生である。
學校は違うものの、文化圏が似たような場所の出身地ユエの共鳴だった。
しかし、決定的に違うのは、出身地を誇りに思いつつ上京していた小禄に対して、
出身地を捨てる覚悟で、関東に出てきた佳奈の違いがある。
「この黒糖は、飴みたいだねー。」
と同じく、佳奈がお土産で持ってきたハイビスカスティーを飲みながら答えた。
「飴、か・・・。宮古島の黒糖は粉っぽい。」
と佳奈は燥いた感想を漏らした。
小禄は、難しそうな顏をした。
つづく
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 加計呂麻島記_8 | トップ | 加計呂麻島余話_2 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

信・どんど晴れ」カテゴリの最新記事