ブルーシャムロック

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山羊の頭なスープ_2

2010-09-02 20:32:59 | 信・どんど晴れ
「思わないわな。」
佳奈は表情を崩さずそう言った。
「でも、こっちの食べ物は全くわからないわけー。」
小禄は、無神経にそう言った。
「或る意味我々には仕方がない。だが、東北や北海道の人間にとっては
其れが普通だ。特に魚にたいしては、こだわりがあるのだろう。」
佳奈はまだ表情が硬いままだ。
「佳奈さん、まだ表情が硬いよ。」
小禄は恐縮しているようだった。
「堅いのか・・・。まあこういう風にしなければ關東では嘗められると思っているのかな。」
佳奈は自分のことを説明した。
「まえにも話したけれども、佳奈さんは大阪に就職する事が決まりかかっていたとか。」
小禄は、佳奈の表情を伺っていた。
「ああ。でも、補欠合格で現在在籍している大学に行けることになって、大阪に行く事を
やめたのだ。」
佳奈は、少し表情がゆるんだようだった。
「でも、大阪の方がリラックスできたんじゃないの?私が考えるんだけれども
奄美の人結構いるし。」
小禄は自分が知っているだけの情報を述べた。
「多いね。だからこそ、大学に行くんだったら關東に行くと決めた。沖縄や鹿児島の本土地方の
人間は言うに及ばず、東北や北陸の人間が多い土地でどうやっていくか。」
佳奈がだす自重したけぶった笑い。
「でもー。肩に力が入りすぎて、關東がますます襲いかかってくると言う事もあるよ。」
普段であるならばのほほんとした感じの小禄であるが、彼女なりの意地悪だったのだろう。
つづく
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