ブルーシャムロック

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加計呂麻島記_7

2011-01-16 18:05:20 | 信・どんど晴れ
「姉ちゃん、歸ってきたのかよ。」
絶句していた、佳奈の後ろから若い男性の声が聞こえた。
「あ・・。」
佳奈は振り向いた。
「この人、誰だっけ?」
弟は、振り向きながら彰を見た。
「初めまして、追浜彰です。お姉さんのRoommateの友人です。」
と簡潔に説明した。
「この前の冬、淡雪と久留実さんが来たけれども、そのまた・・・。」
不思議がった弟に、佳奈が
「そうそう、彼女とは秋田でであったんだよ。」
と割ってはいる。
「秋田か・・。結構物好きだね。この奄美は暑いぜ。」
と言う。
「実を言うと沖繩や南の島にあこがれていて、佳奈ちゃんにせがんで来ました。」
と弟の顔を見る。
「彰、あいつ結構氣にいったんだろう。」
と苦笑した。
「そうだね。ところでBeachって何處だっけ?」
彰は弟に聞く。
「この家の後だよ。」
とさす。
1時間後、
佳奈は彰に誘われて海で泳ぐことになってしまった。
家の浦の浜辺に水着を着用して行くことになる。
「ところでさあ、佳奈ちゃんの家の広い敷地は何の畑だっけ。」
彰はふと質問した。
「あれは、サトウキビだ。」
と簡潔に説明するのは佳奈。
「サトウキビか。もう収穫のシーズンは終わってしまっただろうね。」
彰は残念そうに言う。
「今年収穫した黒砂糖がある。食べてみるか。これを鎌倉の小禄の家に送ってやるか・・。」
と佳奈は言う。
「小禄さんって?」
彰は不思議そうに質問した。
「元元淡雪のクラスメートだが、沖縄出身でいろいろあわないことがあったので
文化が近い私が話し相手になってやったんだ。まあそれで両親の実家がある宮古島の
サトウキビを持ってきて、私の実家の其れを持って行ってやろうとしてね・・。」
と、佳奈はつらつらと話した。
「どっちみち、私には関係がないことだけど。」
と彰は海の方を見た。
「準備体操はするんだよな。」
佳奈は彰を見る。
黙って頷く彰。其れと見る佳奈。
しかし、佳奈のハイレグ競泳水着がほつれているような気がすると佳奈は思っていた。
数分後、なぜだか其れは破れた。
とんでもないことになってしまった。
「あ、ちょっとまってろ・・。」
佳奈は実家の方に駆け出した。
叢に隠れている彰に
「これ中学の頃に買って貰ったSepareteなんだが。」
と恥ずかしそうに差し出した。
其れを着た、彰は
「ギンガムチェックで、佳奈ちゃんのImageとはほど遠い。」
と漏らす。
しばらくして、近所の小学生も現れた。
「佳奈ーっ。そこのねえちゃんは東京のお姉ちゃんか?」
スク水の男女は興味深く彰を見る。
「まあそういうところだ。」
と佳奈は説明した。
彰は彼らと仲良く遊んでいる。
そして、記念撮影をしたのだが、
なんと彰を佳奈がお姫様抱っこする写真を堂堂と撮る。
「女がお姫様抱っこして如何するのだ。」
佳奈はそうモラすが、
「佳奈ちゃんだからいいんだよ。」
と彰はまんざらじゃなかった。
なんだか、不思議な帰省である。
つづく
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