ブルーシャムロック

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うるま市と垂水(tarumizu)

2016-08-30 20:01:01 | 信・どんど晴れ
横手淡雪は、高田馬場にいた。
秋田の高校時代の男友達が早稲田に進学し、現在高田馬場方面に居を構えている。
彼の誘いで、高田馬場の一角にあるビリヤード場で、ビリヤードをやることになった。
男友達が
「そろそろ、慶応の聯中もやってくると思うんだ。」
と携帯の時計を見た。
「慶応?!ビリヤードで早慶戦か。」
淡雪はにやりと笑った。
「でも、頭痛そうだ。何かあったの。」
男友達が言う。
「うん。先日大酒飲みの高知出身の女の子が余りにも酒癖悪くてね、川面漆器のカレー皿ぐらいの皿に
酒を満たして、ビビらせるために飲んだ。」
と淡雪は言う。彼女とて酒豪の域に入るのだが、余りにも無謀だった。それでもコイツは脅かさないとね
とその時思ったのだ。
「そんなことをするなんて・・・。」
男友達は呆れていた。
「おう。来てやったぞ。」
縦横大きいのと痩せた男が現れた。
多分この痩せた男と縦横大きいのが慶応の学生だろうと淡雪は思った。
「xx、oo,紹介するよ。高校時代の友人の横手さんだ。」
淡雪は男友達の紹介に合わせて、
「現在は大船の女子大に在籍している秋田出身の横手淡雪です。」
と会釈をした。
で、慶応の学生の自己紹介になっていったのだが、痩せた男が沖縄のうるま市出身、縦横大きいのが
鹿児島の垂水出身らしい。
「私のクラスメートもちょうど沖縄と鹿児島の人なんですよ。」
慶応の二人もびっくりしていた。
どこなんだと二人共聞く、
「鹿児島の市内と浦添市とか聞いています。」
慶応の二人はうんうんと聞いているが、そこまで興味はなかった。
「素人なんてよろしくお願いします。」
淡雪は言う。
まず慶応の二人から。
やはり二人共、なれたカンジ。
次は男友達と淡雪の番だった。
やはり素人は素人だった。
何回かやりこんでいてだいたいコツを掴んで来た淡雪。
その時よろっと来た。この前の酒が回ってきた。
それでもキューを打つ。
打った球は、勢いを上げながらスポ根のBOWLINGのピンを薙ぎ倒す技みたく球が
ホールに入っていく。
「すいません。もしかしたら酒が残っていて、それの勢いかもしれません。」
淡雪は慶応生に言う。
「これがジャッキー・チェンの映画でしか見た事の無い、酔拳か。」
慶応生は目を丸くしていた。
試合は引き分けに終わった。
帰り際に
「実は私ルームシェアをしてまして、一人は石川県、もう一人は奄美なんですよ。」
とみんなに話したのだが、
垂水出身は、
「大島って言えば種子屋久のずっと先の離島か・・・。」
と言った。
うるま市は
「奄美といえば、自分のイメージからしたら宮古や八重山みたいなイメージがする。」
とぼそっと言った。
沖縄や鹿児島の本土の人間にはわからないのかなと後年淡雪は振り返った。
数日後、淡雪はクラスメートに話したのだけれども、
慶応の学生の出身地に土地勘のある 鹿児島出身の永薗幾は、
「垂水出身の人がいたんだ。垂水といえば鴨池からフェリーがあるけれども あのフェリーは桜島フェリーより便数が無いんだ。」
とか、
沖縄出身の小禄(假名)は、
「うるま市って、沖縄の県央にあるんだよね。昔石川って言われていたけれども・・・ 彼はうるま市のどの集落出身なんだろう。」
とか言う・・・。
それにしても関東においては鹿児島の本土と沖縄の人が南日本は多いのかなと 淡雪は思う。
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