ブルーシャムロック

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純情の秋田市に捧げる牡丹.1

2008-11-03 17:15:01 | 信・どんど晴れ
「ついたか。」
ある場所に降り立った、松本佳奈という女性は、つぶやいた。
改札口を降りて、一緒に来た女性たちと目的地に向かおうとしている。
駅名を見ると、「秋田駅」と書かれている。
「お前さんの、言うとおり、家とビルが立ち並んでいるな。お前さんの
どことなく都会的なセンスはこういう雰囲気の場所から生み出されたのか。」
と佳奈は、同行の女性、横手淡雪に質問した。
「皮肉なのかしら?」
そう、淡雪は佳奈の答えに返した。
「佳奈ちゃん、淡雪ちゃんをからかわないの.」
同じく同行の女性、高槻久留美は佳奈に答える。
「ああ、すまんすまん・・。田舎って色々な田舎があるんだ・・・。」
そう佳奈はつぶやきながら住宅地を同行の女性ふたりと歩いていた。
「ねぇ、淡雪ちゃん。あなたの原風景は路地裏にあるとか言っていたよね。
今住んでいる神奈川の街もそれで気に入っていると・・。」
ただ黙っているだけでは、駄目だと思い、
久留美が話を切り出した。
「そうね。私はこういう町で生まれ育ったんで路地裏とか家が立ち込んでいる場所って好きなのよ。」
話がかみ合わない佳奈と違い久留美は淡雪とは妙に馬が合う。
神奈川には進学でやってきて、今説明した2人とルームシェアをしながら
住み始めたが、どうにも自分は一つ屋根の下にただ住んでいるだけだ。
加計呂麻島という沖繩の近くの島で生まれ育った松本佳奈にとって
自分の親戚ですら足を運んでいない東北の秋田市をみたい。ただ
その一心で横手淡雪の帰省に着いてきたのだ。
すると電話のベルが鳴った。
誰の電話だろう・・。
淡雪である。
「もしもし、彰ちゃん、いつ秋田に帰って来たの・・。えっ昨日?
今どこにいるかって、駅を離れて私の実家に向かっている所よ・・・。」
なんだかいらだっているようである。
「おい、今の電話の奴、何か?昔から知って居るみたいだが・・・。」
佳奈は淡雪に質問してみた。
「幼なじみよ。」
淡雪は苛立ちながら携帯の通話終了のボタンをおしていた
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